看護師の離職率はなぜ高い?離職理由・新卒の平均離職率の推移も解説

看護師の離職率
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転職を失敗しないためには、辞める人が多い病院を選ばないようにすることが重要です。職場の離職率が高いのは、職場環境が整っていない1つの目安です。

離職率の高い病院・低い病院の特徴をつかめれば、職場環境の良し悪しがわかります。

転職成功のために、職場環境の良くない職場に転職しないことを目指しましょう。

看護師は業務が過酷なのに離職率は低いって本当!?

常勤看護師の2018年の離職率は10.9%

新規雇用の看護師の離職率 新卒看護師の離職率 労働者全体の離職率
10.9% 7.6% 14.9%

2018年5月に日本看護協会が発表した正規雇用の看護師の離職率は10.9%新卒看護師の離職率は7.6%となっています。

直近5年間の推移を見ると、正規雇用看護師の離職率は10.8~11.0%でほぼ横ばいです。同様に新卒看護師でも、7.5~7.9%前後を推移しています。

大都市圏で比較的小規模な施設では離職が多く見られる結果となっています。

ところで一般に使われている離職率とは、具体的に何を見ているのでしょうか。

離職率とは、ある時点で「在職していた人数」とその後「一定期間内に退職した人数」の割合を指します。

通常の企業の離職率を出す際には1年間で見ることが多いようです。

看護協会の場合、常勤看護職員の離職率は「総退職者数が平均職員数に占める割合」としています。

以下が常勤看護師の離職率の計算式です。

常勤看護職員の離職率=当該年度の総退職者数/当該年度の平均職員数×100

このときの平均職員数は、(年度はじめの在籍職員数+年度末の在籍職員数)/2で算出されています。

新卒看護職員の離職率は、新卒退職者数が新卒採用者数に占める割合です。

計算式は以下の通りです。

新卒看護職員の離職率=当該年度の新卒退職者数/当該年度の新卒採用者数×100

職業全体と比べて看護師の離職率は低い?

社会全体から見たとき、看護師の離職率は高いといえるのでしょうか。

厚生労働省がまとめた「平成 29 年雇用動向調査結果の概況」によると、常用雇用されている労働者の全体の離職率は14.9%となっています。

女性だけに絞ってみた場合には、さらに数値が上がり、17.2%となります。

看護師の離職率10.9%と比べるとかなり高めです。

看護師の場合では一般的な職業と比較したときには、決して高いとはいえません

看護師業界では女性が9割を占めています。そうしたカテゴリで考えれば、看護師の離職率が大幅に低い数値であることは確かです。

過酷といわれる看護師ですが、労働の重さから見ればむしろ離職率が10%程度でとどまっていることの方が、奇跡的といえるのかもしれません。

辞める看護師が少ない職場とその理由

公立・国立の病院の離職率が低い理由

新卒看護師の離職率

500床以上 99床以下
6.6% 12.4%

看護協会の調査結果では、国公立の病院や規模が大きい病院ほど離職率の低いことがわかります。

正規雇用の看護職員の離職率が特に低いのは、都道府県・市町村の7.5%、日本赤十字社の8.4%、厚生農業協同組合連合会の8.6%などがあげられます。

規模別に見ると規模の違いが新卒看護師の離職率に与える影響は大きく、500 床以上が6.6%なのに対して、99 床以下では12.4%です。

この傾向は正規雇用の看護師でも同様で、99床以下の離職率が13.0%でもっとも高くなっています。

こうした離職率の違いはなぜおこるのでしょうか。

離職率が低い職場の傾向には、以下のものがあります。

  • 人間関係が良い職場
  • 人事評価制度が整っている職場
  • 福利厚生が手厚い職場

国公立の病院では、新人の教育体制が整備されており、時間をかけて教育しています。

目先の利益を上げることよりも、地域や患者への貢献を優先させるため、看護師の成長をしっかりとサポートしている傾向が見られます。

そうした環境の中では、看護師同士の信頼が厚く、また公私にわたるコミュニケーションの量も多くなります。

上司や先輩との対話が活発な職場では看護師が悩みを抱えてもそれを解消するアドバイスがもらえるため、職場に対する不満が大きくなる前に改善されやすいというメリットがあります。

看護師の離職理由のなかでも、人間関係は常に上位にあります。

逆にいえば人間関係が良好に保たれている職場であれば、自然に離職率が低下すると考えられます。

国公立の病院は、看護師の立場が公務員もしくはそれに準ずるものとなります。

公務員には昇給の基準が決められており、人事評価も明確化されています。働きがいのある職場であれば、離職する気持ちは生まれません。

国公立の病院の大きなポイントとなるのが、福利厚生の手厚さです。

たとえば基本給がそこまで高額でないとしても、さまざまな手当てが付加されたり優遇制度があったりすることで、実質的に収入が割増しされる結果となります。

福利厚生はそこで働く従業員の生計を支え、生活の質を向上させてくれます。その職場で働くことへの信頼と安心感を養い、長く勤めようという意志をもたらします。

規模の大きい病院は働きやすい?

規模が小さいほど離職率が高くなるという結果を見ると、規模の大きい病院の方が働きやすいのではないかということが推測できます。

国公立病院と同じく、ある程度以上の規模の病院では教育体制が整備されており、新人や中途採用の看護師でも仕事を覚えやすいしくみを提供しています。

新人研修や指導担当者の指名がきちんとなされることで、早期のうちに自分の役割を把握できます。

運営体制も組織化されており、たとえば院長の一言でさまざまな体制が急に変更されるといったような、個人病院でありがちな事態は起こらないのが大規模な病院の良さです。

大きい病院では働くスタッフにも色々な人がいるため、受け入れ側でも柔軟な対応をしてくれるところが多いようです。

もちろんなかには性格が合わず、人間関係に悩まされることもありますが、全体の規模が大きいとそれだけ相手との距離を取りやすく、配置転換などの解決策もたくさんあります。

大きな病院では人間関係が「薄まる」ことで、ある程度ビジネスライクな付き合いを保てるといえるでしょう。

人事管理の観点からも、職場の人数が多いほどシステムを明確にしなければ管理する側が大変になります。

規模が大きい病院では労働組合が存在するため、人事評価をうやむやにはできなくなります。

福利厚生についても大規模な病院では、一般企業並みに外部サービスを導入するといった取り組みが見られます。

小さな病院ではなかなか導入できない新しい方法を実施しながら、福利厚生面を充実させる大規模な病院も増えているようです。

辞める看護師が多い職場とその理由

個人病院の離職率は14.2%!高い理由とは?

正規雇用の看護師の離職率を施設の業態別で見た場合、個人病院がもっとも高い14.2%、次いで医療法人13.6%となっています。

離職率が多くなる原因としては、以下のような理由があげられます。

  • シフトがきつい職場
  • パワハラがあるような上下関係がうまくいっていない職場
  • 異動が多い職場

個人病院の場合、入院設備がないところも多いため、シフトに関しての不満は少ないと思われます。

一方でスタッフの人数が少なく、休日が取りにくかったり何かと出番が多くなったりといことはあるかもしれません。

業務以外の雑用が多すぎて残業時間が増えても給料に反映されないなど、小規模な病院ならではの問題も少なくないようです。

個人病院では院長や長く勤めているスタッフに対して異議を唱えにくく、上下関係がいびつになりがちです。

あまり人数が多くない体制のなかでは、全体の雰囲気がどんよりとよどみかねません。逃げ場がなくなり、退職に追い込まれるというケースも考えられます。

医療法人は職場環境が悪いの?

離職率が高いので意外に思われがちなのが、医療法人です。全国的に展開しているところも多く、地方では比較的大規模な病院を数多く運営しています。

これはどの業態の病院でもいえることですが、人手不足によりスタッフの負担が大きいことが考えられます。

医療法人系では特に看護師の配置がまちまちであることが多く、病床数に対して看護師の数の割合がぎりぎりというところも珍しくありません。

自然とシフトがきつくなり、夜勤の連続や急な休日出勤の代休が取れないといった問題が起こります。

上下関係についても、ワンマン体制や有無を言わせないトップダウン型といった旧態依然とした運営方針のまま、組織だけが大きくなっているケースも少なくありません。

また医療法人の場合には、グループ施設を複数抱えているため、同系列の病院間での異動が多いのも離職につながる理由となります。

個人のスキルアップやキャリア形成にまったく配慮せず、経営側本位で異動をさせられると、看護師は将来に不安を感じて退職や転職を選びます。

医療法人の場合は運営体制がその法人によってまったく異なるため、規模が大きくても現代的な体制づくりが行われていないところでは、看護師が働きづらさを感じて離職率が高くなってしまうようです。

どこを見れば職場環境を見分けられる?3つのポイント

職場環境の良しあしを見分ける大きなポイントとしては、シフトのきつさがどうなのか、人間関係が良好かどうか人事評価制度の整備と異動といった要素があります。

次の転職先を決定するときに、もっとも重要なポイントとなる職場環境を見分けられるように、この3つのポイントをまとめて解説していきましょう。

シフトがきつい職場を見分けるポイント

夜勤が連続したり急な休日出勤をした場合の代休がなかったりといった、シフトのきつい職場を見分けるためには、入職前に見ておくべきポイントがあります。

  • 求人広告が常時掲載されていないか
  • 求人広告が異常に多くないか
  • 休日日数は適正か
  • 病床数と看護師数のバランス
  • 直近の離職率
  • 求人情報と面接の回答に違いはないか
  • 給料額が高すぎないか

同じ病院の求人広告が常に掲載されていたり、広告の数があまりに多かったりするときには人手が大きく不足している可能性があります。

「急募」「大量採用」といった文言にも要注意です。

人手が足らず、シフトが厳しければ、ほかの病院と比較して休日日数が少なくなります。

病床数に対して看護師の数のバランスが悪いと、夜勤回数もその分多くなります。また代休を取ろうとしても、なかなか思うようにはいかないはずです。

また求人情報に記載されていた内容と勤務状況や休日日数が違う場合にも、信用できません。

給料の額が通常よりも異様に高いときには、何としても看護師を確保したいという意図の表れです。

看護師の絶対数が不足していて、きついシフトになる可能性が大きいと思われます。

これらのポイントを正確に判断するためには、病院の公式サイトの内容をまず把握しておく必要があります。

ただ、病院のサイトには良いことしか記載されていないため、実際の離職傾向がわかるとは限りません。

看護師の口コミサイトなどで、病院についての生の声を確認するようにしてください。

また転職サイトを利用すれば、働く看護師に対するアンケート情報を提供してもらえることもあります。

それとなく見学に行って、看護師たちが疲れ切っている様子がないかを自分の目で確かめるのも情報の裏付けを取るためには必要です。

いずれにしても、病院側が公表している情報だけでは表面的なことしかわかりません。求人条件だけに気を取られずに、しっかりと自分で判断するようにしましょう。

職場の人間関係の良しあしを見分けるポイント

人間関係が悪い職場ほど、働くのが辛くなることはまちがいありません。

上司や先輩、同期との関係が良好であれば、職場としての居心地が良く、働きやすい環境が形成されます。

和気あいあいと助け合える職場であれば、長く働きたいという思いがわいてくるでしょう。

人間関係を見極めるためには、職場見学をするのが一番です。職場の空気を肌で感じられ、文字やサイトの写真ではつかみきれない情報を得ることができます。

人間関係を知るためには、以下のような点に注目して見ましょう。

  • 看護師の年代層のバランス
  • 同僚同士のあいさつ・声掛け
  • 看護師の表情

看護師の年齢層に極端な偏りがある場合、新しく入った看護師がすぐに辞めてしまうか、逆に長く居つく看護師が少なく若年層ばかりになっている可能性があります。

年の離れた同僚ばかりでも仕事はやりづらいものですが、同年代ばかりというのもあまりおすすめできません。

スタッフ同士が会釈もあいさつもせず、お互いに無視し合っているような病院は、人間関係が良いはずもありません。

医療の現場は、チームワークが重要です。コミュニケーションが活発な病院であれば、業務も人間関係もうまくいっているということになります。

もっとも分かりやすいのが、一人ひとりの看護師の表情の明るさです。

全員が笑顔で働いているとまではいかなくても、暗い顔の看護師ばかりの病院は何か問題を抱えています。真剣みのある表情と暗さは別ものです。

職場見学に行く前に、患者のつもりで何か問い合わせをしてみるのも悪くありません。電話での受け答えがぶっきらぼうな病院は、恐らくスタッフ全員の態度もあまり良いとは考えられません。

職場の雰囲気はほんの少しの部分からも垣間見えるものです。病院がなんとなく荒れて見えるなど、自分の直感を信じることが大切です。

人事評価制度や部署異動の状況を見分けるポイント

病院の人事評価は、賞与の評価人事考課の2つの要素でなされます。

この2つの評価について明確な基準があるのかによって、働くモチベーションに大きな差が生じます。

賞与規定や昇格について、絶対的な基準があれば安心して働くことができます。

病院のサイトなどに評価制度まで載せているところはかなり稀ですが、なかには「人事考課表」をしっかりと開示しているところもあります。

こうした病院であれば、基本的なラインに沿って公正な評価をしてもらえる可能性が高いといえます。

病院見学や面接の際に、年次による最高位のポジションや賞与評価基準について質問しても良いですが、やはりこれについても生の声を探りたいところです。

看護師の口コミサイトを検索したり転職サイトのエージェントから情報をもらったりといったことも併せて行うようにすると、信ぴょう性が高くなります。

ある程度の異動は看護師ならば、誰もが経験する可能性があります。特に総合病院などでは、看護師に対して幅広い診療科についての知識を求める傾向があります。

ただあまりに異動が多すぎる、あるいはグループ施設間でのトレードがひんぱんにあるようでは看護師として働きにくくなります。

異動についても年次やスキルの面できちんとした基準があるのならば、先に予測ができ、職場への信頼感をもつことができます。

異動についての情報を集める際には、異動した年次やどの程度の頻度で行われているのかといった点に注目してみてください。

看護師の異動については、看護師長の意見が大きく影響します。

師長が気まぐれなタイプだと、短期間で異動する看護師がいる一方で、まったく動かない看護師が存在するなどばらつきが見られます。

異動について気になるのであれば、看護師長の人間性や公平性に関しても、探っておくのが良さそうです。

異動の頻度を病院側に質問する、看護師の口コミから情報を集める、また転職サイトを活用して病院の内部事情を教えてもらうという手段があります。

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