[ 記事作成日時 : 2019年8月14日 ]
[ 最終更新日 : 2020年4月3日 ]

看護師を辞めると後悔する?「退職で後悔する人、幸せになる人」3つのチェック

看護師をやめるデメリット

もう看護師を辞めたい…

社会貢献度が高くやりがいもある反面、重い責任や重労働、拘束時間の長さをつらく感じ、医療現場から離れたい、看護師自体を辞めたいと思う人は少なくありません。

その一方で、こう不安になる人も多いでしょう。

看護師以外の仕事につけるだろうか

せっかく取った資格だからもったいない

そう悩んで、不満があるのに転職できず、もんもんと思い悩んでいる看護師も多いようです。 看護師を辞めること、看護の現場から離れることはデメリットばかりでしょうか? 後悔しない、幸せになるジョブチェンジはあるのでしょうか? チェックテストを通して、あなたが看護師を「辞めて後悔するタイプ」か「辞めて幸せになるタイプ」かチェックしてみましょう。

4人中3人が「看護師を辞めたい」…その理由は?

社会貢献度が高くやりがいもあり、需要も高い看護師という職業。しかし、一方で日本看護協会発表の「2017年 病院看護実態調査」によると、正規職員の10.6%、新卒では7.6%が離職し、看護師資格を持ちながら看護師の仕事についていない「潜在看護職員」は約71万人(厚生労働省「平成24年 看護職員の現状と推移」より)にも上っています。

現役看護師の約75%が「看護師を辞めたい」

日本医療労働組合連合会の2017年「看護職員の労働実態調査結果(概要)」によると、現役で働いている看護師の約75%が、「看護師をやめたい」と考えたことがあると回答しています。

看護師4人のうち3人が一度は考える離職。実際に行動に起こすのは、年間約16.1万人で、新規資格取得者約5.1万人の約3倍にも上ります(厚生労働省「平成24年 看護職員の現状と推移」より)。

看護師を辞めて後悔する人、しない人

正規職員の看護師(フルタイム)が離職する理由のトップは「自分の健康状態(身体的なもの)」で22.7%。次いで、「自分の健康状態(精神的なもの)」18.0%、「時間外労働(残業)が多い」15.5%、「妊娠・出産」13.7%、「同僚との関係が悪い」13.7%と続きます(都道府県ナースセンターによる「平成24年 看護職の再就業実態調査」)。

非正規職員の看護師では、1位が「妊娠・出産」30.1%となっていることをふまえると、フルタイム勤務となる正規職員の業務の過酷さが浮き彫りになっています。

看護師を辞める人の多くは、前述の理由によるものでしょう。しかし、看護師の仕事からいったんは離れたものの、復職する人も少なくありません。

その証拠に、潜在看護職員のうち、年間約14万人が看護師に復職しています(厚生労働省発表の「平成24年 看護職員の現状と推移」)。

単純計算でも、潜在看護師のうち約20%、5人に1人が1年間で復職をしているわけです。そこには、結婚や出産、育児で看護現場をいったん離れ、子どもの成長と共に復職した方もいるでしょうが、看護師を辞めたことを後悔して戻ってきた方も一定数いるようです。

看護師を辞めて異業種へ転職したものの、「こんなはずではなかった…」と後悔するのはどういった場合でしょうか?

看護師を辞めて後悔する4つの理由

看護師という職業に限界を感じ、辞めて異業種へ転職したものの「こんなはずではなかった…」と後悔したという声も少なくありません。理由は主に4つ挙げられるでしょう。

看護師を辞めて後悔した理由1:収入が下がった

看護師を辞めてアルバイトをしているが、掛け持ちして働きづめでも看護師時代の収入にもならない」

一般企業に就職したら、基本給は低いし残業もできず、収入が激減。夜勤手当などがついていた頃が懐かしい…」

看護師を辞めて、日勤だけの一般企業やふつうのアルバイト、パートを始めてみると、その手取り収入の低さに驚く人は少なくありません。

看護師をしていると、周囲は医師や年長の看護師など医療関係者ばかりのため、自分の給料がそこまで高いとは感じていなかったのではないでしょうか? むしろ拘束時間や労働量の割には、収入が少ないと感じていた方も多いでしょう。

しかし、厚生労働省賃金福祉統計室発表の「平成30年賃金構造基本統計調査」によると、女性の正看護師(25歳~29歳)の年収は約390~490万円。

一方、非正規雇用を含めた全職種の女性の平均年収は、300万円にも届きません(国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」)。

全世代、全職種を含めた女性の平均年収より、20代後半の女性看護師のほうが100~200万円も収入が高いことからも、看護師を辞めてわかるもっとも明確なデメリットが、収入面であるのは間違いないでしょう。

看護師を辞めて後悔した理由2:やりがいや専門性が感じられない

人の命を預かる責任やストレスからは逃れられたけれど、今の仕事には物足りなさを感じる…

看護師という資格をもって医療現場で働いていた時のほうが、誇りややりがいが感じられた

看護師を辞めてしばらくは、生死がかかわる看護業務への緊張感やストレスから解放され、リラックスして働けるかもしれません。しかし、そういった毎日に慣れ始めると、やがてやりがいを感じられなくなる看護師は少なくありません。

国家試験に合格し、看護師資格を生かして医療現場で働くことは、社会への貢献度ややりがいを通じて誇りのもてる仕事だったのではないでしょうか。

また、「看護師を辞めた」と伝えた時、周囲からの「もったない」といった失望の反応に傷ついた人も少なくないでしょう。

看護師は、患者に頼りにされるのはもちろん、家族や親せき、友人からも「医療の専門職」として一目置かれる存在です。しかし、あなたが看護師を辞めた時点で、それまでと同じ尊敬は受けられないかもしれません。また、社会的にも、看護師という肩書きがなくなった場合、これまでと同じ信用や信頼は得にくくなるでしょう。

やりがいや高い専門性を備える仕事だったからこそ、得られた尊敬や信頼。それを失うかもしれないデメリットを知っておく必要があります。

看護師を辞めて後悔した理由3:キャリア白紙で未経験者に

転職した先では、それまでのキャリアは白紙で新人扱い

自分には合っていない仕事だから看護師に戻りたいけれど、いったん辞めたことでキャリアアップも困難になってしまった

看護師のキャリアはあっても、まったく違う仕事に転職してしまうと、新人に逆戻りということも。自分より年下の上司に指示されることも多いでしょう。看護師として優秀であればあるほど、ほかの仕事に就いたときに、その立場の落差に落ち込んでしまうことも多いでしょう。

また、転職先の職種や職場と肌が合わず「やはり看護師の仕事をしたい」と異業種から医療現場に戻っても、看護師としてのキャリアを中断していた時間は取り戻せません。そのまま看護師を続けていた同期と同じスピードで出世するのは難しいため、やはり年下の看護師が上司になるケースが考えられます。

このように、異業種への転職は、それまでのキャリアを失う覚悟も必要となってくるでしょう。

看護師を辞めて後悔した理由4:職場職種が変わっても悩みが解消されない

人間関係に悩んで看護師を辞めたのに、仕事を変えても、同じように人間関係でストレスが…

看護師の仕事は自分に合わないと思って辞めたけれど、新しい仕事もしっくりこない

看護師を辞めた理由は人それぞれですが、異業種へ転職したからといって、その悩みが必ず解消されるわけではありません。

例えば、都道府県ナースセンターを利用して就業した正規職員の看護師のうち「悩みや不満がある」とこたえたのは77.5%。そのうち、「職場でのいじめや嫌がらせ」(19.2%)、「上司との関係」(18.9%)、「同僚との関係」(18.3%)といった人間関係によるものが上位に目立ちます(都道府県ナースセンター「平成24年 看護職の再就業実態調査」)。

これらの悩みや不満は看護師特有のものではなく、どの職種、どの職場にも起こりうるものです。異業種へ転職したからといって、必ず解消されるものではない理由によって離職した場合は、看護師を辞めて後悔をする人が多いようです。

看護師を辞めて幸せになった3つのタイプ

看護師を辞めて後悔する人がいる一方で、「辞めて良かった!」と転職に成功する人もいます。幸せな転職を成功させた秘訣は何だったのでしょうか?

規則正しい勤務、休みやすい職場が希望

夜勤が入る不規則な勤務形態や、常態化しているサービス残業は、体も心もしんどい

お休みの希望を出してもほとんど通らないので、子どもの保育園行事はいつも夜勤明けで強硬参加

師長から嫌味を言われるので、有給が取りづらい

このように、二交代、三交代といったシフト制で夜勤もある勤務形態や、希望通りに休みを取れることはほとんどないといった看護師特有の悩みで離職を考えている人は、異業種への転職でたいていの場合は解消されるでしょう。

一般的な企業に勤務する場合は、日勤のみで土日祝日は休み。シフト制となる販売やサービス業でもほとんどの場合夜勤はありませんし、お休みも曜日固定の場合が多いため、規則正しい勤務を希望している人には合っています。

最近は、有給消化率によって企業のホワイト性がはかられるため、一般企業に勤務する場合は、有給が取れないという心配はありません。

転職で収入が下がっても時間や健康のほうが大切

お金よりも自由な時間がもっとほしい

不規則なシフト勤務で、家にいるときは寝てばかり。最近はなかなか疲れが取れなくて…

看護師を辞めて異業種へ転職した場合、ほとんどのケースで収入が減る経済的なデメリットがあると前述しましたが、それよりも「時間」と「健康」が第一という人は看護師を辞めても後悔はないでしょう。

20代後半の正規職員である看護師(女性)の平均年収と、全職種・全年代の女性の平均年収とでは、およそ100万円の開きがあります。月に換算すると約8万円の収入差お金よりも時間や健康の優先順位が上であれば、別の仕事へのシフトチェンジ

看護師経験が生きる職場、職種を選ぶ

せっかく資格をとって、キャリアを積んだ看護師という仕事だから、それが少しでも生かせる仕事に就きたい

看護師しかやったことがないから、全く違う職業をゼロから始めるのには不安がある

そういった気持ちから、看護師を辞めるのをためらっている人も多いでしょう。そういう場合は、看護師資格や看護師経験が生かせる職種や職場を選んで転職してはいかがでしょうか?

 詳しくは、「看護師の転職『ジョブチェンジで異業種へ』未経験でも成功する有利な資格は?」記事で紹介しているので、参考にしてみてください。

看護師を辞める?辞めない?後悔しないためのチェックテスト

自分は、看護師を辞めて後悔するタイプ? それとも、幸せになれるタイプ? あなたが看護師を辞めたい理由は、次のどれが当てはまるかチェックしてみましょう。

  1. 同僚や上司との人間関係に悩んでいる。
  2. 勤務先が遠く、通勤がつらい。
  3. 家事に加え、妊娠・出産・育児をしながらの勤務が厳しい。
  4. 勤務している施設の看護理念や方針が合わない。
  5. 医師とそりが合わない。
  6. 夜勤や準夜勤など不規則なシフト勤務がつらい。
  7. お休みや有休が希望通りにとれない。
  8. 時間外労働が多い。
  9. 医療事故の不安や責任の重さがストレスになっている。
  10. 看護師以外の仕事への興味。
  11. 肉体的もしくは精神的な健康障害が生じている。

上記の11の項目は、現役看護師が悩み不安に思っていることや、元看護師の離職理由の上位に挙がっているものばかりです。

そのうち、看護師を辞めたい理由が1.~5.のいずれかの場合は、異業種へ転職しても後悔する確率が高いといえるでしょう。というのも、「人間関係」「勤務地」「勤務先」に対する悩みは、看護師に限ったものではなく、どこの職場でもありえるものだからです。

また、3.の家事・育児に関する悩みは、例えば、日勤だけのクリニックに転職する、派遣やパートなど勤務形態を変えるなど、多彩になった看護師の働き方で改善できるののではないでしょうか。

一方、6.~11.が悩みの原因で離職したい理由である場合は、思い切って異業種へ転職してみてもいいでしょう。これらは、看護現場とは切っても切り離せない項目なので、職場を変える、勤務形態を変えるだけでは解消できない悩みだからです。

そのうち、「10.看護師以外の仕事への興味」というのが唯一、ポジティブな項目となりますが、まったく違う業界へ飛び込む際は、この気持ちが一番の原動力になるのではないでしょうか。

興味があり憧れてはいる職種、業界だけれど、外から見るのと実際に働くのでは違うはず。どうやって調べたらいいだろう」と不安になる人は多いでしょう。実際、転職を成功させるには、新しい職種、職場、業界への十分なリサーチが重要となってきます。

悩む前に、思い切って転職サイトに登録したり、転職エージェントに相談したりしてみてはいかがでしょうか。

転職サイトの登録や転職エージェントへの相談は無料なので、興味がある業界はどんな人材を求めているのか、看護師資格やキャリアは役に立つのか、収入はどれくらいなのかを聞いてみましょう。そのうえで、看護師を辞めるかどうか、転職をするかどうかなどの判断をしても決して遅くはありません。