[ 記事作成日時 : 2019年9月26日 ]
[ 最終更新日 : 2020年4月3日 ]

看護師7年目の悩み!先輩看護師に聞く7年目の乗り越え方と転職事情

看護師7年目のあなたは、もしかしたら人生の転換期を迎えているのかもしれません。仕事にさらなるやりがいやキャリアアップを考えている人、女性としてのライフスタイルの変化が重なって焦っている人、仕事がしんどくなっている人。同世代よりは年収はいいし、生活レベルも悪くないけど、なぜか漠然とした先行きの不安がある人、さまざまな思いを抱えている人が多いのではないでしょうか。

ここでは、なぜ悩める看護師が7年目に多いのか、今の自分を見つめ直し、先を見据えたセルフプランについて一緒に考えていきます。

看護師も看護師じゃない人も脳は7年周期

脳には7年ごとのタイムスイッチがあり、そのタイムスケジュールに従って人生が作られているということをご存じでしょうか。看護師が7年目にいろいろな壁にぶつかったり自分を変えたいと思ったりするのには理由があるようです。

7年目の疑問

感性アナリストである黒川伊保子さんの著書「ヒトは7年で脱皮する」によると、私たちの脳には7年ごとのブレインサイクル(脳の周期)が存在し、「今の気分」を作り出しているのだといいます。

何かを始めてから7年目に、「一巡した」というある種の完遂感が降りてきて、「このままじゃ、ダメだ」あるいは「このままではいられない」という思いが強いトリガーとなって次の人生へと背中を押すのだそうです。

看護師に当てはめると、7年目といえば中堅と呼ばれる時期。リーダーや指導者などの役割を担っている人も多いでしょう。自分にゆとりができ、必死で働いてきた自分を振り返るようになるのが7年目。本能的な行動といえるのかもしれません。

出典:黒川伊保子オフィシャルサイト

7年目に転職した元病棟看護師の体験談

新卒で働き始めて6年が経ったとき、知識も技術もそれなりに身につき、給料もそれなりにいただき、プライベートも充実し安定した生活を送っていました。しかし、まわりでは起業や転職をする人が多くなり、「私はこのまま病院という狭い世界で一生看護師を続けていくのか」と疑問と焦りを感じ始めていました。

昇格の話が上がってきた7年目に差しかかるころ、「もっと違う世界で自分を試してみたい」と強く思い、転職を決意。病棟勤務とは真逆の、土日休みで日勤だけのOLのような生活をしたいという思いもあって一般企業を探しました。

しかし、当時は看護師といえば病院やクリニックなどの医療機関で働くのが当たり前。看護師のスキルが生かせる一般企業への転職活動は難航しました。でも、資格さえあれば焦らないでいこう、と正社員にはならずに看護師の派遣会社に登録。健診やツアーナースなど時間を自由に使える仕事をしながら、自分が本当にやりたいことを2年かけて見つけました。

看護師が7年目に遭遇することとは

7年目の看護師は、自分だけでなくまわりの環境の変化が大きく、それに影響されて戸惑っている人も多いかもしれません。みなさん、最近こんなことを考えていませんか。

自分の殻を打ち破りたくなる

年代が若いうちは何を見ても新鮮で得ることも多く、必死で過ごすうちに時間が経っていきます。つらさや喜びの波といった感情の揺れも数多く経験します。

しかし7年目にもなると、仕事上の大方なことは経験済みで、知識や技術が安定して叱られることが少なくなるかわりに、刺激もなくなっていきます。向上心が少なくなり、日常がマンネリ化。何をしてもルーティンの一環としか思えなくなって、このままでいいのかと現状に不安を感じるように…。

看護師は国家資格を取得後も、常に勉強を続け、向上心が高く、責任感がある人が多いのです。だからこそマンネリから脱却したくなると思うことは不思議ではありません。

ライフスタイルの変化

看護師全体にいえることですが、女性が9割を占める職業という特性上、ライフイベントが仕事に大きな影響を与えることは避けられません。結婚や出産、配偶者の転勤など、大きなライフイベントに遭遇しているのが7年目の看護師です。仕事でも自身が重要なポストに就いたり、転勤を命じられたりして、家庭生活との両立が難しくなることもあります。

変化がない人も、まわりが変化していく中で「私だけ何も変わってない」と先が見えない不安を感じるようになる人もいます。

20歳代後半から30歳代にかけての、女性としても社会人としても充実しているときを迎え、転職によって新たなステージを目指したいという気持ちも大きくなります。

もうひとつ。年齢とともに体力の衰えを感じ、交替勤務が負担になる人も増えてきます。ただでさえなかなか休みが取れない上に、新人指導や委員会などで求められる役割が多くあるといった背景から、辞めてしまいたいと感じる看護師もいるようです。

自分の力量が見えてくる

経験値が増えていくと共に、看護師を目指すきっかけとなった理想的な看護師像との大きなギャップが明確に感じられるようになってきます。次第に上に立つことが多くなる中で、能力不足を痛感するというケースもあります。

それまでは普通に感じていた看護師という職業に対し、突如「自分に向いていないのではないか」と悩み始めたり、何かのきっかけで患者の命を落とすかもしれないという緊張の場に耐えられなくなったり、自分の限界を感じる人もいます。

要求される仕事が高くなり、本来の看護業務以上のことを強いられ、心身の疲れが顕著になり、弱気になって能力を疑うようになる人もいます。重大な局面での責任が増えると、医療ミスへの不安も増大。「すべてを把握しきれない」という恐怖が、転職や離職の引き金となることもあります。

逆に仕事にも心にも余裕が出てくると、自分なりのキャリアプランを具体的に立てられるようになり、現状との不一致に気がつくこともあります。看護師としての目標やキャリアアップを望むことも、現在の職場ではかなえられないと確信すれば異動や転職の強い動機となります。

看護師が7年目に目標にしたいこと

看護師としての経験と知識が豊富だからこそ、いろいろなことにチャレンジして新しい自分を見つけることができるはずです。

スキルアップ

看護師は経験に応じてさまざまな資格を取得することができます。日本看護協会の資格認定制度では、がん看護や精神看護、災害看護などの専門看護師や、救急看護、緩和ケア、訪問看護師などの認定看護師制度があります。経験をもとにさらに技術や知識を追求し、専門性をもった看護ができるようになります。

働きながら学位や大学卒業の資格を取得できるのが通信制大学です。看護学や心理学を学んだり、看護師養成所の教員資格を取得したりすることもできます。

看護に関連する資格を取得するのもひとつです。企業の健康管理室での仕事から、キャリアカウンセラーなどメンタルヘルスに関する資格を取得したいと考える人もいます。

今まで働いていた診療科とは違うところに異動し、さらに幅広い知識や技術を身につけることも、スキルアップ、ベースアップにつながります。

出典:日本看護協会 認定看護師

参考:放送大学

他の診療科も見てみる

働いている病院の規模が大きければ、他の診療科に異動してみるのはいかがでしょうか。同じところで働いていると、悪い意味でなれ合いになってきたり、他のやり方に適応しづらくなったりといった不安が出てきます。転職までは勇気がないけど、環境を変えてみるための異動ならばハードルが低く感じると思います。複数の診療科を経験することで、さまざまな患者を多方面から考えるスキルを身につけることができます。

ここで注意したいのが、看護師も7年目になると経験や技術、コミュニケーションスキルが高くなるため、自分の信念も強くなり、柔軟性が乏しくなりがちということ。いくら同じ病院内でも病棟が変わればやり方や人間関係も大きく変わります。郷に入れば郷に従えといいますが、今までの自分のやり方や考え方をいったん外に置いて、その場を受け入れ、合わせることが必要です。

自分メンテナンス

あっという間に駆け抜けた7年間。ここで一息つくのもいいものです。旅に出たり、新しい趣味を見つけたり、ボランティアや習い事に通ったり。ヨガは呼吸、姿勢、瞑想を組み合わせて、心身の緊張をほぐし、心の安定とやすらぎを得るもので、多忙を極めている看護師に向いているかもしれません。実は看護師資格をもっているヨガインストラクターは意外といるようです。看護師は足腰だけでなく精神面も酷使する仕事なので、ゆっくりとエステやマッサージなどでリフレッシュするのもおすすめです。

ある看護師は、一度臨床現場を離れ、春夏秋は健診の単発バイトでみっちり稼ぎ、冬は大好きなサーフィンやスキーをするため世界中を旅して回っていました。こういう自分へのぜいたくなご褒美も、給料のよい看護師ならではだと思います。

辞めたいなら転職もあり

「もっと別の看護について学びたい」「この責任から解放されたい」「夜勤のない、人間らしい生活をしたい」など、職場や環境を変えたいと思う理由はさまざまです。7年間看護師をしてきたのなら、自信を持って次のステップ=転職という選択もできます。

他の医療機関へ転職

病院の場所や規模によって、患者層や重症度、専門分野、専門疾患は異なりますので、自分の得手不得手を振り返り、ここを伸ばしたい、もっと極めたいと思ったら、ほかの医療機関への転職を考えてみましょう。場所にこだわらず、地元へ戻る、離島ナースとして知らない土地に移るということもできます。

外科病棟では、術後元気になって退院するがん患者や、ターミナル期で入院し最期を迎えた患者が多くおり、看取りや終の棲家に興味をもってホスピスに転職したという人がいます。

同じ病院で同じ看護をしていることで、ひとりの人間なのに人の見方が壊れてくるように感じ、在宅ケアという人間に即した訪問看護師を選択し、認定看護師まで取得して長年働いている人もいます。

転職に挑む際は、病院が公開している情報やネットの口コミ、見学といった情報収集は念入りに。より効率的に自分の条件とマッチングさせるために転職サイトを活用することも考えてみましょう。

一般企業へも転職できる

看護師が一般企業で活躍できる場が広がってきています。

  • 医療機器メーカー(クリニカルスペシャリスト)
  • 治験コーディネーター(CRC)
  • 臨床開発モニター(CRA)
  • 健康管理室・医務室(産業看護師)
  • コールセンター(電話健康相談、EAP、医療機器などの問い合わせ)
  • 健診センター、献血センター
  • 特別養護老人ホーム、老人保健施設、有料老人ホーム、デイサービス
  • 保育園、大学の看護師
産業看護師

以前、私は医療機器メーカーの営業企画部門で働き、現在は産業看護師として企業の健康管理業務をしています。産業看護師の健康管理業務は多岐にわたり、定期健診の調整など事務的なデスクワークが多いのが特徴です。病院との大きな違いは、対象がある程度健康で元気に働ける人だということ。近年ではメンタルヘルス不調者への対応業務が急速に増えています。

クリニカルスペシャリストとして働ける医療機器・医療材料メーカーにはさまざまな分野があります。在宅酸素のメーカーでは、看護師がトレーナー、オペレーターとなって直接患者と接することができます。治験コーディネーターも、治験の計画やデータ整理、協力していただく患者へのフォローは看護師が得意とするところでしょう。健診センターや献血センターは、ピーク時期を除けば残業も少なくプライベートを充実させられるメリットがありますが、ルーティンワークの多いことがデメリットかもしれません。

一般企業へ働くにあたって必ず身につけておかなければならないのがPCスキルです。WordやExcel、PowerPoint、メールは必須。Excelも四則計算だけでなく関数もできると重宝します。病棟で駆け回っていた看護師が、デスクワークの多い一般企業に慣れるまでは少し苦労するかもしれません。また、病棟勤務と比べて収入は下がるので、自分のライフスタイルと目的を明確にして転職先を探す必要があります。

看護師が活躍できる場所は他にも

病院や一般企業とはまた違った世界で働くこともできます。ただし、単発や期間限定の仕事が多く、収入は不安定です。違う世界を見たい、自分の能力を試すためにアルバイトで働くのもひとつです。副業が認められている場合は、転職ではなく、常勤で働きながら気分転換にアルバイトをすることもできそうです。

  • スキー場や遊園地などのアミューズメント施設の救護業務
  • イベントナース
  • ツアーナース(旅行添乗業務)

私は無料で思う存分スキーができるという理由でスキー場の救護スタッフとして住み込みで働いていたことがあります。ここでは骨折や捻挫、切創といった外傷が多いので、整形外科の知識や応急処置の技術を身につけておく必要がありました。

イベントナースでは、夏フェスやコンサート、お祭りなどの会場の救護室に待機し、病人やケガ人の処置をします。私が夏フェスのイベントナースをしたときは、熱中症が大半を占め、重症だと病院へ搬送するかしないかの判断が必要な場面もありました。

ツアーナースも同じように、修学旅行や社員旅行などに同乗し、参加者の健康管理や病気・ケガの処置をします。一緒に観光地を回っておいしいものが食べられるのはツアーナースの醍醐味。しかし医師は同行せず看護師1名で対応するため、幅広い知識と的確かつ迅速な判断力が要求されます。特に小学校の修学旅行や林間学校の添乗では、夜間の救急対応も多く睡眠がなかなかとれない、ということもあります。

いろいろ考えるようになっているのは、心に余裕が出てきたということです。まわりを見渡すと同じようなことを考えている7年目の看護師は多いかもしれません。すぐに決断する必要はありませんが、自分を日常と少し違う環境に置いて、別の視点から考えるきっかけを作ってみましょう。