チームナーシングへの理解を深めよう!基本知識やメリット・デメリットを紹介

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看護方式の一つとしてチームナーシングという考え方があります。すでに導入している病院は多いようですが、現場で働く看護師の誰もがよく理解できているとはいえないようです。

ここでは現代医療のベースとなっているチームナーシングの基礎知識を紹介しながら、その特徴や注意点、メリット・デメリットを見ていきましょう。

チームナーシングとは

そもそも看護方式って何?

チームナーシングは現在採用されているいくつかの看護方式のうちの一つです。

看護方式とは、患者やその家族に対して効率良くまた質の高い看護サービスを提供するという看護管理の目的のために考え出された方法です。看護師を単位に分け、組織化することで漏れのない看護ケアを提供していきます。

看護方式は時代とともに変遷してきており、その時々に必要とされる配置人数などの考え方と大きく関わってきています。

戦前は受け持ち方式が主流でしたが、第二次世界大戦後にアメリカ指導のもと、本格的な看護管理・教育・実践方式が導入されました。しかし戦後間もない頃は、看護師不足の事情もあり、合理的な「機能別看護方式」が広く採用されていました。

チームナーシングが日本に紹介されたのは、1961年のことです。コロンビア大学ティーチャーズカレッジで開発されたこの方式は、「患者中心の看護」として受け入れられ、普及していきました。

チームナーシングの基本的な考え方

チームナーシングは一つの病棟に所属する看護師を、複数のチームに分ける方法を取ります。チームごとに一定数の患者を受け持ち、情報を共有しながら看護ケアを実施していきます。

先の説明に出てきた「機能別看護方式」では、一人の患者に対する看護ケアを複数の看護師で分業して行います。チームナーシングはこの発展形ともいえる方式で、チームを組むことで入院から退院まで責任をもって担当していきます。

チームナーシングではチームリーダーを中心に、経験年数や技術、看護スキル、専門分野などが異なるメンバーを配置して効率の良い看護の実施を目指します。

チームの分け方については、病院や病棟それぞれに方法が異なります。例えばいくつかの診療科が混合している病棟の場合、診療科ごとにチームを組む方法があります。

また一つの診療科だけの病棟の場合は、患者の重症度合いや感染症の有無などによりそれぞれにチームを配置するという方法もあります。

チームを組む期間も病院によりまちまちです。日単位、週単位でチームメンバーが変わるところもあれば、長期間同じチームで働くところもあります。

「固定チームナーシング」と呼ばれる方式では、年単位でチーム編成を維持します。長期間同じチームで働くことで協働意識が強化され、患者に対する責任と看護の継続が安定します。

チームナーシングの普及以降にも、その不備を改善した方式が開発されてきましたが、今でももっともベーシックな看護方式として採用されていることがわかります。

看護師の個々の能力は、年次や経験によって差があります。個別の力をチームとして組み合わせることにより、一人ひとりの能力が最大限に活かされ、また看護師が成長する機会も得られます。

現代医療でもっとも重要となる「チームで働く力」が養われ、リーダーシップの育成の場ともなります。

チームナーシングは、もともと患者本位の体制づくりのために開発された方式です。チームで業務に当たることで、漏れや隙間のない充実した看護ケアの提供が容易になります。

他のおもな看護方式

現代の医療現場で採用されている、チームナーシング以外のおもな看護方式について見ておきましょう。

プライマリーナーシング

プライマリーナーシングは患者一人に対して、一人の看護師が入院から退院まで一貫して担当する看護方式です。担当となる看護師を、プライマリーナースと呼びます。

プライマリーナースは単に患者の看護を行うだけではなく、患者の状態に適した看護計画を立案します。自分が立てた看護計画に沿った看護を実施し、最後まで責任をもってケアを継続していきます。

もちろん休みの日には他の看護師が代わって業務を行いますが、主体となるのはあくまで担当の看護師です。

日々変化していく患者の状態について、一人の看護師がしっかりと観察することで安定した看護ケアを行うことができます。プライマリーナースには鋭い観察眼と、状況把握の能力、さらにそれをもとにした将来予測の力が求められます。

看護計画は患者の様子を見ながら、立案し、また随時見直しが行われます。

プライマリーナーシングの場合、良質な看護ケアが提供できるかどうかは担当看護師の看護観や経験、スキル、看護技術に大きく影響されます。

そのためプライマリーナースの感じるプレッシャーは、決して小さいものではありません。特に経験が少ない看護師や、初めてプライマリーナースとなる看護師にとっては、重責となります。

しかしプライマリーナーシングといっても、一人の看護師が孤立して業務にあたるということはありません。いきなり担当を任されるわけではなく、最初は先輩看護師と一緒に担当することが多いようです。きめ細かなフォロー体制やこまめなカンファレンスの機会を通し、徐々に一人前のプライマリーナースへと成長していけます。

一人の患者に焦点を定め、全霊を傾けながら自分が立案した看護計画によってケアを行い、日々の回復を感じられるとき、看護師としてこの上ない充足感を得られるはずです。

プライマリーナーシングでは、患者の看護師に対する強い信頼が育ちやすいことや患者のニーズをつかみやすいことといったメリットがあります。また看護師の専門性を高め、成長を促すことにもつながります。

一方で、看護師が責任を重く感じ、大きなプレッシャーを受ける可能性があります。

看護師の個々の能力が直接的に看護ケアの質を左右するため、看護サービスにばらつきが出る恐れもあります。また患者に関するデータや看護上の気づきなど、情報共有がしづらいというデメリットがあります。

モジュールナーシング

チームナーシングとプライマリーナーシングの良い点を取り入れ、融合させたのがモジュールナーシングです。

他の看護方式が西欧で開発されたのとは違い、日本国内の事情に合わせて考え出された方式です。背景には、日本の看護師数の確保の難しさがあります。

モジュールナーシングでは、病棟内の看護師をいくつかのグループ(モジュール)に分け、そのグループが担当患者に対する責任を共有します。グループに所属する看護師は複数の担当患者を受け持ち、プライマリーナーシングと同様に入院から退院までのケアを行います。

各看護師が担当の患者をもつところはプライマリーナーシングと似ていますが、責任の所在がグループに託され、安定した質のケアの継続と情報共有が実現できます。

また個々が担当患者をもっているため、やりがいが感じられ、仲間のバックアップもあるので安心です。

ただ、2つの方式の利点を兼ね備える一方で、それだけ中途半端になりがちというデメリットもあります。プライマリーナーシングほど個人の重責がのしかかるということはないものの、逆に責任の所在が明確でなくなる可能性があります。

またチームメイトはいても、チームナーシングほど受け持ち変更を自由に行えず、柔軟性に欠いているといえます。現実的な折衷案ではありますが、全ての課題を完全にクリアできる方式とはいえないようです。

PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)

最近チームナーシング方式と組み合わせて実施する病院が増えているのが、パートナーシップ・ナーシング・システム(PNS)です。

安全で質の高い看護を提供することを目的として、2人の看護師がペアを組み、対等な立場で補完・協力し合う体制を指します。

PNSを、1年単位でチームを結成する固定チームナーシングと併用することで、ユニットが多彩になり、一人ひとりの力がより発揮されやすくなると期待されています。

パートナー同士で成果と責任の共有がなされることで、自発的な行動をとりやすくなり、お互いの相乗効果が生まれます。また情報共有の漏れがなくなるという点でも優れています。

チームナーシングのメリット・デメリット

チームナーシングは、現代の医療現場における看護師の配置体制のベースとして活用されている方式です。チームナーシングを導入するメリットとデメリットについて見ていきましょう。

チームナーシングのメリット

チームナーシングのメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

  • メンバーの力量の不足を補える
  • メンバーの能力をうまく活用できる
  • 一定水準以上の看護を提供できる
  • チーム内のコミュニケーションを保てる
  • 成長に合わせた無理のない配置が可能
  • インシデント発生を抑制
  • 業務負担を軽減できる
  • 患者の満足度に貢献できる

チームナーシングは一人がすべて任されるのではなく、チーム全体で患者の対応を行い、個人をフォローします。

新人や異動したばかりの看護師など、まだ業務に慣れない場合には一人に現場を任せるのは不安があります。また人によっては得手不得手があるため、技術的にムラがあることも否定できません。

チームナーシングでは看護師の個性を活かしながら役割をうまく分け合うことで、業務の円滑化を図ります。個人の能力差を利用し、チーム全体で不足を補い、能力を引き出していきます。

プライマリーナーシングの場合、一度担当となった患者とは濃密な関係が継続します。万が一患者と気が合わない看護師であったり、患者の目から見てもスキル不足と感じたりする場合には、病院に対して不満を募らせる原因となります。

複数の看護師が対応に当たるチームナーシングならば、適度な親近感を保ちながら、一人の看護師の対応から発生する何らかのリスクを抑えられます。何か不満があっても話しやすい看護師に伝えられるため、患者の満足度も高くなります。

チーム全体で目標をもちながら業務を行うことで、各看護師のスキルを養います。

個人の足りないところを補い合いながら業務を進めるうちに、お互いに習熟度を向上させていくことができるでしょう。

チームナーシングのデメリット

チームナーシングには数多くのメリットがあることが理解できます。しかし、デメリットはないのでしょうか。

  • 責任の所在が明確でない
  • メンバーの能力に格差があるとやりづらい
  • チームリーダーへの負担が大きい
  • 責任感にばらつきが出る場合がある

プライマリーナーシングでは、一人の患者を一人の看護師が担当してしっかりと看護するため、責任の所在が明らかです。看護師にとっては重責となりますが、患者の側から見ればこれほど安心なことはありません。

チームナーシングでは担当の看護師が複数人となるため、顔なじみにはなりますが「どの看護師が自分の担当なのか」という不安感をもつ場合があります。

チームナーシングは看護師の力量やスキル・経験値を見ながら、チーム編成を行っていきます。チーム全体から見るとバランスがとれていても、内部的には能力に格差が目立つという場合もあります。

能力の高い側から見ると何かと負担を押しつけられ、低い側から見ると見下されて仕事がやりづらいと感じるケースもありそうです。

チームナーシングで質の良い看護が提供できるかどうかは、チームリーダーの采配が大きく関わります。リーダーの責任は非常に重く、チームメンバーの協力体制が構築できないと業務の遂行は困難なものとなります。

チームナーシングでは新人など力量が不足している看護師でも、あまり負担を感じずに仕事を進めていける一方で、個人としての責任感が希薄になる可能性もあります。

「みんなで」仕事をすることで、各人の自覚が不足し、他人任せになったり依頼心が出てしまったりする可能性もあります。

チームナーシングの欠点を補うために、いくつかの方式を組み合わせたハイブリッド型の体制を敷いている病院が多いようです。

チームナーシングの考え方をベースとして、プライマリーナーシングと融合させた「モジュールナーシング」や、チーム内にパートナー制度を設けた「PNS」などの採用が進んでいます。

どの方式が適当なのかは、病院の運営体制によっても違ってきます。

大切なのは患者の側から見たときの信頼性や安心感と、現実に即した看護体制が実現されることといえるでしょう。

チームナーシング導入時の注意点

チームナーシングは一つの方法に過ぎません。実際の現場でどのように運用していくのかによって、その効果が大きく変わります。

例えばチームで動くことには、良い点が数多くありますが、一方で弊害も起こります。

情報共有の仕方について

情報共有はチームナーシングの要ですが、カンファレンスに時間がかかり、業務を圧迫したり業務時間を長引かせたりするようではうまく機能しているとはいえません。

評価ポイントを決めるなどして情報共有の業務効率化を図るといった、各時点についての工夫が求められます。

責任の所在について

またチームナーシングで問題視されがちな責任の所在についても、明確化するための配慮が必要です。

例えば担当の患者に対してはチームメンバーを明らかにし、「〇〇から聞いています」「明日〇〇が処置をします」というように、「私たち」の存在を強調するといった方法もあります。

大切なのは「複数の看護師が入れ代わり立ち代わりしているので、誰に話してよいのかわからない」といった印象を与えないことです。チーム全員がケアに当たっているという安心感を上手に患者に示すことが重要です。

他のチームとの情報共有について

固定チームナーシングを採用している現場で聞かれるのが、チーム内のみの情報共有に陥りがちになるという声です。チーム内での共有はしっかりとできていても、同じ病棟の他の患者の様子がまったく見えないというのでは、良くありません。

病院ではいつ何があるかわからないため、他のチームの動きについてもある程度の情報は必要です。定期的にチームリーダー同士での意見交換を行い、留意すべき点についてはチーム内で共有するなど、チームごとに孤立しないという点にも注意が必要です。

チームナーシングはチーム全体で患者のケアに当たりますが、いつもチームメートがいるこということで慣れが生じる可能性が大きくなります。

「誰かが気づくだろう」「自分がしなくても大丈夫」といった甘えや慣れは、大きなインシデントにつながります。複数の目が確実に機能するために、お互いに声掛けや確認をいっそう意識して行うことが大切です。

計画表を作成しそれに沿った看護を行っているようでも、同じ担当患者のケアが続くと形式化し、見落としが生じることもあるようです。計画表の更新を周知し、常に緊張感を意識しながら業務に当たる姿勢を徹底します。

問題点が挙がっていても日々の業務に流されて、いつの間にかそのままになるという指摘も多いようです。時間軸で問題を考え、継続させるような組織づくりが求められます。

チームナーシングのリーダーシップ

チームナーシングが正しく機能するためには、リーダーの存在が大きな役割を果たします。しかし「リーダー」と聞いただけでその負担と責任に、尻込みしてしまう看護師は少なくありません。

チームナーシングの効果を引き出すための、リーダーシップについて考えていきましょう。

リーダーの業務と求められる資質

リーダーの役割については以下のようなものがあります。

  • 計画の立案と修正
  • 状況の把握と判断
  • 方向性の指示
  • チームメンバーの掌握
  • メンバー間の調整

看護師業務では、患者に対しての看護計画の立案やチーム全体の業務計画などがなければ、次の行動が決められません。

リーダーはメンバーの意見を取り入れながら、こうした一連の計画の立案を実施します。また状況に応じて軌道修正を行い、常に最善の看護が提供できるようにしていくこともリーダーの務めです。計画の立案については、専門性の高い看護知識や経験が求められます。

リーダーはその時々において状況把握に努め、できるだけ正しい判断をしなければならない立場にあります。そのためには情報収集能力と的確な判断力が必要とされます。

他のスタッフやチームメンバーからの報告をもらい、正しい情報を集約するためには、話しやすく人望があるといった人間性もカギとなります。

「リーダーシップを発揮するのが苦手」という声をよく聞きますが、強い姿勢で出ることがリーダーシップであるとはかぎりません。穏やかな物腰であっても、語る内容に説得力があればそれはリーダーシップの一つの形です。

先に挙げた情報収集能力とそこから分析した結論により、より良いと思われる方向性を示すのがリーダーの役目です。さまざまな意見に耳を傾け、ときに疑問を投げかけるなど柔軟な姿勢を心がけます。

各看護師の力を活かす手段を考えてまとめ、最終的に組織の目標を達成する方向へと導きます。

チーム全体が力を十分に発揮するためには、メンバーの力量や気持ちを十分に理解し掌握する必要があります。独り善がりにならず、メンバーの協力こそが力を生むことを常に意識しなければなりません。

メンバー間の衝突やいざこざの緩衝役となり、調整を行ってチームをまとめ上げていきます。

リーダー業務について把握しておきたいこと

チームナーシングにおけるリーダーに指名された場合、どのようなことを理解しておくべきなのでしょうか。

看護師として成長する機会

多くの病院ではリーダーに起用されるのは、5年目以上の看護師であることが多いようです。ただ年次だけではなく、経験や資質といった点でリーダーにふさわしい看護師であると認められなければ指名されません。

逆にいえば、リーダーに指名されるということは看護師としての成長の証しであるともいえます。またリーダーの経験を通し、さらにステップアップする機会が与えられます。

確かに負担の大きい職務ではありますが、今後の看護師人生にとってかけがえのない糧となることは間違いありません。

誰でも経験のないポジションには不安を抱くものですが、引き受けるからには今ある自分ができることをするという気持ちで、むしろ開き直るくらいがよいかもしれません。

求められている役割の把握

リーダーに指名されたときにまず明確にしておくべきなのは、リーダーに求められる具体的な役割です。同じチームナーシングであっても、各病院によって体制は異なります。

どの程度の人員によってメンバーが構成され、自分が何をするのかをはっきりとさせておかなければなりません。

この場でどのような働きが求められているのかを自覚していなければ、チームを率いるのは困難です。

中にはその役割の重さに戸惑い、悩む人もいるでしょう。しかし、目の前のことを一つずつこなしていけば、必ず道は開けます。何よりも忘れてならないのは、チームリーダーは単独のものではなく、チームあっての存在だということです。

メンバーの力がなければ何もできません。けん引役であることは間違いありませんが、先頭に立とうとせずに、むしろ陰からみんなを支える役割となることを覚悟しておくと余計な反発を招くことはありません。

リーダー業務をうまくこなすためには上から指図するのではなく、自身が動いていくことです。そこを履き違えなければ、自然にメンバーがついてきてくれるはずです。

またメンバーを信頼しなければ、自身も信頼を得られないという点も忘れてはなりません。

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