看護師が働く場所としての介護施設 種類や仕事内容を徹底解説

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厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の発表では、2040年には全国の65歳以上の高齢者の割合が人口の3割を超すとされています。

介護を必要とする人の数は急激に増えており、それに従って介護施設も続々と開設されています。介護施設の運営にあたっては、看護師の配置が義務付けられていますが、介護施設の半数で看護師の不足を訴えているのが現状です。実際に介護施設で働く看護師は、全体の約10%程度にとどまっています。

今後ますます需要が高まる、介護施設の看護師の仕事について解説していきましょう。

看護師が働く介護施設の種類

ひと口に介護施設といっても、実はたくさんの種類があります。看護師が働く介護施設の種類を確認しておきましょう。

介護施設は大きく分けて、公共型と民間型があります。民間型では、介護認定されていない人でも利用できる施設が多く見られます。

民間型介護施設

施設種類 対象
介護付有料老人ホーム
自立~要介護5
「介護専用型」と自立や要支援と要介護のいずれも対象になる「混合型」がある
住宅型有料老人ホーム
自立~要介護5
自立・要支援・要介護が利用可能で、生活支援を行う
グループホーム
要支援2~要介護5
要支援2以上で原則65歳以上の認知症高齢者が対象

公共型介護施設

施設種類 対象
特別養護老人ホーム
要介護3~要介護5
要介護度3以上と認定された人が対象。重度認知症も入居可
介護老人保健施設
要介護1~要介護5
退院後にすぐに帰宅が難しい患者を一時的にケアする。在宅復帰を目指す、短期入所施設
介護療養型医療施設
要介護1~要介護5
要介護1以上で医学的な処置が必要な人を対象とする
ケアハウス
自立~要介護3程度
60歳以上で自宅での生活に不安がある人が対象

このほか自立して生活ができる人向きの民間型サービス付き高齢者住宅などで、看護師や医師を常駐させている施設があります。また訪問看護ステーションでは、在宅で介護を受けている人の自宅を訪問し、医療行為や介助を実施します。

介護施設の人員配置基準

介護施設では規模や業態により、看護師・介護スタッフなどの人員配置の基準があります。

例えば特別養護老人ホームの場合、看護師の人員配置は常勤看護師が1施設について最低1人以上は必要です。

入所者数30人までの施設で1人以上、50人まででは2人以上、130人までで3人以上、131人以上では50人毎に1人ずつといったように、入所者の人数により必要となる看護師も増えていきます。

介護施設は、病院と違い病気やケガの回復を目的としていません。そのため、医療行為といっても高度な技術ではなく、現状維持や状態を安定させる程度のものとなります。

医師が常駐していない施設では、定期的な医師の診断の元で、指示された医療行為を実施します。

介護施設での、看護師の主な役割を見ていきましょう。

介護施設での看護師の役割

バイタルチェック

バイタルチェックは、身体の基礎的な働きが正しく機能しているかどうかを確認する作業です。一般的には体温や脈拍、呼吸、血圧などを機器によって測定し、状態を判断します。v

バイタルチェックの頻度は介護施設や利用者によって異なりますが、多くの場合は起床時や入浴前など定点で測定されます。

また、異変があった際にも、必ずバイタルチェックを行い、その後の対処を決定します。機械の数値による判断の他、意識確認や受け答えなどからの観察も、バイタルチェックの重要なポイントです。

顔色や皮膚観察を行い、異常を早期に発見することは介護施設の看護師の重要な役割です。バイタルの変化、褥瘡の有無などから、介護ケアの方針の変更を提案することもあります。

服薬の管理

介護施設の利用者のほとんどは、日常的に薬を服用しています。飲み忘れや過飲を避けるために、看護師が施設スタッフとともに管理を行います。

服薬管理は各利用者の分を混乱しないよう、専用のカレンダーやスケジュール表に記録し、薬だなやボックス、引き出しなどで管理している場合が多いようです。

薬がなくなる期日に合わせて通院日を決めたり、家族に連絡したりするなども、看護師の指示の下で行われます。

複数の種類がある場合には、薬剤師に依頼して1回ごとに分包してもらうこともあります。食事ごと、就寝前にチェックを行い、確実な服用を促します。

利用者の観察

バイタルチェックによる身体の観察は、看護師の基本的な役割ですが、同時に精神的な観察も行います。

ことばでうまく伝えられない高齢者や認知症患者については、表情や行動からその状態を見極める必要があります。

いつもと違った様子はないか、不安な感情が表れていないかを探るのも、看護師の大切な役目です。病院で患者の状態を観察する以上に、内面的な変化を読み取る観察力が求められます。

容体悪化時の医師への連絡

バイタルサインの悪化が見られる際には、医師への連絡を行うと同時に、その指示に従って対処する必要があります。

緊急性の明らかなときはもちろんのこと、持病のある利用者の場合には、あらかじめ医師と取り決めしておくことが必要です。

日常的な皮膚疾患の悪化、虫歯の状態、風邪や腹痛など、状況を見ながら医師の診察を受けるかどうかを判断します。

病院への付き添い

定期的な検査や薬の処方のために、通院が必要となる利用者もいます。

通院介助を行う際には、保険証、診察券、お薬手帳などの準備とともに、日ごろの様子を他のスタッフからも聞き取り、気になる症状がないかを確認しておきます。

ほとんど外出のない利用者の場合には、外気との差で体調を崩す可能性もあります。身体に負担のない服装をさせ、マスクの着用など細部に気を配ります。

診察後は医師からの注意点や指示をメモに取り、施設のスタッフで共有します。薬の変更なども忘れずに伝えるよう、注意が必要です。

日常動作の介助

介護施設では看護師とスタッフが、完全に分業するということはありません。どの施設でも慢性的に人手が不足しているため、看護師もトイレや入浴の介助に参加します。

理学療法士やリハビリ専門のスタッフがいる施設もありますが、看護師が指導する場合もあります。

病院では、診療科に特化した業務をする看護師ですが、介護施設ではさまざまな業務に従事しなければなりません。

身体の清潔保持や口腔ケア、栄養管理・胃ろう管理など看護師としての知識と技術の幅広さが、役にたちます。

また介護ケアについての介護スタッフへの指導や支援、利用者とスタッフ自身の健康相談対応、感染症対策など、施設全般の健康管理を担当します。

介護施設の看護師の収入

職場別の看護師給与比較

看護師全体の年収の平均は470~480万円を推移していますが、エリアや職場によって大きく変わってきます。下記は人事院のデータから割り出した看護師の職場別の給与例です。

項目左 項目右
病院 352,690円
診療所 332,200円
保健所・市区町村保健センター 376,085円
訪問看護ステーション 346,300円
介護老人福祉施設 344,840円

ここからわかるように、介護関連施設の看護師の給与は全体的にはあまり高いとはいえません。

その理由としては、病院と違って介護施設の多くが夜間の看護師の常駐義務付けの対象外となっており、日勤のみの仕事が多数を占めていることにあります。

看護師の場合、どこの医療施設でも基本給はさほど変わりませんが、夜勤手当や時間外手当の額によって、支給額に大きな差があります。

特別養護老人ホームの例

特養で働く看護師の年収は450~600万円とかなり幅があります。

夜勤の有無など、条件によるものの、病院の看護師と比較して極端に低いということはないようです。

夜勤のある看護師であれば、500万円前後が相場とみて良いでしょう。同じく高度の医療行為を必要としないクリニックや診療所と比較すれば、低い収入とはいえません。

月額給与でも、施設によって28万円台から40万円前後と違いが見られるものの、平均的には30~35万円といったところです。先の人事院データからの試算とも一致しています。

一般的に介護施設の看護師は、夜勤がない分だけ低収入と見られがちですが、他の日勤の業種と比べてそうともいえません。

もちろん、エリアや施設規模によって給与にはかなりの差がありますが、看護師の平均年収と違いがなかったりそれを上回ったりしているのは珍しくありません。

介護施設への転職によって極端に収入が減少するとは、一概には言えません。

有料老人ホームの例

民間企業が経営する有料老人ホームは、運営規模により給与額に幅があります。

一般的な求人情報では、常勤正看護師の給与が月額30万円程度(基本給+諸手当)で、ボーナス(賞与)年50万円前後、年収にすると400万円以上となります。

看護師としてのキャリア、准看護師と正看護師の違いなどにより、年収に差がありますが、老人施設に勤務する看護師の年収は350万円~450万円程度が相場のようです。

首都圏の有料老人ホームの中には、夜勤がなくても年収500万円を超える施設もあるようです。

介護スタッフの給与水準の低さはたびたび問題視されていますが、看護師が有料老人ホームで働く場合は、一般的な病院勤務と比べて特に低水準とは言えません。

看護師が介護施設で働くメリット

看護師全体の1割程度と、活躍の場としてはまだ多いと言えない介護施設ですが、そこには数多くの働くメリットが見つかります。

  • ワークライフバランスが得られやすい
  • 入居者との密接な関係が長期的に築ける
  • 判断力や決断力が身につく
  • 介護のスキルが身につく
  • 多くの異なる職種と連携ができる
  • ブランク後でも復帰がしやすい

一部を除き、一般的な介護施設では看護師の夜勤を求めていません。

急変する患者がいる病院とは違って残業も少なく、定時出社・定時退社の規則的な生活をすることができます。ワークライフバランスの観点から言えば、病院勤めとは比べものになりません。

介護施設では病院のように常に業務に追われることもなく、ひとりひとりの入居者とゆっくり向き合う時間があります。家族を含め、長期的な関係を築けるのも介護施設に勤務する魅力といえます。

介護施設のメインスタッフは医療関係者ではなく、介護士です。周囲から医療に関する助けが得られない中、自分の責任で判断する場面が多くなります。

「看護師さん」として頼られるうちに、判断力や決断力が自然と向上していきます。一方で介護ケアのスキルを身につけられ、ケアマネージャーや理学療法士など多彩な職種のスタッフとの関わりをもつことができます。

病院のように常に急進する医療現場では、ブランクのある看護師が復帰するのが難しい場合もあります。

介護施設が看護師に求める仕事内容は、バイタル測定や服薬管理、痰の吸引といった健康管理と日常生活の介助がメインです。過去に経験した看護ケア技術でも、十分に役立ち、即戦力として活躍ができます。

看護師が介護施設で働くデメリット

メリットが多い一方で、看護師が介護施設で働くことのデメリットも存在します。
  • 医療行為のスキルが低下する
  • 責任やプレッシャーがある
  • 病院とは異なる人間関係
  • 夜勤やオンコールがある施設もある
  • 収入が下がる可能性がある

介護施設への転職について、医療処置の技術が低下することに不安を持つ看護師は少なくありません。

特に急性期医療を経験した看護師にとっては、命に係わる仕事と比べて施設業務で拍子抜けすることも多く、自身の看護師としてのスキルが日々低下する感覚をもってしまうようです。

業務内容としては簡易的ですが、他に医療知識のあるスタッフがおらず、責任は重大です。判断に関するプレッシャーや責任からのストレスを、重いと感じてしまう看護師もいます。

介護スタッフが多数を占める介護施設では、看護師はマイナーな存在といえます。同僚に囲まれていた病院とは、また違った人間関係に疲れを感じるケースもあるようです。

介護スタッフと看護師という微妙な立ち位置から、摩擦を生じ、人間関係にひびが入ることも少なくありません。

介護施設によっては介護スタッフのローテーションに中に組み込まれ、看護師も夜勤を行っているところもあります。また、オンコールシステムがあり、対応が必要となる場合もあります。

不規則な勤務や拘束が多い職場のわりに、病院時代と比べて収入が落ち、不満を持つことも考えられます。

介護施設の看護師求人を見分けるポイント

介護施設を理解した上で基本的な条件をチェック

介護施設と一般的な病院の違いをよく把握しないままに転職をしようとすると、思わぬ失敗をすることもあります。

デメリットをよく知った上で、次の職場としてふさわしいかどうかを判断しなければなりません。

介護施設の看護師の求人については、次の条件のポイントを確認していきましょう。

  • 施設環境
  • 夜勤・シフトの有無
  • 基本給・諸手当
  • 残業時間
  • 休日・休暇

介護施設はある意味閉鎖された特殊な環境です。病院よりも人の出入りが少なく、収容されている年齢層が高いのが特徴です。

応募する候補施設には必ず足を運び、施設の状態、衛生面や感染対策を自分の目で確かめます。

もっともわかりやすいのが、臭いです。介護施設によっては薬品の臭いや、独特の臭いが館内に漂っているところもあります。

ある程度経てば慣れることも考えられますが、根本的に臭いへの対策を取られていない施設は、衛生面で問題があると考えられます。

排泄介助や医療ケアを行う部屋の入口にプラスチック手袋や手洗い・除菌用品が設置されているか、館内の清掃が行き届いているか、など目に見える点についても注意を払って見学をします。

労働条件としては、看護師にも夜勤があるのか、オンコール体制は敷かれているのかといった点を明確にしておきます。

介護施設では看護師の昇給が難しいため、基本給が高めに設定されている方が安心です。福利厚生や諸手当についても、細かくチェックしておきましょう。

週休や平均的な残業時間、有給休暇の取得率を確認することで、採用後に働くイメージをある程度つかむことができます。

介護施設の内部事情をつかむのは難しい

見学時に施設やスタッフの様子を直接見ることで、施設の雰囲気は判断できます。しかし、さらに詳細な情報を得るのであれば、個人での転職活動では限りがあります。

そこで活用したいのが、転職サイトです。看護師の就業条件が他の介護スタッフとどのように違うのか、看護師として就職した場合にはきちんと休みがもらえるのか、すべてのスタッフの離職率はどのような状況なのかといった情報は、施設側から真実が伝えられるとは限りません。

応募先候補を絞り込む時点でこうした部分にも触れ、転職サイトから情報を提供してもらえれば、介護施設への転職を失敗せずに済みます。

入職後に後悔しないためには、病院と介護施設の性格の違いをしっかりと把握し、個々の施設のより詳細な情報をつかむことが重要です。

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条件がいい求人を探している方は、複数の看護師転職サイトに登録して非公開求人情報が手に入りやすい状態にしておくといいですね。

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