看護師の平均年収は?大卒・専門卒の初任給や給料が高い職場を解説
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「今のお給料ってまわりと比べてどうなのかな?」
「ほかの看護師や医療従事者の年収はどれくらい?」
働く人であれば給与額は誰しも気になる話題ですよね。
ここでは「看護師と年収」をテーマに、同じ看護師でもどういった要素で年収に差がつくのか、シーン別に徹底的に紹介していきます。
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この記事に書いてあること
最新データから見る看護師の平均年収
2018年の看護師の平均年収は478万円
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は478万2700円という結果が出ています。
自分の給与と比較して多い、少ないとさまざまな感想をもつかもしれませんが、これはあくまでも平均値です。
この平均額は男女合わせたものであり、平均年齢は39.3歳です。また手取り額ではなく、所得税や社会保険料などを控除する前の額であるため、実際に手にするのは380万円前後となります。
月収ベースでは33.2万円、それに80万円の賞与が付加されるという計算です。
ちなみに准看護師の場合には、平均年齢が49.0歳で平均年収は405万6800円、平均月収が28.3万円に賞与が65.7万円となっています。
身分や賞与のあるなしなど、個人的な労働環境によって平均値との差があるのは当然といえます。
看護師は高給取りといえる?
社会的に見たとき、看護師は本当に高給取りなのでしょうか。
同じく「平成29年賃金構造基本統計調査」の全職種平均は491.2万円、看護師の年収よりも13万円ほど上回ります。つまり看護師の年収は、一般的な職種と比較しても決して高いとはいえません。
ただしこれについては別の見方もできます。極端に年収が高い人が一定数いれば、平均値はそれに従って上がるため、平均額が現実の状況を表しているとは必ずしも言えません。
実際、国税庁の民間給与実態統計調査によると、年収400万円以下の割合は57.1%です。ここから推測されるもっとも多い年収の中央値は、360万円前後といわれています。
それに対して看護師の中央値は平均値にかなり近く、計測方法によっては500万円前後と平均を上回る場合もあります。
看護師の場合、全体での給与の差が全業種と比較すると、最低ラインが高めであるため中央値が引き上げられると考えられます。
また全職種の女性の年収377.8万円と比較した場合では、100万円以上の差があります。
もちろん看護師平均は男女総合の額ですが、女性が9割を占める看護師業界の状況を見ると、収入の低い職種とは一概には言えないようです。
看護師の保有資格別の年収比較
看護師の資格を保有したうえでさらなる資格を取得すると、保健師や助産師として活躍することができます。
看護師が保健師や助産師の資格を取得すると年収がどう変わるのか、資格別に年収を比較してみましょう。
正看護師の年収
正看護師の免許がある場合、平均年収は450~520万円程度です。
ただし、働く地域や場所、経験年数、夜勤回数などによっても大きく異なります。
看護師が比較的多い九州地方では年収400~450万円程度ですが、都会や看護師不足が深刻化な地域では500万円を超えるところもあります。
また、看護師が足りていない病院や高齢者福祉施設などでも、給料や福利厚生が良い傾向にあります。ほかにも、自由診療を行う美容外科や、規模の大きい病院やクリニックも高給与であることが多いです。
一方、一般病院や規模の小さい病院では高給が望めない場合が多く、3年目までは年収はおおよそ300~350万円ほどです。経験を積んでも400~500万円にとどまるでしょう。
准看護師の年収
正看護師が国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県知事によって出される認定資格です。
現場では医師や正看護師の指示のもと業務を行うため、正看護師よりも給料が低くなり、准看護師の平均年収は100万円ほど低くなります。
経験が浅い場合は250万円程度、経験を積んでも300~400万円程度で、月収にすると20~25万円程度です。
正看護師と同じ業務や夜勤もこなしますが、それでも給与が低いのが現状です。さらなる収入アップのため、実務経験を重ねた上で資格を取り、正看護師として働くのもおすすめです。
保健師の年収
保健センターや学校などで健康診断や保健指導を行う保健師は、看護師の免許を取得したうえで保健師の免許を取得する必要があります。
公的機関で働く場合は公務員となるため、安定して長く働くことができ、ボーナスも出ます。そのため看護師よりも給料は高めです。
平均的な給料は月給が30~35万円程度、年収は500~600万円程度です。ただし、就職先が少ないことから、保健師の資格を持っていても活かせていない方も多いです。
助産師の年収
助産師も保健師同様、看護師免許を取得したうえで助産師免許が必要です。
平均的な給料は月収27万円程度、年収にすると350~380万円程度です。経験を積むと月収30~40万円、年収450~550万円に達する場合もあります。
看護師の保有資格別の年収まとめ
- 准看護師は医師や正看護師の指示のもと仕事を行うため年収は正看護師よりも低い
- 正看護師の平均年収が450万円~であるのに対し准看護師は200万円~とその差は2倍ほど
- 就職先は少ないが年収500万円以上を見込める保健師や経験を積むと年収450万円以上も見込める助産師の資格を取るという選択肢もある
男女の年収の差はどれくらい?
それでは看護師の男女の収入差はどれくらいあるのでしょうか。
男性看護師の平均年収は489万4200円、平均年齢36.0歳となっています。ここ10年の間には男性が看護師に占める割合が急激に高くなっていますが、それでも本格的に参入して日が浅いため、年齢層も女性より低いようです。
平均月収で見ると、33万9400円、平均賞与額は82万1400円です。
一方、女性看護師の平均年収は477万1100円、平均年齢は39.6歳です。男性看護師と比較すると10万円以上の差があります。平均月収は33万1100円、平均賞与額は79万7600円となっています。
男性看護師の年収が高い理由としては、勤務先が比較的大規模な病院に限られるということが挙げられます。クリニックや個人病院などでは、未だ男性看護師を採用していないところが多いようです。
また扶養家族のいる看護師が多く、その分手当が付加されていることも考えられます。
看護師の都道府県別の年収比較
看護師の収入を大きく左右するのが、職場の立地エリアです。厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」を元にした、都道府県別の年収を見ていきましょう。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
1 | 京都 | 541.4万円 |
2 | 東京 | 532.3万円 |
3 | 山梨 | 524.0万円 |
4 | 千葉 | 511.5万円 |
5 | 神奈川 | 507.4万円 |
6 | 兵庫 | 501.0万円 |
7 | 奈良 | 500.7万円 |
8 | 栃木 | 500.2万円 |
9 | 鳥取 | 500.0万円 |
10 | 三重 | 498.6万円 |
11 | 愛知 | 498.2万円 |
12 | 静岡 | 492.3万円 |
13 | 福井 | 490.6万円 |
14 | 石川 | 484.2万円 |
15 | 広島 | 482.8万円 |
16 | 山口 | 482.4万円 |
17 | 埼玉 | 482.4万円 |
18 | 大阪 | 481.9万円 |
19 | 北海道 | 479.3万円 |
20 | 長野 | 479.1万円 |
21 | 和歌山 | 479.0万円 |
22 | 岐阜 | 478.2万円 |
23 | 山形 | 476.0万円 |
24 | 秋田 | 475.8万円 |
25 | 宮城 | 475.5万円 |
26 | 岡山 | 473.1万円 |
27 | 富山 | 468.9万円 |
28 | 新潟 | 467.9万円 |
29 | 福島 | 467.7万円 |
30 | 徳島 | 465.6万円 |
31 | 群馬 | 458.3万円 |
32 | 香川 | 457.5万円 |
33 | 島根 | 455.2万円 |
34 | 茨城 | 452.3万円 |
35 | 岩手 | 448.8万円 |
36 | 青森 | 444.4万円 |
37 | 高知 | 439.5万円 |
38 | 愛媛 | 437.0万円 |
39 | 福岡 | 432.3万円 |
40 | 熊本 | 431.8万円 |
41 | 沖縄 | 428.2万円 |
42 | 大分 | 426.3万円 |
43 | 滋賀 | 422.0万円 |
44 | 佐賀 | 415.5万円 |
45 | 長崎 | 414.9万円 |
46 | 鹿児島 | 406.4万円 |
47 | 宮崎 | 395.9万円 |
全国平均 | 478.3万円 |
冒頭でも伝えたように、看護師の年収の全国平均は478万2700円です。今回の調査では京都府が東京都を抑え、541.4万円でトップとなりました。
平均額を上回っているのは21都道府県、残りの26県は平均以下です。
首都圏、関西圏、中部圏の中央部ほど高く、東北、四国、九州・沖縄地方の中央から離れた地方ほど低い傾向がありますが、北海道は平均を上回ります。
最下位の宮崎395万9000円と、トップの京都の差は約145万円です。
ただ宮崎の平均年収が365万7600円なのに対し、京都の平均年収は498万7,200円で、ここから見るといずれも看護師の収入が全体を上回ることがわかります。
看護師の収入格差はそのまま地域の収入格差を反映しており、エリアの生活レベルの中では上位に入るといえるでしょう。
看護師の職場別の年収比較
日本看護協会から見る職場別給料の違い
日本看護協会の職場の区分
働く職場によっても看護師の収入はかなり違ってきます。
働く職場によって看護師の給料がどれぐらい違うか見ていきましょう。
(※日本看護協会 看護職の給与データ(2018年版)の勤続10年の看護師(31~32歳、非管理職) などを参考算出した数字です)
看護師の年収は、どこを運営母体とした病院・診療所(クリニック)であるかや、病院の規模(病床数)、有している診療科目によって年収などが違ってきますし、賞与のある・なしも違ってきます。
また、病院が立地している県や場所によっても、年収などに違いがあります。
日本看護協会では、
- 国
- 公立等
- 公的医療機関
- 社会保険関係団体
- 公益法人
- 医療法人・個人
- その他法人等
という職場別で看護師の職場を分けています。
職場別の年収の特徴と比較
『国』に入っているのは、厚生労働省(国立ハンセン病療養所等)・独立行政法人国立病院機構・国立大学法人・独立行政法人労働者健康福祉機構・独立行政法人地域医療機能推進機構・その他の国の病院です。
こうした国立の病院は年収がよいというイメージがあります。 しかし、公的医療機関や社会保険関係団体の平均年収と比較してみると、国立病院の年収はあまり高くはありません。
年収だけで見た場合には、『公的医療機関』の日本赤十字社・済生会・厚生農業協同組合連合会・北海道社会事業協会の病院や『社会保険関係団体』の健康保険組合(連合会)・共済組合(連合会)・国民健康保険組合の病院の方が良いことが多いです。
また、これらの病院に加え『その他法人等』の私立学校法人・社会福祉法人・医療生協・会社は、賞与の支給額がよいこと多いです。
しかし、賞与の支給が「業績に応じて」となっていることが少なくありません。
これは『公益法人』の公益社団法人・公益財団法人の病院や『医療法人・個人』の病院も同じです。
賞与支給が安定していて、ほぼ確実に提示された金額の賞与が貰える可能性が高いのが、国立の病院と『公立等』の都道府県・市町村・地方独立行政法人(公立大学法人)の病院です。
以前は国立病院に勤務する看護師は公務員か、それに準ずる待遇になっていることが多かったですが、今はそうした扱いにはなっていません。
しかし、今でも国立病院は賞与支給が安定していますし、福利厚生も充実しています。県立病院の方は、今も看護師の待遇が地方公務員と同じになっていることが多いです。
年収の良い職場で働きたいと考える場合、どこを運営母体にしているかより、病院の規模(病床数)がとくに重要になってきます。
賞与の支給が良いと話した『公的医療機関』『社会保険関係団体』の病院でも、病床数が100床以下の小規模病院だと、平均年収が低いことも少なくありません。
『医療法人・個人』の小規模病院だと、賞与の支給が無いこともあります。
都市部の病院の方が年収・賞与が高い?
そして、もう1つ重要になるのが病院が立地している場所です。
都市部にある病院は、地方部にある病院より年収・賞与のどちらも高い傾向にあります。
『医療法人・個人』の病院でも、都市部にある大規模病院であれば、『公的医療機関』『社会保険関係団体』『公益法人』の中規模病院より年収・賞与ともに良いこともあります。
そのため、どこが運営母体になっているかより、病院の規模や病院が立地する場所の方を重視して、職場選びを行った方が良いかもしれません。
職場によって、年収や月収が違ってきますし、賞与のある・なしも違ってきますから、職場選びは慎重に行いましょう。
運営母体別 平均年収・月収・ボーナス
運営母体 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス |
---|---|---|---|
国 | 536.25万円 | 33.82万円 | 130.41万円 |
公立等 | 547.62万円 | 33.98万円 | 139.86万円 |
公的医療機関 | 535.45万円 | 33.81万円 | 129.73万円 |
社会保険関係団体 | 573.57万円 | 35.59万円 | 146.49万円 |
公益法人 | 495.42万円 | 31.92万円 | 112.38万円 |
医療法人・個人 | 458.82万円 | 31.14万円 | 85.14万円 |
その他 | 485.78万円 | 32.97万円 | 90.14万円 |
病床別 平均月収
病床数 | 平均月収 |
---|---|
99床以下 | 31.1万円 |
100~199床 | 31.64万円 |
200~299床 | 31.97万円 |
300~399床 | 33.44万円 |
400~499床 | 33.93万円 |
500床以上 | 34.95万円 |
看護師の診療科別の年収比較
看護師が働く診療科によっての違いはあるのでしょうか。診療科別の収入については、詳しいデータが出されておらず、医療機関によってもかなりの差があります。
ここでは一般的な傾向について説明していきます。
ICU・CCU
ICUやCCUが設置されているのは、比較的大規模な病院に限られるため、基本給自体の設定が高い傾向があります。
24時間のシフト制であり、夜勤回数にも制限がありません。また、夜間看護の機会が多いため、食事手当や当直手当が支給されている病院も多いようです。
夜勤手当についても病棟では1万2000~1万5000円程度が一般的ですが、ICU、CCUでは1万5000~2万円程度に設定されています。
そのため夜勤回数が増えるほど、収入もアップしていきます。年収ベースでは平均で500万円以上といわれています。
手術室
難易度の高い手術を行っている病院では、手術室勤務の看護師の給料も高く設定されています。一般的な手術室看護師の平均年収は450~500万円といわれています。
扱う手術の内容と、オンコールの有無や回数によって収入に違いがあります。
手術室看護師には夜勤はありませんが、オンコール手当がつくと病棟看護師よりも高額な収入となる場合が多いようです。
特に脳神経外科や循環器科の手術室は、緊急性が高く難しい手術を扱うため、収入も高額化します。
リハビリ科
リハビリ専門のクリニックや病院では、一般的な看護師と同程度の給与水準ですが、脳神経外科や整形外科が法人内にある病院では、比較的高い給与体系であることが多いようです。
また夜勤の有無や当直数により手取り額が大きく異なります。
人工透析科
予約の外来診療のみで運営されるため、夜勤手当がない分給料が低めです。
しかし日勤だけの仕事の中では、高水準であるといえるでしょう。一般的な診療科とは違い、大規模な病院や大学病院などよりも、人工透析専門のクリニックの方が高い給料設定である傾向が見られます。
脳神経外科
緊急性があり、難易度の高い患者を扱うことが多いため、ほかの診療科よりも業務量が多くなりがちです。
そのため基本給は変わりなくても、残業手当によって増額される可能性があります。看護師としてのスキルが向上するため、将来的な年収アップにつなげられます。
呼吸器科
病院規模や夜勤の有無により、手取り額が変わります。呼吸器科では訪問看護を実施しているケースも多く、オンコール手当があると給与額も上がります。
就業先の体制により、給与に差が出やすい診療科といえるでしょう。
循環器科
難しい疾患が多く、看護師に対しても高いスキルが求められます。そのため基本給が高い傾向にあり、また急変が多いため残業も多くなりがちです。
夜勤手当の加算とともに、診療科の中では高水準の給与が期待できます。反面、多忙を極め、また日々の学習や技術の研さんが必要とされるため、志のある看護師でないと務まりません。
精神科
一般的な診療を行う精神科では、給与ベースでほかの診療所との違いは見られません。
精神科の急性期看護や救急看護を扱う病院では、基本給を高く設定しています。
心療内科
看護師の募集が少ない診療科です。夜勤がないため、平均年収も300万~350万円と他の診療科と比較するとかなり低めの傾向がみられます。
最近では介護施設が併設しているところもあり、運営母体が企業の場合には比較的高収入が期待できます。
耳鼻科
基本給の設定が低めなのに加え、緊急性の高い手術もなく入院施設がない場合が多いため、手当もつきづらい診療科です。平均年収は350万~400万円程度と見られます。
眼科
耳鼻科と同じく入院施設がないことの多い診療科ですが、手術件数が多いため基本給の設定が高めです。
年収は400万円以上が多いようです。特に自由診療であるレーシック専門医であれば、かなり高額の給与が期待できます。
胃腸科
給与水準としてはごく平均的ですが、身に付く知識や技術が多く、将来的なステップアップには最適です。
泌尿器科
平均年収は350万~400万円程度と平均水準以下ですが、クリニックでも人工透析を扱っている場合には、基本給が高めに設定される傾向があります。
整形外科
外来のみの場合には、350万~400万円程度が平均です。病棟がある病院に勤務している場合には、一般的な看護師平均の給与額となります。
内科
勤務先に業態による収入差が大きい診療科です。一般的な平均年収は400万~500万円ですが、クリニックで日勤のみでは400万円を下回ります。
緊急時対応や残業の有無で大きな差が生じます。
外科
基本給ベースでは特に高額ではありませんが、手術を多く扱う病院の場合には高めに設定されることが多いようです。
平均年収は450万~550万円で、救急外来がある場合にはさらに高額化することが期待できます。
小児科
少子化により小児科自体が減りつつあるのが現状ですが、看護師の平均年収も夜勤がある病院でも450万円程度とさほど高くはありません。
入院施設のない小児科専門クリニックでは350万~400万円が平均となります。子どもを患者とする診療では、時間がかかるため病院としての効率性が低下します。
収益が低いとそれを反映して、最終的には看護師の給与も抑えられるという背景があります。
看護師の雇用形態別の年収比較
看護師には正社員以外にもパートや派遣など、いくつかの雇用形態があります。ここではパートと派遣ナースの場合を比較してみましょう。
パート看護師の年収
パート勤務の場合は、週に4~5日程度、日勤のみのパターンが多く、外来などでの勤務が多くなります。
時給は1,200~1,600円程度で、夕方の診療や夜診の時間帯は比較的時給がよくなります。
週に4~5回、1日8時間勤務をすると月給は19~22万円程度、年収は250万円程度となります。
派遣ナースの年収
派遣ナースとは3か月間など期間限定で働く看護師のことです。
給料は働く場所や地域によっても大きく違いますが、たいていは時給1,200円程度~で、看護師が不足している高齢者福祉施設などでは時給2,000円というところもあります。
年収は働いた日数よって変わるので一概には言えませんが、月に18日程働いた場合は、180~200万円程度の年収になるでしょう。
しかし、3か月~半年間で契約を更新しなければいけないこと、働く日数によっては社会保険に入れたり入れなかったりするため、給料の変動が大きいのが難点です。
一方、「人間関係などのわずらわしさもなく給料が良い」とあえて派遣中心で働く方もいます。
看護師の雇用形態別の年収まとめ
- 時間を決めて働きたい方や職場の人間関係がわずらわしいという方に人気のパートや派遣ナースの時給は1,200円以上が相場
- 人手不足の施設の場合は時給2,000円というところも
- 働いた日数によって収入が変動する
- 派遣の場合は一定期間で契約を更新しなければならない不安定な雇用である
看護師の学歴別の年収比較
学歴 | 平均年収 | 平均月収 | 平均ボーナス |
---|---|---|---|
看護 3 年課程卒 | 266.67万円 | 19.94万円 | 27.39万円 |
看護系大卒 | 271.62万円 | 20.32万円 | 27.78万円 |
看護系大学院卒 | 277.37万円 | 20.75万円 | 28.37万円 |
(※日本看護協会 看護職の給与データ(2018年版)の勤続10年の看護師(31~32歳非管理職) を参考に算出)
日本看護協会のデータには、2年目以降の学歴別の給与データはありませんでした。
そのため学歴別の初任給をベースにして看護師の年収を学歴別に比較します。
初任給では学歴による年収の違いはほとんどありません。
また、病院の中には、学歴に関係なく新卒の看護師は、全て同じスタートラインにしているところも少なくありません。
しかし、実際に看護師として働いている看護師から、学歴によって年収が違っているという話をけっこう聞くことがあります。
これは、学歴によって昇級の伸びや管理職への昇格のしやすさが違っている病院があることが関係しているようです。
病院の中には、より高度な知識を学んでいる大学や大学院卒の方のほうが、専門卒・短大卒の方より昇格しやすく、昇給の伸び率がよくなっている病院があります。
こうした病院だと、初任給ではそれほど年収に違いが無かったのに、経験が長くなればなるほど学歴によって給与に差が出て、専門学校・短大卒より12~15万円ぐらい年収に違いがある病院もあるそうです。
学歴差がある病院で給料アップを目指すのであれば、大学への編入は1つの方法になるでしょう。
結婚後の看護師の働き方別年収比較
「勤務時間が不規則」「心身ともに負担が大きい」などの理由により離職率が高い看護師ですが、退職理由の1つには「子育てとの両立が難しい」という声もよく聞かれます。
では、結婚後に働き方を変えた場合、年収はどのように変わるのでしょうか?
育休後に職場復帰する場合の年収
育児休暇を取り、再び同じ病院に復職する場合、子どもが1歳になって復帰するというパターンが一般的です。
子どもが幼い間は夜勤が難しいため、時短制度を利用して日勤常勤として働くか、パートに切り替えて働く方が多くなります。
時短の日勤常勤だと夜勤分の手当が減るため、月給は22~27万円程度、年収は320~350万円となり、今までより月5万円ほど減収になります。それでも今までの経験はそのまま加算され、基本給や調整手当てなどは確保されます。
結婚後、パートとして働く場合の年収
一方、パートに切り替える場合は時給制となります。時給1400円~1800円で週3~4日働いた場合、毎月の給料は18万円程度、年収はボーナスがなくなるため200万円程度となってしまいます。
夜勤ができないと常勤として雇わない病院も多いため、パートに切り替えて働く人も多いですが、年収は大幅ダウンするでしょう。
また、保育園に子どもを預けるための高い保育料も払わなければならないため、離職する人が多いのが現状です。
また、子どもに手がかからなくなってから復職する場合は、5~6年ほどブランクが空いてしまいます。
ブランク後に同じ病院に復帰する場合は、今までの経験を見込まれ、途中入社の方よりは優遇されるケースが多いですが、夜勤ができるかどうか、常勤か非常勤、パートかによって給料は増減します。
夜勤もこなしてフルタイムで働いていた頃と比べると年収は100~200万円は下がってしまうことが多いようです。
看護師の働き方別年収まとめ
- 育休後は同じ病院で時短勤務の日勤常勤として働くか時給制のパートに切り替えて働く看護師が多い
- 日勤常勤の場合は夜勤手当てがなくなるため月5万ほどの減収となり年収は320万円~
- パートの場合出勤回数にもよるが年収200万円前後となる場合が多い
なお、産休・育休は「元の職場に復帰する」ことを条件に給付されるため、転職する場合は結婚前がおすすめです。
看護師の年齢別の年収比較
看護師の収入が高いと思われがちな理由として、新卒の初任給の高さがあります。
一般的な職業と比較すると、20代初めから給与額が高めに設定されているため、現実以上のイメージがもたれるようです。
しかし看護師の収入では30代以降の伸びが急激に悪くなり、他業種に逆転されるという特徴があります。看護師の年齢による収入を、具体的に見てみましょう。
年齢 | 月額給与 | 年収 |
---|---|---|
20-24歳 | 25.0万円 | 389.0万円 |
25-29歳 | 27.6万円 | 456.2万円 |
30-34歳 | 28.9万円 | 465.7万円 |
35-39歳 | 30.2万円 | 480.4万円 |
40-44歳 | 31.5万円 | 504.8万円 |
45-49歳 | 32.4万円 | 516.2万円 |
50-54歳 | 33.3万円 | 529.9万円 |
55-59歳 | 33.4万円 | 528.1万円 |
60-64歳 | 29.8万円 | 441.6万円 |
65-69歳 | 27.6万円 | 408.3万円 |
70歳~ | 27.4万円 | 368.3万円 |
20~30代前半までは一般的な職種と比べて相対的に給与額が高いと言えますが、年収のピークとなる50代では、100万円近く低くなります。
看護師の年収は、初めは好スタートをきりますが、その後の伸びは緩やかとなり、全業種の平均に大きな差をつけられることになります。
ただ、年齢がさらに高くなると再び逆転が起こります。60代以上では全業種平均を上回り、その後も緩やかに減少していきます。
他業種では60歳を境に200万円以上もの収入の落ち込みを見せますが、看護師はそこまで大きな急落が見られません。
実際に70歳を過ぎても現役で働き続ける看護師は少なくありません。生涯を通じて看護師という資格が、収入をもたらしてくれる糧となることがよくわかります。
看護師の年収は長く働き続けても上がらない⁉
看護師は収入のいい職業というイメージを抱いている人が多いなか、これに対して大きく異議を唱える看護師が大勢います。
では、我々が持つイメージと実際の看護師の収入事情にはどのような食い違いがあるのでしょうか。
厚生労働省が行った平成30年賃金構造基本統計調査によると、全ての産業・全ての企業規模における年齢階級別賃金は、新社会人世代にあたる20~24歳で20万9700円、生涯を通じて最も年収が高くなる50~54歳で37万3800円となっています。
経験を積むことで16万円以上収入がアップすることになりますが、看護師の場合、20~24歳の所定内給与額は、男性24万8600円、女性25万3800円で、50~54歳になると、男性35万9000円、女性33万3400円と、経験によってアップする金額は8~11万円程度に留まる結果となっています。
看護師の昇給率が低い理由は、看護師全体の人数に対しての管理職が枠が少ないことが関係しています。
一つの病院で師長などの管理職の数は限られているため、実際、どんどん上の階級へ上がっていく看護師は少なく、役職のついていない看護師の方が圧倒的に多いです。
大卒や大学院卒であれば、管理職になりやすいこともあり、専門学校卒や短大卒の看護師より、働き続けることでの年収アップは期待できるかもしれません。
ただ、他の職種と比較した時、誰もが低い賃金でスタートを切る新卒当初から高い給与設定にある看護師は、高給取りと思われがちですが、長い目で見た場合の収入の伸び率は意外にも低いことがわかります。
年収をアップさせたいなら基本給が高い職場に転職!
年収アップさせる方法の問題点
年収をアップさせる方法に、管理職を目指すという方法もありますが、この方法には一つ問題があります。
それは、一つの病院での管理職の数には枠があるということです。
もうすぐ師長が定年をむかえるといった場合には、チャレンジしてみてもいいですが、あまり現実的な方法ではありません。
ほかには認定看護師や専門看護師といった資格を取るという方法もあります。
ですが、こうした専門的な資格を取るためには、決められた時間数の講習を受けるか、もしくは資格試験に合格する必要があります。
そのためには通常のシフト業務をこなしながら資格取得を目指さないといけなくなるため、かなり困難な方法であると言えます。
確実な年収アップの方法
もっとも確実に年収をアップさせるの方法なのが、基本給の高いところへの転職です。
基本給が高い職場だけでなく、手当が多い職場に転職しても月々の月収がアップしますが、手当が多いところより、基本給が高いところの方が年収は上がります。
それはボーナス額が基本給で計算されることが多いことが関係しています。
ボーナス額を基本給で計算すると、同じ20万円の月収があっても基本給16万円+手当4万円より、基本給18万円+手当2万円の方がボーナス額も年収も高くなります。
病院のある場所や病院の運営母体によって年収やボーナスが違ってきますが、年収アップを目的に転職をするのなら病院の規模(病床数)が大きい病院がおすすめです。
病床数が100床以下の小規模病院だと基本給が低いことも少なくありませんし、ボーナスの支給が無いこともあります。
民間病院や個人病院でも、大規模病院であれば、国立・公立や公益法人が運営する中規模病院より基本給がよいこともあります。
また、医療機関以外の介護関連の職場や企業系の職場の中にも、条件がよいところがけっこうあります。
今の職場から転職することにはリスクもあるでしょうが、管理職を目指したり、資格を取得するより確実に年収をアップさせることができるでしょう。
転職を決意するのは勇気がいることです。
ですが、基本給が低い職場で働き続けていても年収アップは期待できませんから、思い切って環境を変えたほうが将来のためになるでしょう。
基本給が高い職場の見つけ方
転職は年収をアップさせる最良の方法と言えますが、転職にはリスクもあります。
また、いくら基本給が高い職場であっても、休む間もないぐらい忙しい職場であったり、基本給は高くても昇給の伸び率があまり高くなったりしたら転職した意味がなくなってしまいます。
そのため転職する際には、情報収集が必須です。
しかし、自分だけでの情報収集には限界があります。
そこでおすすめなのが、看護師転職サイトの利用です。
看護師の求人はとても多いため、今の職場より今の年収だけでなく、将来的なことも考えてキッチリ調べるとなると莫大な時間がかかります。
看護師転職サイトは、それぞれの病院の基本給だけでなく、昇給率や忙しさといった求人情報にはあまり載っていない情報も把握しています。
そのため、サイトに登録して、自分の希望する条件を伝えておけば、希望に合った職場をたくさんの求人の中から見つけ出してくれます。
さらにアドバイザーが、転職先との交渉や必要書類の書き方など、転職するのにしなければいけないさまざまなことをサポートしてくれるので安心です。
一人での転職活動だと不安もあります。
また抜かりがあって、後で転職したことを後悔することにもなりかねません。
転職を考えているのなら、早めに看護師転職サイトに登録し、自分の希望に合った職場を見つけてもらいましょう。
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
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