看護師のサービス残業は当たり前?知っておきたい看護師の労働時間に関する法律

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看護師はとにかくなかなか帰れない職業というイメージがあります。

慢性的な看護師不足の中で、正規の就業時間を超えて残業する看護師が、もはや当たり前のように受け止められる傾向があるようです。

看護師の残業は一般の仕事と比べてどれくらい多いのでしょうか。またその残業にきちんと対価が支払われているのかも気になります。

看護師の残業の実態と、労働時間に関する法律について解説していきましょう。

公に把握されている看護師の残業時間

10時間以下がもっとも多い

日本看護協会の調べによる看護師の平均残業時間は次のようになっています。

  • 10時間以下:34%
  • 10~20時間:25%
  • 20~30時間:18%
  • 30~40時間:9%
  • 40~50時間:6%
  • 50~60時間:3%
  • 60時間以上:4%

申告されている残業時間でもっとも多い割合は月10時間程度で、これは1か月22日勤務の場合、1日あたり30分ほどの残業となります。次に多い10~20時間であれば、30分から1時間程度の残業です。

一方、厚生労働省が毎月発表している「毎月勤労統計調査」のデータでは事業所規模5人以上の企業における「所定外労働時間」を、月10.2時間としています。

この数字だけを見ると、ほかの仕事と比べても看護師の残業は平均的といえます。しかし、6万人以上の会社員が登録している口コミサイトでは、10.2時間を大幅に上回る47時間という残業時間が報告されています。

社会的にも過重労働が問題になっていることを考えると、看護師にしろ、一般的な会社員にしろ、月10時間前後の残業では済んでいないように思われます。

公には残業時間としてカウントされていない、サービス残業や雇用側の隠蔽などが潜んでいそうです。

残業代の金額規定

労働基準法の法定割増賃金率では、残業代は次のように定められています。

  • 時間外勤務:25%以上割増
  • 休日勤務 :35%以上割増
  • 深夜勤務(22時~5時):25%以上割増
  • 時間外勤務+深夜勤務:50%以上割増(25%+25%)
  • 休日勤務+深夜勤務 :60%以上割増(25%+35%)

例えば基本給が25万円の場合、時給換算すると1,500円弱となりますが時間外勤務では1時間1,875円です。月10時間残業があるとすれば、2万円近くの残業代です。

きちんと残業を申告できれば、収入が大きく変わる可能性もあります。どうしても残業が避けられないのであれば、法で定められた賃金を受け取るのが労働者として当然の権利です。

看護師のサービス残業

サービス残業の時間数

全国の病院勤務看護師に対するアンケートによると20歳から30未満の看護師の約半数近く、30歳から40歳未満の看護師の場合は4割近くが月20時間以上の残業をこなしているという回答がありました。

さらに20歳から30歳未満の看護師の約9%、10人に1人弱の割合で月50時間を超える残業をしているというアンケート結果も出ています。

これは先ほどの公に把握されている残業時間数と大きく食い違っていますが、その原因がサービス残業の多さです。

看護師の月平均時間外勤務いわゆる残業時間の実態は23.4時間といわれていますが、その内申請しているのはたったの8.3時間だけというデータもあります。

主任などの中間管理職の看護師はもっと厳しい現状があるようで、平均時間外勤務28.2時間のうち申請している時間は8.0時間程度です。

病院によっては管理職に対しては、時間外手当が支払われないケースもあります。

残業代未払はどれくらい?

先ほどの時給1,500円の場合、1時間当たりは1,875円の割増になります。

例えば25時間の残業があれば残業代は5万円近くになりますが、8時間分の申告では1万5,000円にしかなりません。これを年間ベースで考えると、40万円以上も損することになります。

看護師は一般的な職種よりも高給取りなどと言われますが、過酷な労働条件から見ればもっと高くなっても不思議ではありません。

残業代が正常に支払われていれば、看護師の手取り収入はさらに上がるはずです。サービス残業の改善は、看護師不足の解消にもつながる可能性を持つ課題といえるでしょう。

前残業・研修・自宅持ち帰りもサービス残業のうち

看護師の残業では、急患や申し送りなどにより勤務時間が伸びるといった目に付きやすいもののほかにも、見逃されやすい時間外の労働があります。

例えば、さまざまな準備や打ち合わせのために定時よりも早く出勤する前残業、研修やリンク会議への出席、自宅への仕事の持ち帰りなどが挙げられます。

しかしこれらを残業として、申告している看護師はあまり多くないようです。

日本看護協会の調査では、前残業の月平均時間は10時間で、1日あたりでは約30分となっています。前残業を残業として扱わない管理職は68%、残業申請しない看護師は98%に上ります。

看護師は常に学習や自己研鑽が求められ、研修もひんぱんに行われます。

調べによると75%の看護師が月に約4時間程度の勉強会や研修に参加していると回答していますが、9割は残業申請をしていません。また管理側の6割は、残業として認めていないというのが実情です。

研究会や勉強会のための資料作成なども、看護師業務の一環ですが、院内では時間が取れずに自宅に持ち帰って作業を行うという看護師は少なくありません。こちらについても、残業として扱われることはさらに難しくなります。

日本看護協会によると、上司の明確な指示により持ち帰りの業務が発生したという記録があれば、残業として申請できる可能性があるようです。しかし実際には、看護師の99%は残業申請をしていません

ローカルルールの悪しき慣習

サービス残業が発生する原因のほとんどは、慣習的な考え方によるものです。

例えば業務が時間内に終了できないのは、「要領が悪い」看護師側の責任とされ、残業申請しづらい雰囲気があるといったことです。

始業の前に出勤して業務の準備やミーティングをするのは、当然とされ、例え上司からの指示によるものでも、残業扱いしてもらえないという声もあります。

特に新人の看護師は1時間も前に出勤しなければならないのが、通例となっている病院もあります。

研修会や勉強会は明らかに業務の一環のはずですが、「自己研鑽」のためなので時間外労働にはしないという病院が多いようです。

中には休日に勉強会に出席しなければならないにも関わらず、時間外手当が出ないというケースも聞かれます。

社会の規範に照らし合わせると残業代を請求して問題ないことでも、ローカルルールによる暗黙の了解があり、残業としての申告が許されない状況に陥っている傾向にあります。

看護師の労働時間に関する法律

労働基準法の中の看護師

厚生労働省サイトには、労働基準法で定める法定労働時間について次のような表記があります。

  • 使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。
  • 使用者は、労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけません。
  • 使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければなりません。

しかしこれは一般的な職業についての規定であり、看護師がこの条件で働くことは不可能です。

2交代制を取っている場合には、夜勤勤務だけでも16時間以上の連続労働となり、とても基準通りにはいきません。8時間ごとに勤務が置かれる3交代制であっても、労働基準法の原則には従っていません。

看護師を含めた特殊な仕事では、労働基準法の範囲外でなければ業務が果たされない場合もあります。

2交代制の夜勤勤務のように、労働基準法で定められた時間枠以外となるものについては、「変形労働時間制」が適用されています。

これは、あらかじめ労使協定や就業規則で規定しておき、労働者側の了解を得ることで決められた期間内の労働時間を業務に合わせて定められるというものです。

多くの病院では1か月単位で見たとき、週40時間労働が平均して守られるようにシフトを組みます。この方法であれば、16時間以上となる夜勤勤務も違法ではなくなります。

夜勤については通称「72時間ルール」と呼ばれる規定により、診療報酬の入院基本料算定ルールに基づいて、時間数の制限が設けられています。

このルールに従って、ひとりの看護師ができる夜勤回数は2交代制であれば月4回までと制限されます。

ただし夜勤専従の看護師については、このルールの適用外です。夜勤専従看護師には、月当たり144時間という夜勤勤務の時間制限があります。

規定されていても実情とはズレが生じる

法律上は看護師の労働環境が最低限守られるようなしくみが置かれていますが、実際の現場は病院の運営次第となっています。

夜勤自体の回数や時間設定は労働基準を満たしていても、時間外労働が伸びてなかなか帰宅できない看護師の実態をよく耳にします。

病院の雰囲気によっては、「月〇時間以上の残業を申請できない」といったいわゆるブラックな職場も存在するようです。

労働基準法36条では時間外労働や休日勤務などを命じる場合に関する、労働組合などとの協定について義務づけています。

しかし、サービス残業のように表面化しない時間外労働については、どのような規定を作ったとしても管理から逃れてしまいます。現場の看護師たちがサービス残業の実態を明らかにし、改善を求めていかない限り、正常化はできません。

通例や慣行を止めて、働いた分の対価をきちんと受けとる。ムダな作業をできるだけ排除して、ひとりひとりの業務負担を減らす。

このような病院全体の運用を根底から見直す英断がなされなければ、サービス残業という現状は変えられそうにありません。

サービス残業に苦しめられない職場を探す

残業の少ない診療科への転向

大規模な病院や、グループ経営の医療施設などであれば、残業の少ない部署へ異動の希望を出すという方法があります。

一般的に残業が多いのは、外来よりも病棟です。また診療科によっても、残業時間には差があります。

看護師の残業の多い病棟では、ICU・CCU、救急部、脳神経外科などが挙げられます。残業が少ないと言われる科は、精神科皮膚科眼科耳鼻科といったところでしょう。

施設内での異動が可能で、こうした部署への配属が叶えば、勤め先を変えずに過重な残業から解放されます。

ただし、例えば手術を多く受け持っている病院では眼科や耳鼻科であっても、残業が増える可能性があります。病院の性格や業務内容を良く確認して、転属願いを出す必要があります。

残業の少ない医療施設への転職

もっとも確実なのは、残業の少ない医療施設に転職する方法です。

定時で閉院する診療所クリニック企業内の医務室など、残業がまったくないか、あってもごく稀という職場ならば時間外労働に苦しむことはありません。

ただしこうした求人の人気は高く、競争率が激しい傾向にあります。また時間外労働がないため、収入がダウンする覚悟も必要です。

加えて大規模な病院とは違い、看護師としての看護ケア技術の向上や、キャリアアップが難しくなるということも理解しておく必要がありそうです。

労働を公正に評価してくれる転職先へ

転職にあたっては残業の多い・少ないに加え、時間外労働が発生しても、それをきちんと評価してくれる病院であるかを確認しなければなりません。

こうした内部事情については、個人で転職活動を行っていても知ることができません。

サービス残業をしなくて済むような職場を探すのであれば、転職エージェントの活用がおすすめです。

残業の時間数の把握はもちろん、時間外労働の評価制度や、実際に働いている看護師の動向からサービス残業の有無が推測できます。

例えば比較的新しく設立された病院であれば、古い慣習にとらわれず、残業を減らす取り組みを行っている可能性があります。

また労働環境に対して敏感なトップが経営している施設であれば、サービス残業についても厳しく規制されているはずです。

このような観点から転職エージェントにアドバイスをもらい、転職先を探していけば、必ず良い職場を見つけることができます。

サービス残業が数十時間にも及び、それに対する改善も見られない職場で働き続ければ、いつかは心身が疲れ切ってしまいます。自分を守れるのは自分しかいません

労働を公正に評価してくれる職場を望むのであれば、転職サイトなどを利用し、確実に転職の成功につながるよう、行動していかなければなりません。

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10月は冬ボーナス後の転職や4月入職に向けた動きが活発化!

10月は年内の転職を考えている方が求人を探し始める時期です。「冬のボーナスを貰ってから、転職先を探せばいい」と考えていると準備ができず年内の転職は難しくなってしまいます。

大学病院、総合病院、企業の中には、10月に非公開で来年4月の求人を募集するところも多く、募集期間もとても短くなっています。

新着の条件がいい求人が看護師の転職サイトで非公開求人として紹介されています。転職サイトによって扱う求人情報が異なりますし情報が入る時期も違います。

条件がいい求人を探している方は、複数の看護師転職サイトに登録して非公開求人情報が手に入りやすい状態にしておくといいですね。

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