[ 記事作成日時 : 2017年9月27日 ]
[ 最終更新日 : 2023年6月30日 ]

保健師の仕事とは?保健師の年収や仕事内容を職場別に徹底比較

保健師の仕事

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看護師が保健師と関わる場面は、患者の退院時や退所後の地域連携などですが、保健師ってどんな仕事をしているの?なんて思っている人も多いのではないでしょうか。保健師の仕事って正直細かいところまではわからない…というのが本音ですよね。そんな看護師のために、ここでは保健師の仕事内容や看護師からの転職について紹介します。

      
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保健師の仕事内容

保健師は通常どんな仕事をしているのでしょうか。

保健師の仕事

保健師の仕事は、地域住民の健康課題を把握すること、そして、その課題解決のために人と人をつなげる、または必要な情報や制度、機関への橋渡しです。つまり、健康で安全な地域づくりが柱になります。

健康増進の講習や健康相談、ときにはケアなども行います。これら以外にも、人々が抱える健康問題の背景にある、社会問題にも目を向け、原因を探索し、根本的な解決を図る役目も担っています。これは看護師にはない「社会を看護する」という仕事になります。地域社会全体に働きかけ、支援するための知識や技術が必要となります。

保健師になるには

保健師になるためには、国家資格である保健師免許が必要です。所持資格や学歴によって、取得方法は違います。保健師になるための方法は一つではありません。進学方法について説明します。

看護師と保健師を同時に目指す場合

高校卒業後、4年制の保健師教育課程をもつ大学、または専修学校へ進学します。

看護師資格を得てから保健師を目指す場合

高校卒業後、4年制大学の看護教育課程を専攻。または、3年制の看護師養成学校(短期大学または専修学校など)で看護師資格を取得。その後に1年制の保健師養成学校、または2年制の大学院へ進学する方法です。

5年制の高等学校看護科を卒業する場合

5年制の高等学校看護科を卒業後、看護師資格を取得。1年制の保健師養成学校へ進学する方法もあります。

大きく分けると、このような3つの方法があげられます。これらの学校を卒業し、保健師国家試験の受験資格を得たうえで、国家試験に合格しなければなりません。

引用:全国保健師教育機関協議会監修『まるごとガイドシリーズ⑳ 資格のとり方・しごとのすべて 保健師まるごとガイド』ミネルヴァ書房

2019年の保健師国家試験の合格率は81.8%

看護師国家試験の合格率は89.3%ですから、看護師の合格率と比較すると低くはなっています。それは保健師になるつもりはないけれど、学校の教育課程にあったから…と受験する人もいるからです。

引用:厚生労働省『第105回保健師国家試験合格発表』平成31年実施

保健師と看護師の違い

看護師との違いはなんといっても、ケアをする対象が異なることです。保健師も看護師も、人や地域のために「より良くしたい」という思いは同じですが、看護師は健康に何らかの問題があり、治療が必要な人に対し看護ケアを提供します。つまり対象は基本的に患者個人。患者の状態やリスクをアセスメントし、その状態を改善またはリスク回避していくことが目標となります。

それに対し保健師は、もちろん看護師のように個人を対象とすることもありますがそれだけでなく、地域全体の健康を守るために、地域の特徴や課題に対してアプローチをしていきます。

地域の社会資源の活用のみならず、社会資源の開発やソーシャルキャピタルの醸成のための働きかけなど、さまざまな活動を行います。

子育てに関する事業や介護予防講座などの事業の内容を検討したり、新規事業の開催などは保健師ならではの仕事かもしれません。地域全体の課題に対し、自らの意見を活かすことができます。看護師よりも一度に多くの人を対象とするので、やりがいを感じる人もいることでしょう。

保健師が働く場

保健師の活躍の場は多岐にわたりますが、大きく分けると「行政」「企業」「学校」の3つになります。目的は健康増進ですが、活躍の場によって仕事の内容も違ってきます。

行政保健師

都道府県・市町村などの保健センター・保健所で保健行政に従事します。保健師の約8割がこの行政保健師です。

保健センター

特別区や市町村が設置する行政機関。全ての年代を対象とし、地域住民に一番近い存在となります。乳幼児健診や子育て相談、成人の生活習慣病予防教室、検診業務、介護予防講座など、さまざまな事業があり、地域の健康づくりに取り組みます。

保健所

都道府県、特別区、指定都市、中核市、政令市が設置する行政機関。難病、結核などの疾患の療養者への支援や市町村保健師(保健センター)と連携して地域課題の把握・調査を行い、対策を講じます。保健センターでの業務と比べると、都道府県に関わる施策の運営や管理などに携わるなど、広域的で専門性の高い業務を行う特徴があります。

産業保健師

企業の産業保健スタッフとして勤務します。

企業、事業所…産業保健師、と呼ばれる保健師です。産業の場では、産業医や衛生管理者等とチームを組み、企業・事業所で働く労働者や雇用者の健康管理・増進に従事します。近年では、生活習慣病の予防、うつ病などのメンタルヘルスへの関わりが重要となってきています。

学校保健師(学校保健)

学校などで学生と教職員の心身の健康保持に努めます。

学校・大学など研究機関…学校の保健室で働く保健師は、生徒や教職員を対象に健診、健康相談、教育などによって健康保持・増進に努めます。それ以外に教員という道もあり、保健師教育課程などに携わることで教育、研究活動を行います。

その他

病院・診療所

地域医療連携室、保健指導室といった部署や退院支援の部署でも保健師は活躍しています。院内外の関係機関との間で対象者の支援方針の検討・調整を行ったり、患者・家族への指導をしたりしています。また、先の産業保健師同様、職員の健康支援を担ったり、保健指導や健康教育を行ったりもします。

地域包括支援センター

地域で暮らす高齢者や障がい者などの健康や生活支援を包括的に行う市町村が設置主体となる中核機関。高齢者の介護予防事業などの他、市町村保健センターなどと連携し、包括的な地域ケアシステムの構築などを行っています。

福祉施設

高齢者を対象とした社会福祉協議会や老人保健などの施設と、子どもを対象とした保育所や障がい児の通所施設などの2つに分けられます。近年では児童相談所にも保健師の配置が増えてきています。

訪問看護ステーション

ここでの保健師は、管理者もしくは看護職員として活躍することになります。対象者のケアはもちろんのこと、地域との連携が非常に重要な役割となります。

その他

NGOやNPOで、さまざまな経験を有した保健師がその専門性や経験を活かして国内外で母子保健活動や衛生教育などを展開したりするなど活躍しています。

保健師の給料事情

看護師の多くは夜勤もあって、安定した収入を得ていると感じている人が多いと思います。そんな看護師からの転職となると、気になるのは保健師の給料。保健師はいったいどれくらいなのでしょうか。

保健師の給料

保健師の給料は病院、企業や勤務先によってさまざまです。それぞれの就業規則、給与規程、給与表などによって決められています。

行政と企業と学校

行政保健師の場合、俸給表という給料表が基になります。

公務員として働く保健師の場合、一般の公務員と同様の「行政職俸給表」となるのか、病院などの施設で働く看護師同様の「医療職俸給表」となるかは自治体によります。 その他、経験年数などにより「級」「号給」というものが決まり、支給額が決定します。この俸給表という公務員の給料表は誰でも閲覧することができます。

一方、産業保健師の給与の場合は企業などが定めるところになるので、企業によってばらつきがあります。募集要項に記載があるので、内容を確認したり、ない場合は問い合わせをしたりするとよいでしょう。

看護師は、夜勤をしている人は夜勤手当が発生しますし、クリニックなどといった日中だけの業務でも他の職業に比べて給料が高い場合が多いかもしれません。そのため、保健師になり給料が下がった…という印象をもつ人もいます。ですから給料も転職する際にはきちんと考えたい点です。

保健師採用試験の実情

保健師になるための採用試験とは、どのようなものなのでしょうか。そして、看護師との違いはどんなところにあるのでしょうか。

保健師採用試験

職場が行政の場合は公務員試験を受けることとなります。看護師資格を取得する際に保健師資格も受験し合格していれば、転職の際は公務員試験のみとなります。しかし、資格取得も必要な場合、国家試験と公務員試験を並行して勉強することになります。公務員試験は国家試験とは時期が違いますので、自分の受けたい自治体の試験がいつなのか、早めにチェックしておく必要があります。

行政でも、嘱託や臨時職員の場合は公務員試験の受験の必要はありません。正職員ではなく少し自由に働きたい、でも行政も経験してみたい、という方にはおすすめの働き方かもしれません。ただし、給料は正職員よりも下がる場合があります。行政保健師以外の企業で働く産業保健師などは、それぞれ独自の採用試験が行われます。

保健師採用試験の内容

行政保健師の場合は、公務員試験を受験することになります。多くの場合は1次試験として筆記試験、2次試験では面接試験などを行います。ただし自治体によって試験内容は変わるので、確認が必要です。産業保健師は、書類選考の後、面接試験や適性試験などを行っているところが多いようです。面接試験の回数は企業によってばらつきがあるようです。

転職活動の注意点

転職活動をする際は、今までの自身の経験をもとにどのようなことを学び、そしてどのように今後に活かしていくのか、どのような活動をしていきたいのか、という点を明確にしておきましょう。働き方はさまざまなので、まずは自分のライフスタイルや今後の展望を整理してみましょう。

そして、保健師(看護師)の転職サイトを利用していろいろな求人を見てみることで、保健師の活躍の場を検討することができます。行政の募集が出ていることもありますので、見逃さないように日々チェックすることおすすめします。

保健師になった元看護師の体験談

看護師から保健師になることに、ちゅうちょする人も少なからずいるはずです。同じ医療職でも働く場所が違うだけで異業種のような感覚を覚える人もいるようです。それでも新しい世界に飛び込むことは、皆さんの経験、そして考え方を豊かにしてくれるかもしれません。

保健師になってみて

看護師の口コミ
元大学病院看護師

看護師と保健師どちらも経験してみていえることは、保健師をやるにあたり看護師の経験は非常に有効だということ。地域で健康増進に努めるといっても、やはり医学的知識は非常に重要です。なぜなら、病院にかかるか迷っている人も多いからです。そんなときに保健師に相談する人も多いのです。

看護師時代に得た知識を有効活用することもできるし、入院したらどのような治療が行われるのかなど、たとえ科が違ってもイメージできるのはとても重要なこと。また、看護師のようにタイトな時間管理やスケジュールで仕事をこなすことに慣れていると、デスクワークで仕事をこなすことは余裕に感じるかもしれません。

そして私の感じる看護師と保健師に共通することは、コミュニケーション能力の重要性。対象者に提供する情報やケア、指導内容は違っても、伝え方や対応の仕方は「人」を相手にするかぎり同じです。

相談業務は保健師の方が多いので、看護師時代に培ったコミュニケーション能力を十分に活かすことができます。このコミュニケーション能力は対象者だけでなく、連携機関とのやり取りにも活きてくると思います。

最後に、私の感じる一番の大きな違いは、体を使う作業量の違いです。保健師は事務作業も多いので、訪問業務がなければほぼ1日デスクから動かない日もあります。常に動き回ってやっと座れた…という看護師の世界からすると、考えられないことかもしれません。1日中座っているってこんなにつらいんだ…というのが私の率直な感想です。

看護師に戻る人も

中には、保健師をやってみたけれど看護師の仕事に戻る人もいます。医学的処置が多いのは間違いなく看護師。医療現場での知識はもちろん保健師になって非常に役に立ちますが、実践的な仕事がしたい人にとっては看護師の方が魅力的かもしれません。

それに、保健師は少なからずデスクワークがあるので、体を動かしていたい人には少々退屈、窮屈かもしれません。そして何より、お給料が下がってしまうので、これなら看護師の方がいい!という人も多いと思います。仕事内容に満足でき、自分の輝ける場所として納得できていれば問題ないと思いますが、やはり給料の違いは目に見えてしまうので、看護師の方がよいと思う人もいます。

まずは看護師転職サイトでどんなところ(企業)がどんな業務内容の保健師を募集しているのかを確認してみましょう。複数のサイトへ登録して見比べることで、自分のやりたいこれだ!という仕事先が見つかるかもしれません。

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