理解してもらえない?看護師の管理職が抱える悩みと解決法
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決意を秘め、憧れの看護師として働き始めると、忙しい毎日が飛ぶように過ぎていきます。中堅、ベテランと呼ばれる年代となれば、管理職への声もかかるようになりますが、一般の看護師とはまた別の苦労があるようです。
表向きは看護師として一括りに見られ、中では上下の関係に悩む。そうした看護師の管理職も少なくありません。
その立場にならないとなかなか周囲からは理解されにくい、管理職となった看護師が抱える悩みについて考えていきましょう。
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この記事に書いてあること
看護師の役職の種類
看護師の役職も一般的な企業のように、次のような順番があります。
- 看護主任
- 看護師長
- 看護部長
病院や施設によってはこのほかにもリーダー的な役割を設けているところもありますが、通常、管理職と呼ばれるのは看護主任からです。
基本的には年次に従った昇進となり、一般スタッフからいきなり看護師長に抜擢されるということはまずあり得ません。
看護師の管理職の役割
管理職それぞれの役割を見ておきましょう。
看護主任
現場のまとめ役、および上司への取り次ぎ役となるのが看護主任の役割です。
看護師たちを統率して意見をまとめあげ、看護師長や副師長に上申します。また看護師長や副師長から看護師たちへの指示を伝え、病院としての意思統一を図ります。
上司との仲立ちをしながら現場の看護師に目を配り、改善すべき点を詳しく伝えて指導することも、看護主任に求められる業務です。
看護師同士、自身とのコミュニケーションを円滑に保ち、一般的な看護業務を行うと同時に、看護師長補佐の役割を担います。シフトの作成や危機管理コントロールも、看護主任の業務の一環です。
看護師長
看護師長は部門管理者として、業務やスタッフの統括的な管理を行います。キャリアとしては、15年以上の看護業務経験が必要とされ、臨床における実践力と業務マネジメント能力が求められるポジションです。
日常業務の管理から、スタッフの教育まで、担当部署において大きな責任と権限をもちます。看護部長や院長など経営陣と現場の橋渡し的な役割をすると同時に、円滑な看護業務のための体制づくりの中核として行動します。
またスタッフとの定期面談などを通じ、看護師たちのキャリアアップをサポートするのも看護師長の重要な役割です。
患者と家族に対しての精神的なケアに大きく関わりをもち、自身がさまざまな説明にあたったり、看護師たちへ知識と技術の習得を促したりするなども看護師長業務に含まれます。
看護部長
看護部長は看護師長を束ね、看護部門全体の統括者として、経営に参加します。看護部門の人材、設備すべてにおいての最高責任者であり、他部門との連携を図りながら病院の健全な経営を目指します。
病院の理念や目標を明確に伝え、看護部の統一を図る任務を負います。
人事、労務から事業計画の立案、予算決定など、病院の看護ケアに関わる部分がすべて集約されているのが看護部長のポジションです。
看護部長は看護師のトップであるとともに経営陣のひとりとして、優れたマネジメント能力が問われます。さらに人材を選抜しそれを上手に配置して、経営方針に沿いながら動かすためには、高い人間性が備わっていなければ務まりません。
看護師が管理職になるのは何歳から?
管理職の役職が付くのはいつ頃からでしょうか。こちらも一般企業の昇進と似た部分があります。
看護主任は正看護師のキャリアが10年以上になると、昇進の可能性が出てきます。年齢でいうと30歳前後で主任となる看護師が多く、会社でいえば係長クラスとなります。
一般の看護師の年収が400~500万円であるのに対し、看護主任では450~650万円が年収相場です。看護師長への昇進は、40歳前後というケースが多いようです。会社の役職では、課長クラスと考えて良いでしょう。年収相場は500~800万円です。
看護部長まで登りつめる看護師は、ごく一部に限られています。特に有名病院や大規模病院の看護部長になるためには、卓越した能力以外に幅広い人脈をもつ看護師が有利になります。
看護部長への昇進は50歳前後、会社でいえば部長クラスです。年収相場は700~1,000万円と、雇用される看護師としては最高位となります。
病院の「中間管理職」看護主任の悩みとその対処
出世を志す看護師が最初に就く役職が、看護主任です。一般スタッフと看護師長の間に立ち、板挟みとなるポジションといえます。看護主任の悩みを詳しく見ていきましょう。
中立を保つのが難しい
下からは突き上げをくらい、上からはプレッシャーをかけられる。まさに企業の中間管理職と同じ悩みを持つことの多いのが、看護主任です。
看護師長からの命令を伝えるだけで「私たちの味方じゃないんですか?」と看護師たちには言われ、看護師長からは「もっとしっかり管理して」と責められます。
こうした場合、両方に対して日和見的な態度を見せていると、どちらからも信頼を失う結果となります。
中立のスタンスを常に自覚し、どちらかに偏った意見を決して口にしないよう心がけることで、看護主任としての立場を明確にしておきます。
その上で、抵抗を和らげる工夫を心がけます。例えば看護師長からの指示を伝える際には、丸投げとならないようにしましょう。看護師たちから不満の声があった場合には、どの点について問題があるのかを聞き取り、一緒に対策を考えてください。
現場での解決が無理なときには、もっとも困難なポイントをピックアップして、看護師長にフィードバックします。
その際、必ず経緯を話し、理解を求めましょう。右から左へと命令をただ伝えるだけでは、看護主任の役割を果たしているとはいえません。
こなす業務が多く時間が不足しがち
看護主任は通常の業務に加え、管理業務や教育関連業務があります。
研修や書類の作成などに時間取られることも多く、また現場のトラブルの解決に奔走する事態となるのもしばしばです。患者と看護師、看護師同士のトラブルは人間関係の難しさがあり、第三者的に対応する側がもっとも疲弊します。
ときには患者や家族から治療に関するクレームを受けることもあり、納得してもらうまでに多大な時間を取られるケースもあります。
また毎回変わるシフトを決めるのは、非常な手間がかかります。各看護師の希望に合わせながら、法的な規定、慢性的な人材不足という条件をクリアしなければなりません。
限りある時間を有効に使うためには、必要外と思われる業務を徹底して排除していきます。看護主任が行うべきでない業務まで、慣例的に含むことは良くあることです。除外する際には、必ず上司の確認を取り、外しても業務の流れに支障のないことをきちんと説明しておきます。
研修などの資料作成は、年間計画に従って綿密なスケジュールを組み、厳守します。書類作成が集中しそうな時期は、予め業務を他の人に振り分けるなどして事前に対策を立てておきましょう。
人間関係のトラブルだけは、突発的で予測できません。しかし、現場の雰囲気が良く、意思の疎通がスムーズに行われていれば、余分な衝突は回避できます。
日常的なことばがけを職場全体に浸透させ、ひとつひとつの業務の責任分担をはっきりする習慣を根付かせましょう。
また患者へのていねいな対応は、クレームの発生を抑えます。治療や施術についての十分な説明を徹底するよう指導していきます。
経験豊富なスタッフの指導がやりにくい
看護主任という立場上、看護師たちへの指導は大きな役割のひとつです。看護師長のことばを伝えるだけではなく、業務をスムーズに進めるために気が付いた点について注意を与え、指導していかなければなりません。
新人教育は比較的簡単ですが、自分よりも年齢が上で経験豊富な看護師は非常に扱いづらい存在となります。
しかし看護ケアの質を高め、均一にするためには、等しく指導する必要があります。ただ、新人とまったく同じように話をしたのでは、反発されるのは必至です。
優れたところを見つけて「見習いたい」「教えてほしい」と、経験に対する尊敬の念を表現しつつ、言うべき点はしっかりと伝えるスタンスが大切です。
看護主任という役職を上から振りかざしても、人は言うことを聞いてはくれません。自らがすべき責務を果たし、誠意をもって相対しましょう。
一方的な指示ではなく、すべての看護師の意見に耳を傾ける姿勢も必要です。不満があるときには、早期に発言できる体制を整えていくことで、指導に対しての抵抗が軽減できます。
看護部長や看護師長になっても悩みは尽きない
看護師としてトップクラスになっても、その地位なりの悩みをもちます。年代が高く、経験があるからといっても人間であるのは同じです。上位管理職の悩みとはどのようなものなのでしょうか。
看護師長の悩み
看護師長として昇進する際、それまでとは異なる部署に異動する例もあります。
管理職としての業務以前に、その分野で必要な知識を習得しなければなりません。しかし、看護師長には新人看護師のようなプリセプター制度はありません。
管理職としては「当然知っているべき」という前提で取り組まなければ、誰も付いてきてはくれません。場合によっては辞令と同時に、猛勉強を強いられます。
看護師長の役割として、患者や家族のクレーム対応があります。クレームの対象となった看護師からの聞き取りを実施し、冷静に状況判断を行って回答しなければなりません。多忙を極める中でも、混乱が長引かないよう、理論建てた思考が求められます。
慢性的な看護師不足の中で、看護師長の言動による退職が発生すれば大問題です。若い世代の看護師は、些細な不満から退職を申し出ることもあります。指示の出し方、看護主任への伝え方ひとつひとつに気を配り、不用意な言動は避けなければなりません。
役職でも看護主任までは一般的な給与体系とし、看護師長以上から年俸制を取る病院も多いようです。年俸制での勤務には、基本時間外勤務手当という考え方はありません。
看護師長自ら夜勤や連続勤務に対応するような繁忙期には、スタッフについて超過勤務申請できても、自分の分は叶いません。
働いている時間と収入の相対関係を考えたとき、スタッフ時代の方の割りが良かったと感じるケースもあるようです。
看護部長の悩み
看護部長は看護業務がなく、管理職としての業務が中心になります。現役であっても、患者に直接的に接する機会はほとんどありません。看護ケアに明け暮れた時代を懐かしく感じるという人もいるでしょう。
看護部長は病院の中では運営側の人間であり、いわゆる「看護師らしい」業務にはノータッチとなります。各科への人員配置や看護師の増減に目を光らせ、経営理念に沿って病院の体制を強化する方向へと看護部門を導いていかなければなりません。
効率的な病院事業の運営に腐心する一方で、現場で働く看護師たちの意向と反する指示を出さなければならない場合もあります。
対外的な交渉が必要となる場面も多く、夜勤や介助などの肉体労働こそありませんが、精神的な過重は相当なものです。
看護師の管理職の転職事情
転職したい理由は人間関係
管理職になっても転職を望む看護師はいるのでしょうか。むしろ管理職であるからこそ、その重責に悩み、職場を変えたいと考える看護師も少なくないようです。
さすがに看護師のトップに立つ看護部長までいくと、自分からそのポジションを捨てて、ほかの病院へ移るというケースは稀です。ただ優秀さを見込まれて、まったく異なる業種から誘われたり、新規事業の立ち上げに参加したりという例は聞かれます。
上下関係の双方のプレッシャーを受けやすい看護師長や、中間管理職の位置づけである看護主任は、役職自体を嫌ったり病院の運営方針が合わなかったりという理由から転職を選択するケースが多くみられます。
しかし何といっても転職理由でもっとも多く聞かれるのは、人間関係です。
個性の強い看護部長やほかの部署の看護師長との折り合いが悪い、あるいはベテラン看護師たちとの関係が悪化するといった精神的な重荷が、環境を変える決意をさせます。
看護師としては「出世」であるはずの管理職ですが、ひとりの人間としては耐え難い苦渋を生み出す結果となってしまう場合も多いようです。
管理職がキーワードとなる転職
管理職という地位にこだわりがなければ、「管理職は希望しません」という条件で転職することは可能です。
ただ、その場合キャリアアップできなくなるため、今後大幅な給与アップは難しくなります。また、管理職経験がない場合、年齢が高くなったときに転職先が少なくなる場合もあります。
逆に過去の管理職というポジションを活かすことで、転職が有利になることもあります。新規に開業した病院や医療施設では、あえて管理職経験のある看護師を募集する可能性があります。
ただそうした求人は非公開のことが多いため、個人的に探すのは難しいといえます。
いずれの場合でも、看護師の転職を専門に扱う転職エージェントの活用がもっとも効率的です。
一般的な求職条件に加え、ポジションの問題や病院の方針など、詳細な条件と照らし合わせた求人情報を提供してくれます。
管理職という経験は、自身の能力の成果として誇るべきものです。転職サイトを賢く活用しながら、自分自身が納得でき、キャリアを十分に活かせるような職場への転職を果たしていきましょう。
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
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