療養型病院の看護師の仕事内容と役割

療養型病院の看護師の仕事
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療養型病院とは

看護と介護の両面をもった医療施設

療養型病院は突然の病気やケガにも対応する一般的な病院とは違い、比較的病状が安定した状態で急変は起こりにくいけれども長期的な治療や看護・介護が必要と判断された患者が入院しています。

そのため、急性期病院のようなぴりぴりとした場面になることはあまりありません。

高齢者の入院も多く、医療の面と同時に介護の役割を占める割合が高いのが療養型病院の特徴です。

救急処置を行うことも皆無ではありませんが、ふだんは投薬程度の医療処置がほとんどで積極的な治療というよりは穏やかな回復が目的とされます。

療養型病院と一般病院との違い

一般病院では医師は患者16人に対して1人以上、看護師は患者3人に対して1人以上配属することが決められています。

療養型病院ではスタッフ配置の基準が異なり、医師は患者48人に対して1人以上、看護師は4人に対して1人以上配置することとなっています。

急性期病院などとは違い、療養型病院はある意味で生活の場ともいえます。

そのため、長期にわたる入院生活が快適なものとなるよう、談話室や患者1人当たりのスペースをできるだけ広く取るように配慮されています。

医療機器は最低限のものが設置され、急性期病院ではごく当たり前に見かける施設がないということもあります。

急性期病院に入院したらすぐに採血をして、データをもとに点滴や投薬などの治療を行うのが普通ですが、療養型病院では必要最低限の検査・治療以外はしないことが多いようです。

検査施設や院内処方がない病院もあり、他の施設や薬局に依頼する場合もあります。

医療機関にもよりますが、投薬も必要最低限に減らしていくという方針を取っているところもあります。

急患がなく患者との交流が深くなる

急性期病院と違って急患はほとんどなく、患者の入院期間が長いために看護師との交流も深くなっていきます。

リハビリをかねたレクリエーションを週間行事として行っている病院も多く、業務を通して看護師と患者が親密にふれあう機会もたびたびあります。

他の病院施設と比べてゆったりとした気分で働くことができるのも、療養型病院の特徴の一つです。

急変患者がほとんどいないため、残業は比較的少なく生活サイクルが整いやすい環境です。

一方で患者への指導や家族に対しての状態の説明などをする機会が多く、看護助手や介護士などコメディカルの配置や協力体制が非常に重要なポイントとなるため、コミュニケーション力が求められます。

療養型病院で働く看護師の仕事内容

療養型病院で働く看護師の業務

療養型病院では急性期患者に対するような治療行為ではなく、介護や日常生活のケアがメインとなります。

体位変換やおむつの交換、入浴や食事の介助、寝具の交換など、日常生活のサポートの他、相談相手になるのも大切な仕事です。

食事が口から取れなくなっている患者がいるときには、経管栄養の処置の必要もあります。

また症状は安定しているといっても、確実な回復のためバイタルチェックは欠かせません。

日々の健康管理のために体温や血圧の測定、食事量のチェックや排せつチェック、問診、定期的な検査などを行います。

こうした業務についても急性期病院のような慌ただしさはなく、患者一人ひとりにしっかりと向き合って看護することができます。

療養型病院を取り巻く環境

療養型病院には、医療保険対象の施設と介護保険対象の施設があります。

このうち介護保険対象の療養型病院(介護型療養病院)は、特別養護老人ホームや老人保健施設と、対象とする患者や提供するサービスの内容が似ていることから、2023年度末をめどに廃止することが厚生労働省で決定されています。

しかし現実的な問題として医療と介護のどちらも必要とする患者が多いこともあって転換は進みませんでした。

そこで折衷案として制度としての介護型療養病院をなくして、従来の介護老人保健施設よりも医療サービスを充実させた「介護医療院」が新設されることになりました。

患者の目的による療養型病院の業務

入院している患者の中には、そこでの回復を目的として入院している場合と、次の受け入れ施設や病院を探すまでの場つなぎとして入院している場合があります。

回復を目的としている場合は、看護計画に基づいたリハビリテーション活動や治療活動が必要となります。

一方、次の受け入れ施設を見つけるまでのつなぎとして入院している場合は、急変時以外の医療行為を行うことも少なく寝たきりの患者も珍しくありません。

定期的な透析など現状を維持するための処置を行いながら、移転先が見つかるのを待ちます。

療養型病院で働くメリット・デメリット

療養型病院で働くメリット

看護師が療養型病院で働くメリットには、次のようなものがあります。

  • 残業が少ない
  • 生活サイクルが安定しやすい
  • 患者との信頼関係が築ける
  • 職場の雰囲気が穏やか
  • 観察力が向上する

容体が急変する患者があまりいない療養型病院では、救急患者を扱う病院と違い予定外の残業が発生しにくい環境にあります。

夜勤はあっても時間外までずれ込むということもあまりありません。生活サイクルが安定しやすく、家庭生活や子育てと両立しやすいメリットがあります。

長期入院の患者とゆっくりと向き合う時間があり、信頼関係を築くことができます。

リハビリやレクリエーションなどで、一緒に過ごす時間が他の病院施設よりも長いため、人間としてのさまざまな表情に接する機会がもてます。

患者数も一定しているため、落ち着いた雰囲気の中で仕事ができます。

慢性期疾患をみる看護師は比較的穏やかなタイプが多く、職場の人間関係が良好に保たれます。

療養型病院で働くデメリット

一方で、看護師が療養型病院で働くデメリットもあります。

  • 肉体労働が必要となる場面が多い
  • 医療処置が少なく看護スキルが向上しない
  • 方針に疑問を感じる場合もある
  • 患者のストレスを受け止める必要がある

一般の病院でもベッドから患者を持ち上げるなどの肉体労働が必要となることがありますが、介護ケアも含む療養型病院では頻繁にそうした作業を行わなくてはならない場合が出てきます。

中腰でする作業も多く、慣れないうちは腰を痛めてしまう看護師が少なくありません。

また介護的な日常のケアが求められる療養型病院では、医療処置を行うことが少なく看護師としてのスキル向上が難しいという側面があります。

急性期看護を経験してきたばかりの看護師にとっては、検査や医療処置の少なさに疑問を感じることもあるようです。

何年間も継続して入院している患者もいます。なかなか退院できないいら立ちを看護師にぶつけてくる患者もいないとはかぎりません。

患者の焦る心を理解して穏やかな入院生活を送れるよう心のケアに努めるのも、療養型病院で働く看護師の役目といえるでしょう。

療養型病院で働く看護師の給料

療養型病院で働く看護師の給与

キャリアコンサルタントへの調査では療養型病院と一般病院で、給与体系や基本給においてはほとんど差がないことがわかりました。

ただ、急性期病院などと比べると夜勤の回数が少なく、残業もあまりないため時間外手当は低くなりがちです。

看護師の平均月収は、44万1,087円です。(平成29年度介護事業経営実態調査)

療養型病院を希望する看護師は、子育て中などであまり夜勤を引き受けたがらない傾向があります。

自身の生活の状況によっては、夜勤を多めにするといった調整が有効策となりそうです。

療養型病院で働く看護師のトータル収入

療養型病院は医療法人によって運営されることが多くボーナス制度のあることがほとんどです。

ボーナスは手当に左右されず基本給から計算されるため、賞与に関しては一般の病院と変わりありません。

年収では400~480万円と幅が広く、病院の方針や規模によって変わります。

看護師全体の平均年収は470~480万円なので、選ぶ病院によってはほぼ変わりない収入が得られます。

療養型病院での仕事を考えている看護師で給与に不安がある場合には、急性期病院などグループで医療施設を数多く経営している医療法人を選ぶとよいでしょう。

グループ経営をしている場合は、一般病院や回復期リハビリテーション病院の給与水準で療養型病院の給与が決定されます。

そのため、療養型病院だけを経営している場合に比べると給与が高くなる傾向があります。

また介護の専門知識をもった認定看護師に対して、資格手当を付けている療養型病院も見られます。収入アップの方法として、資格取得を目指してみるのも一つの選択です。

療養型病院で働く看護師のスキルと適性

療養型病院で働く看護師としての適性

療養型病院で働くのに向いている看護師とは、どのようなタイプでしょうか。

適性としては以下のようなものが考えられます。

  • 小さな変化も見逃さない観察力がある
  • ルーティーンワークにも自分なりのやりがいを見つけられる
  • 多様な職種・立場の人とも円滑なコミュニケーションが取れる
  • 体力に自信がある

観察力は看護師としての重要なスキルの一つですが、療養型病院では自分の状態を言葉でうまく伝えられない患者も多数入院しています。

わずかな変化にもすばやく反応し、患者の状態を正確に見抜けるタイプが療養型病院には特に向いています。

ゆったりとした気持ちで患者と向き合い、相手に寄り添う気持ちを忘れない看護師ならば、療養型病院でも活躍できます。

療養型病院では、急性期病院のように毎日さまざまな症例と遭遇することはありません。

毎日が同じことの繰り返しに見える日々で、自分なりに現場での看護ケアについてやりがいを見出し、工夫を重ねながら自身を高めていけるのならば、仕事が楽しく感じられるはずです。

また療養型病院では一般の病院以上に、多彩なスタッフと連携して業務を行います。

患者はもちろん、その家族、医師や理学療法士、作業療法士、介護スタッフと、良好な関係を保てる看護師が求められます。

先にもありましたが、療養型病院では一般病院以上に体力を使います。健康で体力に自信がなければ、継続して働くことは困難です。

逆に療養型病院に向かないのは、「忙しくなさそうだから」という安易な気持ちで転職を考えているケースです。

入ってみたら介護施設のような仕事ばかりで、少しも楽ではなかったという結果となりかねません。

看護師としてのプライドが高く、介護ケアや雑用に苦痛を感じるというタイプもまず無理です。

看護師として最先端の技術や高度なスキルを身につけたいという看護師も、希望とは異なる環境といえるでしょう。

療養型病院に関連するスキル

皮膚・排泄ケア認定看護師

日本看護協会が認定する「認定看護師」制度の中で、もっとも古い資格の一つが「皮膚・排泄ケア認定看護師」です。

「皮膚・排泄ケア認定看護師」は褥瘡(じょくそう)などの創傷管理や失禁などの排泄管理を行い、患者や家族がセルフケアできるように支援します。

摂食・嚥下(えんげ)障害看護認定看護師

誤嚥性肺炎や窒息、脱水状態や栄養低下を防止し、摂食・嚥下障害を評価するのが「摂食・嚥下障害看護認定看護師」です。

安全に食事を摂って飲み込むことができるよう、患者を訓練することも学びます。

老人看護専門看護師

2002年に認定制度が始まった、専門看護師の資格の中でも比較的歴史のある資格が「老人看護専門看護師」です。

高齢者が入院もしくは入所する施設において、複雑な健康問題をあわせもつ高齢者に生活の質を追求する看護の提供を目指します。

慢性疾患看護専門看護師

「慢性疾患看護専門看護師」は、生活習慣病の予防や、慢性的な不調を抱える患者に対する専門性の高い看護の提供を目指します。

療養型病院に転職するためには

療養型病院の求人は少ない

療養型病院での業務が自分に合っている、穏やかな雰囲気の職場で患者と向き合いながら仕事がしたい、と考えても療養型病院の求人は簡単には見つかりません。

求人検索を行うと膨大な数の看護師求人がヒットしますが、療養型病院で絞るとその件数は1割にも届きません。

療養型病院はスタッフの配置人数が少ないため、もともとあまり求人が出てきません

加えて一般病院と比較して看護師の疲労の度合いが低いため、一度就職すると長期に継続して働く看護師が多いという傾向があります。

自分だけで療養型病院への転職活動をするのは、あまり効率が良いとはいえないようです。

看護師転職サイトの活用がおすすめ

そこでぜひ活用したいのが、看護師の転職サイトです。

転職サイトであれば非公開求人も集まってくるため、療養型病院に絞り込んだ求人情報を提供してくれます。

ただ療養型病院で働くというだけではなく「このような働き方をしたい」と伝えておけば、それにマッチする病院を選んで紹介してくれるでしょう。

療養型病院は一般病院よりもオープンにされておらず内部事情を探るのは困難です。

転職サイトのエージェントであれば、職場の雰囲気や離職率、入院している患者のレベルなども詳しく調べてくれます。

また自分では難しい給与や待遇面での交渉も、本人に代わって病院側と協議してくれます。

数の少ない療養型病院の求人では、条件の良い案件に希望者が殺到します。

有利に転職を進めるためには、プロのサポート力に頼るのがもっとも効率的といえます。

おすすめの看護師転職サイトTOP5

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10月は年内の転職を考えている方が求人を探し始める時期です。「冬のボーナスを貰ってから、転職先を探せばいい」と考えていると準備ができず年内の転職は難しくなってしまいます。

大学病院、規模が大きな病院、企業の中には、9月~10月に非公開で来年4月の募集を開始するところが多いので、早めに登録してキャリア相談や希望条件のヒアリングを済ませておくといいですね。

新着の条件がいい求人は看護師の転職サイトに登録済の方に優先的に紹介されています。転職サイトによって扱う求人情報が異なりますし情報が入る時期も違います。

条件がいい求人を探している方は、複数の看護師転職サイトに登録して非公開の求人情報が手に入りやすい状態にしておくといいですね。

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