[ 記事作成日時 : 2016年8月9日 ]
[ 最終更新日 : 2020年6月22日 ]

ブランク看護師の再就職は不安…復職支援セミナーや求人選びで万全な準備を

ブランク看護師の復職

「ブランクがあり、最新の看護技術や知識についていけないかも」

「10年のブランクがあるのに、看護師として採用してくれる職場はある?」

看護師の仕事を離職してから時間が経ち、ブランクが長くなってしまうと、転職先が見つかるか不安になりますよね。

このような看護師資格をもちながら、何らかの事情があり、今現在看護師をしていない「潜在看護師」は、全国に約71万人いるといわれています。

そんな元看護師に再度社会で活躍してもらおうと、国は復職支援を始めています。

長いブランクを克服するために復職までに準備しておきたいこと、再就職に成功するためのコツをお伝えします。

復職するときの4つの不安、その正体は?

「潜在看護師」とは?

「潜在看護師」は看護師の免許を持ってはいるけれど、今現在看護の仕事に就いていない人のことを指します。厚生労働省の「看護職員の現状と推移 平成24年」によると日本全国の潜在看護師は約71万人にのぼります。

そんな潜在看護師が、復職をためらう理由にはどんなものがあるのでしょうか?ブランクがある看護師の代表的な4つの不安要素を紹介しましょう。

不安1.ブランク有りでも採用してもらえる?

「ブランク有りでも採用してもらえるかどうか不安…」という人は、おそらく看護師時代は人一倍努力家で勤勉な人だったのではないでしょうか。そのため、ブランクによってスキルや知識を失った、もしくは遅れてしまった自分が看護師として役に立てるのかどうか不安に感じているのでしょう。

確かに、人手不足といわれる看護師業界でも、ブランク年数や看護師歴によっては復職しやすい職場とそうではない職場があります。例えば、手術室看護師や救急救命の現場、大学病院などでは復職のハードルが上がります。

そのため、「採用されないかも」「もう戦力として見てもらえなくなるかも」といった不安を感じる人が多いのでしょう。

不安2.仕事についていけるのかな…

医療の現場は常に進化をとげています。たった数年でもこれまでの処置法が変わっている、新たな機器が導入されている、すべて電子カルテで管理するようになっているなどの現状に戸惑うこともあるでしょう。

そのうえ、現役時代より年齢を重ねていることから、それらにすぐ対応できるか、新しい知識を身に付けられるか、ほかの看護師と同じように動けるかといった体力面を心配する人もいます。

不安3.失敗が怖い…採血・注射・ルート確保

看護師業務の中でも、経験値とスキルが直結するのが、採血や注射、静脈路確保(以下、ルート確保)。病院で採血や注射、点滴をしてくれるのは多くが看護師のため、患者から見たらできて当然と思うでしょう。

しかし、看護師は採血・注射・ルート確保の機会自体が少ないため、自信がなく苦手意識を持っている人は少なくありません。さらにブランク期間が長いとなると、心配になるのは当然です。

「1回で上手くできる自信がない」「相手の方に痛い思いをさせるのではないか」「内出血したらどうしよう」といった不安を感じ、医療行為をおこなうこと自体に恐怖心が芽生える人もいるようです。

不安4.子育てと両立できる?

子どもはまだ小さいけれど、看護師として復職したい。そんなママ看護師の一番の心配は、子育てと両立できるかどうかでしょう。

「夜勤もやりたいけれど、その間、子どもを夫に任せても大丈夫かな」「残業があったら、園のお迎え時間に間に合わない」「子どもが病気になった時、休んで迷惑をかけるのは避けたい」など、子どもがいるからこその不安があるでしょう。

看護師の仕事は体力勝負という部分もあるため、仕事のあとに家事や育児をこなすのは厳しいのではないか、自分も子どもも生活リズムが崩れてしまうのではないかと心配する人もいます。

ブランク期間と経験年数は、復職に影響する?

復職の際、「ブランク期間」と看護師としての「経験年数」はどのような影響を与えるのでしょうか?ここからはブランク期間と看護師歴、それぞれ分けて解説していきます。

復職しやすいブランク期間は?

どの医療機関でも看護師は慢性的に不足しているため、ブランク期間が3~5年程度であれば、復職は比較的しやすいとされています。多少慣れるまでに時間がかかっても、看護師の確保が最優先と考えているところが多いからです。

ただそれよりブランク期間が長い場合は、それまでの看護師歴によって復職のしやすさに差が出てきます。例えば、ブランク期間が長くても看護師歴が5年以上あれば「現場でカンを取り戻せば即戦力になる」とみなす医療機関が多いため、それほど心配することはないでしょう。

しかし、ブランク期間が10年以上あいてしまうと、一から学びなおす必要がある人材と捉えられてしまうため、復職先が絞られてしまう傾向があります。ただし、教育体制が整っていたり、ブランク看護師を積極的に採用している施設もあり、20年以上のブランクを経て介護施設の看護師として復職された例もあります。

看護師歴が短い場合(2年未満)

看護師歴が2年未満の人の復職は難しいといわれています。その理由は、看護師歴が短すぎるため、臨床経験の少なさを不安視されるからです。

「看護師は3年務めて1人前」といわれる世界のため、2年未満の経験しかなく、さらにブランクがある看護師は、ほぼ新人と見なされます。看護師として一人前になる前の状態なので、即戦力がほしい医療施設などでは採用されにくいといえるでしょう。

もし、そういった施設に復職できたとしても、仕事についていけない、周囲からの期待に応えられないなどで、ブランク看護師自身が仕事を続けていくのがつらくなってしまうでしょう。

看護師歴が短くスキルや知識に自信がないという方は、教育や指導体制が整っている施設、緩和ケアやターミナルケアなど忙し過ぎない病棟、医療行為が少ない介護施設などで、まずは復職を目指してみてはいかがでしょうか。

看護師歴が長い場合(約3年以上)

看護歴が3年以上ある人は、比較的「復職しやすい」といわれています。それは3年以上勤めていれば看護師としてひととおりのスキルが身に付いている、ひとり立ちしていると採用側が考えるためです。

さらに、これまでに複数の科を経験していたり、精通している診療科、得意としている診療科がある場合、より重宝される傾向があります。

また、看護師歴7~10年以上となると、主任などのリーダー的なポジションを経験していることも多く、チームとしての働き方を施設から期待される人もいるでしょう。マネージメント力を買われての採用もあります。

多少ブランク期間があっても、看護師歴が3年以上あれば、復職できないという心配は不要でしょう。

経験した科目の影響は?

ブランクがある場合は、医療機関別に復帰を検討するだけではなく、看護師経験のある診療科目で探すほうが復職はスムーズです。

ブランクがあっても、過去に経験のある診療科であれば多少は勝手がわかっていることもあり、求人側も未経験の看護師よりは安心して採用することができるからです。

複数の診療科を経験している場合は、より経験値が高く自信を持っている科、得意と感じている科にしぼるといいでしょう。

ただし、その経験値が買われるのはあくまでも「3年程度の臨床経験がある」など、看護師として一人前に認められるキャリアがある場合のみ。短期間の入職では未経験とみなされる場合もあるでしょう。

採用が難しい場合も多い

求人側の採用のゴールは「即戦力のある人材が確保できること」です。そのため、大規模病院や大学病院の急性期病棟などでは「体力面」「新しいスキルの吸収力」といった理由で20~30代を積極的に採用する傾向があります。

年齢によっては復職が厳しい場合もあるので、スキルや経験、ブランクの長さによって応募先を絞る必要があるかもしれません。

また、なかには「看護師歴の長さ」が採用懸念につながるケースもあります。「これまでのやり方を変えることはできるだろうか?」「いわれたことを素直に受け止めてくれるだろうか?」といった不安が採用側にあることで、復職が難しくなることもあります。

採用される人、採用されない人の違いは?

希望の職場に採用される人には下記の共通点があります。

希望の職場に採用される人の共通点
  • 積極的に学ぶ姿勢が感じられる
  • 精神的にタフである
  • 相手の気持ちに寄り添うことができる

反対に、採用されにくい人には下記の共通点があります。

採用されにくい人の共通点
  • 志望動機があやふや…
  • 人の話を聞く・学ぶなどの姿勢が感じられない
  • 協調力、コミュニケーション力が欠けている
  • 体調不良による休職がある

「理解できないことは、理解できるまで努力する」といった前向きな姿勢が評価を得やすく、また相手の話をしっかり聞くという姿勢が「これならうちでもやっていけるだろう」というポジティブな印象を与えるようです。

一方、採用されにくい人には自分の希望だけをアピールする、コミュニケーション力に不安な点が感じられる、といった共通点があるようです。

ブランク看護師の復職「おすすめの職場」6つ

ブランクの看護師が復職しやすいポイントと、それに当てはまる6つの職場をご紹介しましょう。

ブランク看護師が復職しやすいポイントは?

ブランク看護師が復職しやすい職場は、以下の3つの共通点があります。

復職しやすい職場の共通点
  • 教育体制が整っている、もしくは高度な医療業務が少ない
  • 忙しすぎず、少しずつ自信を取り戻しながら長期的な勤務できる
  • 元ブランク看護師が多く、フォローしてもらいやすい環境

そんな共通点を持つおすすめの職場を6つ紹介していきましょう。

1.急性期病院・病棟

病院の規模にもよりますが、ブランク看護師の職場復帰を支援する教育やフォロー体制が整っているところが比較的多い職場です。そういった病院には、元ブランク看護師が多く勤務していることが多く、慣れない業務もフォローを受けながら覚えていくことができるでしょう。

ただし、看護師としての医療行為を求められる機会も多い職場なので、配属予定の科やブランクの期間、看護師歴によっては復職が難しい場合があります。

2.外来

病院の外来は、医師をサポートしながら診察をスムーズに進めることが主な業務となります。高度な医療業務が少なく、医師の指示に従って対応する職場なので、ブランク明けで自信がない人におすすめです。

外来看護師は日勤のみがほとんどですが、その日の混雑状況によっては残業が発生してしまうこともあります。家で育児や介護などをしている場合は、残業分の時間を事前に見積もっておくなどの調製が必要となります。

3.訪問介護

訪問看護は、主治医の指示書のもと、在宅療養の患者に対し医療処置を行ったり、健康状態をチェックして記録するのが主な業務です。医療行為が少なく、訪問看護業界は売り手市場なので、ブランク看護師の復職におすすめです。

一人ひとりの患者と長期的にじっくり向き合う仕事なので、そういった看護ケアを望んでいる方には向いている職場です。また、日勤のみ、土日祝日はお休み、パート勤務可というのが多いので、正職員やシフト制勤務が難しい人にはいいでしょう。

訪問看護には、看護師1人で訪問、看護師2人で訪問、医師と一緒に訪問などがあります。1人で担当する場合、先輩看護師が同行して指導してくれるのは最初だけです。その後は1人となるため、業務中に相談相手がいないことがデメリットといえます。

そのため、ブランク期間が長い、もしくは経験が浅くスキルに自信がない場合は、一人体制の訪問看護師への復職は難しいといえるでしょう。

また、入浴介助やおむつ交換など病棟では担当することが少ない業務が多いことも覚えておきましょう。

4.介護施設

介護施設は、重症な利用者が少なく、病気を抱えている場合でも状態が安定していることが多いようです。医療行為そのものが少ないという特徴があるため、プレッシャーを感じずに業務に慣れていくことができます。

ただし、医師が常駐しない施設が多いため、対応力と判断力が求められる職場でもあります。施設の規模によって、看護師は自分一人だけというケースもあるため、利用者の状態を素早く的確に判断し、このまま様子を見るのか病院へ搬送するのかなどを、一人で見極める力が問われます。

そのため、訪問看護師と同様に、ブランク期間が長い、もしくは臨床経験が少なくスキルに自信がない場合は、介護施設の看護師に復職するのは難しいでしょう。

5.デイサービス・訪問入浴

デイサービスは、看護ケアがそれほど必要ない利用者が多く、専門度の高い医療業務は比較的少ない点が特徴的です。また、訪問入浴も看護師としての主な仕事はバイタルチェックのみの場合が多いため、医療業務に不安を感じている人におすすめです。

ただし、介護施設と同様に看護師は一人だけというケースが多く、利用者の体調不良やケガには、一人で対応・判断をしなければいけません。責任が1人に集中してしまうこともあるようです。

6.クリニック

クリニックでメインとなる業務は、患者の受付や電話対応、問診表に基づいた聞き取り、検査の説明、バイタル測定、治療の補助、医療器具の洗浄、備品の発注などです。

重症な患者は少ないため、難しい医療行為も少なく、常に医師の指示に従っての医療行為のため安心感もあります。

ただし、病院とは異なり看護師の人数も絞って運営しているところも多いので、1人に対する仕事量が大きく、担当業務も多岐にわたります。また、花粉症時期の耳鼻科や冬期の小児科など、時期によって多忙を極めることもあります。

どうしても大学病院へ復職したい場合は?

看護師の転職先として人気の高い大学病院。以前、大学病院で働いていた、もしくは大学病院で高い看護技術を学びたいという方は、復職先として希望する場合が多いようです。

一般的に、ブランクがある看護師が大学病院へ復職するのはとても難しいといわれています。理由は、大学の看護学部からそのまま新卒採用される人数が多いこと、そもそもの募集が少ないこと、看護師全体の平均年齢が低いなどの理由があるからです。

ただし、専門的な経験や同等かそれ以上の大学病院、大規模病院、中核病院で十分なキャリアを積んでいる場合は考慮されるケースがあるようです。大学病院への復職事情に詳しいキャリアアドバイザーなどに相談し、自身のキャリアを元にアピールポイントやアプローチのやり方などを教えてもらいましょう。

狭き門だとしても、進んでみなければ可能性は0のままです。悔いのない復職活動にするためにも、やってみたいことはチャンレンジしてみるのもいいでしょう。

ただし、家事や育児との両立が容易な職場ではないため、復職前に役割分担など家族と十分話し合い、両立するための準備をしっかり行う必要があります。

復職後の職場選びのポイント4つ

復職に向けて転職活動を始めるときは、職場選びが大切です。ここからはブランクがあっても復帰しやすい職場選びのポイントについて紹介していきます。

1.教育体制

プリセプター制度

転職先を探すなら復職支援研修や実習など、教育体制が整っている医療機関を選ぶようにしましょう。各医療機関ではオリジナルの教育制度を設けているところが多くあり、そうした指導・研修を受けることで仕事への自信にもつながります。

中には、どういった研修や制度を行っているか公式ホームページで公開している医療機関もあるので、応募先のホームページをチェックしてみましょう。

2.子育て支援

子どもがいると、どうしても仕事に支障が出てしまうことがあります。そんな状況に「理解を示してもらえる職場かどうか?」は子育て中のブランクママ看護師にとって重視したいところです。

例えば、院内に託児施設がある、近くに保育施設があって送迎しやすいといった物理的なメリットだけではなく、「ブランク明けでもできること」を考慮して業務や勤務時間を配分してくれるといった、配慮のある職場であれば無理のないペースで働き続けることができます。

例えば、自分と同じように小さな子どもを持つママ看護師の数がどれくらいいるかといったところに、そういった子育て支援が厚いかどうかは表れるので、応募前に確認してみましょう。

3. 患者の重症度・忙しさ

ブランクが長く、医療行為に不安を感じる方は「重症な患者が少ない職場」を選んで復職するというのも一つの手です。技術に不安がある場合は、医療行為の多さが精神的なプレッシャーにもなり、せっかく復職しても長く続けられない可能性があるからです。

一方、常に忙しい職場の場合も「仕事のことで頭がいっぱいになってしまう」「自分のペースで仕事が進めづらく残業も多い」といったことが考えられます。オンとオフの両立がしにくく、ワークライフバランスが崩れやすくなるため、ストレスを感じやすくなってしまう人もいます。

そう考えると、初めは医療行為が少なく、比較的ゆったりと業務に当たれる介護施設やデイサービスなどを選ぶと、無理のないペースで少しずつ慣れていくことができるでしょう。

4.希望の働き方ができるか?

看護師の雇用形態は、大きく分けて次の3つが挙げられます。

  • 常勤(フルタイム)
  • 非常勤(パート・アルバイト)
  • 派遣

長いブランク期間がある人は、まずは非常勤のパートやアルバイト、あるいは派遣で働くことを検討しましょう。なぜなら、始めからフルタイムで仕事をすると環境のさまざまな変化に対応できずに混乱してしまい、結果的に長く続かないことがあるからです。

派遣社員であれば土日休みや日勤のみを選ぶこともできますし、扶養の範囲内で調整しながら働くこともできます。パートやアルバイトは残業が少ないケースが多く、自分のスケジュールに合わせてシフトを組みやすいですい、人間関係のストレスが少ないなどのメリットもあります。

そうしたフルタイム以外の雇用形態の恩恵を受けながら「いずれ、こんなふうに働きたい」という将来に向かって、一歩ずつ看護師としての経験を積みブランクを埋めていきましょう。

ブランク看護師の失敗しない2つの復職ポイント

ブランクがあるからという引け目から、あせって復職活動をしてしまうと、勤務先選び履歴書・志望理由書の作成などでつまずいてしまうこともあります。

具体的にどんな点に注意すればいいのでしょうか?

退職理由や復職理由は明確に

ブランクの看護師が復職する際、面接で最も注目されるのが「退職理由」と「復職理由」です。妊娠・出産・子育てなのか、家族の介護なのか、前の職場でのトラブルなのか、他分野への興味なのか、本人の健康問題なのか、その理由を明確にして示す必要があります。

また「なぜ看護師として、また働きたいと思ったのか?」も、あらためて考えてみましょう。「自分が何に価値を感じているのか」「人生において何を大事にしたいと思っているのか」を理解することが、これから看護師として働くうえの糧となり、重要であるからです。

頭で考えるだけではなく、箇条書きでもいいので書き出していくと、より明確に自分自身が価値を見出していること、大事にしていることが整理されていきます。さらに、それに関する自分のエピソードも書き出し、深く深く掘り下げて書いていくと、自分ではこれまで意識していなかった「大事にしていること」がより明確になっていきます。

こうした自己分析を行うことで「どうして看護師として復職したいのか」「看護師としてどう働きたいのか」「自分が望む理想の働き方」などがクリアになり、復職理由がより明確になっていきます。

この作業は、復職の際の志望理由書にも生かされていくので、「ブランク看護師「成功する履歴書、志望動機の書き方」ポイントはここ!」も参考にしてみてください。

前の職場とのギャップに注意!

復職してから「こんなはずじゃなかった」と感じる理由のひとつが「前職の職場とのギャップ」です。これは職場経験が少ない看護師が陥りやすい問題といわれています。

復職先の職場がどのような雰囲気なのかわからず「きっと同じようなものだろう」「同じような病院だからそこまで違いはないだろう」という前提で、条件だけを最優先に復職を決めてしまうと「こんなはずじゃなかった」と後悔することがあります。

「復職大歓迎!」「時短など、子育てママも融通がききます!」といったアピールをしている職場は、裏を返せば、人材不足の理由として何かしらの問題を抱えている 場合もあります。

病院が違えば、設備や規模だけでなく患者層も看護師の年齢層も違うこと、それぞれにローカルルールもあることを念頭に、なるべく多くの職場を見学し確認しておくことをおすすめします。

また、許容できること、できないことはなにかを考えておくといいですね。

復職前の準備

看護師の復職セミナー

人材不足が深刻化している医療業界では「多くの潜在看護師にどう復職してもらうか?」を課題として、さまざまな取り組みが行われています。復職前にはそうした支援を活用してみましょう。

ここからはさまざまな復職支援の具体的な内容とおすすめの勉強法について紹介していきます。

公的な復職支援セミナー

各都道府県にあるナースセンターでは復職したい潜在看護師向けに復職支援研修を行っています。研修は講義を主とした1日だけのプログラムから、演習や実習を含む5日間コースなど幅広く、興味のある内容を選択できます。

また就業に関する相談にのってくれるほか、子育て中のママなど看護師同士で交流できる「交流カフェ」などが利用できるところもあります。無料で利用できるので積極的に足を運んでみるのもよいでしょう。

事例: 東京都の看護師復職支援セミナー

東京都ナースプラザでは指定の病院で「手厚くしっかり体験コース」「気軽にさくっと体験コース」「学校に戻って体験コース」といった復職支援研修を受けることができます。

「手厚くしっかり体験コース」は1日、5日、7日間のコースの中から興味のあるコースを選ぶことができます。「気軽にさくっと体験コース」では都内で復職支援研修を独自におこなっている施設を紹介してもらうことができ「学校に戻って体験コース」では都立看護専門学校の模擬病棟や実習室などで研修に参加できます。

医療機関の復職支援

潜在看護師の活用のため、再教育を行う取り組みに積極的な医療機関もあります。病院に勤務中の認定看護師や専門看護師、各分野の専門医師などが講師となり医療界・看護界の動向やストレスマネジメントとの関わり方、調合のやり方や安全対策などを教えてくれます。一般病棟を見学できるほか、体位変換の実習やシミュレーションによる看護演習もあります。

事例:東大病院の看護師復職支援プログラム

東京都文京区にある東京大学医学部付属病院ではブランクのある潜在看護師が自信を持って復職できるよう、研修プログラムを設けています。ブランク歴が3~4年の人に向けた5日間コース、ブランク歴が5年以上の人に向けた10日間コースを用意し、医療業界の動向、ストレスマネジメント、安全(感染)対策などの講義や、薬剤調合や注射、採血といった実習をおこないます。各コース10名という少人数制を採用しているので、疑問点を一つひとつ解消しながら学びを深めていくことができます。

復職前におすすめの勉強

本やネットで最新の医療情報にふれる

新聞やTV、ネットニュースなどで医療の現場や最新の情報が取り上げられることがあります。気になるニュースの詳細は、さらに本やインターネットなどを活用して調べるようにしましょう。

【おすすめ医療・医学ニュースサイト】
医療・医学ニュースサイト メディカルトリビューン
医療・医学情報サイト CareNet.com
日経メディカル

アプリを利用して勉強する

手軽に勉強できるツールとしてスマホアプリがあります。どこにいてもスキマ時間に勉強ができるのでとても便利です。復職先や身に付けたい知識に応じて活用していきましょう。

おすすめ医療・医学アプリを紹介しておきます。

就業フェアなどのイベントに出かける

年に数回、全国各地で開催されている就業フェアではさまざまな病院・施設のブースが立ち並びます。一度にたくさんの医療機関と接点が持てるため、各施設の特徴や長所などがよりわかりやすくなります。必要な情報を得たり、聞いてみたいことを質問したりと活用してみましょう。

たいていの就業フェアは予約が不要のところが多く、託児サービスがあるところもあります。

※現在、新型コロナウイルスの流行によるイベント自粛により「看護職就職・就学合同フェア」など開催未定

身近な人に聞いてみる

元同僚や友だちなど、あなたの周りの現役看護師に「現在の医療現場」の声を聞いてみるのもよいでしょう。人から話を聞くことで「自分が働いたら、どうだろう?」というイメージがわきやすくなります。ただ先入観がわいてしまうこともあるので、あくまで参考程度に考えるようにしましょう。

まとめ

ブランクのある看護師さんはみな復職できるかどうか、不安を抱えています。そんな不安をひとつひとつ解消しながら、焦らずに自分を見つめなおし、悔いのない復職活動をすすめていけるといいですね。