クリニック看護師とは?仕事内容・給料・福利厚生を徹底解説!
※本記事は、提携する企業のPR情報が含まれます。掲載するサービス及び掲載位置に広告収益が影響を与える可能性はありますが、サービスの評価や内容等は当サイトが独自に記載しています。
「夜勤がある職場は辛いので、クリニックの看護師求人を探したい」
「クリニック看護師として働きたいけど、どんな求人があるのかな?」
夜勤や急変が少なく、ゆとりを持って働けるクリニックの看護師は人気の求人です。しかし病棟から転職する場合は、自分にあった条件のよい職場を選ばないと、働き方のギャップに悩むことになってしまうかもしれません。
事前にしっかりと知識を得るために、クリニックで働く看護師の仕事内容と収入、メリットやデメリット、求人票には載っていないチェックすべき条件について詳しく見ていきましょう。
転職サイト | 総合評価・特徴 |
---|---|
看護roo! |
星の数4.4 ・累計利用者数50万人以上 ・どこよりも詳しい病院情報提供 >>>公式サイトはこちら |
レバウェル看護 (旧 看護のお仕事) |
星の数4.3 ・給与アップできる好条件求人も多数 ・徹底したサポート力と待遇交渉力 >>>公式サイトはこちら |
ナース専科 転職(旧 ナース人材バンク) |
星の数4.2 ・高給与/好条件 非公開求人多数 ・地域専任スタッフが求人の特徴を把握 >>>公式サイトはこちら |
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
※当サイトは口コミの一部を掲載しています。
この記事に書いてあること
クリニックの給料事情!病院との差額は約10万円!?
日勤中心のクリニックは平均値より低め
夜勤をこなす病院勤務に比べ、クリニックの給料は低めといわれます。実際にはどのくらいの差があるのでしょうか。
クリニックで働く看護師の給与額は約25万円、平均年収は約300万~400万円です。
厚生労働省のデータでは看護師全体の月の平均給与は約32万円、平均年収は約475万円なので、クリニックの看護師の給与額は平均よりも7万円ほど低いです。
勤続10年の看護師の基本給平均は23~25万円程度(看護協会調べ)で、クリニックもそれほど変わりません。
ですが、看護師の給与の中で大きな割合を占めている月7~8万円ほどの夜勤手当や時間外労働手当の上乗せがないため、クリニックの給料がその分低くなるのです。
施設 | 平均給与 |
---|---|
クリニック | 25.5万円 |
大学病院 | 35.2万円 |
クリニックの種類によっては高額収入も
病院よりも給与が低いといわれるクリニックですが、勤めるクリニックの種類によっては高額の収入を得られることもあります。
例えば美容整形外科の看護師の平均年収は450万~500万円と、病院の看護師と変わりません。月額給与が50万円以上という求人も珍しくないようです。
日勤のみで残業もほとんどなく、高額な給与がもらえる背景には、保険適用外の自由診療という事情があります。
こうした施術については、料金が一律ではなく、クリニックによって料金体系が変わります。
ただし、美容クリニックの中にはインセンティブ制度(報奨金制度)を設けていてノルマがある場合もあるので、応募する際には給料制度の細かい部分についても確認しておきましょう。
⇒夜勤なし高収入!美容外科クリニック看護師の業務内容とメリット・デメリット
ほかにも漢方を使った治療を行うクリニックや、産前産後の施設を併設するクリニックなど、クリニック勤務でも高額な収入が期待できる施設は探せばまだまだ見つかりそうです。
クリニックで働く看護師の仕事内容
基本は病院と変わらない
クリニックはいわゆる「かかりつけ医」「ホームドクター」と呼ばれる位置づけです。大規模な病院のような設備や医療機器はありませんが、看護師が行う仕事内容自体は普通の病院と変わりません。
具体的には、問診やバイタル測定のほか心電図測定やレントゲン画像の現像、点滴、注射、検査の説明など医師の指示を受けた医療行為や診療補助を行います。
病院と違うのは、看護師の数が少ないため受け持つ仕事が多岐にわたることと、患者との距離が非常に近くなることです。
地域の患者が多数を占めるため、お互いに顔見知りとなり、関係性が深まります。家庭環境まで把握した上での、個別のアドバイスや生活指導の機会も多くなります。
専門科目により業務内容が変わる
クリニックでは総合的な診療ではなく、内科や皮膚科、耳鼻科、眼科、泌尿器科、小児科などの専門科目を扱っています。
そのため診療内容によって、看護師の仕事内容もある程度決まっていきます。
診療科目によっては、注射や点滴などの医療行為が少なくなる一方で、部位に特化した知識を新しく身につける必要が出てきます。
大規模な病院であれば、内部で診療科を移動することもありますが、クリニックは常時同じ診療内容となります。
転職をしようとする際に、そのクリニックが専門とする診療科での経験があまりないときには、事前に看護師がどのような業務を行うのかをよく確認しておくと安心です。
クリニック看護師のスケジュール
クリニック看護師の1日はどのような流れとなっているのでしょうか。
診療科によって多少の違いがありますが、基本的には以下のようなスケジュールとなっています。
【8:00~8:30】出勤
着替え、清掃、診察室・処置室の整理・準備
問診・トリアージ
ミーティング・打ち合わせ
【9:00】診察開始
診察補助・各種処置
【12:30~13:30】昼休憩
【13:30~14:00】午後の診察準備
【14:00】診察開始
診察補助・各種処置
【17:00~17:30】診察受付終了
【18:00~19:00】閉院
片づけ・記録処理後に退勤
検査などが多い診療科では出勤後に、検査機器類の立ち上げなどの業務が多く発生します。
外科や耳鼻科などで手術がある場合や、予約診療を行っている場合には、午後に時間を設けているところが多く見られます。
中にはそうした特殊診療を挟んで、17時から一般診療を再開するクリニックもあります。
一部の特殊な診療体制をのぞけば、クリニックの場合、おおよそは9時の診療に合わせた出勤、18時前後の退勤となっています。
全体の傾向として耳鼻科や皮膚科では残業が少なく、その他の診療科では、時期などによっては残業が発生しやすくなることもあるようです。
診療科ごとのクリニック看護師の違い
ひと口にクリニック看護師といっても、診療科によってはさまざまな違いがあります。
クリニックで働こうと考えた際に、そうした違いを理解しておかなければ、転職した後でイメージとのギャップに悩むことにもなりかねません。
クリニック看護師としての業務でつまずかないためにも、各診療科の特徴を知ったうえで転職先を決める必要があります。
小児科クリニックで働く看護師
小児科の特徴としては、業務内容が多いこと、患者本人に加えて保護者に対する対応が求められることがあります。
採血や点滴、吸入、創処置などの処置、診察介助として子供の身体を固定する、幼い子どもをあやすといったことも看護師の役割です。
子どもは大人のように指示を聞いて素直に対応してくれることはほとんどないため、子どもや保護者へのICやプレパレーションが大切です。診療後には、親に対して服薬指導や看護指導を行います。
子どもの病気を診るにあたり、大人の患者以上にネブライザーや吸入が多くなります。また、小児の患者の予防接種は暴れる子もいるので、押さえるのはかなりの重労働となります。
親によって子どもに対する態度がまったく違い、ときには虐待が疑われるような場合もあります。また子ども相手の診療科だけに、感染症の危険性が高いという特徴もあります。
医師や同僚の看護師は、子ども好きが多く、職場内の人間関係は比較的穏やかで良好な傾向が見られます。
整形外科クリニックで働く看護師
整形外科は内科系と異なり、注射や点滴など一般的な看護師に多く見られる業務が比較的少ないのが特徴です。
業務内容としてはレントゲンの補助、診療の介助、ガーゼ交換や弾包交換、ギブス介助などが主な仕事になります。注射関係では、関節注射や筋肉注射などはたまにありますが、静脈注射はあまりありません。
レントゲンについては技師が行うため、看護師はオーダーと案内までになります。
クリニックでは手術をしないケースが多く、近隣の病院への紹介を看護師が行う場合があります。
手術後のリハビリや機能改善を行う患者が多いため、他施設との緊密な連携が大切です。
整形外科は急性期の患者が多く、経過も早いので通院が一過性であるケースが一般的です。高齢者の患者では慢性化している場合もありますが、比較的元気の良い患者が通うため、コミュニケーションも難しくありません。
リハビリ患者が多いクリニックでは、診療時間にも余裕があり、落ち着いて業務にあたることができます。
皮膚科クリニックで働く看護師
皮膚科クリニックは急変症状の患者に対応することはほとんどなく、看護師に対しては専門的な技術があまり求められないことが特徴として挙げられます。
比較的重症である場合でも傷の処置や切開程度となるため、残業で遅くなるケースは少なく、基本的には定時出勤・定時退勤ができます。
看護師の主な業務としては、処置の介助・小手術の準備や介助、光線療法の実施、注射や点滴、パッチテストなどの皮膚負荷試験の準備や実施、熱傷処置、褥瘡処置、軟膏処置 などがあります。
また、アトピー性皮膚炎や褥瘡処置などの在宅処置に関する患者や家族への指導も看護師が行います。
高度な医療技術に接する機会があまりありませんが、皮膚疾患に詳しくなり、またニキビや美白などについての知識が身に付きます。
ときにはスキンケアなどの試供品をもらえるようです。診察の補助や軟膏指導が主なので力仕事はほとんどなく、体への負担はほぼありません。
急患がある診療科ではないため、時間通りに診療が進められ、時間には余裕があります。クリニックのスタッフ同士の関係も良好で、和気あいあいとしたところが多いようです。
耳鼻科クリニックで働く看護師
耳鼻科で扱う患者は乳幼児から高齢者まで、年齢層が幅広いという特徴があります。ある程度の採血や点滴はありますが、内科や外科ほどには看護師としての業務は多くありません。
主な看護師の役割としては、症状の問診から耳、鼻、喉、頸、めまい等の症状に分けてカルテに記載することがあります。診察時には、器具や薬の受け渡し、内視鏡検査時の説明、頭部の固定や声がけなどを行います。
また耳鼻科特有の検査も多く、採血、点滴、薬剤を用いての嗅覚の検査や、鼓膜の振動の検査、耳の骨伝導の検査といった聴力の検査を行います。
耳鼻科の患者さんの中には、めまいを訴える方も多く、めまいが起こっている原因を突き止めるためにはいくつかの検査が必要になります。
検査の中には、眼振検査や温度刺激検査、重心同様検査といった専門的な検査があり、検査を受ける患者さんの不安を軽減するために検査方法や目的を説明することも看護師の重要な役割です。
耳鼻科を訪れる患者の症状の中には、他の診療科に関連性のある病気も少なくありません。そのため他科との連携も重要となります。
耳鼻科は1年を通して、閑散期と繁忙期がはっきり分かれる診療科です。スギ花粉の時期は花粉症の患者が多く受診するため2月~4月の間は残業が多くなり、8月~11月は閑散期なためそれほど忙しくありません。
内科クリニックで働く看護師
内科にはさまざまな症例の患者が訪れるイメージがありますが、クリニックの場合には通院が固定している患者も多く、急患が運び込まれることはありません。
難しい検査や処置がないので、看護師が高い技術力を求められるとはないようです。
業務内容としては、採血、検診業務、診察補助、検査介助、心電図測定、点滴、が主となります。そのほか、カルテの記入やカルテチェック、処方の確認なども看護師の仕事です。
内科で多いのが糖尿病の患者に対してのインスリン導入の説明や、食事療法・インスリン注射に対する指導です。
内科看護師は、仕事のほとんどを採血や注射、点滴が占めるので注射技術がうまくなると言われます。また休憩時間を長く取るクリニックが多く、一度家に帰るなどができる場合もあるようです。
特に忙しいのは風邪やインフルエンザなどが時期的に多くなるシーズンと、職場検診や市の検診の時期です。普段はあまり残業のないクリニックでも、この期間は仕事時間が長くなることもあります。
外科クリニックで働く看護師
外科クリニックは、展開が速いのが特徴です。忙しい職場が多く、慌ただしい中で業務が行われていきます。そのため、時間を無駄にせずテキパキと動けるタイプの看護師があうと言えます。
看護師の具体的な業務内容としては、傷の消毒、軟膏塗布、包帯巻き、小手術の器械準備・消毒・滅菌、医師の介助などの器械出し、診療時の患者補助などがあります。
クリニックでは大がかりな手術は行われず、小手術が多く基本的には残業はあまり多くないようです。
患者の回復が目に見えやすく、それだけやりがいがある職場です。また大病院との連携をすることも多く、クリニックでは看取り場面が無いため心労が少ないと言えます。
看護師としての技術は十分に生かせる診療科ですが、専門性が高くなりがちで、それ以外の分野の知識はなかなか得る機会がありません。
出血した患者を扱う場面が多く、血液汚染による感染症のリスクが高いため、スタンダードプリコーションは必須です。
外科医もそこで働く看護師も、明るいタイプが多く、人間関係が良好な傾向が見られます。
クリニックの福利厚生・社会保険・休暇
クリニックの福利厚生
福利厚生には、社会保険への加入など法律で定められた法定福利と、住居補助やレクリエーションなど経営者側が任意で定める法定外福利と2つがあります。
大規模な病院では当たり前についていた福利厚生が、クリニックに転職したらまったくなかったということは大いにありうることです。
例えば通勤手当や住居手当は、個人経営のクリニックの場合、設定されていないことがよくあります。
クリニックの経営規模にもよりますが、雇用されている看護師の人数などを確認しておけば、福利厚生についてもある程度は推測できます。
最近では個人経営のクリニックでも、安価で加入できる福利厚生サービスを利用しているところもあります。新しい考え方をする経営者であれば、雇用する看護師のニーズに対応してくれる可能性があります。
クリニックの社会保険
クリニックの社会保険は、普通の会社とは扱いが異なっています。
医療法人化されている場合には、健康保険・厚生年金保険の加入が義務付けられています。
個人医院であっても常時5人以上の従業員を雇用している場合には、必ず社会保険に加入する義務があります。
従業員が5人以下である場合には、国民健康保険・国民年金への加入となります。
ただし常時5人未満の個人医院でも、従業員の同意があれば「任意適用事業所」として社会保険に加入することが可能です。
看護師特有の保険としては業務上の賠償事故に備えた看護職賠償責任保険や、看護師自身の怪我に対する補償を行う普通傷害保険などもありますが、小規模のクリニックで重症患者を扱うことがなく、危険を伴う作業がない場合にはほとんど加入がみられません。
クリニックの休日
クリニックの求人情報では、休日については土日祝日休み、完全週休2日制などという記載がされています。
クリニックによっては土日を開けて、平日に休業するという方針のところもありますが、個人経営の一般的な診療科ではカレンダー通りとしているクリニックが多いです。
ただし美容整形などやや特殊なクリニックでは、あえて土日祝日も開業しているケースが見られます。
休日とは労働義務をもたない日のことで、法定休日と法定外休日の2種類があります。
法律では1週間に1日、4週で4日間の休日を与えることが義務付けられており、法定休日に労働させる場合には35%の賃金が割増されます。
クリニックの休暇
年末年始や夏季休暇、育児休暇といった休暇制度は、法で定められているわけではなくクリニック独自で設定するものです。
労働基準法で定める有給休暇は、6ヶ月以上の雇用の継続があればその期間によって定められた日数分が与えられます。
ただし有給休暇の取りやすさについては、クリニックにより差が出ます。
働いているスタッフの人数や、クリニック内の雰囲気、周囲の有給の消化状況によっては、取得の権利があるとわかっていても、なかなか取りづらいこともあるようです。
クリニックで働くメリットとデメリット
クリニックで働くメリット
実際にクリニックで働いている看護師が、感じているメリットには次のようなものがあります。
- 夜勤やシフト制がないので身体的に楽
- 残業が少ない
- 仕事量と作業の重さのわりには給与がいい
- 急変する患者や重症患者の扱いがなく精神的に楽
- 連休が取りやすい
- 年末年始、夏季休暇が長い
クリニックにもよりますが、病院よりもゆとりをもって働ける環境であることが多いです。
心身ともに疲労感が少なく、特に命にかかわる状況がないため、精神的な負担がありません。
病院に比べると給料は下がる傾向がありますが、こうした働きやすさを考慮すると妥当であると感じられる方が多いです。
さらに、個人経営のクリニックでは、年末年始など社会の動きに合わせて休業し、比較的長い休暇を取ることができます。
クリニックで働くデメリット
一方で小規模なクリニックだからこそのデメリットもあります。
- ワンマンな経営者が多い
- 人間関係の密度が濃い
- 仕事がマンネリ化しやすい
- 雑用が多い
- 一人でこなす業務が多い
個人経営の場合、トップの意思ひとつで大幅に方向性が変わります。院長の機嫌ひとつで雰囲気が左右されるという声も良く聞かれます。
少人数の職場はアットホームではありますが、良くも悪くも人間関係の密度が濃くなります。順調にいっていれば問題ありませんが、トラブルが起きたときには勤めづらくなる可能性もあります。
病院のようにさまざまな症例に遭遇することも少なく、決まった仕事をしていればそれほど困ることはありません。
ただし、新しい技術の進歩や最先端医療の知識に触れる機会は、ほぼないと言えます。待合室の清掃など、看護師としての業務以外の仕事が多いのもクリニックの特徴です。
また、看護師が1人しかいないというクリニックもあり、責任をもってすべての業務をこなすことが求められるケースもあります。
クリニックで働くために必要な資格
看護師免許があれば、クリニックへの応募が可能です。クリニックの求人は、正看護師だけでなく准看護師の募集も比較的あるため、多くの准看護師の活躍する場となっています。
正看護師にも准看護師にも共通することですが、やはり看護師としての経験があるほうが転職には有利となります。
大きな病院より患者数は減りますが、その分看護師ひとりが抱える業務の幅は広くなるので、なるべく多くの診療業務を行える人が求められています。
ほかの施設(できれば病院)である程度経験を積んで、基本業務を行えるようにしておくこと、また事務作業も1人でこなせるとより良いでしょう。
また、クリニックに来る患者さんは、その地域に住んでいる人がほとんどです。休日に外を歩いたり、買い物をしたりするときに出会う機会もあります。
勤務時間外や診療室以外の場所でも、クリニックで働く看護師であることを忘れないように心がけましょう。
クリニックに向く看護師・求められる資質
コミュニケーション好きならば重宝される
看護師はコミュニケーション能力と、鋭い観察眼が求められる職業ですが、クリニックでは特に患者との距離を縮められるタイプの看護師が重宝されます。
医師と二人三脚で患者に対応する場面も多く、医師と患者の橋渡し役が期待されることもしばしばです。
人数が少ない場所だけに、一人の在り方が周囲の雰囲気に大きな影響を与えます。
病院のように緊迫感のある場面がほとんどないため、あまり神経質にならず、常に笑顔でコンタクトを取りながら、必要な業務をこなしていける性格であればクリニック向きと言えるでしょう。
クリニック向きのオールマイティ型
クリニックでは少ない人数でさまざまな業務をこなしていかなければなりません。
器用になんでもこなせるオールマイティ型でなければ、日々の業務がたまってしまいます。
ほかに頼る人がいない環境で働くことも多く、自身で経験や知識からやるべきことを探り当てる柔軟性も必要とされます。
反対に、専門分野を極めたいというタイプでは、クリニックの場合は物足りなさを感じてしまうでしょう。
ひとつのことにこだわる研究者タイプではなく、幅広い知識に対する興味をもてる看護師が、クリニックの仕事に向いています。
クリニック看護師求人の探し方:チェックすべき7つの項目
「クリニックで働こう」と考えた場合には、まず同じクリニックでも業態や経営状況の違いがあることを理解する必要があります。
クリニックに求めるものが、日勤で残業がないという働き方であれば、そこに関連する以下の7つのポイントを重点的にチェックして見落とさないようにしましょう。
- 有床/無床
- 予約制かどうか
- 勤務時間
- 開業日・休診日
- クリニックの規模と看護師数
- 年間休日日数
- 福利厚生の内容
この6つの項目は、残業が少ない、休みが多いといった条件の良いクリニック看護師求人を探す際の指標になります。
夜勤なし、早く帰れる(残業の少ない)クリニックを探す
夜勤や残業については、求人票に「日勤のみ」「残業少なめ」「残業月10時間以下」といった記載があるので、目安にすることができます。
クリニックの中には有床のところもあり、その場合は夜勤があることもあるので注意が必要です。
残業時間については、以下の点にも注目しましょう。
- 予約制
- 予約制でない場合、受付終了間際に患者が駆け込みで来院し、残業になることも想定できる
- 勤務時間
- お昼休みが1時間以上あったり、営業開始時間が遅いクリニックなどは、その分業務終了時間が遅くなるので注意
なお、残業代の支給があるかどうかも大事なポイントです。
求人票に「15分単位で支給」などと支給条件が記されていれば安心ですが、明記されていないことも少なくないため、その場合には確認が必要です。
「サービス残業が当たり前だった」「残業代を申請したら怒られた」と嘆くことにならないよう、残業時間や残業代に関しては求人情報を掲載している転職サイトに問い合わせてみましょう。
ポイント2.しっかり休めるクリニックを探す
転職後に「意外と休みが少なくて大変…」とならないためにも、求人票の休日日数は必ずチェックしたい項目です。
一般的に、土・日・祝日がほぼ休める年間休日日数は「120日」と言われています。そのため「年間休日日数120日以上」の記載がある求人は、比較的休みが多い職場と言えるでしょう。
また、年間休日日数以外にも、以下の項目も見ておきましょう。
- 開業日・休診日
- なかには「日祝休み」「水・日・祝休み」と独自に休診日を設定しているクリニックも
- クリニックの規模と看護師数
- クリニックの規模に対して看護師の人数が少なければ、休みを取りにくい可能性がある
- 福利厚生(休暇の有無)
- 年末年始や夏季休暇などがあるかどうか
クリニックで働くための応募の流れ
クリニックへの転職であっても、病院への転職の流れと変わりありません。
- 事前準備
- 情報収集
- 書類作成
- 応募・面接
まず、どのような転職を望むのかをしっかり自己分析します。そして、希望の条件の優先順位をつけておきましょう。
またこの時に、転職したい時期についても具体的に考えておくことで、退職手続きなどのスケジュールをたてることができます。
次に、転職のカギと言われる情報収集です。入職してから「こんなはずじゃなかった」「条件が違う」といったギャップがおこらないようにするために重要なステップです。
求人票をしっかり見たり、病院見学をしたり、知人から情報を得たりとできる限りに情報収集をすることをおすすめします。
希望の転職先が見つかったら、履歴書と職務経歴書を作成します。自分の印象を大きく左右するものなので、時間をかけてていねいに作成しましょう。
そして、いよいよ応募をして面接となります。面接も履歴書と同様に、自分をアピールする重要な場面です。想定される質問の対策をしっかり行い、自信をもって挑みましょう。
クリニックへの転職を成功させるコツ
クリニックへの転職を成功させるためには、希望するクリニックの実情を知っておくことも大事です。ただし、そうした実情は求人票に記載されていないため、自分で情報を取りに行く必要があります。
知っておきたいクリニックの人間関係
クリニックで働く看護師の多くは「人間関係が第一!」と口を揃えます。なぜならクリニックは、看護師同士はもちろん、院長、院長夫人との距離がきわめて近いからです。
特に、クリニックは院長による「ワンマン経営」であることがほとんどであるため、院長の人柄や経営方針などが労働環境に直に反映されます。
院長はどういう経営の仕方をするのか、どういう性格なのか、それに対して自分は合うかどうかということを見極めておきましょう。
また、看護師同士の関係性も強くなるため、一緒に働くことになる同僚や先輩看護師たちの人柄や雰囲気も知っておきたいところです。
たとえ苦手な看護師がいても、毎日顔を合わせなければなりません。少ない人数だからこそ、チームワークが求められるのです。
どんなに給料が良くて休日が多い職場だったとしても、人間関係がギスギスしている職場では仕事も長続きしないでしょう。
求人表に記載なし!クリニックの実状を情報収集
クリニックの求人で転職を成功させるためには、このような内部事情を含む情報収集がカギとなります。
問題は、小規模なクリニックほどオープンな情報が少ないため、個人的な求職活動では情報が得られにくいことです。そこでおすすめなのが、転職サイトの活用です。
クリニックの経営者と関係の強いエージェントであれば、詳しい内部情報を教えてくれるはずです。
さらにクリニックは地域に根差した経営を行っているところが多いので、そのエリアに特に強い転職サイトがねらい目です。
- 人間関係は良好か?
- 院長はどんな人か?
- 忙しさの実態、休憩は取れるかどうか
- 掃除など、看護以外の運営業務分担
- ママナースにも働きやすいかどうか
クリニックで働く看護師の口コミ
働きやすい環境で居心地が良い!勉強の時間も確保できる
単科クリニックなので、専門知識が集中して学べます。大病院ではさまざまな病気の患者を見るので改めて勉強する時間を持つことが難しいと思います。
先生やスタッフが固定されているので連携を取りやすく、新しい薬剤やマニュアルが浸透しやすいのがメリットです。また、外来、病棟のスタッフが同じなので患者さんに対しても統一した対応できます。
地域との関わりが深いため、子供たちが乳児からだんだん成長していく様を見られるのがとても嬉しいです。
また、子育て中のママの悩みや、流行している病気などの情報を知ることができ、自分の子育てにいかせることもあります。
それなりに忙しいですが、和気あいあいとして業務を進められ、居心地よく感じています。
私は小児科クリニックで働いていますが、元々子どもが大好きなのでとても楽しいです。いろいろな月齢の子供がくるので、癒されつつ仕事ができます。
クリニックでは大病院よりも時間的に余裕があると思いますが、基本的に小児科は子どもであればどのような疾患でも診るため、広い範囲の疾患や看護について学べます。
アットホームな雰囲気の中で働けて、顔なじみの患者さんとも仲良くなれます。大きな病院では禁止されているのですが、ここでは患者さんとの信頼関係も築けるので色々頂きものをします。
難しい検査や処置がないため自信のない人も働きやすい
難しい検査や処置がないので、自信のない人でも比較的働きやすいと思います。
クリニックなので、病院と違い重病者がいません。突然救急車が来ることもなく、毎日のルーティーンを繰り返すだけなので、気楽です。気をつけていれば、ミスを起こすような難しいこともあまりありません。
患者さんの回復が目に見えて、やりがいがもてます。治癒までの目安もつけやすく、患者さんへのアドバイスがしやすいです。
病状が悪くなった患者さんは大病院に紹介するので、基本的には軽症な患者さんが多く、気持ち的に楽です。
退勤時間が一定だから家庭と両立しやすい
クリニックで休みの日が決まっているので予定が立てやすく、夜勤がなく日勤だけなので生活リズムが整い体調が良くなりました。
大きな病院の病棟勤務とは違って夜勤がなく、残業も少ないので身体的な疲労はほぼ感じません。
うちのクリニックは終わる時間がわりと正確なので、家庭と両立しやすく、身体的にもきつくありません。
勤務先は休憩時間が長く、合間に買い物にいったり、一度家に帰ったりできるのも、クリニックならではだと思います。
クリニックと病院の違いとは
医療法では病床数で明確に定義
日本では健康保険証を提出すればどこでも同じように診察が受けられるため、すべてをひとくくりにして「病院」と表現されるのが一般的です。
しかし医療法には、病院と診療所が以下のように明確に定義されています。
“「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう(第1条の5第2項)“
“20人以上の入院設備を備える施設は「病院」である(第1条の5第1項)”
入院設備 | |
---|---|
病院 | 20名以上の患者を入院させる設備がある |
診療所(クリニック) | 19名以下の患者を入院させる設備がある又は、設備を有しないもの |
さらに第3条の2に“診療所は、これに病院、病院分院、産院その他病院に紛らわしい名称を附けてはならない”という規定があります。
つまり、診療所には「病院」の名称を使えないため、「医院」や「クリニック」という名称を使うのが一般的です。
入院設備のないクリニックは圧倒的多数を占める
厚生労働省の2015年調査によると、病院の数が8,480に対して一般診療所の数は100,995、そのうち有床は7,961、無床が93,034となっています。単純な数の上では夜勤のないクリニックの数が、病院数をはるかに上回ります。
一方、看護師の就業場所については、病院が61%ともっとも多く、診療所で働く看護師は21%となっています(2012年調査)。
施設規模の大きい病院では看護師の雇用数が多いのも当然ですが、診療所の数に対して働いている看護師の数は非常に少ないということがわかりますね。
しかし、だからといってクリニックへの転職が難しいかというと、そうではありません。
現在の日本では、慢性的に看護師の数が不足しているため、規模にかかわらず、常に看護師を募集している医療機関がほとんどです。
ただ、条件が良いクリニックの場合は人気が集中してしまうこともあるので、転職サイトを活用して希望のクリニックへの転職を叶えましょう。
現役のクリニック看護師さんたちの声からは、診療科によるさまざまな違いのあることがわかります。
しかし大病院とは違って身体的、精神的に楽であることや、私生活との両立がしやすいといったメリットには共通性があります。
一方で、少人数で働く悩みや経済面でのデメリットも聞かれました。
クリニックでは高い看護技術を求められていない反面、患者との距離が近く、コミュニケーション能力が期待されています。また担当が分かれていないため、ひとりで多彩な業務に当たる必要もあります。
そうしたクリニック看護師の特徴的な部分を理解できれば、自身がクリニック向きなのかそうでないのかが判断できます。
クリニックについて予め情報を十分に収集すれば、希望に沿ったクリニックかどうかを判断することができるでしょう。
※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。
※ページ内の求人数は職種別に集計しています。