看護師が産休・育休を取る前に確認するべき産休・育休期間と給与事情

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女性が9割以上を占める看護師業界では、結婚や出産、子育てといったライフステージの変化と仕事との関わは大きな課題です。

看護師であっても一人の女性として、充実した人生を送りたいのは当然のこと。特に出産や子育ては、他の人には変わってもらえないだけに優先度が高くなります。

しかし安心して出産や子育てに臨むためには、その間の経済面がどうなるのかを知っておく必要があります。

ここでは看護師の産休や育休とその間の給与、賞与の事情について解説していきます。

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出産・子育てに関わる法律の基本知識

労働基準法が定める「産前産後休業」

いわゆる「産休」と呼ばれる女性の出産前後のお休みは、労働基準法で定められた正式な休業です。母体保護を目的としており、これを認めない事業者は罰則の対象とされます。

産休を取得できる期間は、産前が出産予定日前の6週間、産後8週間の計14週間です。ただし双子以上の多胎妊娠の場合には、産前が14週間与えられます。

産前休暇については本人から申請があった場合にのみ休業が認められるもので、事業所が強制的に休ませるということではありません。

極端な話、出産ぎりぎりまで本人が働きたいのであれば、可能ということです。

しかし産後については出産後8週間までは、業務をすることができません。

例外的に産後6週間を経過した女性が、自分から業務開始を請求し、医師が認めた場合には仕事をしても問題ありません。

ただこうしたケースはごく稀で、ほとんどの女性は産後8週間を経過しなければ仕事復帰はできないと考えて良いでしょう。

育児・介護休業法が定める「育児休業制度」

「育児休業制度」いわゆる育休は、育児・介護休業法で定められる休業制度です。

平成29年3月に改正育児・介護休業法が公布され、これまで1年だった育児休業が最大2年に延長されるなど、より子育ての現状にマッチする内容となっています。

「パパ休暇」では両親が協力して子育てに参加できるような施策がなされています。

出産後8週間以内の期間内に、父親が育児休業を取得した場合には、母親の職場復帰をサポートできるように再度育児休業を取得できます。

「パパ・ママ育休プラス」では、両親がともに育児休業を取得する場合、子どもが1歳2か月に達するまで両親いずれかの分がプラスされて延長となります。

例えばパパとママが交代で切れ目なく育休をとりたいという場合には、母親が育児休業を終えた後、1歳2か月まで父親の育児休業取得が可能です。

子育ての心強い制度ですが、育児休業制度の取得には以下のような要件があります。

  • 原則として1歳に満たない子供を養育する男女労働者
  • 同一の事業主に引き続き1年以上継続して雇用されている
  • 子どもの1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれる
  • 子が1歳6ヵ月になる日の前日までに(2歳まで再延長をする場合は、子が2歳になる日の前日までに)、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと

契約社員などで契約条項に満了日が明記されている場合には、育児休業制度の適用内となるか確認しておく必要があります。

産休・育休の期間と申請するタイミング

産休・育休の期間

産前産後休業を定めるのは法律であるため、会社の就業規則上での取り決めがなくても、休業することが可能です。

産休は正社員・契約社員・パートなど雇用形態に関係なく、雇用されて働いている女性であれば誰もが利用できます。

一方、育児休業はケースによって取得可能な期間が変わってきます。

一般的なケースを見ていきましょう。

産前・産後休暇は出産予定日の6週間前から、産後8週間までが対象となります。育児休業は、基本的には子どもの年齢が1歳になるまでとなります。

保育園などに入れないなど明確な事情があれば、1歳半まで延長ができ、さらに申請すれば最長2歳までの育児休暇を取得できます。

産休・育休申請のベストなタイミングは?

では、いつごろ産休および育休の申請をすれば良いのでしょうか?

業務上の身体にかかる負担を考慮した場合、妊娠がわかった時点ですぐに師長に報告し、業務の調節をしてもらう必要があります。

休暇の申請については、師長と相談してから申請手続きを進めるのが良いでしょう。

「なるべく職場に内緒にしたい」という考えの看護師がいるかもしれませんが、自分が休んでいる間のフォロー体制を整えるために、上司としては早めの申請を希望しています。

しかし万が一の場合を考えると、早すぎる申請は自身のためにならないこともあります。

休暇の正式な申請については、師長とよく相談を重ね、職場の状況に合わせて申請時期を決めていきます。

一般的な会社の場合、育休に入る1か月前までには育休期間を提示して会社に申し出る必要があるとされていますが、現実的には仕事の調整もあるためもっと早めに申請するのが常識です。

育休中に期間を延長する場合には、延長開始予定日の2週間前までに申請する必要があります。

ただ看護師の場合には、シフトや担当など調整することが多いため、なるべく早い申請が求められます。

施設による産休・育休の違い

クリニックでの産休・育休

クリニックなど個人経営の施設の場合、看護師の人数も少ないため、産休育休を申請してもすんなり取得できないといったケースもあるようです。

産休は働く女性全員に認められた権利であり、事業者の義務でもあります。

法律上、クリニック側が産休を認めないということは許されませんが、院長が一人でクリニックを経営しているところなどでは居づらくなって妊娠を機に辞めてしまう看護師も少なくありません。

万が一、妊娠・出産を理由に不当に解雇されてしまったと思われる場合は、マタハラと認定される可能性があります。

あまりに理不尽である場合には、泣き寝入りせず、専門の機関に相談されることをお勧めします。

病院の産休・育休

公立病院や規模の大きい総合病院の場合は、福利厚生が充実していることがほとんどであるため、基本的に産休・育休はスムーズに取得できる傾向にあります。

看護師不足が社会問題となっている今、例え休業を挟んでも優秀な看護師を失うのは、病院側にとっても得策ではありません。

働き方改革の後押しもあり、女性の出産・子育てサポートを行うことが事業所の責任と見られるようになってきています。

そのため産休・育休はもとより、職場復帰についても手厚い支援を提供している病院も数多く見られます。

産休・育休中に病院側から何らかの給与支給があるところはあまり聞かれませんが、お祝い金を出す病院はあるようです。

ただ「公立だから育休制度が充実している」というようなことはなく、基本的にはその施設なりの施策となります。

産休・育休中の給与

産休・育休中の給与は出ない?

産休・育休は労働者の権利として守られていますが、その間の給与について事業者が支払うことは義務付けられていません。

そのため産休・育休中の給与は出ないと考えて良いでしょう。ほとんどの職場の場合、産休・育休中は「欠勤」扱いとなるため、給料は発生しません。

その代わり、産休中は加入している「健康保険」から基本給の2/3が支給され、育休中は加入している「雇用保険」から基本給の1/2が支給されます。

ここでポイントとなるのは、「基本給」です。支給される割合は勤め先がどこでも同じですが、医療機関によって支給される額が変わるのは基本給の違いがあるからです。

そのため、基本給が高い職場は支給される額が多くなり、反対に基本給が低い職場は支給される額も少なくなります。

一般的に看護師の基本給自体はほかの職種と比較して、破格に高いわけではありません。

夜勤や時間外手当によって、上乗せされる金額があるため、全体的な収入が押し上げられています。

産休・育休に支給される額は基本給のみが対象となるため、思っていた以上に手取り額が低いということは良くあります。

産休・育休中の支給金詳細

厳密には産休・育休中にもらえるお金は、出産一時金・出産手当金・育児休業給付金の3種類があります。

給付金シミュレータを利用して、以下のモデルケースを見てみましょう。

  • 出産予定日:2018年12月1日
  • 出産日:予定日に出産
  • 出産する子ども:1人
  • 毎月の額面給与(基本給):25万円
  • 産休で支給される期間:2018年10月21日~2019年1月26日
  • 出産一時金支給総額:420,000円
  • 出産手当金支給総額:544,194円
  • 育休給付金 (子供が一歳で職場復帰) :2019年1月27日~2019年11月30日
  • 支給総額:1,517,438円

産休時期に支給される金額は、出産一時金と出産手当金の合計となるため、月割りにすると基本給と比較してもそれほど低い金額にはなりません。

しかし、育休給付金では基本給よりも10万円程度低い金額となります。

シミュレーションでは基本給を25万円として計算していますが、働いている施設によってはこれよりも低いというところも珍しくありません。

仕事を休んでいてお金がもらえるのはありがたいことですが、夜勤をしながらバリバリと働いていた金額を考えると、家計がかなり苦しくなるのは避けられないようです。

育児休業給付金は夫ももらえる?

育児休業のポイントとして、

  • 父母ともに育児休業を取得する場合、子が1歳2か月に達するまでの間に1年まで休業することが可能
  • 配偶者の出産後8週間以内に、父親が育児休業を取得した場合には、特例として育児休業を再度取得できる

という定めがあります。

この場合、父親の育児休業給付金はあるのでしょうか。

これは当然、母親と同様に給付がもらえます。夫婦で育児休業を取得する場合でも、どちらにも給付があるので、安心して夫にも子育てに参加してもらえます。

育児休業給付金の支給率は、休業開始時賃金の67%、休業開始から6ヶ月経過後は50%です。

この給付金については、非課税扱いとなっているため所得税がかからず、また翌年度の住民税額の算定にも含まれません。

さらに育児休業中の社会保険料は、労使ともに免除の扱いとなります。雇用保険料は給与所得に対して課されるため、こちらも負担ゼロです。

総合的に考えると手取り賃金との比較では、実質的に最大8割程度まで給付されるということになります。

産休・育休中の賞与

看護師のボーナス事情

ボーナス・賞与については、施設や勤務形態によって設定の仕方がさまざまです。給与と違い、雇い主側には賞与を支払う義務が法律で課せられているわけではありません。

雇用契約や給与規定の中で賞与の支払いについて明記してあれば、賞与の支払い義務は発生します。

しかし本来は任意の手当てということで、支払の有無を含めて、支払う金額、時期、回数、ボーナス計算方法などボーナス制度については雇用側が独自に決めることができます。

例えば、年2回賞与が支給される場合には、支給日の6か月前から支給月までの期間の勤務状態が、支給の基準対象となります。

この間に勤怠など問題なく、規定される業務時間をクリアしていれば、基準に従った金額が支給されます。

賞与の金額の基準となるのは、産休・育休に関する給付と同様に基本給の額です。

基本給は一般的な手当、賞与、給付金とさまざまな場面で、看護師にわたされる支給金額の基となります。

応募時の求人条件や、基本給の昇給規定を十分に確認しなければならないと言われるのは、以降、すべての支給条件と関わってくるからです。

産休・育休中の看護師のボーナス

産休・育休中のボーナスについては、勤務する病院やクリニックなどの施設によって、対応が異なります。

施設によっては産休・育休がかかる年度については、一切ボーナスを支給しないというところもあります。

一般的に見られるのは、例えば支給対象期間のうち1か月間産休で休んだ場合、残りの5か月間を支給対象期間として考慮する計算方法です。

この計算方法であれば、休んだ分だけボーナスカットされて支給されることになるので、もらう側としても納得ができます。

元々ボーナス規定のないクリニックなどは問題外ですが、通常は賞与がある施設でも長期休業が関わる場合には例外とされることが多いため、注意が必要です。

公務員看護師や国立病院勤務など、準公務員扱いとなる看護師の場合では、減額があってもボーナスがゼロとなることはあまりないようです。

ただ、育休が延長されて1年以上の長期にわたる場合には、調整が入ることが多いため、総務担当などに予め確認しておくと良いでしょう。

産休・育休とその間の給付金については一律基準となる割合が決められていますが、産休・育休の申請のし易さや、給付金の基準となる基本給は各医療施設によってかなり差があります。

転職の際には提示された給与の額面にとらわれず、基本給に注目することで、将来的な後悔を避けられます。

いずれ子どもが欲しいと考えているのであれば、産休・育休の取得状態や復帰時の配慮についても、チェックポイントのひとつとなりそうです。

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