[ 記事作成日時 : 2015年1月24日 ]
[ 最終更新日 : 2020年2月6日 ]

正しい吸引の方法(口腔・鼻腔)

看護師のスキルアップ

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目的

  • 気道を確保するために、口腔内や気道に貯留している唾液や痰を吸引により除去する。
  • 肺炎などの感染症や気道閉塞を防ぐ。

必要物品

吸引器 吸引用カテーテル(14F) 手袋 マスク エプロン(必要時) 水の入った万能壺 アルコール綿 ガーグルベースン(口腔内吸引時使用) ビニール袋 ティッシュペーパー(必要時) 聴診器 パルスオキシメーター

事前準備

解剖生理

  • 鼻腔の長さは7~8cm。
  • 咽頭の長さは12~15cm。
  • 患者に説明し体位を整える。
    • 吸引の必要性があるか確認をする。
    • 吸引の方法や目的、苦痛が生じる事を説明する。
    • 吸引しやすい体位である仰臥位にする。
    • 口腔内の吸引では顔を横に向ける事で誤嚥を防ぐ。
  • 吸引器が使用出来るか確認する。
    • 吸引瓶に水道水100ml以上入っている事を確認する。
    • 吸引器の開閉バルブを開き、吸引管を指で摘んで閉じて、圧の上昇を確認する。

手順・方法

  • 吸引用カテーテルを接続して吸引の準備をする。
    • 手洗い後に手袋、マスクを装着して、カテーテルの接続部分のみパックから出して無菌的に吸引管と接続する。
    • 利き手ではない方の母指でカテーテルの接続部分を折り曲げて閉塞させる。
    • 閉塞させたまま、空いた方の手で吸引器のバルブを開き、吸引圧を-20kPa(-150mmHg)に調整する。
    • カテーテルをパックから全て取り出し、先端から7~10cmの所を持つ。
    • カテーテルを湿らせるために、少量の水道水を吸引する。
  • 口腔内または鼻腔内の吸引を行う。
    • 閉塞させたまま、患者に声を掛けながら、静かに口腔内(7~8cm)もしくは鼻腔内(15~20cm)から挿入する。
    • カテーテルを目的の部位まで挿入したら、閉塞していた母指を放し、吸引を開始する。
    • こよりを捻じるようにカテーテルを抜く事で気道内の分泌物を吸引する。
    • 1回の吸引は10秒以内に留める。
  • カテーテルの片付けを行う。
    • カテーテル接続部からアルコール綿で挟み、カテーテルの先端まで付着物を拭き取る。
    • 水道水を少量吸引し、カテーテル内部の付着物を吸い取る。
    • 吸引バルブを閉じた後、接続部からカテーテルを外し、捨てる。 ※コスト面により、破棄せず保管容器に戻す場合もある。
  • 患者の状態、分泌物の観察を行い記録
    • 手袋を捨て、手洗い後、観察した内容の記録を行う。

観察項目

  • 口腔内・鼻腔内の出血や傷の有無
  • 義歯の装着状態
  • 口腔内の貯留物、食物残渣の有無
  • 鼻から喉にかけての貯留物の位置
  • 顔色
  • むせこみの有無
  • 呼吸状態(喘鳴、呼吸数、チアノーゼの有無、SpO2など)
  • 患者の訴え(呼吸苦、痰のからみなど)
  • 吸引中の表情の変化
  • 分泌物の性状(喀痰の色、量、粘稠度、血液混入の有無など)
  • 挿入するカテーテルのサイズ、長さ、吸引圧、吸引時間は適切であるかどうか。
  • 聴診器で副雑音の確認
  • 酸素飽和濃度

看護のポイント・コツ

  • むやみに行わず、必要に応じて施行する。
  • マスク・手袋を着用し感染源にならないようにする。
  • 嘔吐反射を防ぐために、口蓋垂を刺激しないように挿入する。
  • 鼻腔内の吸引では、顔を上向きにして、頚部が伸展位になるようにする。
  • 吸引時のカテーテルのピストン運動は粘膜を損傷する恐れがあるので行わない。
  • 適切な吸引圧で行わないと粘膜を損傷する恐れがある。
  • 分泌物が多い時には、数回にわけて吸引を行う。
  • 吸引をしやすくしたり、分泌物による汚染を防ぐために、吸引前後はカテーテルの内腔に水を通す。
  • 1日1回は吸引瓶を交換する。瓶の70~80%まで液が溜まっていたら適宜交換する。
  • 痰が固い場合には、摂取水分量の検討を行う。

注意点

  • 吸引時間が長い事による低酸素状態、肺胞虚脱、無気肺:胸部痛や呼吸苦を訴えた場合には吸引を中止し、呼吸状態の観察を行い、改善がなければ医師を呼ぶ。
  • 吸引圧が高い事による気道粘膜の損傷や出血:少量の場合は経過観察。量が多い場合には、顔を横に向けて誤嚥を防ぐ。
  • 迷走神経の刺激による不整脈や血圧の変動、心拍数の増加:吸引を止め安静を保ち、気道を確保する。
  • 手技的な問題による感染:感染に対応した看護。手技を必ず守る。
  • 吸引の刺激による嘔吐:顔を横に向けて誤嚥を防ぐ。
この記事を監修した人
はる
地方の公立大学病院小児科病棟で2年勤務したのち看護師をやめ都内のIT企業に転職。結婚を機にUターンし専業主婦となる。10年のブランクを経て訪問看護師として復職。その後、急性期病院の外来・救急外来勤務を経て、療養型病院の病棟師長として勤務。家族の都合により上京後は回復期リハビリ病棟に勤務。看護師として通算15年以上の臨床経験がある。現在はココナスにて記事の企画、監修をはじめメディア運営を行う。
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