[ 記事作成日時 : 2016年7月19日 ]
[ 最終更新日 : 2020年2月14日 ]

看護師が海外で働く看護師は高給料?国際看護師になる方法や必要な資格

世界中どこに行っても必ずあるのが医療の仕事です。海外で働くことに興味があり、いつか行ってみたいと考える看護師の方もいるのではないでしょうか。

看護師として海外で働く方法には何通りかありますが、難易度はそれぞれ異なります。

ここでは海外で活躍したい看護師さんのために、知っておきたい情報をまとめて解説していきます。

 

海外で働く看護師の給料は高い!?

日本国内でも看護師の給料は女性労働者の平均年収を大きく上回り、高給取りと見られます。

では、海外で働いた場合の給料事情はどうなるのでしょうか?国ごとに見ていきましょう。

オーストラリアの看護師の収入

オーストラリアの看護師の平均年収は、正看護師で常勤の場合、約$63000~$84000(オーストラリアドル)で、日本円に換算すると約500万~668万円程度になります。(1オーストラリアドル=79.5円で換算)

オーストラリアの平均年収は約447万円なので、看護師の収入は高めであることがわかります。

また、オーストラリアでは日本よりも時間外手当に相当する部分が大きく、病院によって違いはありますが、平日の午後の勤務でプラス15%、深夜では35%、祝・土曜は50%、日曜は75%もの加算があります。

日本で残業にあたるオーバータイムも50%の加算となりますが、オーストラリアではほぼ定時勤務のため、残業代がつくことはあまりなさそうです。

ただ気を付けたいのは、オーストラリアにはボーナスという概念がなく交通費の支給もないことです。また、オーストラリアの西側の方が東側よりも時給が高く、地域よる差はあるようです。

イギリスの看護師の収入

イギリスの看護師の収入は日本のような年功序列ではなく「Band」と呼ばれる看護師特有の階級によって規定されています。

看護師見習い的なBand1、2から始まり、毎年マネージャーとの面接でスキルの向上が認められると次のレベルに昇給するシステムです。

新卒登録看護師にあたるBand5は約278万円、主任クラスにあたるBand6は約335万円です。

また、病棟師長クラスのBand7は約399万円、総師長クラスのBand8は約510万~846万円、最高クラスのBand9はナースコンサルタントにあたり約1,000万円となってきます。(王立看護大学のNHSペイスケールのユーロ表記を参照、1ユーロ=¥125.91)

これを見ると、イギリスの看護師の平均年収はあまり高くないように思えます。

イギリスの30代の平均年収は約450万円、40代では約500万円で、日本の30代の看護師平均も437万円のため、主任クラスのBand6を比べるとかなり低いです。

イギリスの場合には、ボーナスの支給がないため年収ベースでは下がってしまうようですが、待遇面ではかなり手厚く、有給休暇が年間で6~7週間も取れるため、プライベートを大切にしたいという人にはおすすめです。

アメリカの看護師の収入

海外の看護師の中でも、特に高額な収入を期待できるのがアメリカです。

アメリカの看護師の特徴は、日本のように年功序列で収入が上がるのではなく、卒業後働き始めからすぐに500万円以上の年収が得られることです。

アメリカの看護師の平均的な年収は62000$で約700万円近くにもなるといわれます。

平均的に見ても日本の看護師の年収とは100万~200万円もの差があり、上級看護師ともなると年収が10万$以上というのがごく普通のようです。

ただアメリカの看護師の年収が高いといっても、細分化された資格の分類や働く州によってもかなりの違いが見られます。

日本の看護師がアメリカで働くにはまず最難関である英語力の審査を突破し、その後自分なりのキャリアを積んでいく必要があります。

看護師が海外で働くための方法は3つ

看護師が日本を離れ、海外で働く方法としては次の3つがあります。

  • 海外研修制度を利用する
  • 海外協力隊・NPOのボランティア活動などに看護師として参加する
  • 国際看護師になる

海外研修制度の利用

「海外で働く」というよりは勉強しに行くというのに近いですが、病院の海外研修制度を利用すれば比較的簡単に外国の医療現場を体験することができます。

期間も1週間程度~と、短期であり、語学に自信がない看護師でも参加は可能です。海外研修制度のある病院の一例としては、以下のような施設があります。

  • 兵庫医科大学病院
  • 北里大学病院 看護部
  • 慶應義塾大学病院看護部
  • 千葉中央メディカルセンター
  • 東京北医療センター 看護部
  • 国立国際医療研究センター病院

現在の職場が海外研修制度を実施していない場合には、海外研修制度が整備された病院への転職も一つの手段です。

ただ看護師の海外研修制度が整っていたり、海外研修を金銭面からも支援したりしている病院は、人気があるので求人数は限られます。

また、エージェントを通して海外研修を体験する方法もあります。

  • 株式会社トラベルパートナーズ
  • 公益財団法人 日米医学医療交流財団
  • ウインテック留学センター
  • ワールドアベニュー

上記の企業や機関で海外研修が実施されていますが、参加費は実費となるため、研修内容をよく確認し、成果が得られるかどうかを検討する必要があります。

青年海外協力隊・JICAシニア海外ボランティアへの参加

渡航の費用をかけずに、中・長期的に海外で活動したい場合には、青年海外協力隊またはJICAのシニア海外ボランティアに参加する方法があります。

ただし遊び気分で気軽に参加できるものではなく、必要書類提出からの1次選考、技術および語学力審査と健康診査の2次選考後に、面接を経て合否が決定されます。

応募時に必要な語学力は英検3級以上となっており、現地の言語についての研修が受けられます。

合格すると研修(数日~6ヵ月)、派遣前訓練(35日間と70日間)が行われます。派遣期間は短期型と長期型があり、最長2年までです。

派遣先は先進国でないことが多いため、最新医療を身に付けたいという希望には沿いませんが、自分の持つ技術や経験を活かしたいという人には向いています。

住居・渡航費用と生活費が保障されるため、資金はないけれど海外で看護ケアの仕事をしてみたいという強い意欲がある方は応募してみてはいかがでしょうか。

毎月85,000円が日本の口座に積み立てられており、帰国後の生活の心配も軽減されます。

国境なき医師団

同様の活動として、国境なき医師団があります。こちらは活動地域が紛争地や難民キャンプなどさらに厳しいことが予測され、自然災害の被災地に赴くケースも多くなってきています。

多国籍チームとの連携を取ることが必要となるため、英語またはフランス語で支障なく会話できるスキルが必要です。

また3年以上の臨床経験に加え、新人指導や教育業務の経験が求められるなど、条件が厳しくなっています。応募直前に2年以上のブランクがある看護師は、受付対象外とされています。

こちらはボランティアとは違い、規定の月額給与が支給されます。一般の看護師のレベルにはほど遠いものの、最低限の生活保障はされていると言えます。

ジャパンハート

ジャパンハートは、有料の国際医療ボランティアツアーです。

国際ボランティアとは違って渡航費・海外傷害保険などはすべて自己負担で、現地医療活動費も必要です。

ただ現地での宿泊や食事は提供され、周囲には日本人の仲間もいるため、安心です。

現地で医療に携わる日本人スタッフなどから話を聞くことができ、今後の具体的な活動イメージをつくることもできるため、将来的に海外移住をして働きたいという場合のスタート地点にできるかもしれません。

参加についての選考はありませんが、申し込み費用が発生します。自腹でも海外の医療を体験してみたいという人にはおすすめです。

本格的に国際看護師を目指すには?

語学審査に通過するのが先決

長期的に海外で働こうとする場合には、現地に定住して勤務をする国際看護師となる必要があります。

しかし、日本の看護師免許がそのまま世界で通用するわけではありません。海外で働くためにはほとんどの場合、それぞれの国での免許が必要となります。

当然ながら現地の試験はその国の言葉で実施されるため、言語力はもちろん、医学用語もすべて覚える必要があります。

また、資格以外にも就労ビザか永住権の取得が求められます。国によって資格の取得方法や働き方はさまざまで、主な国の看護師資格の取り方は以下の通りです。

審査 語学力検査 受験 看護教育カリキュラム受講の要
アメリカ 各州で異なる
CGFNSでの査定後NCLEX-RN資格試験を受験
不明
カナダ 大学学位・過去5年間で1125時間の就労経験が条件・語学試験、看護師試験を受験 仏語または英語の審査が課される 実習経験が250時間必要(州によって異なる)
オーストラリア 「学位」があり看護師経験があれば英語試験のみ
看護短大専門卒かつ看護師経験があれば現地大学に通い看護学位をとる
学位がない場合、ブリッジプログラムを受ける
ニュージーランド 学位があれば英語試験合格後、看護協会に登録申請し指定校で必要となるコースを受講、学位がなければ学校に通う必要がある 必要と判断された場合専門プログラムを受講
イギリス 英語試験と必要書類の提出 20日間の大学講義と臨床実習
ドイツ 州によって異なる 有(ドイツ語) 不明

いずれの国でも、語学試験は必須ですが、特にアメリカとカナダは条件が厳しくなっています。

同じ英語圏でもイギリスやオーストラリアの方が、比較的看護師になれる可能性が高いといえるでしょう。

オーストラリアで看護師になるためには?

オーストラリアには日本のような看護師の国家試験の制度はなく、国の看護協会AHPRAに登録すると看護師として働くことができます。

オーストラリア看護協会への登録に必要な条件の2つが、英語力看護資格に適した学位・能力です。外国籍の場合は加えて就労ビザの取得が必要となります。

現在AHPRAで規定される英語力の基準としてはIELTSで7.0取得またはOETでBランク以上で、TOEFL iBTでは100~108、TOEICでは870~970、英検だと1級に相当します。

日本の大学で看護学を履修して学士号と正看護師免許を保有していれば、オーストラリアの大学に行く必要はありません。

正看護師免許だけの場合でも、1~2年の修学で学士号を取得できるコースがあり、オーストラリアは看護師留学がしやすいことでも知られています。

イギリスで看護師になるためには?

イギリスで看護師として働く場合に求められるのは、日本での看護師としての実績卓越した語学力です。

日本で看護師免許を持っていれば、試験なしで初期登録料と初回申込用紙等のいくつかの書類があれば登録は可能となります。

語学力レベルはオーストラリアと同じく、IELTSで7.0以上とされています。

以下は実際に日本で看護師経験があり、渡英後に現地で看護師として働いていた方の経験談です。

日本の看護師時代の成績証明書や師長からのコメントなどを必要書類としてイギリス看護協会NMCに提出しました。その後、イギリスの病院で6ヶ月以上の研修をすれば資格取得が可能であるという返事を受け、電話帳で探した病院で受け入れてもらい最終的に登録できました。

現在はオーストラリアの病院で働いていますが、イギリスでの看護師登録の実績によって、日本から行くよりもかなりスムーズに働き始められました。

アメリカで看護師になるためには?

アメリカの医療現場といえば世界でも最先端のイメージで憧れの方も多いと思いますが、アメリカの看護師への道のりはかなり険しく、日本で看護師をしていたからといって簡単にはいきません。

アメリカで看護師として働くのに必要とされる条件は、NCLEX-RNの合格、ビザの取得、十分な語学力です。

NCLEX-RNはアメリカの看護師の資格試験で、州によって内容が大きく異なり、海外看護師を受け付けていない州もあるので注意が必要です。

カリフォルニア州の例を見てみましょう。

  • アメリカの短大・大学の看護学位および卒業資格
  • CGFNS(外国看護学校卒業生審議会)の認定取得
  • TOEIC725点、TOEFL550点以上の語学力

CGFNSは、アメリカ以外の国の看護学校を卒業した看護師について、各州が求めるレベルを有しているかを判断するもので、日本からの受験も可能です。

以下に、実際にアメリカで登録ナースを取得して働いている看護師の体験談を紹介します。

アメリカで働くことを目指したのは、日本での看護師経験が6年ほど経過した頃でした。通常の病棟勤務の合間に手続きと勉強を進めていたため、CGFNS、NCLEX、語学資格のすべてを取得するまでには3年ほどかかりました。特に難易度が高かったのが英語の試験で、7度目の挑戦でやっと通過できました。

海外で働くという夢をかなえるために

どの国で何をしたいのかを検討する

看護という視点は同じであっても、国や文化が違えば患者への接し方も変わってきます。その点を理解した上で、なぜ看護師として海外を目指すのかをよく考える必要があります。

日本で看護師として働いても満たされないものがあるのであれば、それが何なのか、どの国ならばかなうのかをよく検討して目指す方向を定めていきましょう。

今すぐ具体的な手段に着手する

海外に憧れがあっても、いきなり国際看護師を目指すというのはかなりの勇気と持続力に加え、それなりの経済的な準備が必要です。

まずは現在の職場の制度や近隣に制度が整った職場がないかを確認するなど、具体的な手段から着手していきしょう。

一般的な英語の学習に加え、医療用語や看護に必要となる言葉の勉強など、個人でできる努力はいつからでも開始できます。

実現するのが自分自身の力であることをいつも忘れなければ、夢はやがて現実のものとなるはずです。

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