[ 記事作成日時 : 2016年6月27日 ]
[ 最終更新日 : 2020年3月10日 ]

助産師の転職の悩みとは?求人の選び方から志望動機の書き方を解説!

助産師の転職先

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助産師が転職できる職場はどこ?

どうすれば助産師になれるの?

助産師の仕事は、お産に立ち会うという過酷さもある一方で、新しい命が生まれる過程をサポートできるやりがいのある仕事です。

この記事では、助産師におすすめの職場や、それらのメリット・デメリットを徹底解説。助産師になりたい看護師に向けてのアドバイスもお伝えします。

      
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助産師の職場その1.大学病院

大学病院の産婦人科や婦人科

大学病院は、産婦人科、婦人科ともにハイリスクな患者や専門性、緊急性の高い疾患が多いのが特徴です。高度専門医療を必要とする症例を取り扱うケースも多いため、助産師にも相応の看護技術が求められます。

産婦人科は、正常分娩よりハイリスク妊娠や異常分娩の取り扱いが多いのが特徴です。たとえば、胎児異常や高度な妊娠高血圧症候群、ほかの病気との合併妊娠などです。

最近は不妊治療後の高齢妊娠も増えているので、高齢や不妊治療にともなう異常症例も増えています。

産婦人科クリニックや助産院からの母体搬送も多くあります。切迫早産や出産時の異常、出産後の大量出血など、緊急搬送の原因は実にさまざまです。

婦人科では、女性生殖器がんや子宮筋腫などの婦人科疾患や、更年期障害、不妊症や不育症、出生前診断、遺伝カウンセリングなどの生殖期医療、思春期外来、性同一性障害などを取り扱う病院もあります。

大学病院で働くメリット

  • 異常分娩をたくさん経験できる
  • 教育体制が整っているので安心できる
  • 高給与で福利厚生が充実している
  • ライフスタイルが変わっても働きやすい

大学病院で働くメリットは、クリニックなどでは扱わない異常症例や希少症例の妊娠や分娩を勉強できることです。

それらに対応する最先端医療にも携わることができます。教育体制も整っているため、新卒やブランクのある助産師でも安心して働けます

大学病院の給料は比較的高く、福利厚生が充実しているところも多くあります。月給や賞与、各種手当、休日日数も基本的に安定しています。

子育て中の方に向けて、院内保育所を安く利用できる制度を整えているところもあります。

働き方に幅がある点も大きなメリット。夜勤ありの常勤だけでなく、日勤のみの非常勤、短時間勤務、子どもを幼稚園に行かせている間だけのアルバイトといった働き方があります。

ライフスタイルが変化しても働きやすい職場と言えるでしょう。

大学病院で働くデメリット

  • 正常分娩の経験がほとんど積めない
  • 助産師としてのスキルを活かす機会が少ない
  • NICUや他科への異動があり得る
  • 常分娩の経験を積んだ先輩が少なく、助産師としての指導が受けられない

デメリットは、正常分娩の取り扱いがほとんどないことです。正常な妊娠や分娩に対しては、助産師の技術や知識を活かせますが、大学病院ではその力を発揮しづらいでしょう。

また、大学病院で働くとNICU(新生児集中治療室)や他科への異動があり得ます。異動してしまうと、助産師としてのスキルを向上させる機会が少なくなってしまいます。

何年経っても正常分娩の経験を積めないため、分娩経験を積みたくてほかの病院に転職したとしても新人からのスタートとなってしまいます

大学病院助産師の年収

月収 30万~45万円
年収 500万~600万円

各種手当、ボーナスが充実しているところが多く、大学病院の給与は比較的良い傾向にあります。

地域や経験年数、夜勤回数などにもよりますが、月収30万~45万円、年収500万~600万ほどです。

ボーナスや各種手当をしっかり支給するところが多いため、このように高くなっているのです。

ただし病院によっては、助産師や看護師の数が足りず、残業や夜勤回数が多い職場もあります。

助産師の職場その2.総合病院

総合病院の産婦人科・婦人科

総合病院の産婦人科、婦人科は二極化しつつあります。産科や周産期医療に力を入れている病院と、分娩数の減少によりお産の取り扱いを中止したり、他科との混合病棟になっている病院の2つです。

産科や周産期医療に力を入れている病院のなかには、たとえば産婦人科病棟をリニューアルして妊婦の数を増やしたり、助産師外来や母乳外来を設けたりしている、特色のある病院もあります。

そういった総合病院の仕事内容は、ほぼ産婦人科クリニックと同じです。

正常分娩や高度なもの以外であれば、異常分娩も取り扱います。NICUを併設している場合は、ハイリスクな切迫早産や早産、帝王切開も取り扱います。

婦人科は、一般的な婦人科疾患や更年期障害、不妊症などの取り扱いが多いです。

一方、分娩の取り扱いを中止している病院は、外来で妊婦健診だけを受け付け、分娩はほかの病院に紹介するケースが多いです。

分娩を取り扱う病院の場合も件数は極めて少なく、病棟は他科との混合で1日1件程度のお産という場合もあります。

総合病院で働くメリット

  • 産科に力をいれている病院だと、正常分娩~軽度の異常分娩まで勉強できる
  • お産件数はそれほど多くない病院が多いため、妊婦とじっくり関われる
  • お産だけでなく、ほかの婦人科疾患や他科の勉強もできる

総合病院で働くメリットは、産科に力を入れている病院の場合、正常分娩の勉強ができることです。高度なもの以外なら、異常妊娠や異常分娩もあるので「異常」の勉強もできます。

正常・異常含め、お産件数は中程度のところが多く、妊婦一人ひとりとじっくり関わることができます。

他科と混合であったり、婦人科疾患の手術を取り扱ったりすることもあるため、婦人科疾患や他科の勉強もできます。

総合病院で働くデメリット

  • 産科の規模が小さい場合、ほとんど分娩がない
  • 一般的なスタイルのお産しか経験できない
  • 給料が安い

デメリットは、規模が小さい産科だと助産師としてというより、看護師としての婦人科疾患や他科の患者の看護が中心となることが多い点です。

分娩を扱う病院であっても、分娩室での一般的なお産が多いため、フリースタイル分娩などのスキルを充分に学べるとはいえません。

総合病院助産師の年収

月収 30万~40万円
年収 400万~500万円

総合病院の給料は、大学病院や産婦人科クリニックに比べると安いところが多いです。月収は30万~40万円、年収は400万~500万円前後です。

分娩の取り扱いが少ない病院だと少なめで、分娩に力を入れている病院だと多少高い傾向にあります。病院にもよりますが、福利厚生はそこそこ安定しているところが多いです。

ただし、総合病院は助産師の数が少ない傾向にあり、忙しいわりに給料が安いという声も。大学病院や産婦人科クリニックより給与が低い場合も多く、看護師と同程度ということもあります。

助産師の職場その3.産科・産婦人科クリニック

産科・産婦人科クリニックは、特色のある病院が増えています。たとえば「フリースタイル分娩」に力を入れているところ、院内助産院を設置しているところ、ホテルのような病室があるところなどです。

人気のある病院だと正常分娩の件数も多く、助産師として多くの分娩を取り扱うことがおもな仕事となります。

帝王切開や中絶手術に対応する病院では、OP前後の患者対応や、OPの外回り、直接介助にも入ります。軽度な異常分娩や異常妊娠も取り扱います。

助産師外来や母乳外来、院内助産院などを設置している病院では、助産師経験3年目頃から一人で担当します。

規模にもよりますが、産科・産婦人科クリニックは大学病院や総合病院とは違い、分娩担当、OP担当などの分業はおこないません。

そのため業務は、妊娠期~産褥期、新生児、手術、助産師、母乳外来など多岐に渡るのが特徴です。

クリニックで働くメリット

  • 正常分娩をたくさん経験できる
  • 分娩以外の帝王切開や中絶手術なども勉強できる
  • 院内助産院や助産師外来など、助産師としてのスキルを伸ばせる
  • 給料が比較的よい

クリニックで働くメリットは、正常分娩やフリースタイル分娩など助産師としてのスキルを充分に発揮できるところです。

分娩数が多いところでは、分娩経験も十分に積めるでしょう。帝王切開や中絶などの手術もOPナースではなく、同じ助産師が扱うので、正常分娩以外の勉強もできます。給料も比較的よい場合が多いです。

クリニックで働くデメリット

クリニックで働くデメリット
  • 忙しい病院では残業や夜勤回数が多い
  • 教育体制が整っていない病院もある
  • ライフスタイルが変わると働きにくくなる場合も

デメリットは、忙しい病院だと残業や夜勤回数が多くなるという点です。夜勤中は一切仮眠が取れない病院もあります。

規模が小さいクリニックは、大学病院や総合病院ほど教育体制が整っていないため「頼れる先輩がいない」と不安に思う新人助産師もいます。

産科クリニックは忙しく、働き方も夜勤ありの常勤か外来パートしかありません。妊娠や出産でライフスタイルが変わると働きづらくなることもあります。

クリニック助産師の給料

月収 30万~50万円
年収 500万~650万円

クリニックの給料は、比較的高い傾向にあります。特に人気のあるクリニックや分娩件数が多いクリニックは高給与であることが多いです。

月収は30万~50万円、年収は500万~650万円ほどです。

福利厚生は病院によって差があり、賞与や手当が少ないところ、休日数が少ないところもあるので注意しましょう。

助産師の職場その4.助産院

助産院の特徴

助産院は正常妊娠、正常分娩しか取り扱いません。そのため、正常な妊婦の妊婦健診、正常な分娩、正常な新生児、正常な産褥婦の助産や看護がおもな仕事です。

自宅分娩を取り扱っている場合は、昼夜問わず、陣痛が始まれば駆けつけて分娩の業務を行ないます。

正常を看るためには、すべての異常を知っておく必要があります。助産院で働く一番の難しさは、正常か異常かの判断だといえるでしょう。

医師の検診も何度かありますが、医師がおこなう妊婦健診を助産師が担当するのも大きな特徴です。

ほかにも母乳ケアや育児指導も仕事の一つです。最近では分娩は取り扱わず、母乳指導や育児指導を中心におこなう助産院も多くあります。

産後の母親のメンタルケアやフィジカルケア、母乳や育児のアドバイス、地域の母親教室などを開催しています。

助産院で働くメリット

  • フリースタイル分娩など、さまざまな助産を学べる
  • ベテラン助産師に知識や技術を教えてもらえる
  • 母乳、育児指導を学べる

助産院は正常分娩しか取り扱わないので、助産師としてのスキルを発揮できるでしょう。

妊産婦一人ひとりとじっくり関わり、お産のサポートができます。今では珍しい4人目以上のお産など、経産のお産も経験できます。

ベテラン助産師からスキルや知恵をたくさん教えてもらえるのも、助産院ならではの魅力です。

助産院で働くデメリット

  • 経験がないとできない
  • 責任が重い
  • 昼夜問わずオンコールがある
  • 給料が安い

デメリットは、助産院は基本的に新人は働けないという点です。5年以上は経験し、正常も異常もしっかり勉強した助産師がさらなるスキルアップを目指して働く場です。

最近では分娩を取り扱う助産院が減り、個人で開いている助産院が多く、求人もほとんどありません。

また、助産院は近くに医師がいるわけなく、すべての判断を助産師がしなければなりません。重たい責任を背負っているのです。

分娩があればオンコールで呼ばれるため、体力的にもハードと言えるでしょう。

助産院助産師の給料

人によって大きな差があるため相場を出すのが難しいといえます。

助産師にぴったりの職場の探し方

助産師が活躍できる職場はいくつもあります。とはいえ「自分のスキルだとどこで働けるのか」「よい求人の見極め方がわからない」など、不安を抱えている方もいるでしょう。

そんな方は、まずは看護師専用の転職サイトで相談してみるのがおすすめです。助産師の求人数は看護師より少ないため、専門のサイトに頼ることがポイントです。今のあなたにピッタリの仕事を紹介してくれますよ。

助産師転職の求人選びのポイント

助産師が求人を見る際は、何を目的に転職するかでチェックすべきところが違ってきます。

ここでは、助産師が求人を見る際の大前提とも言える2つのチェックポイントを紹介します。

月間の分娩件数、中絶件数

分娩の件数は、経験を積みたい人に向いている病院なのか、ゆったり働きたい人向けの病院なのかを見極める目安となります。

分娩の経験を積みたい人 年間の分娩件数が600件以上
少しゆったり働きたい人 年間の分娩件数が600件以下

たくさん分娩を取りたい場合は、教育体制や助産師の数もチェックしましょう。教育体制が整っておらず、助産師の人数も少ないと、分娩は取れても一人で見なければいけなくなるからです。

特に夜勤の助産師が一人(看護師の人数は含まず)という職場は要注意。助産師の数が少ないと、分娩件数が少なくても結局忙しくなってしまいます。

少なくとも夜勤の助産師を二人以上配置している病院を選びましょう。面接の際、助産師の数を質問するのもよいでしょう。

中絶件数は発表していない病院が多いですが、分娩件数や大規模な病院では比較的多く取り扱っています。中絶件数が多いからと言って、助産師が毎日中絶手術を扱うわけではないので、参考程度に知っておくとよいでしょう。

分娩の種類(無痛分娩、自然分娩など)と不妊治療の内容

最近特に、産科クリニックでは無痛分娩やフリースタイル分娩といった特色を出す病院が増えてきました。自分のやりたい助産があれば、その特色をチェックしましょう。

フリースタイル分娩や自然分娩を意識している病院では、異常があってもすぐに帝王切開はせず、できるだけ待つお産を実践していることが多いです。助産師として活躍できるうえ、助産師としてのスキルも延ばせるでしょう。

もあります。無痛分娩は医療介入となりますが、分娩の一つの形として注目が集まっています。興味がある場合はチェックしてみましょう。

不妊治療を取り扱っている場合は、産科も高齢出産やハイリスク分娩が多くなります。不妊治療から継続して妊娠~分娩に至る過程を見守りながら、不妊治療の勉強もできます。

助産師転職の志望動機の書き方と面接のコツ

面接官の心に響く志望動機の書き方

志望動機は、助産師としての意欲を伝えることが大切です。なぜ助産師になったのか、どんな助産をしたいのかといった、これからの展望に繋がる内容を意識しましょう。

ある程度の経験がある場合は、今までどんな助産をしてきて、今後はどんなことを学びたいかなど自分の意志をはっきりと示しましょう。

今までの経験を誇示したり、自分の助産観にこだわりすぎるのは、あまり良い印象を持たれません。学びたいという謙虚な気持ちを大切にしながら、助産への思いを伝えましょう。

面接の受け答えは?

面接の際、もちろん経験や知識がある方は有利になりますが、一番重視されるのは人柄です。助産師には、これから母親になる女性や子どもたちをサポートする役割があります。

そのため、相手の気持ちをくみ取る思いやりを持っている人が好まれます。

表情や雰囲気、言葉などが柔らかくにこやかな人は助産師に向いています。面接ではできるだけ表情は柔らかく、笑顔でいると好印象を持たれるでしょう。メイクもナチュラルなものがおすすめです。

悩める助産師におすすめの職場

ここからは、転職を考える助産師にありがちな悩みを紹介するとともに、悩み別のおすすめの職場を紹介します。

給料が少ない

給料を増やしたい場合は、給料や福利厚生が充実している大学病院や産科クリニックに転職するのがおすすめです。ただし、給料は高いけれど夜勤や残業が多く、休みが少ないという病院もあります。

ワークライフバランスを考えて選びましょう。

地方よっては都市圏の方が給料が高い傾向にあります。統計によると、関東や関西は比較的給与が高く、九州地方は低い傾向にあります。給与の相場が高い地域に引越すのも、選択肢のひとつです。

技術がなかなか身につかない

助産師としてさらなる技術を習得したい方は、助産師外来や母乳外来、院内助産院など特色のある病院を選ぶとよいでしょう。

特色があるということは、それだけ産婦人科に力を入れているため、学べることがたくさんあるはずです。自分のやりたい助産と病院の方針が合うか、見極めることが大切です。

総合病院や大学病院の場合、院長先生や役職のある医師が産婦人科や小児科病棟の先生だと、周産期に力を入れているケースもあります。

昇進・昇格したい

キャリアアップしたい方は、教育体制を明確に打ち出している病院を選ぶとよいでしょう。

大学病院や総合病院などは、個々の教育制度を設けており、何年目までに何ができるようになる、といった教育目標を明確に打ち出しています。そのため、自分の次の目標も見えやすいでしょう。

研修や研究発表に力を入れている病院を選ぶのもよいでしょう。最先端の技術や知識を積極的に取り入れている病院は、勉強をする時間を確保してくれる傾向にあります。

助産師以外の仕事をしたい

現在のスキルを活かしながら助産師以外の仕事をしたい方は、今までの職場とは違う形態の病院を選びましょう。

正常分娩が多い産科クリニックに勤めていた方は、異常分娩や最先端医療が学べる大学病院、といった具合です。

病院だけでなく保育園看護師で働くという選択肢もあります。キャリアチェンジしながら助産師としての経験も活かせるでしょう。

助産師の転職にまつわる5つの疑問

ここからは、転職を考える助産師からよく寄せられる疑問にお答えしていきます。

1.助産師としての経験がなくても転職できる?

助産師として転職する場合、基本的には助産師としての経験が3年未満であれば新人と同じ扱いになります。分娩経験数が50件に満たない場合も、新人と同じ扱いになります。

助産師として転職する際に最低限必要なスキルは、分娩の取り扱いです。つまり、一人でお産が取れるかということです

人数が少ない小さな産科クリニックなどでは、経験があり一人でお産が取れる助産師を求める傾向にあります。経験年数3年未満や、分娩経験50件以下の場合は断られることもあります。

2.助産師経験を活かせる職場は?

助産師としての経験が活かせる職場は、女性や子ども、周産期に関わる科です。

NICUや小児科、保育園看護師などは助産師の経験を活かせるでしょう。

不妊治療専門病院の看護師なども、経験や知識が活かせます。帝王切開や中絶などで手術室経験がある場合は、OP室ナースとしても経験が活かせるでしょう。

3. 助産師の資格を活かせる職場

医療機関以外で助産師の資格を活かせるのは、地域で働く助産師です。自治体が主催する母親教室や育児相談会、母乳相談などの教室に呼ばれる場合や、新生児訪問などでも活躍できます。

最近は保育園でも看護師を配置するところが増えているため、「保育園ナース」としても活躍できます。

4.看護師としての経験不足をどうカバーすればいい?

助産師から看護師に転職する場合、基本的には一からのスタートです。ただし、看護師から助産師になる場合より、助産師から看護師になる方が慣れるのは早いでしょう。

基本的な採血や点滴、OP後の看護など一般的な看護は助産師としての経験があればできるでしょう。怖がらず、気持ちを新たに再び勉強し、経験不足をカバーしましょう。

5.看護師になると給料が下がるの?

助産師から看護師になる場合、給料は下がることが多いです。地域や病院にもよりますが、月収で10万円ほど、年収で100万円ほど下がる場合もあります。

助産師は資格手当や夜勤手当が高いため、看護師よりも給与が高くなりやすいのです。

助産師の資格を持っていても、NICUや他科に看護師として転職すると給料は下がります。ただし、病院によっては看護師としての採用でも、助産師としてのスキルや経験が役立つと判断される場合もあります。

その場合は、手当が加算されることもあります。

助産師に転職するにはどうすればいいの?

助産師は女性だけがなれる特殊な職種です。ここからは助産師を目指す看護師に向けて、助産師と看護師の違いや年収、助産師への転職方法を紹介します。

助産師になるための条件は?

助産師になるためには、看護師の資格に加えて助産師国家試験に合格しなければなりません。

学校では1~2年かけて必要な知識を習得します。通常、看護師になるためには3年間看護養成カリキュラムがある学校に通いますが、助産師を目指す場合はおよそ4年間勉強します。

助産師を養成する学校は数が少なく、倍率の高い狭き門です。助産師になるためには、難関を乗り越える努力が求められるのです。

助産師と看護師の業務内容の違いは?

産科看護師と助産師の大きな違いは「お産が取れるか取れないか」です。その他は基本的に同じですが、この「分娩係り」の有無が大きな違いです。

「分娩係り」とは、おもに陣痛中の産婦の看護や分娩の取り扱い、産後2時間までの急性期を看ることです。助産師として、一人の産婦のお産進行や異常の有無などをアセスメントし、正常分娩に導きます。

異常に傾いた場合は医師に報告し、無事に出産を終えられるように促します。

ほかにも、妊婦が正常な経過を過ごせるよう指導することも大切な役目です。マイナートラブルの対処やメンタルケア、母親になる準備など指導内容は多岐に渡ります。

助産師外来や母乳外来、院内助産院の助産師としての役割も担います。

助産師の平均年収は?

助産師の平均年収は、看護師より100万円ほど高くなっています。看護師から転職した場合も、勤務先によっては、1年目の年収が看護師時代より多いか同程度ということが多いです。

ただし看護師経験が手当などの形で加算されることはありません。いくら看護経験があっても、助産師としては1年目。ストレートで助産師になった人と同じ給与からのスタートとなります。

おおよそ見込める給与額は次の通りです。

1~3年目 年収300万~400万円ほど
4年目 年収400万~500万円ほど
5年目以上 年収600万円超も

あくまで目安のため、地域や病院によって異なりますが、看護師から転職して給料が下がった場合は、夜勤回数を増やせば給料アップが見込めます。

ただし、ある程度助産師としての経験を積まなければ、助産師として夜勤に入ることはできません。

産科看護師の経験が長ければステップアップも早いため、夜勤回数も早めに増やしてもらえるでしょう。

助産師の転職のまとめ
  • 助産師経験が3年未満、分娩経験50件以下新人扱いされる
  • 助産師の志望動機は、学びたい気持ちと助産への強い思いが大切。
  • 助産師の求人は、分娩件数や助産師の数をチェック!
  • 看護師から助産師になるには、1年~2年の研修が必要。
  • 助産師の資格は医療機関以外でも役に立つ!

※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。