コールセンターで働く看護師の役割と仕事内容は?勤務形態や求人募集状況も解説
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看護師としての能力を活かし、コールセンターのテレフォンオペレーターとして働くことができる会社が多くあります。基本的な医療の知識があり、患者さんへ医学に基づく対応もでき、コミュニケーション能力も高い看護師のオペレーターの需要は高くなっています。
就業している看護師のほとんど(正看護師は約84%、准看護師は約70%※)は病院やクリニックに勤務しています。他に訪問看護ステーション、介護保険施設、助産所、研究機関などをあわせると、約99%の看護師が医療関連施設で働いていて、それ以外で働いている看護師はまだ少数です。しかし、さまざまな理由で病院やクリニック以外で働きたいと思っているなら、コールセンターも選択肢の一つです。
ここでは看護師を募集しているコールセンターについて、求人票だけではわからない、詳しい情報を解説します。
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この記事に書いてあること
コールセンターの役割と実際の仕事内容
看護師が働くコールセンターには、どのようなところがあるでしょうか。そして、そこで看護師はどのような役割を求められているのでしょうか。
看護師の役割とは
コールセンターでは、お客様からの問い合わせや相談に対応します。もちろん研修で学んだうえで、お客様にはマニュアルに沿って答えることになるのですが、基本的な医学知識や臨床経験がなければ、的確な応対をすることができません。
コールセンターが重要視するのは、看護師の医療や看護に関する知識であり、実際の医療現場での経験です。ですから、新人看護師よりも臨床経験がある看護師が採用されやすいようです。
看護師の業務内容は?
コールセンターで働く看護師の業務は勤務するコールセンターによって多少異なります。医療コールセンターでは、急なケガや病気の処置に対する電話対応をしたり、健康に関する電話相談に応じたりします。
医薬品メーカーのコールセンターでは、薬の飲み方や使い方、効果などの説明をします。医療機器メーカーのコールセンターでは、医療機器の取り扱いや使用方法についての問い合わせに対して説明をします。保険会社などでは、保険についての説明ではなく、顧客サービスとして健康相談窓口があり、そこで「安心サービス」「医療相談サービス」として健康や病気の相談を受けています。
コールセンターで働くメリット・デメリットは?
コールセンターで働くメリット
体力的に楽なデスクワーク
病院・クリニックの勤務や訪問看護や介護施設などの看護に「きつくて大変」と体力の限界を感じて、転職を考えている人には、コールセンターはおすすめの職場です。ケガをした人や、腰痛などの持病がある人など通常の看護業務が厳しい人にも適しています。
残業が少ない
多少の残業はあったとしても、病院、クリニックなどの勤務に比べれば残業は少ないでしょう。サービス残業というものも、ほとんどないといえます。
アルバイトとしてダブルワークできる
多くのコールセンターは平日や休日、昼間や夜を問わず勤務があります。「ダブルワークをしたいけれど、違うことをやってみたい」という人に適しています。
コールセンターで働くデメリット
一般的にコールセンター看護師の認知度は高くないので、看護の実務経験とは認定されず、病院勤務に戻るときに、ブランクがあると見なされるかもしれません。また、電話対応が仕事ですから、医療知識が増えることはあっても、一般的な看護業務から離れてしまいます。点滴や採血といった基本的な技術が鈍ってしまうことや、最先端の技術が学べないことがあるかもしれません。
コールセンターの業務の違い
看護師が働いているコールセンターはどのような職場なのでしょうか。具体的に説明しましょう。
ヘルスケア
医療コールセンターでは健康や病気に関する質問に対応します。例えば「子どもがタバコの吸い殻を食べてしまったかもしれない」「包丁で手を切ってしまった」などの緊急事態への対応があります。
健康相談では、「会社の健診で、血管に関して再検査を受けるように言われたが、どうすればいいか」「セカンドオピニオンはどうすればいいのか」といった相談があります。「医療費の補助制度は何があるのか知りたい」などといった、福祉に関する疑問・悩みに答えることもあります。
高齢者向け介護施設、各種施設
高齢者からの緊急の電話に対応をしたり、健康相談を受けたりします。人生相談ともいえる電話を受けることもあり、「老後の人生設計が不安」など、精神的な不安や不定愁訴的な訴えもあります。その他、介護施設などの各種施設では、看護や介護の悩みにも答えます。
製薬会社
製薬会社に設置されたコールセンターでは、薬の飲み方から、健康や病気の相談を受けます。「この薬は、別の薬と併用しても問題がないでしょうか」など、慎重に答える必要がある質問も多くあります。
保険会社
生命保険の契約者特典として設置された相談窓口の対応になります。相談の内容は、生命保険の契約そのものに関してではなく、健康や病気に関する相談や、育児相談などです。
医療機器
医療機器メーカーの、自社製品についての問い合わせ窓口です。自宅で医療機器を扱う患者を支える業務がほとんどで、医療機器の操作方法や、医療機器を使用する患者の疾患について聞き取りを行ったりします。マニュアルに沿って対応しますが、対応が難しいトラブルについては、内容に詳しい担当者に連絡して対応してもらうことになります。
企業のコールセンター業務例
コールセンターの業務内容について、具体的に紹介します。(2020年4月現在)
セコム医療システム株式会社
「セコム・ホームセキュリティ」などの契約者を対象に、看護師が24時間365日待機し、健康や医療に関する相談に電話で対応しています。他に、「お元気コールサービス」として、コール担当者が利用者の健康状態を含めた日常の様子を伺って指定の報告先へ電子メールで報告し、要望に応じて看護師が健康相談を行っているサービスもあります。
大阪ガスセキュリティサービス株式会社
「健康相談すこやかダイヤル」は、看護師や保健師の資格をもつカウンセラーが、24時間365日、健康や介護などの相談に答えるサービス。生活習慣病予防や日常の健康管理に関する相談、メンタルヘルスの相談や、栄養相談、小児の健康に関する相談など、心と体についてのさまざまな相談から救急病院の紹介まで対応しています。
参考:大阪ガスセキュリティサービス株式会社 健康相談すこやかダイヤル
東京海上日動メディカルサービス株式会社
「電話医療健康相談」は、24時間365日いつでもどこでも年中無休で医療健康相談を利用できるサービス。さまざまな診療科目において、医師や看護師・臨床心理士・薬剤師など医療のスペシャリストが連携して電話で応対をしています。
育児についての相談には、看護師を中心に小児科医・心理相談員・育児カウンセラー・管理栄養士などの専門家が包括的に対応し、薬に関しての相談には薬剤師、緊急の相談には救急科専門医がバックアップしていています。救急科専門医の24時間常駐や臨床経験豊富な看護師による24時間相談対応などの手厚い体制が高く評価され、多くの企業ならびに各自治体からのサービスを多数受託しています。
参考:東京海上日動メディカルサービス株式会社 電話医療健康相談
コールセンター入社研修の内容
どのような職場でも、研修制度が設けられていますが、中でもコールセンターは、他の職種より研修の重要度が高いといわれています。なぜかというと、一対一で、それも電話の声だけで的確に応対することが求められているためです。電話応対特有の仕事の進め方やマナーについては、事前に学んだ方がオペレーター自身も、不安が取り除けますし、実際にスムーズに応対することができます。では、研修の内容を簡単に説明します。
基本情報
コールセンターの役割やサービスの内容についての研修の他、「個人情報保護研修」「健康相談基礎研修」「メンタルヘルス相談研修」など、コールセンターのオペレーター業務の基本的なことを研修します。
発声練習
適切な声の大きさやトーン、声の出し方を学びます。相づちのうち方や、会話の自然な間のとり方なども学びます。
トークスクリプト
スクリプトとは、お客様とトークするときの台本のようなものです。基本的には、どこのコールセンターでもこのスクリプトに沿って対応ができるようになっています。お客様の相談の内容によって、スクリプトをすばやく使えることは、仕事をスムーズに進めるためにとても重要ですし、的確に使いこなせるようになれば、オペレーターの心理的な負担も減らすことができます。スクリプトは、専用のパソコンを操作しながら行うので、パソコンの操作も覚えることになります。
敬語
病院やクリニックに勤務経験があれば、ある程度の敬語は使えますが、コールセンターは対面ではなく、言葉だけの対応なので、正しい敬語の使い方は重要です。また、できれば標準語を上手に使いこなせる方がいいようです。方言もいいものですが、地方都市のコールセンターでも、顧客がその地方に住む人とは限りません。ただ、細かなイントネーションより、看護師として正しい医学用語を使うことができることの方が重要でしょう。
クレーム対応
看護師のオペレーターがクレーム対応を行う機会は少ないようです。それでもクレームの電話を受信したり、話の途中でクレームが発生したりしてしまうこともあります。しかし、そのような場合はセンターの上司につなげることになっているので、それほど心配することはありません。クレームが発生したときの対応の方法や、クレームの発生につながりやすいNGの言葉などについて学びます。
その他
指導社員を交えた実務演習(ロールプレイング)が行われます。実践することで、応対のスキルを磨くことができます。
コールセンターでの勤務形態は?病院との違いは?
病院にも夜勤はありますが、コールセンターの方が夜勤の割合は多くなります。医療機器や薬剤についての問い合わせコールセンターでは、電話相談の受付が9時から夕方5時まで、というところもありますが、24時間サービスを提供している健康相談も多いので、夜勤が多いのです。
ですから24時間対応のコールセンターでは3交代制の勤務体制を採用していて、例えば、日勤(09:00~17:30)、夕勤(17:00~22:30)、夜勤(22:00~09:30)というように募集しています。職場にもよりますが、夜勤もある程度は担当しなければならないかもしれません。しかし、当然夜勤は給与がアップします。デスクワークでありながら割のいい夜勤ができる職場ともいえますし、ダブルワークで働きやすい仕事ともいえます。コールセンターの雇用形態による違い
コールセンターには、正社員、契約社員、派遣社員などの雇用形態があります。
正社員
正社員の良さは、よほどの事情がないかぎり解雇されないこと。また、賞与や退職金もあります。ただ、夜勤や転勤などがあるかもしれません。
契約社員
契約社員は契約の更新ができなければ働き続けることができないので不安定な立場です。そのぶん、企業にとっては雇いやすく、応募者からすれば採用されやすいともいえます。契約社員のメリットは副業がしやすいことです(企業によります)。
パートやアルバイトも、法律的には立場は契約社員と変わりません。多くの場合、契約社員はフルタイムで勤務し、月給で給料が支払われ、パート(アルバイト)はシフト制で働き、時給で給与が計算されて支払われるというように認識されています。
契約社員やパート(アルバイト)で働く場合、派遣社員と違って自分たちで就職先を探す必要があります。応募するときは、給与以外の交通費や医療などの福利厚生について、確認しておくことをおすすめします。
派遣社員
派遣社員は派遣会社に雇用され、派遣会社に紹介をされた企業へ行き、仕事を行います。パートやアルバイトは雇用先から直接、雇用主が決めた給料が支払われることが一般的ですが、派遣社員は派遣会社から給料が支払われます。アルバイトやパートなどのように、自分で職場を探し、履歴書を書くという手間がありません。
紹介予定派遣
派遣社員にも種類があります。紹介予定派遣は、派遣社員として派遣先企業のコールセンターで働いた後、労働者と企業(コールセンター)の双方が合意した場合、正社員や契約社員に登用される仕組みです。
派遣先
派遣先企業はさまざまで、基本的には社員が産休などで急な欠員が発生し、充足のために受け入れられる雇用形態であり、そのため、より期間限定雇用となることが多いようです。最近は特別な事情がなくても、派遣社員を雇い続けている企業が増えています。
コールセンターで働く看護師の給与や時給は?
コールセンターで働く看護師の給料は20万円ほどが相場ともいわれていますが、夜間の勤務のあるところ(3交代勤務)は、この相場をかなり上回っているところも少なくありません。例えば東京都台東区のコールセンターでは、正看護師の月給が26万5000~29万3000円、大田区にあるコールセンターの場合は月給が30万円以上です。大規模なコールセンターの中には、リフレッシュルームなどの厚生施設を完備しているところもあります。
派遣やパートの時給は1500~2500円が相場です。夜勤はプラス300~500円。看護師資格のないコールセンターのオペレーターよりも2~5割増となっています。
看護師のコールセンター業務に必要なスキル
コールセンターで働く看護師には、どのようなことが求められるのでしょうか。
看護師のコールセンター業務に必要な経験
臨床経験が必要
医療的な相談を受けるために、一定以上の臨床経験が必要です。病院勤務でもクリニック勤務でも差はないようです。完全な新人看護師は採用の対象にならず、看護師の臨床経験が3年以上となっているところがほとんどです。ただ、出産や子育てなどでブランクがあっても、あまり問題にはなりません。
パソコンが使える
コールセンターは専用のパソコンを操作しながら応対することになるので、少しはパソコンができる方が有利です。ただ、パソコン操作は研修で覚えることができます。
正しい敬語が使えること
コールセンターは企業の顔ともいえます。研修で敬語の使い方などを訓練するといっても、社会人として落ち着いた対応ができ、常識的な敬語が使えることは、経験によって身につくものと見なされます。ふだんから正しい言葉使いを心がけましょう。
資格
看護師または准看護師の資格の他、保健師やケアマネジャーの資格をもっている人は給与などで優遇されます。コールセンターのオペレーターそのものは資格不要ですが、コールセンターのスキルアップに役立つ資格としては、「コンタクトセンター検定」「CSスペシャリスト検定」「電話応対技能検定」などがあります。
コールセンター看護師の志望動機の例文紹介
コールセンターに応募するときには、志望動機を書かなければなりません。「コールセンターの仕事を理解していること」「なぜ病院やクリニックではなく、コールセンターを選んだのか」を考えて、明確にしておくと書きやすいでしょう。
実務経験
もしコールセンターでの実務経験があるなら即戦力になれることをアピールしましょう。コールセンター未経験の場合は、もちろん看護師としての経験を書きます。
なぜコールセンターを選んだのか
「なぜコールセンターという職場を選んだのか」ということを明確に書きます。「患者さんに病状や薬の説明をするのが得意で感謝されることが多くありました」「日常生活の留意点などを患者さんに説明すると、わかりやすいと喜ばれていたので向いていると思います」「人の話を聞くことが好きなので、電話でも、お客様との信頼関係が築けるようにがんばれると思っています」など、看護師のスキルとして培ってきたことを、自慢にならないように書きます。
なぜ貴社を選んだのか
応募先の企業についてはホームページで調べて、自分とのつながりを確認しましょう。「保険に興味をもっていました」「貴社の医療機器を使っていました」「私はコールセンターの仕事は未経験ですが、貴社は研修が充実していて、安心して始められるとのことでしたので、応募いたしました」などと書きます。
長く働ける
企業としては、お金と人手をかけて研修するのですから、長く働ける人を採用したがります。短期間のアルバイトではなく、「長く働きたいと思っているので、研修が充実している貴社に応募しました」などと書くのもいいでしょう。面接のときにも、長く働けることをアピールしましょう。
例えば腰痛などがあり、とりあえずコールセンターで働こうと思ったとしても、「腰痛が回復したら病院勤務に復帰したいが、フルタイムでの病院勤務は無理なので、将来的には貴社と兼業で働きたいと思っています」と、正直に話すと好感がもてます。
賃金や労働時間について
志望動機には書かず、面接のときに聞かれたら答えればいいのですが、ダブルワークの場合は、正直に「奨学金を返済したいと思っています」「親に仕送りしたいと考えています」などと説明してもいいかもしれません。労働時間については詳しく書かなくてもいいのですが、例えば早朝や夜勤、祝日などでも働けるなら、「人手が不足する時間帯に働くことができます」とアピールポイントにすることもできます。
国民皆保険制度ではない米国では、コールセンターでの医療保険支援サービスのニーズが高くなっています。米国がん協会(American Cancer Society、ACS)が運営するコールセンター(電話相談センター)は、約300人のスタッフが、365日24時間体制で年間100万件の電話に応答しています。治療法だけでなく、地元データベースによって、病院への送迎ボランティアもあっせんしています。
出典:日経BP「がんナビ」
看護師のコールセンター求人の探し方
現在、日本でも病気の治療法から医療機関まで、選択肢はさまざまになっています。ですから看護師の知識や経験を活かしながら、病気や健康についてアドバイスするコールセンターの看護師の役割は、これから先、日本でもさらに重要になっていくかもしれません。
コールセンターといっても、選ぶ施設や職場によって業務内容も給与や手当も違います。ですから転職する前に十分な情報を集める必要がありますが、まだ看護師としてコールセンターで働いている人は少ないので、情報集めも難しいかもしれません。看護師転職サイトのキャリアアドバイザーなら、詳しい情報をもっているので、相談してみてください。
もし転職の理由が、病院勤務をしたくないというだけなら、コールセンター以外の働き方も相談に乗ってくれるでしょう。
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
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