正看護師が不足する一因 医療機関の看護基準とは?

正看護師が不足する一因  医療機関の看護基準とは?
  
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看護師求人情報などで患者数:看護師数が7:1、10:1と表示されていることがあります。この比が看護基準です。看護基準は何のために設けられているのか、また看護基準により何が変わるのかについてご説明します。

看護基準は看護師の人員配置の基準

看護師の転職求人サイトの求人を見ていると、よく「7:1」「18:1」などと書いてあることがあります。これは患者の人数に対する看護職員(看護師・准看護師・看護補助者)の人数のことで、たとえば10:1であれば患者10人に対して看護職員1人が応対することになります。

看護基準は医療機関によって定められています。

例えば看護師を多く必要とする急性期病院や緩和ケア病棟の場合は7:1、一般の病床の場合は7:1~15:1、長期療養をする患者の多い療養病床の場合には病状が比較的安定していることが多いため20:1~25:1等、看護の手が必要な場所に十分な人員が補充できるように定められているのです。

また、患者と看護師の比だけでなく、看護職員の中の正看護師の割合(正看護師比率)も決められています。

看護基準が7:1~13:1の一般病棟では全ての看護スタッフのうち70%以上が正看護師である必要がありますが、療養病棟の場合は正看護師が20%以上であれば良いとされています。

つまり、看護基準とは、病院がどのようなサービスを提供できるかを示す一つの基準でもあるのです。患者によっては、基準を満たした看護スタッフが多くいる施設なら、手厚い看護を受けることが望めるのです。

その分、入院1日当たりの診療報酬も高く設定されているのです。ですから、看護基準は看護師の割合だけでなく、入院費の高さにも反映されているのです。

看護基準がもたらす影響

医療機関にとっては、患者数:看護師数が7:1になるように看護師を多く採用し、その中でも正看護師が70%を超えるように調整して雇用をしたがります。なぜなら、一般病棟の場合は1日当たりの入院基本料を15,910円(2014年診療報酬基準)請求できるからです。

ですが、同じ一般病棟でも看護基準が15:1で正看護師率が40%以上の場合は、1日当たりの入院基本料が9,600円となってしまうのです。

病院経営のためには、7:1になるように看護師を雇用し、正看護師を70%以上になるようにすることが求められます。

この看護基準は2006年の診療報酬改定で導入されましたが、正看護師を一定数以上採用していないと入院基本料が安くなってしまうために各病院では正看護師確保にやっきになり、大学病院や大規模総合病院では看護師確保のため給与改定や積極的な採用活動を行っています。

病院が正看護師を雇いたがる理由には、こういった背景もあるのです。

深刻な正看護師不足で転職先が増えた?

高給与を提示することができる大規模病院や大学付属病院は、正看護師を容易に確保することができます。

一方で、それらの医療機関に比べて給与の面で見劣りのする中規模・小規模病院では深刻な正看護師不足が生じるようになりました。看護師が充分に確保できないために入院料金も多く請求できず、経営が困難になっている病院も少なくないのです。

看護師にとっては、今まで敷居が高かった大学病院や国公立の医療機関への転職の機会が増え、中途採用では正職員になれなかった医療機関でも正職員として採用されるようになるなど転職先の選択肢が広がりました。

さらに夜勤換算で「1か月間の1人あたり平均夜勤時間数を72時間以下」にしなければならないと上限が定められ、この条件を満たす場合に限って高い入院基本料がもらえるという仕組みがスタートしてしまい、病院側では正看護師集めと勤務表作成に必死になっているというのが現状です。

今までは夜勤ができなければ正職員になることが難しかった医療機関でも、正看護師確保のため、日勤だけでも正職員採用するところが増えています。パート勤務を希望しても、残業なし、休日勤務なしの条件で正職員になるよう勧められることもあるほどです。

看護師にとっては条件の良い職場に転職するための強力な追い風が吹いている状況といえるでしょう。

転職を考えている看護師は、この辺りも踏まえて賢い病院選びをする必要があると思います。

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