[ 記事作成日時 : 2016年3月30日 ]
[ 最終更新日 : 2020年2月27日 ]

クリニックを辞めたい…看護師のよくある7つの悩みと円満退職のコツ

クリニックをやめたい看護師

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「クリニック勤務がつらい。もう辞めたい…。」

クリニックは日勤の職場が多く、看護師の仕事としては一見かなり楽なように感じられます。

半面、クリニックならではの職場環境もあり、クリニックを辞めたくなる看護師もいるようです。

看護師がクリニックを辞めたくなる理由としては、どのようなものがあるのでしょうか。

ここでは辞めたくなる原因を探りながら、スムーズな転職に向けたポイントを考えていきます。

      
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看護師がクリニックを辞めたいと考える7つの理由

看護師がクリニックを辞めたいと思う理由には、次のようなものがあります。

1.職場の人間関係

クリニックの仕事そのものには満足していても、人間関係の煩わしさから辞めたくなる看護師は少なくありません。

大病院とは違い、異動もなく、スタッフの数も限られるクリニックでは、一緒に働く顔ぶれが常に同じです。

それだけ関係性が濃くなるため、一度感情がこじれると修復が難しくなりがちです

少人数での作業では、気に入らないことがあると相手に伝わりやすく、嫌な雰囲気になることもあります。

また、うまくコミュニケーションが取れなくなると、疑問があっても聞くことができず業務がうまく進められなくなってしまいます。

人数が少ないだけに他の人に頼ることもできず、孤独感が深まっていく場合もあります。

2.待遇への不満

日勤のみのクリニックの場合、給料が看護師全体の平均を下回ることがあります。

特に個人経営のクリニックでは、給料規定が不明確だったり手当が付かなかったりして、待遇に納得がいかない看護師も多いようです。

入職時に決められていた待遇が、院長やその家族の一方的な都合で、突然条件変更されてしまったという話も良く耳にします。

正社員で就職した後、パート勤務へ変えられるケースもあります。

大規模な病院から転職した場合、保険や福利厚生の薄さに不満を感じるといったこともあります。

昇給など労働条件の規定が整備されておらず、将来に不安を感じている看護師も少なくありません。

3.経営者に対する不信感

クリニックの経営が儲け主義的で、患者への対応が不満足だったり安全意識の薄さに危機感を持ったりすると、職場への不信感が募ります

経営方針に不満があっても個人的に解決できる問題ではなく、思い悩むうちに辞めたい気持ちが膨らんでいきます。

大病院では定期的な監査があり、危機管理対策が重視されていますが、個人で開業しているクリニックではそうした面が後回しにされがちです。

いくら給料が良くても、看護師としての正義感が許さず、退職を選択するケースもあります。

4.院長がワンマン

クリニック勤務の看護師の体験談の中には、医師の仕事の仕方に疑問をもつケースが少なくありません

問診票をまったく見ずに診察し、何度も同じことを患者に尋ねたり、既往歴・内服・アレルギーなどを把握しないまま患者とちぐはぐな会話をし、その責任を看護師に押し付けたりする医師も中にはいます。

また、個人経営のクリニックでは院長や医師がワンマンで、気分によって看護師を動かすということもよくあるようです。

大規模な病院のようにパワハラや苦情を伝える窓口も存在せず、労働組合もないクリニックでは、このように院長や医師に不満があっても辞めるか我慢するしかありません。

5.やりがいがない

クリニックは総合病院とは違い、専門化された診療を行います。毎日同じような作業が続き、新たな学びの少ないことに物足りなさを感じる看護師もいます。

命にかかわるような看護ケアをすることはないので精神的なプレッシャーは少ないですが、一方で達成感が得られず、働くモチベーションが低下することもあるでしょう。

また専門診療を行うクリニックの業務が自分のスキルと一致せず、やりがいを感じられないというケースも聞かれます。

例えば一般病棟の経験が長い看護師が、透析クリニックで穿刺や機械の操作がいつまで経ってもうまくできず、居づらくなって辞めたという話もあります。

看護師としての仕事にやりがいが得られないと、辞めたい気持ちが強くなっていきます。

6.業務が多すぎる

「クリニック勤務は夜勤がないから楽」、「小さいクリニックだから業務が少ない」と思い込んで就職し、思いがけず多忙を極める毎日に戸惑うケースもあります。

看護師の不足は全国7割の医療機関が訴えており、規模の大小にかかわらず、人手が足りていません

大規模な病院と違い、院内の清掃まで看護師の業務となっているクリニックも多く、雑用と通常業務が重なり、結局残業ばかりしているというケースも珍しくありません。

「これならば普通の病院勤務の方が、給料の高い分良かった」と嘆く声も聞かれます。

いくら夜勤がなくても、サービス残業ばかり続けば辞めたくなっても何の不思議もありません。

7.休みが取れない

有給休暇は採用されてから6ヶ月間継続して勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した場合に付与されるもので、勤続年数に応じて日数が異なります。

クリニックで働く看護師にも有給休暇はあります。

なお、1週間の労働時間が30時間未満のパートタイムにも有給休暇は付与されます。

とはいえ、小規模なクリニックは看護師の人数も十分ではなく、有給休暇が取りづらい状況にあります。

【有給休暇の付与日数】

勤続年数 付与日数
0.5年 10日
1.5年 11日
2.5年 12日
3.5年 14日
4.5年 16日
5.5年 18日
6.5年以上 20日

クリニックの看護師が忙しいのはなぜ?

辞めたい理由の中にはクリニックの「多忙さ」を挙げる声が多く聞かれます。

クリニック勤務の看護師の忙しさには、クリニックの立地や経営方針が関連しています。

周囲にクリニックが少ない

暇なクリニックも問題ですが、患者数が多すぎるというのも看護師にとっては悩みの種となります。

周囲に病院やクリニックが少なく、高齢者の患者が多いとなると、診察にも時間がかかります。

クリニックのさばけるキャパシティを超えた患者が押し寄せると、看護師は患者一人ひとり向き合う時間が少なくなり、余裕のない状態になってしまいます。

長時間待たされる患者からのクレームが多くなり、精神的な苦痛も増大していきます。

そうしたクリニックに勤務すると、午前中の診察時間を大幅に超えてしまい、午後の診療の準備に時間を取られて、ランチ抜き…なんてことも。

予約制に変えるなどの対策が行われない場合には、いつまでたっても状況は改善しません。

業務に対して看護師の人数が足りてない

正社員の看護師を雇うと経済的な負担が大きくなるため、あえてパートでしのいでいるというクリニックは少なくありません

午前・午後ともに2~3名の看護師を配置しているクリニックが多いですが、その中でパートなどの時短勤務の看護師がいると、途中で退勤してしまいます。

そうすると、夕方の患者が多い時間帯を残された看護師1~2名で切り盛りしなければなりません

後片付けや書類の整備、診療の準備なども診療外の時間で処理しなければならず、フルタイムで働く看護師の業務負担が増加します。

診察終了間際に患者が来院する

オフィス街や繁華街、駅前などに立地するクリニックでは、会社帰りに立ち寄るビジネスマンが多いです。

そのため、昼間は比較的余裕があっても、診察終了間際に混雑し、残業するケースが多くなります。

診療時間をずらす、夕方から夜に向けての人員配置を厚くするなどの改善策がない場合、状況は変わらないでしょう。

クリニックは円満退職が難しい?

クリニックを辞めたいと思っても、濃密な人間関係に縛られる職場では思うようにさせてもらえないことが多いようです。

小規模なクリニックでは大病院以上に後任者を見つけるのが難しく、また採用にかかる費用も大きな負担となります。

そのため、さまざまな理由をつけて退職の引き延ばしを図り、引き留めを続けます。

最終的には強硬に退職をしたために、非常に険悪なムードとなり、その近辺の医療施設に再就職しづらくなったという例もあります。

円満退職をするためには、親の介護など家の事情や健康など、角の立たない退職理由を付けて、十分な時間をかけながら説得にあたる必要があります

クリニックを円満に退職するための手順

クリニックを辞めるためには、なるべく自分本位と受け止められないよう、スケジュールに乗っ取って退職を進めていきます。

クリニックは少人数制で運営しているところが多いため、スタッフが一人でも欠けると大きな迷惑をかけてしまいます。

スムーズに辞めるための手順と注意点を理解しておきましょう。

  • 手順1.退職希望を申し出る

    時期としては退職希望の2か月前が理想的です。後任者を探す事情もあるため、少しでも早く伝えた方が親切です。

    例えば半年後に夫の転勤が決まっている、親が病気になり3か月後に退院したら介護をしなければならない、など相手が納得するような理由を考えます。

    勉強したいことがある、という理由なども効果的です。

    まったくの嘘の理由はその後の転職の際に気まずい思いが残りますが、多少なりとも似たような事情があれば、あとから転職したことがわかっても、事情が変わったということで処理できます。

  • 手順2.後任の看護師への引き継ぎ

    引き継ぎの流れを作成し、業務内容ごとに適切な時期に引き継ぎができるようにしておきます。

    <退職前にはすべての引き継ぎが完了するように進めていきましょう。

    個人経営のクリニックであっても、基本的に看護師の指導は前任者の役割です。

    必ず退職前に引き継ぎを済ませる必要があります

    退職が決まった時点から日常の業務の中で迷いそうな点をすべて書き出し、対処法を記載しておけば、退職後に連絡が来るなどで煩わされることがありません。

  • 手順3.退職のあいさつ

    心の中では不満だらけで退職をするとしても、一時はお世話になった職場です。

    最後の挨拶は、誠意を込めて行いましょう

    ちょっとしたお礼のギフトを配るときには、事前に過去の例を調べ、同じくらいの品を贈るのがおすすめです。

    あいさつは退職前日または当日、業務が忙しくない時間を見計らって済ませます。

クリニックでは退職金が出ない?

個人経営のクリニックの場合、就業規則や退職金規定に記載しない限り、退職金支払いの義務はありません

一般的には、勤続年数3年を過ぎた看護師に対しては、金額の多少に関わらず退職金を支払うというところが多いようです。

退職金額は、勤務先の規模と勤続年数によります

国公立病院に定年まで勤め上げた場合の退職金相場は3000万円ともいわれていますが、個人経営のクリニックではとてもそうした額は期待できません。

通常は就業規則などに退職時について記載されています。

まだ退職の予定がないときであっても、自分が勤めるクリニックの退職金制度を知っておくことは将来のために必要なので、一度確認しておきましょう。

クリニックから転職する際の注意点

退職した理由を明確にする

クリニックを退職し、次の転職先を探す際には、退職の本当の原因となった点を明確にしておきましょう。

経営や診療についての不信感などが根本にあった場合、転職先を待遇などの条件のみで決めてしまうと、また同じことになりかねません。

「クリニック」という形態について問題があったのか、単にそのクリニック事態の問題なのかをよく考え、転職先の規模や業態を検討する材料としていきます。

転職先の特徴を知って十分に検討する

元のクリニックの問題点が理解できたら、転職先候補の特徴もよく見ていきましょう。

クリニック勤務の人間関係の狭さがいやになり、大規模な病院を安易に選んでも、そこにまったく問題がないという保証はありません。

規模や業態が違っても、その場所なりの人間関係は存在します。

失敗をくり返さないためには、十分に情報を集め、できれば見学をさせてもらうなど、自分の目や耳で確かめるようにします。

就業条件などほかの部分についても同様に、その施設の特徴を理解し、検討するようにしましょう。

転職サイトを活用して転職の失敗を回避する

クリニックからクリニックへ、クリニックから病院へ、あるいは別の種類の医療施設へ、と看護師であれば働く場所はさまざまに選ぶことが可能です。

ただ「クリニックは夜勤がなくて楽」といったように、外側からの認識だけで転職をしてしまうと、また何らかの辞めたくなる問題に当たってしまうかもしれません。

クリニックでも病院でも、それぞれに個性があります。転職で失敗しないためには、その個性を十分に知る必要があります。

個人の転職活動で情報収集が不足と感じられたら、看護師専門の転職サイトを活用していきましょう。

個々の医療施設についての内部情報を提供しながら、採用に向けた戦略を立ててくれます。

クリニックを辞めたくなった理由を率直に伝えれば、アドバイザーが次の転職先で回避したいポイントを絞り込み、最適と思われる転職先を紹介します。

クリニック勤務で味わった辛さや悩みを糧にして、ステップアップできる転職に臨んでいきましょう。

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