救急外来・救命救急センターで働く看護師の業務内容と収入の実態は?

救急外来で働く看護師
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救急の現場といえば、ドラマや映画で緊迫したシーンが思いつきます。

救急スタッフがてきぱきと医師の指示に従って動き、命を救うために最大限の努力を払うイメージが定着していますが、看護師にとっての救急外来や救命救急センターは実際にはどのような職場なのでしょうか。

ここでは救急医療の種類やそこで働く看護師の役割、収入、スキルなどについて解説していきます。

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救急外来、救命救急センターとは

救急外来の役割

救急外来は病気の急変やケガなど、通常の病院治療の対応では間に合わない緊急性の高い症状を扱う外来のことです。

救急医療には、入院や手術が必要な一次救急(初期救急)、入院や手術が必要な二次救急、一次・二次救急では対応できない重篤な患者に対応する三次救急があります。

3段階の救急医療体制の定義は以下のとおりです。

一次救急
帰宅可能な軽症患者に対する救急医療
二次救急
入院治療を必要とする重症患者に対する救急医療
三次救急
高度処置が必要な重症患者に対する救急医療

救急指定病院の中にも一次救急指定病院、二次救急指定病院、三次指定救急病院といった分類があり、三次救急指定病院が救命救急センターや高度救命救急センターに該当します。

救命救急センターとは

救命救急センターは24時間体制で重篤な救急患者を受け入れる医療施設で、救命措置高度な医療の提供を行っています。

近年、地域によってはドクターヘリを導入するなど、救急医療の整備はさらに進んでいます。

現在、救命救急センター(三次救急指定病院)は全国に250ヵ所あまり(2016年8月時点)設置されています。

現在は人口50万人あたり、およそ1ヵ所整備され、人口比に合わせ全国各地に救命救急センターが置かれています。

大学病院の多くには、救命救急センターが併設されています。

救命救急センターは、内科系と外科系に分けられ、さらに救急外来、手術室、ICU・ACUなどの担当部署があります。

各部署には規定の数の看護師が配置され、医師の指示のもと診療の補助や処置を行っています。

救急外来、救命救急センターで働く看護師の業務内容

幅広い医療知識と看護ケアをもとに臨機応変に対応する

救命救急センターは急性期の患者を対象にしているため、さまざまな疾患を診なければなりません。

特定の診療科の患者だけを診察するわけではないため、現場で働く看護師には幅広い医療知識が求められます。

また救命救急に運ばれてくる患者の家族は突然のことで動揺していることが多いため、患者の家族の精神的なケアも重要な仕事になります。

そうした意味では、救命救急は医療技術や知識をフルに活用できる職場です。

救命救急は24時間体制の医療施設のため、看護師もオンコール体制で待機する必要があります。

生命の危機にある患者が搬送されてくることも多く、一刻を争う事態の中で看護師には正確かつスピーディーな医療処置が求められます。

冷静に状況を見極めながら、医師や他の看護師と連携し迅速で的確な対応をしていきます。

看護師は新人でも優秀であれば救命救急センターに配属されることもあれば、経験を積んだ看護師が自ら志願して救命に転籍するケースもあります。

救命救急室の一日

ここではERと呼ばれる救命救急室で働く看護師の一日の例を見ていきましょう。

環境の整備や清掃をして一日がスタート

出勤して最初に行うのが、環境の整備と清掃です。すべてが手際よく行われるよう、備品の確認をしあるべき場所に配置します。

常に新しい患者やその家族が訪れるので、清潔な環境を維持するために清掃と消毒を徹底します。

トランシーバーの稼働状態を確認

ERではトランシーバーを常備するのが一般的です。災害や大事故で救急搬送があった場合、全スタッフに召集がかかることがあります。

離れた場所にいてもすぐに状況確認ができるように、看護師もトランシーバーを携帯しています。

業務中に不具合が出ないよう、朝のうちにトランシーバーで稼働状態を確認し合います。

申し送り

夜勤スタッフから日勤スタッフへの申し送りを行います。

ERでは急変する患者も多く、また数多くの検査が行われます。

搬送・来院した患者と夜間の状態、付き添いの家族の様子、今後行われる治療方針などについて、データを見ながら情報を共有します。

初療室担当の看護師業務

救急搬送された患者に対してバイタルサインのチェック、主訴の聞き取りを行い、トリアージ(治療や搬送の優先順位の決定)します。

医師の指示に従い必要な処置を行ったり、検査が必要な場合には各検査室へ誘導したりします。

看護部で働く看護師の業務内容

看護部ではベッドコントロールが行われます。

ICUやECU、救命病棟、各病棟の空床状況を確認し、入院調整を行います。

救命病棟から一般の病棟へ移動する場合には、病棟の看護師に患者の情報を申し送ります。

デブリーフィング

デブリーフィングは、救命救急活動でその日行われたことについて情報共有し、改善点などを確認する作業です。

スーパーバイザー医師やリーダー看護師、救命士、医事課職員などが参加し、そこでまとめられた内容を、担当看護師が他の救命センターの全スタッフに申し送ります。

夜勤への申し送りと看護部への報告

日勤スタッフは夜勤スタッフに対して、患者の看護についての申し送りを行います。また、看護部へ救命救急で運ばれた患者に関する報告を行います。

救急外来、救命救急センターで身につくスキル

マルチなスキルを身につけられる

救急外来、救命救急センターに運び込まれたり訪れたりする患者の症状は、当然ながら一つの診療科に定まっていません。

例えば交通事故による多発外傷では整形外科、脳卒中・脳出血であれば脳神経外科、急性心筋梗塞なら循環器というように、あらゆる診療科の患者を扱い、その緊急対応を経験していきます。

毎日さまざまな症例と接するたびにフィジカルアセスメントが深まり、自然に質の高い看護ができるようになります。

救命看護を経験することによって、さまざまな診療科の知識・技術を学び、スキルを身につけることができます。

救命救急では、全国各地にある病院は均一の処置が行われるよう、医療の標準化が実践されています。

そこで働くスタッフに対しては勉強会が随時開催され、新たな臨床例がフィードバックされています。

他の診療科以上に研修が充実しており、救命救急の看護師は経験が浅くても早期のうちに救命看護の基礎技術を体得していきます。

人工呼吸器など医療機器の扱いはもちろん気道確保、呼吸管理など、命に関わるさまざまなスキルを現場で得ることができます。

冷静な判断力と実行力

救急外来、救命救急センターでは、ぼんやりと考え込むような暇はありません。

医師の指示のもとの医療行為はもちろんですが、独自の判断を迫られる場面もしばしばあります。

自分の立ち位置から患者を支える箇所、症状の報告の仕方など、冷静な判断力と迷いのない実行力が求められます。

救急外来、救命救急センターは、命を救うための緊急かつ重要なの医療現場です。

そこで培われた看護ケアのスキルは、どこの医療現場に行っても歓迎されるものとなるでしょう。

救急外来、救命救急センターの看護師の収入

救命救急勤務看護師の年収

厳しいながらも働きがいのある救急外来、救命救急センターですが、気になるのはそこで働く看護師の収入事情ですね。

救急外来、救命救急センターの看護師は一般的にはやや高めの収入を得ているようです。

救命救急における看護師の給料は諸手当を含めて平均して30~40万円といわれており、年収にすると450~600万円程度が相場のようです。

特徴としては基本給が高く、新卒の看護師でも他の科と比較すると初任給は高めに設定されています。

一般的に考えて決して低い給与水準ではありませんが、医療現場にいる看護師だけではフォローしきれない場合に、当直以外でもオンコールによる急な呼び出しなどに対応しなくてはなりません。

またICUなどでは夜勤回数に制限がないので、夜勤手当がかなり加算されている看護師も少なくありません。

救命救急勤務の看護師の待遇例

救命救急は非常にハードで精神的にも肉体的にもタフな看護師でなければ務まらない部署といえます。

そのハードさゆえに待遇面でいろいろと配慮している医療機関も多く、それらが給与に反映されています。

例えば東京都板橋区の救命救急センターで30歳の救命救急勤務看護師の場合、年収は約500万円になっています。

勤務形態は3交替勤務、休日は4週8休制で昇給は年1回、賞与(ボーナス)が年2回支給されます。

その他に年末年始、創立記念日、夏季、慶弔、育児、産前産後、有給休暇などがあります。

この他の勤務地でも東京都文京区の救命救急センターの看護師は約500万円、岐阜県の救命救急センターでは600万円を超える年収になっています。

救急外来、救命救急センターで働くメリット

緊迫した状況の中でこそやりがいを感じる

救急外来や救命救急センターは、常に誰かが助けを求めに来る場所です。

毎日が異なる患者の対応となり、ルーティーンワークになる一日はほとんどありません。

緊張感あふれる現場には厳しさがありますが、自分が必要とされる現場であり、やりがいをもてることは間違いないでしょう。

看護師として役立っているという気持ちで満たされ、充実感のある毎日を送ることができるでしょう。

幅広い診療科のさまざまな看護スキルが身につく

救急外来や救命救急センターで行われる治療は固定された診療科のものではないので、看護師に求められるスキルも幅広く多彩です。

一人でいくつもの役割をこなさなければならない状況も多々あります。

どんな新人でも1年も経験すれば、エキスパートとして自信をもてるようになるでしょう。早期に成長と看護スキルの向上が望める、有意義な職場です。

瞬時に冷静な判断ができるようになる

救急医療はいつも一刻を争う状況の中、時間と闘いながらの治療が進められます。

感情に左右されることなく、常に冷静な対応ができる看護師となっていくでしょう。動揺せずに治療に集中できるのは、看護師にとって最大の強みとなります。

一分一秒を争う過酷な場所では、自身の力を信じ働いていける強さが育ちます。

強い達成感を得られる

患者が命の危機を脱したときほど、看護師が喜びを強く感じることはありません。看護師は仕事柄、患者の回復を見るととができるという立場にいます。

特に救急医療の現場では命の瀬戸際まで追い詰められた患者が、懸命な処置により劇的な回復を遂げるのを目の当たりにすることもしばしばです。

看護師としてのこのような体験は、業務へのモチベーションや向上心を支えてくれるに違いありません。

救急外来、救命救急センターの看護師求人

救急医療の現場で働くために

救急外来や救命救急センターで働く看護師に必要な資質は、とにかく勉強熱心であること、目の前のことに真摯に取り組めることがあります。

どんな看護師も、最初は想像以上の壮絶な現場で戸惑い、足手まといにならないようにすることで精いっぱいのはずです。

叱責を受けたり注意されたりしながら、一つ一つの仕事を自分のものにしていく辛抱強さが必要となります。

今日はダメだったけれど明日は必ずできるようになる、そんな前向きな気持ちをもった看護師でなければ命に関わる治療は任せられません。

救急外来や救命救急センターには、ひっきりなしに重症患者がやってきます。看護師業務は一般的に激務といわれますが、救急医療の現場ではさらに体力勝負となります。

体調管理はもちろん、どれほど忙しくても自分に負けない精神力の持ち主が職場には求められます。

救急看護師としてステップアップできる職場を選ぶ

救急医療の現場では日本中で均一な医療処置が行われるよう、勉強会などの制度が整備されています。

しかし現場になじむまでの教育制度は、病院によって違いがあります。

救急の看護師として働きたいのであれば、新人教育に加えて資格取得支援研修制度の有無などもあわせて確認しておきたいところです。

看護師のステップアップに力を入れている病院であれば、スタッフ全体の水準も高いと考えられます。

求人情報の待遇や条件をチェックするのはもちろん大切ですが、一次、二次、三次救急のいずれであっても、自分が救急医療の看護師として成長していける職場を選ぶべきでしょう。

転職の場合、ひと口に救急医療現場へといっても、職務内容は職場によってさまざまです。

応募前に確認しておきたい条件を準備するときには、看護師転職支援サイトの利用をおすすめします。

条件に合った病院を紹介してくれることに加え、その職場で行われている救急治療の詳細まで教えてくれます。

外側から見たイメージのみでの転職とならないよう、自身のスキルや資質に合った応募先を選ぶようにしましょう。

しっかりと情報収集を行い、救急看護師としてステップアップにつながる転職を果たしていきましょう。

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