[ 記事作成日時 : 2013年7月19日 ]
[ 最終更新日 : 2020年4月2日 ]

経験ある看護師が望まれる地域包括支援センター の仕組みと仕事内容

地域包括ケアセンターのスタッフ

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「地域包括支援センターって夜勤がなくて休みも取りやすそう!」

「地域包括支援センターの看護師は、デスクワークばかりで看護技術はいらないの?」

今後、超高齢化社会を迎えるなかで、地域包括支援センターでの看護師の役割に期待が集まっています。 地域包括支援センターで働く看護師の仕事内容や、働くメリット・デメリットを紹介します。

      
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介護保険法と地域包括支援センター

地域包括支援センターは、国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的で平成9年に制定、平成12年に施行された介護保険制度について定めた法律・介護保険法に基づいて設置されています。

これは、各市町村または市町村から委託を受けた法人が運営する地域の高齢者の総合的な生活支援を行う窓口機関で、「地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援すること」を目的としています。

地域包括支援センターの事業内容には、介護予防ケアマネジメントや総合相談・支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援などの包括支援事業と、ケアマネジメントを実施する介護予防支援業務があります。

この地域包括支援センターには保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員などの人員配置基準があります。

また指定介護予防支援事業所には保健師や介護支援専門員、社会福祉士、経験ある看護師、社会福祉主事等を配置する人数の基準があります。

地域包括支援センターの役割

地域包括支援センターは保健や医療、福祉サービスなど必要なサービスを総合的、継続的に提供して、住み慣れた地域で高齢者が安心して生活できるように包括的な支援を実施する役割を担っています。

地域包括支援センターでは保健師や社会福祉士、主任介護支援専門員などが各々の専門性を活かしながら連携して1つのチームとして高齢者支援の業務を行うことになります。

また、利用者支援をよりスムーズに行えるように、地域の利用者やサービス事業者、関連団体、民生委員、NPOなどとの人的なネットワークを構築・維持にも努めているようです。

地域包括支援センターにおける看護師の仕事には総合相談や支援、介護予防マネジメント、地域包括支援業務などがあります。

地域包括支援センターで働く看護師の仕事内容

地域包括支援センターで働く看護師

日常生活において介護が必要となったとき、相談窓口となっているのが地域包括支援センターです。では、具体的に地域包括支援センターで看護師はどのような役割を担っているのでしょうか?

介護施設に勤務する看護師の役割とは異なる意外と知られていない地域包括支援センターでの看護師の仕事内容をご紹介していきましょう。

介護保険関連その他相談業務

介護保険制度はとても複雑で介護が必要となった一般の方にとって、かなりわかりにくい制度です。

そのため、地域包括支援センターでは看護師などの職員が専門的な知識をもとに地域で介護を必要としている人やその家族が抱えている介護保険や介護にまつわる疑問や問題について相談に乗ります

また、問題によっては他の機関と連携し、解決に向けて働きかけを行います。

介護予防ケアマネジメント

地域包括支援センターが開設された目的の1つに、「介護を必要とする高齢者を減らす」があります。この目的達成のために行われているのが地域に居住している高齢者を対象とした介護予防ケアマネジメントです。

健康教室や介護予防教室を開催し高齢者の健康年齢を上げるよう、活動します。地域包括支援センターにおいて、これらの介護予防ケアマネジメントについては看護師の資格を持つ方が担って行うことが多いようです。

要支援者のケアプラン作成

介護保険では「要介護1~5」の方は専属のケアマネージャーが付き、介護度や家族の希望などに応じてケアプランを作成しますが、「要支援」と判定された方は地域包括支援センターの職員がケアプランを作成します。

そのため、看護師としての知識を生かしながら、他の職員とも連携し、要支援者一人ひとりにあったケアプランを作成するということも地域包括支援センターの看護師として重要な仕事の1つとなっています。

地域の方の高齢者の訪問調査

地域の中には、劣悪な環境の中で介護を受けている高齢者や家族から虐待を受けているといった高齢者もいます。

地域包括支援センターでは、近隣住民や医療機関、介護施設などからの情報を元に、そういった高齢者の自宅を訪問し、調査を行います

そして、問題があると判断された場合、高齢者を守るためにさまざまな機関と連携し問題が解決するように調整を行っています。これも地域包括支援センターの職員が担う大切な仕事です。

地域包括支援センターで働く看護師のメリット・デメリット

メリット

地域包括支援センターで働くメリット
    • 公務員準ずる待遇の良さ!
    • 基本的に土日祝日は休み!
    • デスクワークが中心なので身体的負担が少ない!

地域包括支援センターは市町村が直接運営している場合と民間業者に委託されている場合があります。

直接運営されている場合は公務員に準ずる待遇が受けられますし、委託されている場合でも待遇は公務員並みに良いことが多くなっています。

それに加えて、基本的に土日祝日は休みでデスクワークが中心というのも、看護師の仕事としてとても大きいメリット仕事であるといえるでしょう。

デメリット

地域包括支援センターで働くデメリット
  • 介護保険制度など専門的知識についての勉強が必須
  • 呼び出しがあれば、すぐに対応しなくてはいけない
  • 残業や休日出勤があることも

地域包括支援センターは、地域住民の介護相談窓口となっているため、地域包括支援センターで看護師として働くには、介護保険制度をはじめとして、地域で介護を行うためのさまざまな専門的知識が必須です。

また、地域住民から通報があれば原則的に24時間365日対応する必要があるため、夜間や休日といった就業時間外であっても対応を求められる点はデメリットといえるでしょう。

地域包括支援センターの求人情報

地域包括支援センターの仕事は地域福祉に貢献できるやりがいのある仕事で、看護師の転職先としても注目されています。

また、地域包括支援センターは各市町村に1つ以上設置するきまりがあり、それぞれの地域で看護師の求人も行っているようです。

求人件数は少ないですが、看護師の求人・転職サイトには東京都町田市や港区、稲城市、調布市、愛知県名古屋市、埼玉県ふじみ野市、大阪府などの地域包括支援センターの求人情報が紹介されています。

支援センターの勤務時間は9時から18時までのところが多く、遅番勤務を併用しているところもあります。給料は月22~30万円程度で、ほとんどが完全週休2日制か4週8休制を採用しています。

地域包括支援センター看護師のまとめ
  • 地域の高齢者が安心して生活できるように包括的な支援を行う。
  • 看護師の仕事内容は、とても幅広い。
  • 働く看護師のメリットは、公務員並みの高待遇と身体的負担の軽さ。
  • 働く看護師のデメリットは、呼び出し対応のための残業や休日出勤があること。

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