看護師転職の面接で聞かれる質問は?逆質問の仕方と服装・髪型も解説
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転職活動で面接が大好きという人はあまりいないようですが、無事採用されるためには避けて通れない関門です。
「自分が値踏みされているようでいやだ」という気持ちはわかりますが、マイナスイメージでとらえていると受かるはずのものもうまくいかなくなるかもしれません。
面接はあなた自身の価値を図る場所ではなく、あなたが「職業人」「看護師」として採用側がふさわしい人材かを判断する場所です。
面接官が何を見たいのかを理解できれば、面接に臨むためのポイントが抑えられます。
面接で成功するためには何を知るべきなのか、何を準備すべきなのかを考えていきましょう。
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この記事に書いてあること
転職における面接の目的
転職において応募者のスキルや経験だけが基準となるのであれば、書類選考だけで面接はせずにすみます。
わざわざ時間を取り、双方が顔を合わせる面接の意味とは何でしょうか。
面接の目的とは、書類上ではわからない情報を得ることにあります。
コミュニケーション能力、個性や特性、考え方や価値観、仕事への熱意などは、対面すれば取り繕うことができません。
会話の中から自然と、本質が漏れ、伝わります。
看護師という職業は、社会的に認められた公益性の高い、非常に困難な仕事です。
レベルの高い職場であればあるほど、その重責も大きくなります。
応募書類ならば何度でも推敲・添削を重ねられますが、面接となるとその人本来の「地」が垣間見えます。
面接官は人間性に加え、ストレス耐性など、応募側が求める看護師であるかどうかをその目や耳、感覚でとらえます。
面接で有益な人材と認めてもらうためには、言葉だけではなく全身から訴えかける必要があります。
面接官が採用するかどうかを決める基準とは?
面接官は採用の可否を見極めるために、いくつかの質問を投げかけます。
もちろん採用の判断基準は病院のよってかなりの違いはありますが、それでももっとも重要とされる要素はある程度同じです。
職業面からの基準
まず、当然のことながら看護師という職業面での基準があります。
- すべての質問に「自分の言葉」で答えているか
- 看護師としての明確な指針があるか
- 看護師を目指した理由と目的
- 看護師としての心がけ
- この病院で何がしたいのか・何ができるのか
面接というと、表面的に取り繕った優等生の答えばかり話そうとする人もいます。
できる限り自分なりの言葉で、真摯に受け答えしようとする姿勢は、たとえ途中でつかえたり考えたりしても、逆に好感がもたれます。
看護師に対するしっかりとした職業観や倫理観は、信頼性につながります。
そこに関連して、そもそもなぜ看護師の道を選んだのか、目指すものが何かという点も、1つのポイントとなります。
看護師の経験を通してどのような心がけをしているのか、具体的な行動として何をしているのかを明らかにできる人は、日々の自分の業務を良く考えてこなしていると見られます。
もっとも採用側が注目するのは、看護師としての貢献です。
何がしたくて応募したのか、この先どのように活躍してくれるのかに期待が寄せられます。
人柄からの基準
さらに職場の中で和をもって働ける人材であれば、安心して採用ができるでしょう。
そうした面からは以下のような基準があると考えられます。
- 協調性
- 他者に対しての気配り・相手目線
- 精神的なタフさ
現代の病院はチーム医療が中心です。
看護師である以上は、患者の立場を考えるのはもちろんですが、一緒に働く仲間への気配りも重要です。
加えて多少の人間関係やプレッシャーにつぶされない、精神的なタフさが感じられれば大歓迎されるでしょう。
面接の応答については言葉を多く話せば良いというものではありませんが、自分を理解してもらいたいという気持ちが強いほど、話したくなる気持ちはわかります。
重要なのは、全体を通して整合性がとれていることです。
極端な話ですが「協調性があります。チームで働くのが好きです」と言いながら、一方では「1人でコツコツと作業するのが得意です」という性格の説明では、信用度が下がります。
面接に際しては、自身の人物像をきちんと固めておくことが大切ですが、そこに偽りがあると、話しているうちに必ずほころびが出てきます。
面接の合否を大きく左右する!面接前の下準備は必須
面接で失敗しやすい人に限って、下準備がおろそかである傾向が見られます。
逆にいえば、丹念に下準備を行えばそれだけ不安が軽減され、自信をもって面接に臨めるようになるのです。
転職活動は情報収集がカギ
面接にあたっては、再度自分が志望している病院の情報について、精査しておきましょう。
スキルや経験については、すでに書類で理解されていると思われますが、経歴の中で特に関連性が高く、詳細を聞かれそうな点について予測しておきます。
具体的なエピソードを、複数準備しておくようにしましょう。
経歴以外では、例えば急性期病院であれば判断力が高く、行動力のある看護師が必要となりますが、慢性期病院であれば気長に粘り強く患者と接することのできる看護師の方が重宝されます。
応募先による人材の条件を自分なりに考えておくと、自分の中で適合する部分をアピールしやすくなります。
面接の質問対策
応募先が求める人物像を把握しながら、質問に的確に答えられるように自分の今までの経験を書き出して整理し、職務経歴書との矛盾点がないように話せるようにしておかなければなりません。
何度もリハーサルを行い、想定される質問とそれに対する回答を組み立てておきます。
家族や友人に手伝ってもらうと、模擬面接として練習できます。
先にもありましたが、志望動機・転職理由・看護観などで、一貫性のある回答となるよう組み立てておく必要があります。
看護師として、人間としてぶれのない人物像を自分の中に作り上げてください。
客観性をもって自分の回答を眺め、自分が面接官だったら信頼できそうかどうかを見ていきます。
看護師の面接でよく聞かれる質問は?どう答えればいいの?
ここでは具体的に看護師の転職時の面接で、よく聞かれる質問について見ていきましょう。
どう答えれば良いのかは、最終的には個人により異なりますが、参考にできる例を紹介していきます。
1.この病院を志望した理由はなんですか?
質問の意図としては、応募先病院についてよく理解しているのか、自身のスキルにマッチした選択ができる人材か、働く熱意をもっているかをみたいといったところでしょう。
この質問についてまず避けたいのは、待遇や給与などの条件を理由とすることです。
職場の本質にふれないところが惹かれた理由であれば、ほかにもっと良い条件の職場が出たときにすぐに移っていくと受け止められます。
また欲得づくで、ものごとを捉える人物という印象を与えかねません。
職場が単なる給料をもらえる場所であると感じさせるような回答はNGです。
履歴書の「志望動機欄」にも記載している場合が多いと思われますが、その補足として、より具体的なエピソードを話していくと説得力があります。
採用の可否を決める判断基準としては、マニュアルにあるようなどこでも通用する理由を使っていないか、自分の経歴やスキルの延長で考えているかといった点です。
回答例としては以下のような、流れで話していくと良いでしょう。
履歴書にも記しましたように、これまでの高度急性期病棟での看護経験を活かし、スキルアップを図りながら新しい分野に挑みたいと考えてきました。
御院では循環器系で最先端の医療技術が用いながら、患者さんに寄り添った看護を提供しており、患者さんからの高い支持を得ているとお聞きしております。
自分の知見を活かしながら、一層学びを深めていける場所と考え、応募させていただいた次第です。
⇒看護師の履歴書お悩みNo.1?採用される志望動機の書き方・例文集
2.この病院で何をやっていきたいですか?
この質問は、採用側が望んでいる業務内容と希望とのマッチングを見るための問いかけです。
果たして人材として通用するのか、また与えられた業務でのやる気はあるかを確認していきます。
的確に答えるためには、事前に応募先がどのような人材を求めているのかのリサーチが重要になります。
単に業務内容だけにとどまらず、経営理念なども事前にチェックしておきましょう。
自分がやりたいことだけを話すのではなく、応募先のニーズと一致している点を希望に含めて伝えていきます。
面接官は経験を踏まえた上での「貢献」を求めています。
「自信はありませんが頑張ります」「これから学んでいこうと考えています」で終わる回答は、評価が下がる恐れがあります。
答え方の具体例としては、
これまで急性期外来に〇年間勤めてきました。やりがいはありましたが、患者さんに寄り添う時間がなく、たびたび物足りなさを感じておりました。
御院は、今後、地域包括ケア病棟に力を入れられるご意向であるとお聞きしております。ぜひその場にあって、よりきめ細やかな看護ができる看護師になりたく存じます。
未熟ではありますが、経験やスキルをさらに重ね、貢献できればと考えております。
学ぶ姿勢を示すのは良いことですが、病院は学校ではありません。
看護師として戦力になれることをアピールすることが大切です。
3.転職しようと思った理由はなんですか?(前の病院の退職理由)
退職理由を聞く意味としては、新しい職場でも似たような状況ができて辞めてしまわないか、問題を抱えている人物ではないかを見るためです。
応募者側では伝え方に悩むところですが、実はその内容についてはあまり重視されていないことが多いようです。
実際にどんなことで辞めたのかは、今となっては分かり難いものである上、本心なのかどうかも判断できません。
それ以外の、例えば志望動機との統一性がとれていて、自身の言葉で語られていれば問題はないでしょう。
避けたいのはそれが真実だとしても、「人間関係がいやで辞めた」「夜勤が多すぎてきつかった」といったネガティブな事情です。
自分の気持ちひとつで辞めているとしても、前向きな表現にする工夫が必要です。
また前職場にどれほど不満があったとしても、マイナス面には言及しないようにします。
4.あなたはどのような看護観を持っていますか?
看護観を質問する意図は、看護師という職業に対する全般的な考え方と具体的にどのような看護を心がけているのかを知ることにあります。
看護師としての患者への向き合い方、目指す看護の在り方を聞き、看護職への真剣さを図っています。
あまり難しく考えず、自分が看護師として大切にしていることから話していきましょう。
看護師としての理想像を具体的に描き、そこに近づくために必要なのは何かを考えればまとめやすくなります。
個人が抱いている看護観で採用の可否を判断するというのは考えにくいですが、看護職への理解の浅さやいい加減な態度が垣間見えると、人間性そのものを疑われかねません。
自分の仕事への誇りと使命感を、回答に含めていきましょう。
頑張って難しい言葉で語ろうとせず、自分の気持ちで話すのがポイントになります。
常に「この患者さんだったら」「ご家族だったら」どうして欲しいだろうかということを頭に置いて看護するようにしています。
どのような状態や年齢の方であっても最後まで尊厳を失わないようにするために、自分は何ができるのだろうかと問うことで、看護師という立場以上に人間として向き合えるのではないかと考えます。
以前、終末期医療に携わった経験から、特に一層その思いを強くしました。
看護観に正解はありません。自分の経験から、今の自分が思う看護師像を伝えていきましょう。
5.患者さんとのエピソードで心に残っているものは何かありますか?
この質問の意図は数多くの経験の中から心に残るエピソードを聞くことで、その看護師がやりがいとして感じる場面や、性格、感性などを知るところにあります。
院内配置をする際の、適性を見る参考となるとも考えられます。
語るエピソードについては何でも構いませんが、だらだらと情景を述べるのではなく、そこからの学びや感動で締めくくる必要があります。
リハビリ病棟で自宅に帰るために励んでいる患者さんを受け持ちました。
私は患者さんの前向きな気持ちを後押して、しっかりサポートするために、不安に思っていることを聞いて確認していきました。患者さんは術後の不安に加え、お姑さんの介護など生活についても話してくださいました。
リハビリテーションをサポートしながら、社会保険制度をできる限り調べて伝えるなど、患者さんが自信をもって退院できるようにと務めたつもりです。
退院の際にその患者さんは、涙を流しながら「今日までたくさん支えてもらってありがとうございました。 看護師さんと過ごした時間を一生忘れません」と感謝の言葉とお手紙をくださいました。くじけそうなときでも、このときの患者さんの涙を思い出すと、いつも勇気が湧いてきます。
看護師としてごく当たり前の業務の中にも、きらめくエピソードはたくさんあります。
患者の心情を思いやれる看護師は、語るエピソードにも困らないはずです。
6.今後看護師としてどのようなキャリアを歩んでいきたいですか?
応募者が将来を良く考え、向上心を持つ人材であるかを聞く質問です。
戦力として働きながら、自らが成長していける人材を求めています。
ポイントとしては面接官に「ここでなくても良いのでは?」と思われないような回答を考える必要があります。
志望動機とからんで、その病院でなければ得られないキャリア形成について言及していきましょう。
回答例としては以下のような答え方があります。
父親ががんで亡くなった経験もあり、御院の看護体制に心惹かれました。患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、看護師としての経験値としていきたいと考えております。
いずれは御院の支援制度を利用させていただき、がん専門看護師の資格を取得しようと考えております。少しでも多くの患者さんに寄り添える看護師として、成長していきたいです。
7.転職回数が多い理由は?
転職回数にふれる質問の根底にあるものは、「すぐに辞められたら困る」という意図に他なりません。
転職自体は珍しい話ではないため、そこまでマイナスに考える必要はありませんが、あまりに回数が多いと本人に何か問題があるのではないかと疑念を抱かれます。
ポイントとしてはライフイベントや家族の事情など「やむを得ない」理由の転職と、自分の決断による転職を明確に切り離しておくことです。
その上で自分がなぜ転職という決断に至ったのかを、きちんと説明できるようにしましょう。
自分自身が転職に対して後ろめたく思い、マイナスイメージをもっていると転職について自信をもって説明できません。
スキルアップ、ステップアップを目指しての転職であったこと、どうしてもやりたい看護が元の職場では望めなかったことなど、前向きな理由とすることが大切です。
⇒転職回数の多い看護師は不利? 転職を繰り返すデメリットとは?
何か質問ありますかと聞かれた時に何を聞けばいいの?
面接の最後の方になると、「何かご質問は?」と聞かれる場合が多いようです。
逆質問に対しては、事前に準備をしておくと的外れな返答をせずにすみます。
逆質問には、応募者の応募先への興味を図る意図があります。
できるだけ「何もありません」という答えは避けたいところです。
質問の例としては、以下のようなものがあります。
- 「御院では、具体的にはどのような人材を求めておられるのでしょうか」
- 「今日お話しした範囲で、私のこれまでの経験がお役立ちできるとお考えでしょうか」
- 「スキルや経験以外に看護師に対して求めていることなどはございますか」
- 「もし採用をしていただけるとしたら、事前に準備しておくようなことはあるでしょうか」
- 「先ほどお話ししたキャリア形成については、いかがお考えになりますか」
面接中に答えてきた内容と関連づけて、アピールポイントを強化できるような質問が理想的です。
また回答の最後には、
「〇〇について疑問に感じていたところがありましたが、本日面接の機会をいただき納得することができました。ありがとうございます」
など、御礼で締めくくると好印象を残せます。
逆質問においても、「休みは取りやすいですか」といった条件に関する内容は極力避けます。
どうしても個人的な事情があって聞かざるを得ない場合には、その旨もきちんと伝えてから質問してください。
どのような質問をしたかで単純に採用の可否が決まるわけではありませんが、興味が薄いと感じられないように、内容の濃い質問をすると有利になります。
またこれまで話してきたことと整合性が取れるようここで油断をせずに、内容を考えて話しましょう。
病院や施設見学の依頼と当日確認すべきポイント
応募する病院については、必ず見学をしておくことをおすすめします。
職場はまさに「百聞は一見にしかず」です。
面接までに見学をしていなかった場合には、「何か質問はありますか」と聞かれたタイミングで申し出ても良いでしょう。
面接のスケジュールを連絡する際に、併せて見学のお願いをしておくという方法もあります。
また大きな病院では、見学の日程が予め決められている場合もあるようです。
面接時以外に見学を申し込む場合には、以下のような方法があります。
- 病院のHPから申し込む
- 電話・メールで問い合わせる
- 転職サイトからコンサルタントに申し込んでもらう
せっかく見学をするのであれば単に雰囲気だけを感じるのではなく、チェックポイントを事前に用意して自分なりに重視するところをしっかりと確認しておきましょう。
⇒看護師の病院見学で聞いておくべき質問は?後悔しない職場の見極め方
日程調整の仕方は?採用担当者とどう連絡を取ればいいの?
面接については応募書類の送付後に、先方から連絡があるのが一般的です。
連絡方法が電話やメールなど、指定がある場合にはその方法に従うと良いでしょう。
メールの場合
メールで連絡された場合には、件名を変えずに「Re」で返信します。
やり取りが明確になるように、返信前の文は削除せずにそのまま返すようにしてください。
メールの場合には受け取ってから、遅くとも24時間以内に返信するのがマナーです。
面接日候補が設定されている場合には、都合の良い日を指定します。
通常は候補日がいくつか挙げられているので、月日・時間をきっちりと記載して返信します。
万が一候補日のいずれとも都合が合わない場合には、その旨を伝え、別の候補日をいくつか提案します。
その際には、以下のような表現を使うようにしてください。
誠に申し訳ございませんが、〇〇によりご提示いただいた日時でお伺いさせていただくことが難しい状況です。
別日程で調整させていただくことは可能でしょうか。
以下の日程にいずれかであれば、大変ありがたく存じます。
〇月〇日 終日
〇月〇日 ●時~×時
〇月〇日 午前
お手数おかけして大変申し訳ございませんが、ご検討いただければ幸いです。
何卒宜しくお願い致します。
電話の場合
電話で連絡をする場合には、氏名を名乗り、面接の日程調整の件であることを電話口で伝えます。
担当者につなぐよう依頼し、不在の場合には折り返してもらうか、指定日で問題がないことを伝言してもらえば良いでしょう。
このときには、電話口で対応した人の名前を必ず聞いておいてください。
どのような手段であれ社会人としてのマナーに従い、ていねいな言葉遣いであることや正しい尊敬語を使うことを心がけます。
面接の日程調整の段階から、すでに面接が始まっているという心構えであれば、間違いありません。
万が一、行き違いがあった場合でも、先方に非があるといったニュアンスは控えるようにしましょう。
自己主張ばかりが強い人間と受け取られると、採用の可否に影響します。
コンサルタントに申し込んでもらう場合
転職サイトからコンサルタントに申し込んでもらう場合には、こうした一切のやり取りを任せることになります。
都合の悪い日を伝えておけば、あとはコンサルタントと先方の担当者の間で調整が行われます。
面接当日はどんな格好で行けばいいの?やっぱりスーツでいくべき?
服装
新卒の就活と違い、転職の面接ではスーツではなくても良いのではないかと考える人もいるようですが、やはりおすすめは黒か紺、グレーのスーツです。
採用担当者がスーツ・ネクタイをしている前で、カジュアルな服装はふさわしくありません。
社会人として、相対する人とバランスのとれた服装をするのがマナーです。
とはいっても、スーツを新調するとなると多大な出費となります。
どうしてもスーツが用意できないのであれば、落ち着いた色無地のジャケットでも構いません。
その場合、ボトムスは同系色、同素材のものを選ぶのが無難です。
インナーは白かごく薄いブルーなどの無地のシャツブラウスが良いでしょう。
面接でもっとも重視されるのは、場をわきまえた清潔感です。
看護師は職場に入ればユニフォームがありますが、それ以外の場でも常識的で安心感のもてる人物像をアピールする必要があります。
人間は中身が重要という考え方もありますが、中身を知ってもらう前に外見で拒否されてしまっては元も子もありません。
当日の服装が採用の可否につながってしまう可能性は、十分にあり得ます。
装飾品
面接時の装飾品はできれば付けない方が無難ですが、実際にはそれほど気にされていないことが多いようです。
例えば結婚指輪は外す必要がありませんが、手元は良く目立つので、宝飾的なリングは避けた方が良いでしょう。
ピアスやイヤリングは控えめなもので、揺れないデザインのものであれば目立ちません。
細いチェーンで小さなワンポイントのネックレスは許容範囲ですが、ブレスレットは好ましくありません。
採用面接はビジネスの延長線上にあります。仕事人としてふさわしいかどうかを、良く考える必要があります。
社会規範に従える人材かどうかの、判断材料とされる場合があることを、忘れてはなりません。
髪型
医療従事者について調べたある調査によると、茶髪は明るく陽気に見える一方で、まじめ・信頼できるといったイメージが低下するといった報告がなされています。
また、調査を行う対象者の年代が高くなるにつれ、茶髪を否定的に見る傾向があるとのことです。
個性としての許容が広がったとはいえ、看護師に対して好ましいイメージはやはり黒髪です。
あまりに明るい髪色は、面接の場にはふさわしくないと言えるでしょう。黒かダークブラン程度にとどめておいた方が、印象は良くなります。
前髪は目にかからないようにするか、横に分けてピンで留めるようにします。
肩よりも長い場合には、ひとつに束ねた方が良いでしょう。
面接の場では、おしゃれである必要はありません。
看護師としての清潔感がもっとも重要です。
お辞儀するたびに髪を後ろにはね上げる動作は、見苦しいものです。
髪型・髪色が採用の基準となるというよりは、面接に臨む姿勢全体として判断されると考えられます。
髪型や髪色は第一印象に大きく関わるため、一度不快感を与えてしまうと、後からばん回するのが難しくなります。
必要な持ち物
ハンカチやティッシュペーパーといった一般的な持ち物のほかには、予備のストッキング、防臭スプレー、ウェットティッシュかあぶらとり紙もあると安心です。
バッグはビジネス用に使えるものがあれば、わざわざ購入する必要はありませんが、スーツ姿で持っていても違和感のないタイプにします。
色やデザインが派手でないもので、床に置いたときに自立するものであれば、倒れるのを気にしなくてすみます。
またA4の封筒を折らずに入れられるサイズが最適です。
面接時のマナー
面接のマナーには段階ごとにいろいろありますが、面接時にはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
- 15分程度前に到着、5~10分程度前に受け付けを済ませる
- 最初と終わりのあいさつは確実に
- 話をさえぎらず聞かれたことだけ答える
- 面接官の目を見ながら明瞭に答える
- 複数の面接官がいる場合には等分に視線をうつす
- 言葉が出ない場合は黙り込まない
まず、遅刻は厳禁と心得てください。
交通遅延などでやむを得ず遅れる場合には、必ず連絡し、およその目安を伝えます。
あいさつは社会人のマナー
あいさつは社会人のもっとも基本的なマナーです。
入室後は名前とともに「本日はよろしくお願いいたします」と伝えます。
終了時には「本日は面接の機会をいただき、ありがとうございました」と御礼を述べて退出します。
面接官の話は最後まで良く聞き、途中で話をさえぎることのないようにします。
不明点は憶測で答えず、「申し訳ございません。もう一度お願いいたします」と述べ、確実に質問内容を把握します。
質問に対して関連のあることのみ話し、本筋から逸脱しないように回答します。
顔をしっかりと上げ、面接官の目を見ながら明瞭に答えることを心がけ、担当者が複数いる場合には等分に視線を移しながら話すようにしましょう。
すぐに返答できない場合には、黙り込まずに「うまく言葉にできません」と何らかの表現をしてください。
面接官は応募者が採用後に病院に貢献してくれる看護師であるのを、見極めることを目的としています。
同時に社会人として通用するマナーを、わきまえた人材を求めています。
妙に作ろうとせずにできるだけ自然体で、にこやかな態度を保ちながら質問に合った答えができるのが理想的です。
志望先の病院や患者のことはどう呼べばいいの?
面接中にどのように表現すれば良いのか悩むのが、「患者」についてです。
「患者」と呼び捨てにすると、語気がやや強く感じられ、違和感を与える可能性があります。
最近では病院もサービス業という立ち位置から「様」づけで呼ぶケースが多くなっていますが、面接の場ではそうした対外的な感覚はあまり必要ではありません。
看護師の立場から話す場合には「患者さん」で統一しておけば問題ないでしょう。
お礼状の書き方
面接後に担当者に宛ててお礼状を送ると、ていねいさが伝わり、好感度が上がります。
必ずしも必要とは言えませんが、出したからと言ってマイナスになることは絶対にありません。
自分のために時間を割き、面接をしてもらったことへの感謝の気持ちを述べることで、常識のある社会人としての姿勢を感じさせることができます。
特に面接官や案内してくれたスタッフについて感じたことがあれば、ひとこと添えておくと、気配りのできる人物である印象を与えます。
また面接中に失敗したと思える点を、お礼状によってカバーできる可能性もあります。
例えば、
「面接時は非常に緊張してしまい、たびたび言葉に詰まったためにご迷惑をおかけしたことと存じます。改めておわびいたします」
というように伝えることで、マイナスの印象を軽減できるでしょう。
注意点としては、お礼状は面接後すぐに出すこと、誤字脱字に気を付けることなどが挙げられます。
特に相手方の住所や名称、担当者名には気を配り、略称をつかわずに正式名称を記載します。
もちろん送り主の住所氏名を明記し、文末の署名も忘れずにしてください。
お礼状を出す出さないは、応募者の気持ちの問題とも言えるため、直接合否に関わるわけではありません。
しかし面接の総仕上げとして、採用への貢献の可能性は十分にあります。
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