看護師の年収比較!国立病院と民間
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国立病院機構は厚生労働省から独立行政法人国立病院機構へと所管が移ったので、国立病院ではありません。
そのため国立病院機構で働く看護師は国家公務員ではなく、准公務員となります。
病院といっても、大学病院や一般病院、社会保険関係法人の病院など種類もさまざまですが、その中でどれくらいの給料をいただけるのでしょうか。
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この記事に書いてあること
国立病院の給料と福利厚生
公務員は安定した収入と手厚い福利厚生があるので、看護師で公務員になりたいと考える方も多いのではないでしょうか。
看護師が公務員として勤務できるのは、厚生労働省の内部部局や公立の看護学校、自衛隊や公立ハンセン病療養所などの、ごく限られた勤務地になります。
これらの勤務地に配置される看護師は1~数人であるケースが多く、求人がほとんど見られない傾向にあります。
また、安定した給料と待遇であるため、離職率が低いことも特徴であるといえるでしょう。
公務員ではありませんが、ほぼ同等の給料や福利厚生などを受けることが出来るのが、国立病院機構です。
国立病院機構の福利厚生
国立病院機構は、全国143病院あり、病床数はおおよそ54,600床、職員数はおおよそ60,000人で、規模は日本最大級を誇ります。
国立病院機構は独立行政法人なので、看護師は准公務員として定められています。
年間休日は125日前後あり、有給休暇は年に20日取得可能で、有給を翌年に繰り越した場合は、最大で40日取得することができます。
奨学金制度もあり、国立病院機構へ就職を希望する看護学生が奨学金を3年間貸与した場合には、卒業後に国立病院機構で3年間勤務することで返還免除となります。
国立病院機構の給与
国立病院機構は、給料が職員給与規程で決められているため、地域で年収比較をしてみると、ほとんど差はありません。
ただ、都心などの物価が高い地域で勤務する看護師に支給される地域手当や、雪国で勤務する看護師に支給される寒冷地手当は除きます。
国立病院機構では「棒給表」という給与体系が定められており、たとえば看護専門学校を卒業した1年目の看護師は「2級5号棒」とされます。
「棒給表」は公務員に採用されている給与体系で、1級は「准看護師」、2級は「保健師・助産師・看護師」、3級は「師長」と定められており、このことからも公務員とほぼ同等の給与額であることがわかります。
「棒給表」には地域手当や通勤手当、特殊勤務手当などは一切含まれないので、公務員の基本給は民間の基本給と比べるとやや低額になる傾向があるようです。
役職や勤務年数に応じて「級」と「号」が上がり、給料もアップする仕組みになっているので、長く働き続けるほど給料も高額になります。
国立病院の年収を見てみよう
大卒と看護学校卒の看護師の年収を比較してみます。
条件は以下のように定めます。(時間外勤務手当は別途)
- 国立病院機構の新人1年目看護師
- 住まいは病院から5km離れた家賃55,000円の賃貸住宅
- 月8回の三交替夜勤
大卒の看護師の場合、月給支給総額は27万1000~31万4000円であるのに対し、看護学校卒は26万2000~30万2000円です。
大卒の看護師の方が看護学校卒の看護師よりも9,000~12,000円給料が高いことがわかります。
年収に換算すると、大卒看護師は325万2000~376万8000円であるのに対し、看護学校卒は314万4000~362万4000円であり、新人1年目であっても10万8000~14万4000円ほど年収に開きがあります。
学歴による差はある?
看護学校卒と大卒では、生涯年収でおおよそ4,000万円ほど差があるといわれています。
看護学校卒の看護師であっても給料をアップさせたいと考える方も多いのではないでしょうか。
看護学校卒でも大学卒と同等の給料を支給されるためには看護学士を取得する方法があります。
通信制大学などで看護学士の学位を取得すると大卒扱いとなるため、大卒と同等の給料が支給されます。
看護学士は最短1年で、必要な単位を修得後にレポートを作成し、大学改革支援・学位授与機構に申請し、合格すれば学士となります。
看護学士などの資格を取得したい場合、国立病院機構ではキャリアアップを支援するための研究休職制度が設けられているので、病院に籍を置きながら学位を取得することも可能です。
看護学士は給与面アップだけでなく、看護の専門分野もより深められ、キャリアアップにも繋げられます。
国立病院で給料を上げるには?
各種手当
上に挙げた国立病院とほかの病院の年収の違いでは、基本給のみで手当を含みませんでしたが、国立病院機構はさまざまな種類の手当があります。
看護師の年収は毎年昇給し、ボーナスは年間4.2ヶ月分が支給されます。ボーナスは他の病院と比べても、全体的に見てみるとやや高めの設定です。
年間を通して業績が良好だった病院では、年度末賞与も支給されます。
福利厚生も手厚く、地域手当や都市手当などさまざまな手当が保証されています。
夜勤手当は二交替夜勤1回につき約10,000円、三交替夜勤1回につき約5,000円が支給されます。
専門看護手当は月額3,000円(認定看護師)~5,000円(専門看護師)、 住居手当(借家は最高月額27,000円)や通勤手当 (月額55,000円まで全額)などがあります。
手当などの福利厚生は公務員とほぼ同等なので、ほかの病院と比べ手厚いといえるでしょう。
働きやすい制度
毎年昇給があるため、ボーナスも年々増額します。他の諸手当なども含めると、国立病院機構で長く勤めることで、給料は確実にアップしていきます。
新人看護師の離職率は全国的に見るとおおよそ7.5%で、理想と現実のギャップから就職して1年以内に辞めてしまう看護師は後を絶ちません。
新人看護師が安心して医療現場へと入っていけるようにプリセプター制度は先輩看護師、副看護師長、看護師長へと密接に連携を取られており、
それぞれの相談役となり、新人看護師を看護部全体でサポートする体制が取られています。
治験コーディネーターなどの専門研修や、専門看護師や認定看護師などのさまざまな院内研修も盛んに行われており、確実にキャリアアップするための制度が整っています。
また、全国143病院のどこの病院でも異動することが出来るので、家族の転勤などの場合にも退職せずに、年収やキャリアを維持したまま次の職場で働くことが可能です。
管理職になると
看護部長などの管理職に就いた際には、年収はおおよそ930万円支給されます。
副看護師長では年収はおおよそ620万円なので、管理職へキャリアアップを目指すことで安定した高収入を期待することができます。
国立病院では、一次診療ができる診療看護師が活躍しており、診療看護師には月額6万円の手当が支給されます。
診療看護師などの資格を取るために、病院に籍を置きながら進学可能な研究休職制度を利用しましょう。
子育て中でも安心!
出産や育児のサポートも万全で、育児休業は子どもが3歳になるまで取得することができるので、出産や育児に伴い退職せずに、働き続けられます。
産科医療補償制度に加入している医療機関で子どもを出産した際には、共済組合から子1人につき42万円の給付金が支給され、
子どもが1歳になるまで育児休業給付金が受け取れます。
子どもが小学校に上がるまでの勤務時間の短縮や子どもを看護する場合などの看護休暇も取得できます。
子どもが1歳になるまで保育時間(1日2回30分づつ)を取得でき、子どもが3歳になるまで、時間外勤務を免除されます。
子どもの小学校入学までは、深夜勤務と時間外勤務は制限でき、育児時間(1日2時間以内)の取得することも可能です。
また、小学校入学前の子の看護をする場合には、子の看護休暇を申請することもできます。
こうした子育て支援を利用しながらキャリアアップし、長く働き続けることで基本給を大幅に底上げすることも可能です。
国立病院以外の人気がある病院
- 日本赤十字病院
- 公的医療機関として救急医療や、高度な専門医療、へき地医療、災害時の海外への派遣などに積極的に取り組んでいる病院。
- 労災病院
- 働く人たちを医療の面から支え、予防や治療、リハビリ等の支援を主に行っている病院。
- 済生会病院
- 明治天皇によって明治44年(1911年)に設立された歴史ある病院。
- 厚生年金病院
- 東京厚生年金病院は独立行政法人地域医療機能推進機構 東京新宿メディカルセンターと名前を変えました。地域医療機能推進機構のグループとしては、全国に病院や介護老人保健施設、看護専門学校など多く存在します。
- 聖路加国際病院
- 明治35年(1902年)に設立。病床数は520床とほかの病院と比べると少なめ。
- 慶応義塾大学病院
- 大正9年(1920年)に北里柴三郎を病院長として開院。1日平均3000人が訪れる大病院。
- 東京女子医大病院
- 東京都新宿区にある東京女子医科大学付属の大学病院。女子医科大学は女性の社会進出などを目的に作られ、現在は唯一の女子医科大学。
- 東京慈恵会医科大学附属病院
- 関東大震災や東京大空襲などの災害で被害を受けるも現在では一般病床数837床の大規模な大学付属の病院。
これらの国立や民間の病院では、給料面だけではなくスキルアップに向いているか、家庭と仕事に向いているかなどさまざまな特徴がありますので、自分がどのように看護師として働きたいかを考えながら勤務先を決めるのが一番です。
民医連や済生会病院の給与
済生会での給与
41都道府県で病院や診療所や福祉施設を運営している済生会では公立病院の運営を委託されている場合もあり、その場合は給与や年収も公務員とあまり差がない場合もあります。
たとえば東京都済生会向島病院の場合、経験4年目の正看護師で基本給が19万5,920円
これに諸手当を加えると月給は30万2,420円以上となります。
ボーナスを加えると、モデル年収が458万9,050円です。
民医連での給与
同じように全国に医療機関を設置している民医連の場合は、千葉民医連の看護師求人を例に見てみると、新卒看護師の初任給(21歳)は21万2,650円(基本給)。
これに諸手当が付く他、通勤費も全額支給、賞与も約3、4か月分が支払われます。
昇給率もだいたい相場どおりですので5年、10年と勤務を続ければなかなかの高給を得ることができます。
民医連とは戦後の医療に恵まれない人々の要求にこたえて、地域住民と医療従事者が手を携えて創設した施設です。
知名度の高い民間企業の求人も
民間病院の他に民間企業でも広く看護師の募集をしており、たとえば『東京ディズニーランド』や『東京ディズニーシー』では応急処置や看護などを行うナースキャストとして看護師の募集を行っています。
他にも『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』などの大型テーマパークでは、単発または長期のアルバイトとしての採用が多く、時給1,200円以上のところが多いようです。
企業の健康保険室などで働く場合は企業の経営状態や規模によりさまざまですが、大企業や外資系の企業では公務員よりも給与がいい場合もあるようです。
また、各地に老人ホームを展開している法人グループでも看護師を募集していて、勤務時間は7時~19時の変形労働時間制、給料が月27万5千円以上。
夜勤をせずにしかも高収入を目指したい人にはこのような民間の法人グループもおすすめです。
規模が大きくなると福利厚生などの待遇面も充実しているようです。
たとえば、ベネッセグループの『ベネッセスタイルケア』では老人ホームや介護付き住宅なども運営しており、数多くの看護師の求人の紹介も行っています。
転職先の詳細な情報を知りたい方は一度チェックされることをおすすめします。
国立病院についてのまとめ
国立病院機構は独立行政法人なので公務員ではありませんが、公務員に準じた福利厚生や高収入を期待することができます。
昇給が毎年必ずあるため、ボーナスも年々増額し、長く働き続けるほど給料もアップする仕組みになっています。
また、公務員とほぼ同等の福利厚生であるため、年金は一般病院よりも高い支給額だといわれています。
定年まで働き続けると、退職金は数千万円になるということも予想されます。
国立病院機構は、働き始めてから一生涯、安定した生活の保証を受けることが出来る勤務先であるといえそうです。
国立病院機構は、求人に出されることが少なく、好待遇であるため離職率が低いことから、就職も狭き門であるとされています。
キャリアアップをしながら高収入を目指したい方は、病院へ逆指名することなども可能な看護転職サイトから、国立病院機構の求人を探すこともおすすめです。
多数の非公開の求人を紹介してもらえる可能性もあり、国立病院機構への逆指名も可能かもしれません。
その際には、履歴書の書き方の指導や面接時もアドバイスなど、無料でサポートをしてもらえる看護転職サイトもあるので、さまざまなサイトを見比べてみると良いでしょう。
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
※ページ内の求人数は職種別に集計しています。