[ 記事作成日時 : 2015年1月24日 ]
[ 最終更新日 : 2020年2月6日 ]

痰の性状と疾患

看護師のスキルアップ

喀痰

喀痰とは粘膜から分泌される粘液が異物を巻き込み作られもので、咽頭から排出される塊です。

通常は粘液は自然に排出されますが、何らかの異常により粘液が過剰に分泌されて排出できず、塊となって咽頭より出てくるものです。喀痰が生じる原因は様々なものがありますが、代表的なものは風邪、ハウスダスト、気管支炎、気管支喘息、タバコの吸い過ぎ、肺癌などです。喀痰の性状や色、粘性は痰が発生するしくみや分泌される部位によって異なるため、診断を行う上での貴重なエビデンスとして臨床において利用されています。では、喀痰の性状と、その喀痰から疑われる疾患を見ていきましょう。

1.膿性のもの

細菌が存在し、白血球や上皮細胞などの組織を含みます。

白黄~淡黄色 細菌性感染症が疑われます。急性咽頭炎、急性気管支炎や急性肺炎の場合は、このような性状の喀痰が見られます。
緑色 緑膿菌などの色素により緑色になり、古い膿も混じっています。びまん性汎細気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症の増悪などの場合は、このような喀痰が見られます。
さび色 膿に少量の血液が混入している、肺炎球菌が関連する、腫瘍や肺膿瘍によって破壊された組織が混じって場合に見られる喀痰です。肺炎球菌性肺炎、肺腫瘍、肺化膿症などの場合に多く見られます。

2.粘液性のもの(粘り気があるもの)

杯細胞や気管支腺などからの分泌過剰により起こります。

透明~白色 非細菌性の感染により起こり、非細菌性感染症、アレルギー性気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に見られます。

3.泡沫性のもの(泡状のもの)

肺循環のうっ血により起こります。

ピンク色 肺毛細血管から漏れ出た血液と肺胞からの空気より、ピンクの泡沫状喀痰を形成します。肺水腫によく見られます。

4.漿液性(粘り気がなく透明のもの)

毛細血管の透過性亢進により起こります。

透明~白色 肺胞上皮癌や気管支喘息で見られます。

5.血痰(喀痰に血液が混入しているもの)

肺血管の破綻による出血により起こります。

茶色または暗赤色 血液の糸状の線が混入した喀痰は咽頭や喉頭に原因があるケースが多く、全体的に赤い痰は下気道の問題によるものが多く見られます。疑われる疾患は肺癌、気管支拡張症、肺結核症、肺真菌症、肺梗塞、グッドパスチャー症候群(自己免疫疾患で球体腎炎と肺胞出血が起こり、血痰、喀血、呼吸不全や浮腫、乏尿などの症状が出ます)などに見られます。
この記事を監修した人
はる
地方の公立大学病院小児科病棟で2年勤務したのち看護師をやめ都内のIT企業に転職。結婚を機にUターンし専業主婦となる。10年のブランクを経て訪問看護師として復職。その後、急性期病院の外来・救急外来勤務を経て、療養型病院の病棟師長として勤務。家族の都合により上京後は回復期リハビリ病棟に勤務。看護師として通算15年以上の臨床経験がある。現在はココナスにて記事の企画、監修をはじめメディア運営を行う。
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