看護師の離職率はなぜ高い?離職理由・新卒の平均離職率の推移も解説

看護師の離職率
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この記事の目次

【2015年日本看護協会の統計】看護師の年齢別平均離職率

看護師の離職率の平均は高いの?

常勤看護職員離職率は 10.9%、新卒看護職員離職率は 7.8%です。

同年の労働者全般の離職率を見ると、全層での全国平均が15.0%、中卒者から大卒までの新卒者平均は22.3%となっています。

これを見ると、看護師の離職率は決して高いわけではありません。

特に1年目の看護師は、他業種の新人と比較して、腰を据えてキャリアを固める傾向があることがわかります。

専門職という属性上、経験がより重視されることが理由と考えられます。

看護師の年齢別の離職率が知りたい

離職率が高いのは、25~35歳のキャリアとしては中堅に属する、若い年齢層です。

看護師としての知識と経験が安定すると同時に、生活の変化が起こりやすい時期でもあります。結婚、出産によって職場環境を再選択したり、転職によるステップアップを考えたりすることが理由として挙げられます。

給料や教育環境、人間関係から見直す場合が多く、この年代で納得できる職場を探すことで、年齢層が高くなるほど離職率が低くなると思われます。

看護師の離職率の計算方法

看護師の離職率の計算方法が知りたい

看護師の離職率の計算方法は、常勤看護職員の場合、総退職者数が平均職員数に占める割合を求めます。

平均職員とは年度内に在籍する職員のことで、(年度はじめの在籍職員数+年度末の在籍職員数)/2から算出されます。

  • 常勤看護職員の離職率=当該年度の総退職者数/当該年度の平均職員数×100
  • 新卒看護職員の離職率=当該年度の新卒退職者数/当該年度の新卒採用者数×100

新卒看護職員の離職率は、新卒退職者数が新卒採用者数に占める割合から求められます。

看護師の離職率が低い病院と高い病院の特徴

看護師の離職率が低い病院の環境は?

調査結果の概要では、2014年の離職率は常勤看護師で10.8%、新卒看護師で7.5%でした。

これは2013年からは常勤看護師で0.2%減少しており、新卒看護師は変動なしの結果です。

2010年からの推移に大きな変動はありません。離職率が低くなる傾向にあるのは病床規模が大きい職場ということがわかっています。

病床の規模が99床以下の離職率が常勤看護師で12.7%、新卒看護師で14.9%に対して、病床の規模が500床以上では常勤看護師が10.3%、新卒看護師が6.5%になっています。

常勤看護師の離職率が高い病院は?

常勤看護師の離職率が相対的に高い病院は2014年度(2015年)の調査では「医療法人」が13.5%、「社会保険関連団体」が13.0%、「個人」が12.5%です。

2014 年の調査と比較をすると、

「独立行政法人国立病院機構」(+2.9%)、「国立大学法人」(+4.7%)、「日本赤十字社」(+2.6%)、「済生会」(+2.0%)、「厚生農業協同組合連合会」(+4.8%)が増加傾向にありました。

1年目の新卒看護師の離職率が高い病院

新卒看護師の離職率の傾向は?

どちらも病床が増えるごとに減少傾向にありますが、新卒看護師では病床数が多すぎても離職率が高まる傾向があります。

新卒看護師の300床から399床の離職率が6.8%なのに対し、400床から499床の離職率は8.0%に上昇しています。

常勤看護師は病床数が増えるにつれ離職率は減少傾向にありますが、新卒看護師ほどの落差はありません。

新卒看護師の離職率が高い病院は?

新卒の離職率が相対的に高い病院は、「済生会」(10.2%)、「個人」(9.8%)、「会社」(9.7%)などです。

新卒の離職率は、2014 年の調査と比べて「地方独立行政法人(公立大学法人を含む)」(+2.0%)、「独立行政法人国立病院機構」(+1.7%)などで増加しています。

離職率の高い都道府県

都道府県別に見た離職率では、首都圏や主要都市で高い傾向にあります。

常勤看護師は2014年度の調査では関東の東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県で11%をいずれも上回っており、東京都は14.2%と都道府県の中でワースト1でした。

2013年度も14.6%で東京都がワースト1になっています。

新卒看護師は主要都市での離職率は常勤看護師よりも低く、都道府県の中では岩手県がワースト1で12.1%という結果でした。

2013年度を見ると、ワースト1は愛知県の10.9%です。

看護師の離職率が低い病院が少ない理由

看護師の離職率については上記の通りです。しかし、なぜ離職率が高い傾向にあるのでしょうか。

その理由の1つとして、看護師の仕事が過酷であり、無理をして働いている人が多いことが理由としてあげられます。

ハードワークな看護師の仕事

看護師は夜勤があり、シフトの時間も安定していないことが多くあります。

夜に働いたり、三交代で不規則な勤務を続けたりしていると疲れがとれにくくなってしまいます。

2013年度の調査では、仕事内容も大幅に増えたと感じている人が多く、仕事量の増加減少について調査を行った結果、約6割の人が増えたと答えているのです。

身体的な負担が大きい

慢性疲労があると答えた人は74%であり、健康に不安がある人は60%、強いストレスを受けていると感じている人は67%と、いずれも辛い状態で仕事を続けている人が多くいることがわかります。

疲れに関しては、2009年度から変化がなく、ほとんどの人が疲れを感じており、1988年度の調査から7%以上上昇しています。

すなわち、職場の環境は悪くなっている傾向です。

仕事をする人の中には6割もの人が「鎮痛剤」や「睡眠剤」「精神安定剤」などの薬を常用しており、看護師の仕事を続けるのに無理をしていることがうかがえます。

実際に他業種に比べても、2007年に厚生労働省が行った労働健康状況調査では、健康不調を訴えていた人が全産業では17.1%であるのに対し、看護職は35.4%と倍以上も高い結果になっています。

精神的な負担が大きい

過剰なストレスや疲労は、職場環境の影響も高く、ハラスメントもその理由の1つと考えられます。

セクシャルハラスメントを受けたことがあると答えた人は12.7%、パワーハラスメントは26.7%という結果になっています。

セクハラは患者側からが72.4%でパワハラは上司が55.2%、医師からは44.3%という結果でした。

セクハラやパワハラは犯罪行為でもあり、患者と上司など板挟みになりやすい看護師は精的なストレスも相当なものだと考察できます。

疲れがたまる原因はほかにも

時間外不払い労働をさせられたケースが3分の2を超える結果になっているのも、疲労を蓄積させることに関連しています。

サービス残業の他にも、時間前労働も増えており、その傾向は若年層に多くみられます。

また、休憩時間も満足にとれていなく、準夜勤に至っては47.7%が休憩を十分とれていない結果となりました。

社会的に年収が高い傾向にある看護師ですが、仕事量に比べると満足するほどもらえていないと体感している人が多いことも離職率の改善に結びつかない原因の1つと考えられます。

看護師の離職率を減らすためにどうすればいいか

看護師の離職率の改善は以前から話し合われていますが、なかなか改善に至りません。

2017年時点で考えられる離職率減少の改善案として、女性が働きやすいよう労働環境の改善が求められています。

ライフスタイルが仕事に影響を与えやすい

いまだに看護師業界は女性の働いている割合が圧倒的に多く、男性看護師は2012年時点でも約6%と低い水準です。

また、2013年度の年齢階級別の入職率と離職率を男女別で比べた調査では、入職率は男性よりも女性の方が19歳以下の段階で15.3%も低いです。

その後は女性の方が平均的に高いですが、同時に離職率も高い傾向にあります。

要因として、結婚や妊娠・出産などがあり、女性は男性と比べプライベートの変化が仕事に影響を与えやすいことが挙げられます。

これらを踏まえ、女性が妊娠や出産を機に休暇を取りやすく、復職しやすい環境づくりや、男性看護師の増加を推進することで看護師の離職率低下が見込めると考えられています。

妊娠中の労働環境の問題

看護師として働く妊婦さんに調査を行った結果では、順調な経過を送っている人は27.1%にとどまっています。

3人に1人の割合で切迫流産を経験しており、他にもなにかしらトラブルを抱えている人が多い傾向にありました。

ストレスによる切迫流産も

切迫流産の割合は全業種の女性労働者が17.1%なのに対し、看護職員は29.8%と2倍近くいます。

これは、同様なストレスを抱えると考えられる介護職員の24.7%よりも5.1%も高い結果です。

妊婦の状態でストレスの多い職場で働くのは、看護師としての仕事を続けるのに負担になるのです。

なぜ妊娠が順調ではないのかをみると、約3分の1の職員が妊婦であるにもかかわらず夜勤免除されていないことに関連性があるようです。

一刻も早く、妊婦の休みやすく働きやすい環境づくりが求められています。

新卒看護師の離職を防ぐために

新卒の時間外労働の増加などを見るに、労働賃金の手当を支払うなどの賃金処遇の改善も解決の1つです。

夜勤をしなければ十分な収入につながらず、重労働な割にはそこまで給与が高くないため、仕事が割に合わず離職してしまう人も多くいるのです。

また、新卒の初任給は日本看護師協会によると減少傾向にあります。

現場での過酷労働の増加とは裏腹に、給与は減少しているので新卒の離職率が常勤看護師に比べ多くなってしまうのは、ある程度仕方のないことだといえるでしょう。

職場環境改善が看護師不足を解消

今後、職場改善が行われて女性が働きやすい環境になれば、国家資格をもつ潜在看護師の復職につながり看護師の人員確保がとれ、さらなる職場環境改善が見込めると考えられます。

現場の統制をしっかりととり、作業改善や看護師が抱える休暇やハラスメントなどのトラブルを解消することで、以前よりも離職率を下げることができるでしょう。

また、潜在看護師の取り込みに成功すれば、人員不足の改善につながります。

過酷な状況に新卒看護師を入れて体で覚えていくスタイルに固執せず、新卒看護師の教育制度を充実させることができ、無理なく優秀な看護師を育てることができます。

ふるいにかけるような教育スタイルでは離職率の改善は見込めません。

研修制度を充実させることは、復職した看護師にも安心して復職してもらえることにつながるので、メリットが大きいでしょう。

一度は辞めた看護師の道… 職場復帰するにはどうすれば?

看護師を辞めた後、復職に二の足を踏んでいる人も多くいます。

理由はさまざまでしょうが、復職してから自分が戦力になるのか、また、はじめから正社員としてやっていけるのかに不安を感じている人は少なくありません。

少しずつ慣れていけばOK

看護師に復帰するには、なにもはじめから正社員として働く必要はありません。

手始めにパートタイムから働き始めたり、大きな病院勤務ではなく、クリニック健診センターから始めたりするのも良いでしょう。

復職プログラムを賢く利用

転職サイトなどには復職プログラムを組んでいるところもあります。

看護師としてブランクがある人でも、新たな知識や復習ができ、自分の知識を改めて確認することができます。

すぐに現場で試すのが怖い人は、率先して復職プログラムに関わり、看護師の感覚を取り戻していくと良いでしょう。

そして、段階を踏んでいけば看護師として復帰するのは難しいことではありません。

福利厚生を重視してみては

病院によっては、福利厚生に力をいれている所もあります。

以前辞めた病院の待遇面などで働くのが辛かったことを教訓に、自分にあった福利厚生が受けられる場所を探すとく長く看護師を続けやすくなります。

看護師の復職には転職エージェントがピッタリ

転職サイトの中には、専属で転職エージェントが付いてくれるところがあり、自分に合った職場を一緒に探してくれます。

求人募集では記載されていない職場の雰囲気を教えてくれることもあるので、募集前から多くの情報を得られ、安心して面接に挑むことができるでしょう。

復職の際に面倒でもある、職場探しも転職エージェントが行ってくれ、意欲が削がれる前に復職を進められるのも転職サイトを使うメリットの1つといえます。

看護師に派遣社員がおすすめな理由

また、時間外労働や労働時間に関して不満がある人は派遣社員として働くのもおすすめです。

派遣社員として働いた場合、派遣会社に雇われており、派遣会社が病院とあなたの間に入るので厳しく労働時間を管理してもらえます。

そのため、時間外労働として働いた分は普通に働くよりもきちんと支払われ、産休や育休もとりやすい傾向にあるので安心して労働をすることができます。

病院の上司や病院側に休暇や時間外労働賃金の相談をしにくい人もいるでしょう。派遣会社の担当者は、派遣された労働者に対し親身になり現在の労働環境について話を聞いてくれます。

しっかりと場を設けてくれることも多く、自分が不満に思っていることも病院側に直接雇われている場合より相談しやすいでしょう。

女性看護師が働きやすい環境を目指して

看護師は過酷で離職率が高い傾向にあることがお分かりいただけたでしょうか。

結果だけをみるとネガティブな印象を持たれるでしょうが、社会で言われている通り高年収で安定している職種であることには変わりありません。

そして、看護業界全体で看護師の労働環境改善は考えられており、病院によってさまざまな待遇を用意していることもあるほどです。

超高齢化社会に向けた課題

今後、高齢化社会や高齢者の割合が最も増えると予測される2030年問題に向け、さらなる看護師の確保労働環境の改善などが求められています。

医療業界の需要もますます増えることが予想されており、さらに忙しくなる可能性もあるのです。

しかし、同時に見えてくる問題解決を業界全体で意識することで、働きやすい環境整備が整うはずです。

必ずしも多忙な現場が働きにくいわけではありません。

上司や職場仲間の環境づくりや給与面、休暇の割合によっては、ある程度大変な環境でも離職が抑えられることは期待できます。

女性看護師が働きやすい環境を

日本看護協会が発表する看護業界の改善点をもとに、看護業界全体で女性が働きやすく復帰しやすい環境を目指しています。

まだまだ改善点は多いですが、意識をしていくことで徐々に看護業界は変わっていくでしょう。

この記事のまとめ
  • 離職率が低くなる傾向にあるのは病床規模が大きい医療施設
  • 看護師は無理を押して働いている人が多いことが離職率の主な原因
  • 転職エージェントは自分に合った職場を紹介してくれる

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