専門看護師は目指すべき?資格取得の基礎知識とキャリアアップの効果

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看護師がキャリアアップを考えたとき、最初に浮かぶのは資格の取得です。

現在の職場で働き続けるにしろ転職をするにしろ、高い技能と知識の証となる資格は必ず自身の看護師としての価値を高めてくれるはずです。

ここでは看護師の上位資格のひとつである専門看護師についての基礎知識に加え、取得後のキャリアアップへの効果について解説していきます。

専門看護師とは

専門看護師の役割

専門看護師は、CNS(Certified Nurse Specialist)とも呼ばれ、特定の分野において専門性の高い優れた実践看護能力がある者として、日本看護協会より認められた看護師を指します。

日本最初の専門看護師が誕生したのは1996年、2017年12月現在、2,104人の専門看護師が全国各所で活躍しています。

専門看護師の制度は、日本看護協会が日本看護系大学協議会と連携して運営しています。

日々、急激な進化をとげる現代医療において、それに見合った水準の高い看護ケアを提供するため、特定分野の知識や技術を向上させた専門性の高い看護師を社会に送り出すことを目的としています。

日本看護協会が定める専門看護師の役割には、以下の6つがあります。

  • 実践:個人・家族及び集団に対して卓越した看護を実践する
  • 相談:看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う
  • 調整:必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う
  • 倫理調整:個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決を図る
  • 教育:看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす(教育)
  • 研究:専門知識及び技術の向上並びに開発を図るために実践の場における研究活動を行う

専門看護師は複雑な医療において看護問題を抱えている人たちに対し、卓越し熟練した看護ケアを提供し、看護知識や技術を高めながら、医療の発展に貢献することを期待されています。

専門看護師になるためには一定の年数の経験を専門分野で積む必要があり、その後は看護系大学の大学院において所定の単位を取得しなければなりません。

また専門看護師を目指す人には、知識や技術だけでなく実務経験も必要とされています。

専門看護師が求められる背景となっているのは、高齢化社会に加え、疾患構造の複雑化などが挙げられます。

日本の医療現場は刻一刻と変化し続け、看護ケアについても迅速な対応を迫られています。

患者数が急増し、高度化・専門化が加速する医療の現場において、より多くの知識と高い技術をもつ看護師の需要は今後もますます大きくなっていくでしょう。

具体的には地域看護や老人看護、重症患者看護、精神看護、がん看護など、その分野に特化した看護技術の先鋭化が課題となっています。

それぞれの分野に特化した看護ケアを行う専門看護師制度が設立されたのは、時代のニーズからは当然のことであるとも言えます。

専門看護師と認定看護師の違い

専門性の高い看護師の資格には、専門看護師のほかに、認定看護師があります。

専門看護師と認定看護師はどちらも日本看護協会の認定資格で、日本看護協会の実施する認定審査に合格する必要があるということ、熟練した看護知識と技術を必要とするという点では共通しています。

専門看護師と認定看護師との違いはそれぞれの特定の分野と役割で、専門看護師は13の分野を受け持ちます。

認定看護師には、救急看護や集中ケア、緩和ケア、訪問看護、感染管理、糖尿病看護、不妊症看護、新生児集中ケアなどを含め、21の分野があります。

専門看護師は実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究を行うことで、保健医療福祉や看護学の発展に貢献する役割があります。

認定看護師は実践・指導・相談を行うことで看護ケアの広がりと質向上を図るという使命を持ちます。

専門看護師の分野

専門看護師の分野を詳しく見ていきましょう。専門看護師には以下のような、13の分野があります。

がん看護
がん患者の身体的・精神的な苦痛を理解し、患者やその家族に対してQOL(生活の質)の視点に立った水準の高い看護を提供する。
精神看護
精神疾患患者に対して水準の高い看護を提供する。また、一般病院でも心のケアを行う「リエゾン精神看護」の役割を提供する。
地域看護
産業保健、学校保健、保健行政、在宅ケアのいずれかの領域において水準の高い看護を提供し、地域の保健医療福祉の発展に貢献する。
老人看護
高齢者が入院・入所・利用する施設において、認知症や嚥下障害などをはじめとする複雑な健康問題を持つ高齢者のQOLを向上させるために水準の高い看護を提供する。
小児看護
子どもたちが健やかに成長・発達していけるように療養生活を支援し、他の医療スタッフと連携して水準の高い看護を提供する。
母性看護
女性と母子に対する専門看護を行う。主たる役割は、周産期母子援助、女性の健康への援助に分けられる。
感染症看護
施設や地域における個人や集団の感染予防と発生時の適切な対策に従事するとともに感染症の患者に対して水準の高い看護を提供する。
家族支援
患者の回復を促進するために家族を支援する。患者を含む家族本来のセルフケア機能を高め、主体的に問題解決できるよう身体的、精神的、社会的に支援し、水準の高い看護を提供する。
在宅看護
在宅で療養する対象者及びその家族が、個々の生活の場で日常生活を送りながら在宅療養を続けることを支援する。また、在宅看護における新たなケアシステムの構築や既存のケアサービスの連携促進を図り、水準の高い看護を提供する。
慢性疾患看護
生活習慣病の予防や、慢性的な心身の不調とともに生きる人々に対する慢性疾患の管理、健康増進、療養支援などに関する水準の高い看護を行う。
急性・重症患者看護
緊急度や重症度の高い患者に対して集中的な看護を提供し、患者本人とその家族の支援、医療スタッフ間の調整などを行い、最善の医療が提供されるよう支援する。
遺伝看護
対象者の遺伝的課題を見極め、診断・予防・治療に伴う意思決定支援とQOL向上を目指した生涯にわたる療養生活支援を行い、世代を超えて必要な医療・ケアを受けることができる体制の構築とゲノム医療の発展に貢献する。
災害看護
災害の特性をふまえ、限られた人的・物的資源の中でメンタルヘルスを含む適切な看護を提供する。平時から多職種や行政等と連携・協働し、減災・防災体制の構築と災害看護の発展に貢献する。

専門看護師は上記の専門分野についての深い知識と技術を持ち、患者・家族に起きている問題を総合的に判断しながら、必要とされる看護ケアを行います。

認定看護師がどちらかというと実践に特化しているのに対し、専門看護師は各職種の調整やケア全体の向上を考えるといったマネジメントの要素が多く求められます。

近視眼的にならず、患者とその家族の生活向上を目指していく姿勢が必要とされる立場です。

専門看護師の活躍の場

専門看護師は病院などの医療機関を始め、大学などの教育の現場や訪問看護ステーションなど地域に密着したさまざまな場所で活躍しています。

専門看護師の持つ専門知識は、実際にどのように活かされているのでしょうか。

患者と医師の橋渡しに

専門看護師は、通常の病院や施設では対応が難しい複雑な課題を抱える患者や家族に寄り添い、疾患とその背後にある不安や葛藤といった精神的な要素も総合的に捉えます。

その上で、どのような看護が必要なのかを適切に判断する役割を果たしていきます。

患者や家族にとってよりよい看護を実践するために、担当の看護師やほかの医療職スタッフの相談にのり、また地域の福祉関係者などとも連携を取りながら解決を目指します。

様々な職種や施設の調整役も担う

例えば、療養の場が病院から自宅へ移行しても必要な医療が継続して受けられなければ、容態が悪化し再入院といった事態も招きかねません。

こうした状況下にあるとき、専門看護師が、場所を変えても看護ケアが円滑に受けられるようにします。

医師や看護師、地域の訪問看護ステーションやケアマネジャーといった様々な職種や施設の調整役となって連携を進めます。

また医療機関で治療中の患者については、治療方針の決定などで倫理的問題が生じることもしばしばです。

そのような場面に関わり、患者・家族の思いを尊重した治療が実施されるよう、担当医師や看護師などのケアチームなどに働きかけていきます。

専門看護師はまた、専門知識や技術に基づき看護師への教育を行います。そうした行動を通じて、直接的・間接的に医療施設や地域医療の看護の質向上に努めます。

現場で発生する課題と現状の関連を探り、研究対象として捉え探求します。

その成果を実践の場に還元することで、看護ケアの質向上に貢献していくことも、専門看護師の役割のひとつです。

専門看護師の給与事情

変化なしが7割?

日本看護協会の調べによると、専門看護師の資格取得以後に給与面その他の待遇改善があったのは、全体の3割程度で残り7割が「変化なし」と回答しています。

資格手当を支給している医療施設では、一般的には1~3万円ほどの手当が加算されており、年間では12~36万円の年収増となります。

年収ベースで考えると看護師平均が470~480万円といったところなので、多い人では500万円前後になると考えられます。

専門看護師の設立からはまだ20年ほどしか経過しておらず、その資格の貴重性が理解されず、せっかくのスキルを使いこなせていない施設が多いことが伺えます。

医療機関によって扱いが大きく異なるのは、そうした背景があるからなのでしょう。

今後さらに専門看護師の重要性が認知されていけば、資格取得への理解とともに、保有者への待遇が向上していくことは十分に予測されます。

ポジションの変化

資格取得後のポジションの変化も、一般スタッフから専従、主任クラスに昇格したのは全体の5%程度にとどまります。

現場の看護師不足を反映し、相談役や教育担当への専従はなかなか厳しい状況にあるようです。

専門看護師の仕事は本格的な取り組みが開始されれば、とても一般業務と並行できるようなものではありません。

ひとりひとりの患者に対して、包括的な看護計画を企画する責任を背負います。こちらについても、各医療施設の理解の浸透が待たれるところです。

日勤により目減りする場合も

専門看護師は救急専門の場合をのぞくと、日勤が主な活躍の場となります。高収入と言われる看護師ですが、夜勤回数によって手取り金額が大きく左右されます。

専門看護師として専従となった場合、日勤中心となり、夜勤回数が減ることで全体的な収入が減ってしまうことも考えられます。

場合によっては今までよりもかなり収入が少なくなってしまうケースもあるようです。

現状では専門看護師の資格があるからといって必ず給与が格段にアップするということは期待できないと言っても良いでしょう。

手当が付いても、夜勤がなくなればマイナスに転じる可能性が高くなります。

ただ家庭との両立など最初から日勤を希望しているのであれば、専門看護師を保有することで就職の幅が広がり、通常の日勤者よりは高額の給与が得られます。

専門看護師になるためには

専門看護師資格取得の条件

専門看護師の資格取得にチャレンジするための要件は以下の通りです。

  • 必要とされる実務経験:実務研修が通算5年以上あること(うち3年以上は認定看護分野の実務研修)
  • 必要とされる教育:看護系大学院修士課程修了者で日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位(総計26単位または38単位)を取得すること

専門看護師の資格保有者は、認定看護師が1万6,000人を超えているのに対し、2,000名余りにとどまっています。その理由には、受講する期間の長さの違いがあります。

認定看護師が所定の教育機関で6か月間の研修を終了すれば認定審査を受けられるのに対し、専門看護師は大学院に2年通う必要があります。

この学習期間の長さが、専門看護師へのハードルを上げていると考えられます。

資格取得を奨励する医療施設は数多くありますが、サポートする側も資格取得を目指す側も、短期間であるに越したことはありません。

支援制度を利用できる看護師でも、2年間仕事と勉学を両立するのはかなりの負担となります。

専門看護師の受験数を増加させるためには、取得にかかる期間のサポートに加え、資格取得後の専門看護師の待遇の改善や、資格手当の充実などが必要であることは間違いありません。

また、資格取得サポート制度を設ける医療施設に対しても、補助制度を強化するなどの施策が求められます。

専門看護師はこれからますます必要とされる

専門看護師養成の促進は、今後ますます医療業界の大きな課題となっていくことが予測されます。

少子高齢化、複雑化する医療環境の中で、総合的に全体を見わたせる存在がなければ、患者とその家族が本当に必要とされる治療を安心して受けていくことは困難です。

専門看護師はその中核となり、医師と看護スタッフ、地域福祉関係者を結びながら社会の健康に貢献していく役割を負います。

認定看護師取得にかかる費用

専門看護師資格を取得するためには、大学院に2年間通い、修士課程を修了することが必要です。

そのためにはまず、大学院入試に合格するための費用も考慮に入れなければなりません。大学院の入試検定料は、国公立、私立ともに2.5万~4万円が相場です。

実際に大学院で勉強する費用としては、入学金・授業料などで年間約100万円強、2年間で200万円ほどの費用が必要となると考えておけば良いでしょう。

所定の学習を終了した後、専門看護師認定審査を受けます。認定審査料・認定料がそれぞれ5万円、5年ごとの更新にも5万円の審査料と認定料がかかります。

専門組織や医療施設の資格取得サポートを活用する

働きながら専門看護師の資格を取得するのは、非常な困難を伴います。

そのため、専門看護師資格取得のサポート制度が整備された病院でなければ、独力でチャレンジするよりほかはありません。

資格取得サポートの制度を設けている場合には、一般的には次のような条件が見られます。

  • 受講期間中の休職扱い
  • 授業料及び実習費の貸付け
  • 審査料及び認定料の貸付け

また復職後の決められた期間の勤務について、優秀な態度が認められれば貸付け金の返済を免除するという医療機関もあります。

専門看護師には、「日本専門看護師協議会」という専門組織が設けられています。

資格取得に向けて取り組む看護師を、勉強会やセミナーの開催、情報提供などでサポートしています。

専門看護師の資格を目指しているのであれば、資格取得サポート体制が整備された医療機関で働きながら、専門組織を上手に活用していくことが資格取得へ近道になると言えそうです。

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