手術室看護師の仕事内容と給与、メリット・デメリットを徹底調査
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医療ドラマでは重要なシーンとなる手術室ですが、看護師の働く職場としてはどうなのでしょうか。
病棟よりも緊迫した空気が流れ、やりがいが持てそうな現場のイメージがあります。そうした様子に憧れて、転職を希望している看護師も多いようです。
ここでは手術室看護師の具体的な仕事内容や給与事情、そこで働くメリットやデメリットについて解説していきます。
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この記事に書いてあること
手術室看護師とは
手術室の構成
手術室は総合病院など比較的大規模な病院では10室前後、中には20室以上も保有している病院もあります。
手術専門の部署として「手術部」があり、各科からの手術の要請と手術のスケジュール・内容の立案を行っています。
手術部では、手術介助、手術前後の患者の看護ケアから機器の整備や感染防止対策など手術に関わる業務を幅広く担います。
実際にオペを行う手術室の様子がわかるコントロール室が入口付近に配置されており、カメラによる音声画像や各種機器のモニターが、外部からも観察できるようになっています。
手術室でのスタッフ配置
手術室には外科医や麻酔医、機器の担当や医師のサポートをする看護師のほか、臨床工学士などが配置されます。
スタッフの配置は看護師長や主任が中心となり、各手術室への看護師の適切な配置が検討されます。手術室1室あたりの看護師の配置人数は、病院の規模によって異なります。
一般病院の 1 室あたりの看護師数は大学病院よりも少ない傾向にあり、大学病院では平均3.31人、一般病院では2.94人となっています。
手術室でも看護師の不足は深刻で、現況では手術室数が多い病院ほど手術室の看護師も確保されています。
本来、手術室の看護師数としては4~5名、看護助手1.5名が理想とされているようです。
手術室看護師の仕事内容と役割
手術室看護師には、器械出し看護師と外回り看護師の2種類があります。
器械出し看護師は、執刀医などが必要とする手術器具を適切なタイミングで手渡しします。
一方、外回り看護師は、急遽必要となった場合の機器手配や、医薬品の管理と記録、出血量の確認と記録などを担当します。
器械出しの看護師は、事前に医師との入念な打ち合わせをするため、手術に関する専門的な知識が必要になります。
器械出しでは的確な判断力と知識が求められるため、自然とそのスキルが磨かれていきます。
外回り担当の看護師は、細かな気配りが必要とされます。
術前に病棟へ向かい、オペ前の患者を訪問するのも外回りの看護師の役割です。
また、病棟の看護師から患者の状態を引き継ぎ、麻酔の導入の介助を行います。
常に患者の状態変化の観察やオペ進行の気配りをし、オペが順調に進むように働きます。
患者と直接コミュニケーションを取り、オペを控えた患者の不安をくみとって、精神的なサポートを行います。
さらに術前と術後の身体の変化を観察し、異常の兆候をいち早く察知することが求められます。
手術室看護師の職場環境
病院規模により専属・兼任がある
大規模な総合病院・大学病院
手術部があり、手術室専属看護師として働くことができます。
手術件数が多く、消化器外科・整形外科・脳外科・心臓外科・脳神経外科など、診療科によるオペの幅も広くなります。
大病院の場合には手術室看護師に希望を出しても、手術室の看護師が足りているという理由で、他の部署へ配属されてしまう恐れがあります。
一方で大きな病院になるほど手術室も手術数も多くなるため、必要とされる看護師の人数も増え、手術室看護師になれる可能性も高くなります。
規模が大きい病院では手術室が扱う診療科も多くなるため、看護師に対してもより幅広い知識が求められます。
常に学習し続ける向学心が求められる上、重大な手術では長時間にわたるため、十分な体力が必要です。
中小規模の病院
中小規模の病院では手術室があっても件数が少なく、常時手術が行われていません。
そのため外来や病棟兼任看護師として働く可能性が高くなります。
中小規模の病院で働くことのメリットとしては、重大な手術を扱うことが少なく、定期的な異動があまりないといったことが挙げられます。
中小規模の病院の場合は、手術室および手術回数が総合病院や大学病院に比べると少ないため、手術室専属の看護師数はごく少数で、救急や外来などの他領域と兼務している場合が多いようです。
扱う手術の分野はそれなりにありますが、心臓や脳外科など、重大な症状についてはさらに施設の整った大規模病院に回すのが一般的です。
手術への適度な知識を得ることができ、長時間に及ぶ手術はあまりないのが中小規模の手術室勤務です。
定時に仕事が終わることがほとんどであり、プライベートも充実させることができる、という点も大きなメリットといえるでしょう。
手術室看護師の労働時間
手術室看護師の労働時間については、その病院の規模や勤務体制によっても変わります。
例えば大規模な病院で行われる手術の場合には、予定していた時間が過ぎても終わらないということがよくあります。
そうした現場で働く手術室看護師であれば、勤務時間通りに業務が終わるとは限りません。
中小規模の手術室看護師の場合には、残業が必要になるほどの内容の手術を扱わないということも考えられます。
その代わり病棟勤務と兼任していれば、夜勤もこなさなければなりません。
大学病院ではほとんど3次の救命救急センターを併設しており、24時間365日オペ室は稼働しています。
年間の手術件数は8千、9千、1万件と桁違いの患者を手術します。
そのような病院では夜勤を含め日勤、中勤と、病棟勤務と同じくオペ室勤務も2交代または3交代勤務となります。
手術室での人間関係
大規模な病院では、手術部に所属するオペ室看護師も100名前後と大所帯です。
日勤であれば通常はスケジュールに従った手術を担当しますが、中勤になるとその日に担当オペが割り振られることもあり、どのような手術にも対応できる冷静さが必要となります。
他方、手術室看護師は病棟看護師から見ると、「独特の冷たい雰囲気」「クールすぎて怖い」といったイメージがあるようです。
手術室の中では意識のない患者のほかは、病院の関係者のみです。
張り詰めた緊張感の中、遠慮のないことばが交わされるのが、当たり前の状態となります。
また24時間稼働している手術室では、毎日同じメンバーと長時間過ごすことになります。
窓もなく、閉鎖された空間ではわずかな行き違いも、人間関係に大きな影響を与えてしまうのかもしれません。
手術室で人間関係が良好であるという話は、あまり聞かれません。
お互いにエキスパートというプライドのもと、適度な距離感をもってチームを組んでいるといったところでしょう。
手術室看護師として働くメリット・デメリット
手術室看護師として働くメリット
手術室に勤務する看護師のメリットとしては、以下のようなものがあります。
- 専門的な知識が身につく
- 最先端の医療現場にいられる
- 土日に休める
- 手当が多く手取り額が高くなる
手術室はいわば技能者の集まりのような場所です。少しのミスも許されず、誰もが自分の職務を完璧にこなす必要があります。
それだけに手術室で働き続けられる看護師は、専門的な知識と技術に優れた人材としての評価が得られるようになります。
重大な手術を行う病院であれば、常に最新の医療が行われ、看護師の職務をこなす上で大きな刺激となります。
様々な症例を見ることで、自然に知識が培われていきます。
手術は緊急事態を除いては、土日を外して組まれます。カレンダー通りの勤務で働く手術室看護師も、少なくありません。
手術室看護師には、ほかの看護師にはない手当が複数つきます。そのため、一般的な看護師よりも手取り額が多くもらえます。
手術室看護師として働くデメリット
一方では、手術室看護師として働くデメリットもあります。
- オンコール体制がある
- 人間関係が厳しい
- 向上心が求められる
- 向き不向きが明確
- 長時間の立ち仕事
病院の規模や扱っている手術にもよりますが、救急医療を行う病院では、手術室も24時間体制です。
シフト勤務のほか、緊急時に備えたオンコール体制を敷いているところが多く見られます。
当番にあたっていると、急な呼び出しに対応しなければならないため、休みでも遠方に遊びに行けないなどの制限がつきます。
手術室では常にさまざまな症例の手術が行われています。あらゆる事態に備え、看護師も知識を吸収していかなければ、追いつきません。
勉強好き、研究熱心なタイプが求められます。
加えて医師からの指示がなくても、適切な判断を下しながら自身で行動できるタイプでなければ、チームの足手まといとなり、手術室勤務は務まりません。
病棟看護師であればおっとりとした性格も長所となりますが、手術室ではてきぱきと物事を処理していく能力が必須です。
向き不向きが明確に出る職場といえるでしょう。
また一度オペが始まると、長時間座れないこともあります。
体力勝負の長丁場に持ちこたえられる身体の持ち主でなければ、スタッフに迷惑をかける可能性もあります。
手術室看護師の収入
業務内容や精神的なプレッシャーも非常にハードな手術室看護師ですが、その大変さは収入に反映されています。
基本給だけの比較ではそこまでの違いがありませんが、病棟看護師や外来看護師と比べると、夜勤手当を除く平均年収だけでも50万円以上高くなります。
手術室看護師の給料相場は、22万円~35万円です。
年収で見ると日勤常勤の病棟勤務の平均年収が約396万円なのに対して、手術室勤務は約448万円です。
ちなみに外来の場合では、394万円ほどになります。
夜勤がある場合では病棟勤務が481万円、手術室は483万円と差が小さくなりますが、これは1ヶ月あたりの夜勤の回数に関係しているようです。
手術室看護師の場合、さらに手術手当、危険手当、当直手当、待機手当の加算があるため、病院によってはかなりの高額収入となります。
手術室看護師の適性とスキル
手術室看護師に求められる適性
手術室看護師に求められる適性としては、以下のようなものが挙げられます。
- 物事に動じず冷静である
- 理論建てて効率的な行動がとれる
- 感情よりもチームの和を優先できる
- 業務に対して積極的に知識を学ぶ姿勢がある
- 研究者気質である
手術室看護師は感情に左右されず、常にもっとも効率的な行動ができることが求められます。
患者に同情するよりも、その時点で何が優先されるべきかを考えられるタイプでなければ、一刻を争う事態に遭遇したときに十分な働きができません。
個性的な人材がそろうエキスパート集団の中で、自分の感情に逆らっても、チームの和を優先できるよう求められます。
数多くの症例を扱う手術室看護師にとって、仕事の経験こそが何よりもスキルアップとなります。
その前提としては院内研修や日ごろの勉強会への参加により高度な看護技術や看護学を学び続け、個人的にも向学心をもって業務に取り組む必要があります。
手術室で行う看護師の業務内容は限られています。手術器具の準備に始まり、患者の生態機能の把握、意識回復まで介助と、基本的な手術看護の役割は毎日同じことの繰り返しです。
その中にあって術中患者の容態は刻々と変化し、血圧低下、脳梗塞、心筋梗塞、不整脈など麻酔による合併症が起きる危険性を常にはらんでいます。
ルーティーンとなる業務をいかに完璧に効率的にこなすか、患者の容態の変化についてどのような処置がなされるのか、そうした手術室の業務について探求心を持っていること。
そして、常に進歩を追い求める研究者気質や職人タイプが手術室看護師という職種に適合します。
さらなる高みを目指すなら手術室認定看護師の取得を
手術看護認定看護師は日本看護協会による認定資格です。
手術前、手術中、手術後の患者対応において、熟練したスキルと知識をもって質の高い看護ケアをすると認められた看護師に与えられます。
手術室認定看護師資格の取得要件は以下の通りです。
- 認定看護師教育機関で、6か月以上の連続した教育を受ける
- 上記の入学条件として、保健師・助産師および看護師の資格取得後、実務研修が通算5年以上である
- 通算3年以上の手術看護分野での看護実績をもつ
- 手術看護における機械出し・外回り看護師いずれの実績ももっている
- 認定申請の時点で手術看護部門に勤務していることが望ましい
手術室看護師に転職を希望する際のチェックポイント
手術室看護師を希望し、新しい職場の転職を考えているのであれば、単に手術室看護師求人に応募するだけではなく、以下の点を確認して職場を選ぶ必要があります。
- 手術室専属か外来や病棟との兼任か
- 実施されている手術の種類
- オンコール制の有無とその頻度
- 手術室の数
- 手術件数
- 手術室のスタッフ数
- 手術室におけるプリセプター導入状況
病院の規模により専属か兼任かの違いがあります。場合によっては兼任の方の労働環境が厳しく、手術業務に関しては中途半端な知識しか得られないというケースもあります。
実施されている手術の種類や手術室の数、件数を確認すれば、どの程度の症例を扱っているのかが理解できます。
手術室看護師として一人前になれるかどうかは、手術室のスタッフ体制が大きなポイントとなります。
しっかりと指導してくれる体制があるのか、看護師不足でいきなり本番に放り込まれるような現場ではないかなど、転職前の綿密な情報収集が転職成功のカギとなります。
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
※ページ内の求人数は職種別に集計しています。