[ 記事作成日時 : 2018年12月4日 ]
[ 最終更新日 : 2020年6月21日 ]

ブラック病院に転職しないためのポイントと看護師たちが語る病院事情

ブラック病院

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この病院は早く辞めるほうがいいんじゃないの?

転職活動では、求人情報に書かれた内容をもとに、応募先を絞り込んでいくわけですが、じつは明記されていない情報がとても大事だったりします。病院のスタンスや医師や看護師の患者への対応もそんなことのひとつ。こういうことは書かれていないことの方が多いかもしれません。

情報の裏側に隠れている現場の実態を読み解くことは、できるのでしょうか。みなさんが転職に失敗しないために、ブラック病院の実態と見分けるポイントを探ってみました。

      
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※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

ブラック病院での経験を看護師が告白

病院の方針や医師の態度に疑問を感じても、それを当たり前のように受け止めている同僚がいれば、こんなものなのだろうかと思ったり、病院の姿勢に共感できない自分に問題があるのかな、我慢すべきなのかな、などと悩んだりする人もいるようです。

そんな思いを経験しつつ勇気を出して声を上げてくれた看護師の話を紹介します。患者に対して不誠実な病院で「働いていた」または「働いている」と回答した人のコメントです。(2018年ココナス調べ)

医師不足で不誠実な病院【1】

看護師の体験談
総合病院看護師

内科病棟と施設が隣接しており、病棟以外にも多くの外来患者が訪れる病院でした。その病院は医師が不足していて、院長が大半の患者を診ている状況でした。

そんな状況もあり、患者の家族が不安解消や治療方針説明などのための面談を希望しても、院長は忙しさを理由に面談から逃げているようでした。

忙しいと余裕のある対応ができないのか、不誠実な発言や態度も多々ありました。

体調不良や不安を抱いている患者、そしてその家族にとっては、病院の医師不足などは関係ない問題です。せめて患者や家族に寄り添える体制にし、より良い病院になってほしいと思っていました。

洗濯物が増えるから清拭しない病院【2】

看護師の体験談
病棟看護師

私が働いていた個人病院では、看護師、介護士、医者が患者に対してあまり敬語を使わない風潮がありました。患者を「ちゃん」づけや、呼び捨てにする看護師もいましたが、家族の前では「さん」づけで呼んでおり、裏表があるようでとても不快でした。

週2回のお風呂以外は陰部洗浄のみで、お湯で流すだけです。清拭もなく、足浴や手浴、洗髪などの清潔ケアはいっさいしません。陰部洗浄のときに泡をつけてしていたら怒られたり、清拭をしたときは「洗濯物が増える」などと理不尽なことで注意されたりしたこともあります。

体位変換は日勤帯では2回だけだったので2時間おきに回っていたら、習慣化したら嫌だからやめろと言われました。

満床でも病室外に入院させる!利益優先の病院【3】

看護師の体験談
病棟看護師

利益重視のためか、満床であっても面談室や洗髪室など、部屋ではない場所で患者を受け入れていました。また、患者や家族はもちろんスタッフにも負担を強いることがありました。もちろん部屋にナースコールはありません。本来病室として整備されていない部屋に無理やり入院患者を入れているのですから、外部から指導を受ける可能性もあります。

衛生面に問題がある他、治療に必要な機材の搬入やケアの作業が十分にできないことも考えられます。

ナースコールのない部屋で、患者の容態が急変した場合の責任も問われるでしょう。これでは事故発生の率も高くなるように思います。

スタッフ教育ができていない病院【4】

看護師の体験談
個人病院看護師

看護師や介護士の教育不足がひどく、患者の訴えに対して傾聴もしなければ、面会に来る家族に対して陰で文句を言っているような病院でした。

介護士が患者にケガをさせたのに、医者がカルテに原因不明と書いていることもありました。本来であればスタッフの教育不足を重く見て、厳しい指導が行われるべきであるところ、病院ぐるみで隠ぺいしようとする姿勢が非常に問題だと思っていました。

自分都合の職員ばかりの病院【5】

看護師の体験談
外来看護師

検査の結果説明もそこそこの状態で、患者に入室早々、「ガンです」と大きな声で告知する医師。全ての患者にタメ口で話す看護師。時間外の患者からの電話対応に嫌々出ている感満載の上司。お気に入りの部下以外の報告には目も合わさず「あっそ」で終わらせる看護師長。

痛みや苦しさのために検査がスムーズに進まないと怒り出す医師と、患者のフォローをしない看護師。状態が良くなれば家族や患者の事情を聞かず、無理に帰宅させる院長。

自分のできる範囲のことを超えた手術をして病状を悪化させたケースもありました。私から見ると病院全体が、病院としての使命を失っている環境でした。誰もが自分のことだけを優先し、患者に寄り添ったケアができていない状況でした。

ブラック病院の見分け方

いわゆるブラック企業の存在は世に知られていますが、ブラック病院と呼ばれる医療機関はあまり耳にしないかもしれません。しかし、そのような病院は存在します。モラルや倫理観の問題以外にも、長時間労働や賃金不払いや残業、パワーハラスメントなどの問題などがある病院です。

このような問題を抱える病院と関わらないために、採用が決まる前に見極めたいものです。ブラック病院といわれることが多い病院にありがちな傾向を挙げてみました。

いつも求人が出ている・給与が高い病院

看護師転職サイトへいつも掲載されている病院ってありませんか?しかも、そういう病院は通常よりも給与が高く設定されていたりします。理由は、常に人手不足であることが多く、給料を高く設定してまでも人を集める必要がある状態だから。

つまり、看護師の離職率が高いということです。看護師が定着しないから、時給や給与を上げざるを得ないというわけです。その地域の平均給与や看護師の定着率なども押さえておきましょう。

すぐに内定を出す病院

面接での話もそこそこに、すぐに内定を出す病院にも注意をしたいものです。面接というのは能力や人柄を確認するだけでなく、応募者の希望や意見のすり合わせが行われる場でもあります。そのようなことを確認もせずに内定を出す場合は、過度の人材不足が起こっていることが予想されます。

本来であれば採用を決めるまでには、慎重な検討とプロセスが必要となります。ですからすぐに内定を出す場合は、それなりの理由を疑ってもよいかもしれません。

ブラック病院を転職先に選ばないために!

  • 病院に対する「職員の口コミ」と「患者の口コミ」の両方をチェック
  • 面接とは別のタイミングで病院見学を希望し、病院の風通しを確認
  • 病院や患者の衛生状態を確認
  • 面接・病院見学の際に管理職(看護部長クラス)の看護観を聞く
  • 職場見学の際、従業員の動きや患者に対しての対応は要チェック
  • 職場で働いていた従業員(または元従業員)に話を聞く

インターネットの口コミサイトで評判を確認

医療的モラルや患者目線の看護をしているかというのは、外からはわからないものです。病院の公式サイトからは本質を読み取れないのが現状。職場のようすを確認するには、口コミサイトを参考にするのも一つの方法です。

ポイントは、職員の視点と患者の視点から確認すること。実際にその病院を利用した患者の口コミを見ることで、どのような医師や看護師にどのような対応をされたのかを知ることができます。職員の口こみからは職場の環境や待遇などがわかります。

ただし、口コミは投稿者の主観なので、人によっては解釈が異なることもあります。そのため、掲載されている情報を全てうのみにせず、判断する必要はあります。

面接以外のタイミングで病院見学

面接とは別に見学を希望してみるのも一つの手段です。ふだんの病院側の対応を見ることができるからです。問題がない場合は気軽に了承してくれるでしょう。快く受け入れてくれるかどうかの回答で病院のスタンスや風通しが良さなども見えてきます。

ハラスメント行為が日常的に行われている病院ですと、怒鳴り声が聞こえてくるなど、働く環境が見えてきます。すれ違う人にはこちらから挨拶をしてみましょう。きちんと挨拶を返してくれる場合は、挨拶を習慣的に行っている職場だと判断できます。

病院や患者の衛生状態を確認

病院の管理体制やモラルが院内の衛生状態として表れる場合があります。ナースステーションの状態は必ず確認しましょう。「病院の清潔感覚とクオリティーは一致している」という専門家もいるほど、大切なポイントです。他の施設と違い、病院には感染管理の責任がありますから、しっかりと管理されている病院は清潔であるといえます。

病院や患者の衣類が汚れているということは、ケアをする職員の意識が病院や患者に向いていない可能性もあります。管理職の指示のもとでそうしているのかもしれませんし、看護師たちの職場への不満がそうした態度の表れとなっていることもあるようです。

面接・病院見学のときに管理職(看護部長クラス)の看護観を聞く

職場の倫理観には看護部長の看護観が反映されることが多いため、面接や病院見学などで会うことができた場合は質問してみるとよいでしょう。面接の際には、選考を通過するために自分の看護観を伝えることももちろん重要ですが、同時に病院を選ぶ権利があることも忘れてはいけません。もしチャンスがあれば、看護部長の看護観やどんな病院を目指しているかなども聞きましょう。

職場で働いている職員or元職員に話を聞く

看護師のコミュニティは案外つながっていることが多いので、看護学校の友人に相談してみると、気になる職場で働いている人につながることもあります。管理職以外の人の話を聞くことで、より現場の実態を知ることができるでしょう。

働きやすい職場を見つけるために

自分が満足して働ける病院を見つけるためには、自己分析をしっかりと行う必要があります。自己分析については、看護師の転職で採用側に響く自己PRをするために知っておきたいポイントを解説で紹介しているので、興味のある場合にはぜひ読んでみてください。

「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」によると、働きがいのある職場とは、自己効力感が得られる職場なのだそうです。自己効力感とは英語で「Self-efficacy」、この場面は自分ならこんな行動でうまく切り抜けられるよ!と自分の可能性を認知する力のことです。

そんな力が発揮できる職場には「仕事の意義や重要性をキチンと説明してくれる」「意見や希望を受け入れてくれる」環境があるといいます。さらには「相談できる体制がある」「福利厚生が整っている」という項目が加味されると、働きやすい職場と感じる人がさらに増えるとも述べています。こんなことにも注意して次の職場を探してみるとよいかもしれません。

出典:厚生労働省職業安定局『働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書』平成26年5月

※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。