[ 記事作成日時 : 2017年10月10日 ]
[ 最終更新日 : 2020年2月6日 ]

助産師の資格取得は難しい?大学の難易度や働きながら取得する方法

助産師の資格

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「看護師として働いているけれど、やっぱり助産師として働きたい!」

「助産師の資格を取るにはどうしたらいいの?」

新しい命の誕生に関わる仕事を希望する女性にとって、助産師という職業はまさに目指すべき職業といえます。看護師として働きながら、さらにお産のプロとして助産師の道を目指すケースも少なくありません。

では、助産師になるためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは助産師になるための資格取得までの道のりと試験の詳細、必要な費用に関して解説していきましょう。

      
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助産師資格の取得方法

助産師資格を取得するためには、前提として看護師である必要があります。助産師は生涯にわたる国家資格を2つ保有することになります。

助産師資格を取得するまでの流れを見ていきましょう。

最初から助産師資格取得を目指す場合

1.看護師資格の取得

  • 高校卒業以上であることが条件
  • 看護学科および助産師養成課程のある4年制の大学
  • 看護学科のある大学(4年)・短大(3年)・専門学校(3年)

上記の看護学科のある4年制大学、またはそれ以外の看護学科のある学校のいずれかを終了後に看護師国家試験の受験資格が与えられ、助産師資格取得への道が開かれます。

2.助産師資格の取得

看護師資格取得後、「看護学科および助産師養成課程のある4年制の大学」の場合には助産師国家試験を受験することが可能です。

「看護学科のある大学(4年)・短大(3年)・専門学校(3年)」の場合には、看護師資格取得後に文部科学大臣または厚生労働大臣が指定する助産師養成学校で1年間学ぶと、助産師国家試験の受験資格が与えられます。

すでに社会人となって看護師として働きながら助産師資格を目指す場合には、仕事と勉強を両立しなければなりません。そのため、助産師養成学校の中には1日あたりの受講時間数を減らし、2年間でカリキュラムを組んでいるところも多くあります。

看護師から助産師になる場合

看護師の資格を持ち、仕事を続けながら、あるいは一度退職して助産師の勉強をする場合には、次のいずれかの学校に入学し直す必要があります。

  • 大学の専攻科(別科)
  • 大学院、短期大学の専攻科
  • 助産師養成所・助産師専門学校

各学校によって募集人数はそれぞれですが、一般的には5~40名程度とあまり多くはありません。募集の時期を見逃さないように、早めにチェックしておく必要があります。

助産師資格の試験難易度

全体での合格率は高い

近年の助産師国家試験の合格率を見ると、90~93%台と非常に高くなっています。受験者数は新卒・既卒を合わせて約2000人程度で推移しており、その99%以上が新卒者です。毎年既卒者の受験は、10名以下にとどまります。

新卒での合格率は毎年90%以上ですが既卒者では50%台が多く見られ、全体での合格率が高いとはいえ、働きながらの受験はかなりハードルが高いことがわかります。

しかし過去には合格率100%という実例があることから、しっかりと準備さえしておけば合格は決して不可能なことではありません。

助産師養成所の入学は難関

助産師国家試験を受験する以前に考えておかなければならないのが、助産師養成学校への入学です。国が認可している助産師養成学校は全国に、30数ヶ所しかありません。

日本医師会のデータによると、2013年の助産師養成所の受験倍率は約3倍となっています。そのほかの国公立の学校などでは、10倍近い倍率のところも多く見られ、助産師になるための学習をするスタート時点ですでにかなりの難関といえます。

助産師資格に本気で取り組むのであれば、助産師養成所や助産師養成コースへの入学には、複数候補を決めて受験するのがより確実です。

助産師資格までの学習と試験内容

助産師資格取得のための学習内容

助産師国家試験は、「基礎助産学」「助産診断・技術学」「地域母子保健」「助産管理」の各項目の中から出題されます。

助産師養成所や助産師養成コースでは、これらの項目に合わせたカリキュラムが組まれています。あわせて病院や助産所、周産期センターなどでの「臨床実習」が行われます。

各学習項目の主な内容は次の通りです。

基礎助産学

助産師に必要な基礎知識を学びます。助産師の歴史や社会的役割といった背景とともに、人間関係、女性の人権などについての知識を深めます。助産の基礎を学ぶことで、より広い視野が得られます。

助産診断・技術学

助産師としての技術上の基礎を学びます。妊婦検診の手順や方法、分娩の介助技術、産褥さんじょく期における沐浴・授乳などの指導方法、新生児ケアの技術など、妊娠から出産を経て産褥期までをトータル的に学びます。

さらに女性のライフステージの変化に合わせた性教育、更年期障害などの知識を学び、それに対する助産師としてのサポート術を会得していきます。

地域母子保健

地域における母子保健活動や、地域行政のあり方、活動について学びます。助産活動に関連して連携が必要となる各機関を把握していきます。

助産管理

助産師として知っておくべき法律の知識を学びます。また母子にとって良い環境を提供するための、産院や産科のあり方を学びます。

臨床実習

病院や周産期センター、助産所などで、妊婦検診、分娩介助、産褥介助の指導などを行いながら、臨床における技術を身に付けていきます。

助産師国家試験の概要

試験時間は午前(75分)と午後(80分)に分かれており、一般問題(計75問)と状況設定問題(計35問)が出題されます。

合格基準は年度によって多少の違いはありますが、一般的には145点満点中87点以上で、正答率がおよそ60%以上で合格とされることが多いようです。

助産師資格取得にかかる費用

助産師の資格を取得するためにかかる費用は、入学する学校の種類によってもかなり差があります。

初年度納入金を見ると、大学・短大では70万~ 240万円、専門学校では52万円 ~ 152万円程度が目安とされています。一般的に入学がしやすい私立系は学費が高額になり、安い学校ほど難易度が高い傾向があります。

また、学費のほかに諸経費がかかることにも注意が必要です。入学金、授業料以外の費用項目には次のようなものが挙げられます。

  • 施設維持費
  • 実習費
  • ユニフォーム代
  • 教科書代

助産師資格取得支援制度の例

看護師として勤務しながら助産師を目指すのは、かなりハードであることは間違いありません。実際には勤務時間の関連もあり、個人で実現するのは難しいといえます。

あらかじめ学費を貯めて短期間での取得を目指すか、助産師資格取得支援制度が設けられている病院でサポートを受けながら受験に臨むのが現実的といえます。

資格取得支援制度がある病院では、取得後の勤務の年数制限が条件となっていることが多いです。

助産師資格取得支援制度の例を見てみましょう。

大学病院の例

支援内容:助産師資格に関わる通学期間を出張扱いとし、基本給の支給がされる。

条件:〇年間の勤務経験

資格取得後は助産師として〇年以上勤務を行うこと

総合病院の例

支援内容:助産師資格に関わる通学期間は月々10万円の奨学金貸与を無利息で行う。

休職制度の利用が可能

条件:資格取得後は助産師として通学期間の5倍の期間以上の勤務を行うこと。連続勤務などの条件によっては奨学金の返還が免除される

婦人科系クリニックの例

支援内容:病院が経営している助産師学校への推薦・通学期間は休職扱いとし〇%給与支給

条件:同病院で〇年以上の勤務経験があること。推薦合格後の入学辞退は不可。

資格取得後は助産師として〇年以上の勤務を行うこと。

働きながら助産師の資格取得を目指すために

転職も視野に入れて

看護師として働きながら助産師資格の取得を目指す場合には、現在の環境で可能であるかどうかをよく見きわめる必要があります。

資格取得の支援制度がある病院であれば問題ありませんが、そうでない場合には個人での努力だけでは現実的に目標達成はほぼ不可能です。

助産師資格取得を実現するために、転職をすることも視野に入れなければなりません。

転職サイトを使って情報収集

確実に助産師資格を手にしたいのであれば、看護師専門転職サイトの利用がおすすめです。助産師資格取得支援制度がある病院をピックアップすることができ、その後の勤務体制などの条件も把握できます。

実際に支援制度を利用した例や転職後にどれくらいで資格取得ができているのかなど、詳細データについてはなかなか個人的に調べられません。転職サイトを利用すれば、そうした内部事情についての情報も入手が可能となります。

助産師の資格が得られれば女性としても、社会の一員としても、非常に有意義な仕事をすることができます。また看護師よりも高い収入が生涯にわたって見込めるのも、大きな魅力です。

将来を見据えてステップアップを考えているのであれば、まずは情報収集から開始してみましょう。資格取得に向けたさまざまな不安や疑問を解決するためにも、転職サイトへの登録が役に立ちます。

この記事を監修した人
はる
地方の公立大学病院小児科病棟で2年勤務したのち看護師をやめ都内のIT企業に転職。結婚を機にUターンし専業主婦となる。10年のブランクを経て訪問看護師として復職。その後、急性期病院の外来・救急外来勤務を経て、療養型病院の病棟師長として勤務。家族の都合により上京後は回復期リハビリ病棟に勤務。看護師として通算15年以上の臨床経験がある。現在はココナスにて記事の企画、監修をはじめメディア運営を行う。
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