脳外科で働く看護師のやりがいは?仕事内容と年収の実態とは

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脳を扱う診療科というだけで大変な重責をイメージしますが、脳外科で働く看護師の仕事の実情とはどのようなものなのでしょうか。

脳外科という現場で働くことで高いスキルや知識を得られることは想像できますが、具体的に得られるものとは何なのでしょう。

ここでは脳外科で働く看護師の詳しい業務内容から収入、仕事をするメリット・デメリットまで解説していきます。

脳外科とは

脳外科の診療範囲は時代と共に拡大

脳外科はその名称通りに脳を対象とする外科です。一般的には脊髄や神経についても取り扱うため、脳神経外科と同一とされています。

脳外科が対象とする部位は、脳・脊髄・末梢神経系と、血管・骨・筋肉までを含む付属器官です。実は脳外科が対象とする疾患は、時代とともに変化しています。

脳が人間のコントロールの中枢であることは昔から良く知られていましたが、医学の進歩に従い、それまでは関連性がないと見られていた病気も、脳の異常によるものと判明するケースが増えてきています。

そのため、脳外科が対象疾患とする病気は常に固定されているとは言えません。

これまで外科手術でしか治せなかった病気がほかの方法で回復できるようになった反面、過去には治療の対象とならなかった症例が脳外科で扱われることも数多く見られます。

脳外科が対象とする主な疾患

脳外科で扱う主な病気の中でも、特に多いのが脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害です。

厚生労働省発表の「平成26年 患者調査の概況」によると、脳血管疾患の総患者数は約118万人に上ります。

このうち脳血管疾患の入院患者数は15万9,400人、外来が9万4,000人となっています。

脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患の医療費は1兆7,821億円で、65歳以上から急激な増加が見られます。

これら脳血管障害以外の病気では、脳腫瘍や変形性脊椎症、椎間板ヘルニア、脊髄腫瘍、脊椎・脊髄損傷、頭部外傷による頭蓋内出血、脳挫傷、頭蓋骨骨折があります。

また老化と痴呆に関連する病気や水頭症、脳血流低下など外科的治療により回復が期待される疾患が治療の対象となります。

現時点でもすでに脳外科手術の多くは、熟年層から高齢者層が中心となっています。

高齢化が進む日本社会の中で脳外科の需要はさらに高まり、そこで働く看護師にも大きな期待が寄せられることが予測されます。

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脳外科の看護師の業務内容

脳外科の看護師の役割

脳外科では患者さんが手術を受けることが多く、その後の状態は回復への重要な手がかりとなります。

看護師は術後のバイタルサインや意識レベルの変化を見のがさないよう充分注意することが求められます。

口をきくことができない患者は、全身状態とバイタルの変化、表情によって反応を表します。常に近くにいる看護師が、患者の代わりに状態を読み取らなければなりません。

細心の注意を払って、意志を伝えられない患者の心と体のケアをすることが求められます。

脳外科のある病院には救急患者が運び込まれたり、急変によって緊急手術をしたりするケースもあります。危機的な状況にいる患者の生命を助けるために、一刻を争う事態です。

臨機応変な対応が必要とされる中、指示に迅速に対応できるよう、日頃から医師との意思疎通をはかっておくことが大切です。

手術を受ける必要がある患者には、本人とその家族に対し、病状や術式についての説明を医師が行います。

それを受けて看護師は当日の流れなどの補足説明をしながら、患者や家族の不安をできる限り軽減させられるよう、精神面でのケアを行います。

特に脳外科の場合には、無事生還できるのかという非常な恐怖が当事者に押し寄せます。

看護師は患者とその家族と医療チームの間のパイプ役を果たしながら、万全の準備をもって手術に臨めるよう努めます。

脳外科の看護師の具体的業務

脳外科の看護師も基本的には、他科の看護師と業務内容はあまり変わりがありません。

しかしバイタル測定の内容が多かったり、通常業務をこなしながら急患や急変する患者の対応を行ったりするため、非常に多忙です。

脳外科の看護師の業務には、以下のようなものがあります。

  • カンファレンス
  • 手術準備
  • バイタルチェック
  • 配膳・食事介助
  • 排せつ介助
  • 入浴介助
  • 服薬管理
  • 転入・転出の手続き

一般的なバイタルチェックでは、血圧や脈、検温程度を行いますが、脳外科ではそれに加えMMT(徒手筋力テスト)や瞳孔の大きさ、対光反射、意識レベルなどを測定し、記録に残します。

神経学的所見からも診ていくことが必要となるため、瞳孔や意識レベルをジャパン・コーマ・スケール(JCS)やグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)を使用し確認していきます。

業務の流れ的にはほかの診療科と同じですが、意識のない患者や頭部にドレーン(管)が挿入されていることも少なくありません。

そのためより詳細な記録と、綿密な管理を行います。そうした測定を毎回実施する脳外科の看護師には、必然的に専門的な知識が要求されます。

脳室ドレーンを始めとして、頭に挿入されるドレーン類は十二分に厳重な管理を行う必要があります。万が一排液の漏れがあると、髄液感染の原因ともなります。

体位変換やベッドの向きを変える必要がある際には、ドレーンに影響を及ぼさないよう処置をしなければなりません。

脳の病気に関してはほんのわずかな狂いが取り返しのつかない事態となることを、理解する必要があります。

脳の委縮や身体の変化により、転倒や転落といった事故が発生することがあります。

また自身でコントロールができず、危険行為や暴力行為に至る患者もいるため、常に患者の状態を把握しておくことも看護師の重要な仕事です。

脳外科の看護師の仕事環境

脳外科の看護師の労働

脳外科の看護師の労働環境は非常にハードです。脳神経外科は、命にかかわる重篤患者の緊急入院や急変の対応が多く、術前術後の準備に追われます。

また、モニターや心電図の管理や観察が欠かせないので、専門的な知識や技術が必要となります。

患者から目が離せず、常に細やかな観察が必要であり、神経をとがらせていなければなりません。

病院の規模にもよりますが、手術ができる脳外科をもつ施設は大規模であり、それだけ収容人数も多くなります。残業超過勤務夜勤の厳しさは覚悟しなければなりません。

また脳障害や意識障害のある患者が多く、意思疎通が図りにくいことも脳神経外科ならではの特徴と言えます。症状によって、不穏状態で大声を出したり暴れたりする患者もいます。

脳疾患の後遺症などにより、体を思い通りに動かすことができない「全介助」の患者が多く、身体ケアにあたる看護師には体力が要求されます。

時間的にも肉体的にも、大変な職場であることは間違いないでしょう。

脳外科の人間関係

意外にも脳外科は活気にあふれた部署だと言われます。重篤な症状で運び込まれる患者もいますが、手術後は機能回復に励む患者が大勢います。

それを支えるために、病棟には医師や看護以外にも、リハビリスタッフのほか栄養士や薬剤師、ソーシャルワーカーなどさまざまな職種が出入りをして業務にあたります。

外科の看護師にはバリバリと仕事をこなす体育会系のイメージがありますが、脳外科の場合少し事情が違うようです。

脳外科の患者は意識が不鮮明な場合も多く、何を話しているのか理解しづらいこともしばしばです。

そうした患者に対応する看護師は、辛抱強く「待つ」姿勢が求められます。急性期医療の現場の中でも、忍耐強く穏やかな精神面を必要とされます。

こうした背景をもつ脳外科では、関わるスタッフ全員が患者の命の重みを認識し、お互いに協力し合いながら業務を遂行しているという傾向が見られます。

重大な場面が多いだけに、私情よりもチームワークが優先される結果となっているようです。

脳外科の看護師の収入

脳外科看護師の給与は平均的

非常に忙しく、大変な部署ですが、給与面から見ると脳外科の看護師の給与はごく一般的といって差し支えありません。

脳外科がある医療施設は総合病院、大学病院など大規模であることが多く、各診療科の看護師の給与は年次に従ってほぼ均一化されています。

脳外科だからといって、特別な手当があるわけではありません。

都市部の求人情報では、脳外科看護師募集の条件として月給27万円~38万円、年収450万円以上などが見られます。

二次救急対応で脳外科に力を入れている病院では、年収500~600万円と比較的好待遇の求人もあります。

また脳外科の看護師の収入事情として、他科と比較すると地方でもあまり給与条件が下がらないという特徴があります。

脳外科の看護師募集では、地方でも33万円以上での求人が多数見られます。

循環器科との類似点も

脳外科看護師の収入は決して低いと言えませんが、その業務内容の厳しさに応じているかというと疑問が残ります。この現状については、循環器科の看護師とよく似た傾向があります。

どちらも重篤な患者を扱うことが多い部署であり、残業時間も増大しがちです。

そのため手取り額は他科よりも多い可能性がありますが、特別手当などで優遇されているということではありません。

脳外科看護師で収入を上げていくためには、資格取得などにより専門性を上げていくか、より高度診療を行う病院に移ることで基本給自体の格上げを狙うという手段が考えられます。

脳外科の看護師の適性とスキル

脳外科看護師の適性

脳外科看護師の適性としては、以下のようなものがあげられます。

  • 観察眼・洞察力がある
  • 共同作業が苦にならない
  • 人間が好き
  • 学ぶことが好き
  • 気持ちの切り替えがうまい

脳外科の看護師に求められるのは、ことばを発しない患者から容態を読み解く力です。わずかな変化を見逃さず、ときに兆候から症状を推測しなければなりません。

医師に積極的に提言する姿勢も必要です。患者やその家族の気持ちを医療チームと共有し、よりよい方向性を一緒に探っていけるような看護師が、患者の回復に貢献できます。

脳外科の現場では、ときに患者の人格が変わったように思える症状も目の当たりにします。

そうした場面に遭遇しても、動揺せずに処置できるためには、人間性を信頼する気持ちがなければなりません。

脳外科では最先端の医療が常時導入され、新しい視点からの治療も次々と実施されていきます。看護師は業務を果しながら、日々知識を広げていく必要に迫られます。

辛い現場が続いても、どれほどの多忙な時間を過ごしても、上手に気持ちを切り替えられ、翌日の業務に当たれるタイプであれば、厳しい現場においても働きがいを見出していくことができます。

脳外科看護師でスキルアップできる資格

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

日本看護協会が認定する資格です。脳卒中の看護における熟練した技術・知識をもち、患者のQOLの向上をめざす看護師育成を目的としています。

資格取得条件としては、認定看護師の資格取得の条件は、看護師免許の所有と、看護師免許取得後の実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)となっています。

さらに以下の要件を満たしている必要があります。

  • 通算3年以上、脳血管障害患者の多い部署での看護実績を有すること
  • 急性期にある脳血管障害患者の看護を5例以上担当した実績を有すること
  • 現在、脳血管障害患者の多い施設等で勤務していること

上記の条件を満たしている看護師について、所定のカリキュラム終了後、資格試験を受験し合格した場合に資格が授与されます。

転倒予防指導士

日本転倒予防学会が認定する資格です。

転倒予防の基本理念や転倒予防の現状と転倒後の外傷、転倒のリスク評価、運動療法についての深い知識を備え、その危険性と防止方法を啓もうする役割を担います。

2日間の講習を受け、試験に合格すると資格が授与されます。

脳外科で看護師が働くメリット・デメリット

脳外科で看護師が働くメリット

看護師が脳外科で働くことによって得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

  • 急性期の基本が学べる
  • 高い技術力が身に着く
  • 脳という専門領域の知識が得られる
  • 患者の回復が見られる

脳外科は急性期医療の中でも、トップクラスのハードさを感じる部署です。

しかしそれだけに、業務の流れや段取り、優先順位の付け方、突発的な事象への対処など、看護師として働く上で必要な基本的な姿勢が徹底して身に付けられます。

脳外科で看護師として一人前に働ければ、この先どの診療科でもやっていける自信が持てます。

脳外科での看護師業務は、一分一秒を争う中で責務を果たす場面の多々あります。脳血管疾患を患う患者には、血管が細く、脆く、また極端な肥満体質も多く見られます。

そうした難易度の高い血管への採血や点滴をくり返すうちに、高い技術力が身に着いていきます。

脳は未だにほんの一部の領域しか解明されていない未知なるものでありながら、人間の活動のすべてを司っています。

脳外科の仕事を通じて、そうした専門領域の知識が蓄えられていきます。

脳外科では数日前に手術を受け、頭にドレーンを指したままの患者がリハビリをしているということも珍しくありません。

人間の回復力を間近に見ることで、看護師としての喜びを感じながら、使命を再認識できる現場です。

脳外科で働くデメリット

高度なスキルを獲得できる脳外科ですが、そこで働くことのデメリットもあります。

  • 精神的なストレスが強い
  • 残業が多い
  • 体力的にハード

脳外科の治療は常に命に直結しています。看護師の業務にも常に緊張感が強いられ、精神的なストレスや疲労を感じる看護師が多いようです。

どの部署であっても先輩の指導は厳しいものですが、特に少しのミスでも許されない診療科だけに、叱責を受けて強いプレッシャーが耐えられなくなる看護師もいます。

緊急手術が多発すると、残業が続きます。自分の時間が取れなくなり、余裕を失っていく可能性があります。

身体が動かない患者を扱うことが日常的になると、腰を痛めることもしばしばです。要領を得ない新人の頃は、特に非力さに悩まされます。

脳外科勤務をしている看護師から聞かれるのは、初めの頃は本当に辛かったという声です。

しかし次第に効率的に動くことを覚え、知識が増えていけば、やりがいに満ちた職場で働けることを看護師として誇らしく思えるようになるようです。

脳外科は数ある診療科の中でも厳しさではトップクラスですが、それだけに得るものは大きく、看護師としての価値を高めてくれるに違いありません。

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