[ 記事作成日時 : 2015年6月16日 ]
[ 最終更新日 : 2020年1月25日 ]

内視鏡室で働く看護師の仕事内容・給与・メリット・デメリットを解説

内視鏡室の看護師

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内視鏡による検査や治療の進歩は目覚ましく、さまざまな症例に対して活用されるようになってきています。

内視鏡室で働く看護師は、知識や技術面での専門性が高められ、今後も需要が伸びていくと考えられます。

ここでは看護師の仕事場としての内視鏡室について、業務内容から給与、内視鏡室で働くメリットやデメリットまで解説していきます。

      
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内視鏡室とは

内視鏡は昔から胃カメラと呼ばれているもので、CCDカメラが装着されたスコープという細い管を体内に入れて、検査や手術の際に体内を観察します。

内視鏡室では食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管や、胆管、膵管、気管支といったさまざまな部位での異常の発見や切除手術を行っています。

内視鏡といえばかつては検査が主でしたが、内視鏡を使った治療の技術が進歩した現代では、患者の身体に負担をかけない手術法として幅広く活用されています。

傷口が小さく、ピンポイントでの処置が可能なため、体内での出血もほとんど見られません。

体力へのダメージがあまりないため、昔は入院が必要だった症例でも、日帰りできるようになりました。

内視鏡を用いることで、病変が早期に確実に診断されるようになり、病状の進行の防止にも役立っています。

内視鏡室では消化器内科、胃・食道外科、大腸・肛門外科、肝胆膵外科、呼吸器内科、呼吸器外科など、多様な診療科の検査や治療が行われます。

内視鏡室で行われる代表的な処置としては、次のようなものがあります。

  • 上部消化管内視鏡検査
  • 下部消化管内視鏡検査
  • 生検
  • 色素内視鏡検査
  • ポリープ切除
  • 内視鏡的粘膜切除術

内視鏡室で働く看護師の仕事内容

内視鏡室の看護師の具体的な業務内容

内視鏡室での看護師の主な業務内容としては、以下のようなものがあります。

  • 内視鏡を用いた検査や治療の準備
  • 鎮静ための点滴や咽頭麻酔
  • 医師の補助・患者の介助
  • 患者とその家族への検査・治療の説明や指導
  • 検査や治療の記録作成
  • 機器類の洗浄や消毒
  • 必要な物品の補充

内視鏡検査では口は鼻、肛門などからスコープを挿入します。そうした処置に慣れている患者はあまりいないため、恐怖心を持つ人も少なくありません。

看護師は患者とその家族へ検査内容や方法、手順、治療といった説明や処置前の注意などの指導を行います。

医師の処置にあたり、看護師は患者に対して精神的な安定を与えるための助言を行うと同時に、浣腸や清拭などの身体的な準備を実施します。

また内視鏡による処置をスムーズにするための、点滴や咽頭麻酔を医師の指示に従って実行していきます。

たとえば、検査や治療の際は姿勢の保持など患者を介助しながら、医師の補助を行います。

処置後には、患者本人や家族に対してその後の食事や排せつ、運動や清潔など、日常生活に関しての指導とアドバイスを行います。

また、検査や治療についての一連の記録を作成するのも、内視鏡室の看護師の業務です。

さらに検査や治療後には、使用した機器類の洗浄・消毒を実施し、感染症予防に務めます。また物品の点検を行い、適宜補充しておくのも大切な業務です。

内視鏡室の看護師の役割

内視鏡室では医師、看護師、内視鏡技師やコメディカルなどによるチーム医療が行われています。

お互いの専門性が十分に発揮できるよう、自律性を保ちながらの連携が必要となります。

看護師は自分の責務を自覚し、支援する立場として主体性を持って行動しなければなりません。

患者の様子の観察に基づき、意見や助言を述べる必要があります。

患者に対してはその心情の理解に努め、安心して検査や治療に臨めるようにサポートを行います。

内視鏡室の看護師は消化管出血の止血処置など、直接的に患者を扱う場面も多く、処置へ参加意識が強く感じられるようです。

精神的なサポートやスタッフ同士の連携を保つ役割とともに、実質的な技術の高さを求められるのが、内視鏡室の看護師の特徴ともいえるでしょう。

内視鏡室の看護師の労働環境

内視鏡室は個人病院などで専門的に行っていることはほとんどなく、大規模な病院の専門の部局となっています。

外来の患者もほかの診療科から回されてくる患者も、すべて予約制となっており、夜勤はありません。

急患がいないので、基本的には残業が発生することはほとんどないと考えて良いようです。

内視鏡手術のエキスパートがいる病院の場合には、難しい症例を引き受けることもありますが、術後は病棟の看護師に引き継ぐため、その後の処置で呼び出されるというケースは稀です。

大規模な病院勤めの看護師としては珍しい、定時出勤・定時退勤型の勤務体制であり、家庭や子育てとの両立がしやすい職場といえるでしょう。

内視鏡室では人間関係が重要なポイントとなります。内視鏡に携わる医師や看護師、内視鏡技師などの連携がうまくいかないと、検査も手術もスムーズには行えません。

内視鏡室ではチーム医療が非常に重視されるため、普段からコミュニケーションを頻繁にとり、チームとしての連携を高めておくことが、業務を確実に遂行するカギとなります。

看護師の業務としては内視鏡の準備や消毒作業、傷口の焼灼やクリッピングなどがありますが、チーム全員が処置の流れを把握し、お互いの動きを知っておかないと適切な作業ができません。

良好な人間関係を保つことが、内視鏡室の仕事のしやすさにつながるのは、現場で働くスタッフの間で良く理解されているようです。

そのため内視鏡室では、スタッフの関係が比較的和やかな雰囲気である傾向が見られます。

内視鏡室で働く看護師の適性とスキル

内視鏡室で働く看護師の適正

内視鏡室は一般病棟などとは違い、特殊性をもった職場です。看護師として求められる適性としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 勉強熱心であること
  • コミュニケーション能力が高いこと
  • 段取りが良いこと

内視鏡室の勤務では学ぶことが多く、看護師に対しても高い技術が要求されます。

専門性の高い仕事に対して前向きに取り組み、常に向上心・向学心をもっているタイプが適しています。

医師や内視鏡室のスタッフとの円滑なコミュニケーションが取れること、患者とその家族の相談に親身になって対応し、適切な助言や指導が行えることなどが求められます。

内視鏡室では、あらかじめ予約された患者に合わせて処置を行っていかなければなりません。

患者の緊張や精神状態が原因となり、スムーズに処置が進められないと、一日の予定に差し障りが生じてきます。

そのため、患者の心のケアをしながら、てきぱきと段取りをこなせることも、内視鏡室の看護師には重要な資質といえるでしょう。

内視鏡室で働く看護師のスキルアップ

内視鏡室の看護師がスキルアップできる資格としては、以下のようなものがあります。

消化器内視鏡技師資格

消化器内視鏡技師は、主に消化管内視鏡検査と治療の介助などを行います。

消化器内視鏡技師資格を取得するためには、消化器内視鏡部門で専門医の指導のもと、2年以上の実務経験が必要となります。

消化器内視鏡技師の業務として、内視鏡および関連器械の管理や整備のほか、患者の看護・検査・治療医の介助があります。

消化器内視鏡技師資格には、第一種内視鏡技師と第二種内視鏡技師の2種類があります。

「第一種内視鏡技師」は看護師、臨床検査技師、診療放射線技師が取得対象となっています。「第二種内視鏡技師」は、准看護師が取得できる資格です。

カプセル内視鏡読影支援技師

カプセル内視鏡読影支援技師は、カプセル内視鏡の画像診断を支援するエキスパートです。

学会の教育カリキュラムを遂行し、学会員である医師の指導のもとで小腸用カプセル内視鏡検査の画像診断支援を年間10症例以上経験した実績証明書が必要となります。

資格受験にあたっては、学会が実施する『小腸カプセル内視鏡eラーニング』受講修了証の提出が求められます。

内視鏡室では即戦力が必要な現場だけに、上記のような資格は強みとなります。内視鏡分野で働く看護師は、2~3年のうちに内視鏡に関する資格を取得することが多いようです。

内視鏡室で働く看護師の収入

内視鏡室の給与は外来看護師程度

内視鏡を扱う個人病院やクリニックはほとんどないことから、内視鏡室で働く看護師は総合病院や大学病院など、大規模な病院での勤務となります。

基本給としてはそうした病院の給与基準に従うため、23~25万円前後となります。

ただし、病棟看護師とは異なり夜勤がないため、月額の給与は外来看護師と同等です。

治療も予約制で、急患の扱いもないので、時間外手当もあまり付きません。

内視鏡室看護師の平均給与は、他科の外来勤務の看護師と同じく20~25万円ぐらいです。

病院によっては検査の数が多く、それに従って内視鏡室の給与額が高めに設定されていることもあります。

特に消化器系を専門とする病院の内視鏡室に勤務した場合、内視鏡検査の数も必然的に多くなり、基本給与が30万円前後のことも珍しくありません。

同じ内視鏡室の仕事であっても、選択する病院によって手取り額が変わってきます。

内視鏡室で働く看護師のトータル収入

内視鏡室で働く看護師の平均年収は、全体的には350~400万円が相場です。

日勤で残業なしの外来勤務看護師の、平均的な収入です。精神的、肉体的負担の少なさを考慮すれば、妥当な額といえるかもしれません。

内視鏡室看護師の場合には資格取得などでスキルアップを図り、検査に特化した医療センターや高度医療を行っている病院に就職することで、年収を上げられる可能性があります。

内視鏡室看護師が収入アップを目指すためには、高い技術を武器に、高額の給与を設定する職場を選んでいく必要があります。

内視鏡室で看護師が働くメリット・デメリット

内視鏡室で看護師が働くメリット

内視鏡室で看護師が働くメリットには、次のようなものがあります。

  • ワークライフバランスが得られやすい
  • 特殊業務についてのスキルが身につく
  • 仕事へのやりがいが得られる

内視鏡室の仕事は定時に終わることが多く、プライベートの時間が確保しやすいというメリットがあります。

検査や処置は平日の昼に予約により行われるため、カレンダー通りの生活ができます。

内視鏡室で行われる処置は特殊技能であり、初めは覚えるのが大変ですが、いったん身につければ専門的なスキルとなります。

常に技術革新が行われている最先端医療の現場で、看護師として技術力が発揮でき、仕事へのやりがいが感じられます。

内視鏡室で看護師が働くデメリット

一方で内視鏡室勤務におけるデメリットもあります。

  • 給与額を増やすのが難しい
  • 勉強会への参加や学習量が多い
  • 患者との交流が浅い

夜勤や残業手当で手取り額を上乗せすることができないため、基本給の設定が低い病院では、給与額を上げることが難しくなります。

また、常に技術革新が行われている分野であるため、勉強会もひんぱんに開催され、自身でも積極的に学び続ける必要があります。

一方で外来や外部からの患者の検査や処置のみを行う部署であるため、病棟のような患者とのふれあいはありません

短期的な関わりとなるため、看護師のタイプによっては単に仕事としてさばいているように感じられ、物足りなく思うケースもあるようです。

内視鏡室の看護師求人

未経験者可の案件も多い

内視鏡室看護師が取得できる資格は、2年以上の実技経験が必要となります。そのため資格や経験がなくても応募できる求人が多いようです。

内視鏡室の看護師求人には、以下のような施設があります。

  • 総合病院
  • 大学病院
  • 専門クリニック
  • 内視鏡センター
  • がん検診センター
  • 健診センター

内視鏡室での勤務をうたっていても、実際には専任ではなくほかの診療科との兼務や、移動がある病院も少なくありません。

応募の際には、自分の希望と一致する勤務形態であるか、十分に確認する必要があります。

転職サイトの活用で詳細情報を確認

内視鏡室は日勤のみで、規則正しい勤務体系となっていることが多く、看護師からも人気の高い職場です。

条件が良い案件は、非公開求人となっていることもあるため、有利に転職活動を進めるためには、転職サイトへの登録がおすすめです。

転職サイトでは病院の内部情報も入手しているため、内視鏡室の業務についても詳しい実態を知ることができます。

予め確認しておきたい条件には、先にあげた専任と兼務のほか、オンコール待機などがあります。

内視鏡室でどのような働き方をしたいのかを自身で良く考え、転職サイトの担当者に明確に伝えるようにしましょう。

希望に従った応募先を紹介してくれるだけではなく、給与や待遇についての交渉も任せられます

内視鏡室看護師として働くメリットとデメリットを理解し、条件にかなう病院への転職を成功させましょう。

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※ページ内の求人数は職種別に集計しています。