[ 記事作成日時 : 2016年7月6日 ]
[ 最終更新日 : 2020年4月20日 ]

ツアーナースをやってみたい「仕事内容、給料、必要な経験は?」

ツアーナース

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「ツアーナース」とは、学校や企業の宿泊行事、個人や団体の旅行、イベントなどに看護師として同行し、参加者の健康管理や、突発的な病気やケガの初期対応を行う仕事です。

ツアーナースといえば「旅行が楽しめてお金がもらえる、一石二鳥な仕事」「医療行為が少なく、比較的楽な仕事」といったイメージが先行することがありますが、そうとも限りません。

「なんとなく楽しそう!」という動機だけでは、とても務まる仕事ではないようです。

では、具体的にどんな仕事なのでしょうか?

ツアーナースの求人の中でも、特に案件が多い「小中学校の宿泊行事」を中心に、仕事内容や条件、働くための方法などについてお伝えしていきます。

      
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ツアーナースとは

主な仕事は「旅行中の健康管理」

ツアーナースの役割は、参加者が健康な状態で旅行に参加し、学校行事の場合は、旅行を通して子どもたちが成長できるよう、健康面からサポートを行うことです。

そのために大切なのは、旅行中の健康管理です。具体的には、以下のような仕事を担います。

服薬管理

旅行の参加者の中には、アレルギー、ぜんそく、障害、心疾患、てんかん、腎臓病など、さまざまな持病を抱えている方がいます。

旅行中に服薬が必要な人もいるため、適切に服薬が行えるよう、旅行責任者と連携を取りながら管理を行います。

例えば、自己管理能力が未熟な小学生の場合は、ツアーナースが薬を預かり、適切なタイミングで適切な容量を渡し、飲むところを見届けるといった対応を行います。

健康状態の把握

参加者一人一人の健康状態が記載された書類に目を通し、体調が悪化する前に予防するのもツアーナースの大切な仕事です。シニアの旅行に同行する場合は持病がある方も多く、その種類も多岐にわたるため、一人ひとりに起こり得るリスクを想定し、変化の兆しを見逃さないよう注意が必要です。

学校の宿泊行事では、子どもたちは毎日決まった時間に検温し、配布された「健康カード」に記入して保健係や担任の先生に提出することもあるようです。その場合、回収された健康カードすべてに目を通すことで、日々の子どもたちの健康状態を把握します。

シニアの場合は、脈拍を測る時間を設けて体調をチェックすることもあります。

突発的な病気やケガの初期対応

旅行中の突発的な病気やケガの初期対応を行うのもツアーナースの仕事です。所見から疑われる病気を判断し、適切な看護処置を行い、病院を受診すべきかどうかの助言を行います。

感染症が疑われる場合は、感染拡大を防ぐための処置も欠かせません。また、体調不良だからといって休ませるだけでなく、旅行の行程を把握しながら、無理のない範囲で行事に参加できるよう体調を整えていく工夫も求められます。

ツアーナース1人の同行の場合、病院に付き添うか付き添わないか迷うところですね。病状によっては、問診表の記入や医師への説明が必要なため、ツアーナースが病院へ付き添うこともあります。

ただし、ほかのツアー参加者や生徒もいるため、ツアーナースが旅行行程から離れることを良しとしない場合もあります。重篤ではない場合、旅行責任者や養護の先生、担任の先生に病状を引き継ぎ、ツアーナースは残る場合もあります。

もし、病院への搬送が必要となった場合、どういう人員配置にするかも、事前の打ち合わせで決めておくといいでしょう。

食物アレルギーを持つ参加者の食事管理

食物アレルギーを持つ参加者の食事管理も、重要性が増している仕事です。

食物アレルギーの児童の食事に関しては、旅行責任者が事前に宿泊先と調整を行っていますが、普段と違う環境下では配食ミスが起きやすく、誤ってアレルゲンを摂取してしまう可能性が高まります。そんな事態を防ぐために、配膳前に食事内容をチェックするのもツアーナースの仕事です。万が一、アナフィラキシーショックが起きたときには、エピペンを使用したり、心肺蘇生を行ったりする場合もあります。

参考サイト:厚生労働省「アレルギー疾患の現状等」

その他

参加者の中には、さまざまな事情を抱えている方がいます。特に、子どもたちのツアーに同行するときは、友だちや先生には言えない悩みを打ち明けられることも少なくありません。ツアーナースが悩みの種を取り除くことはできませんが、参加者の方々の話に耳を傾け、心に寄り添い、安らぎを与えることは可能です。ツアーナースには、心の健康もケアする姿勢が求められます。

基本は「宿泊のともなう単発派遣」

ツアーナースの雇用形態は「宿泊のともなう単発派遣」が基本です。

宿泊がともなうからこそ、明確な業務時間はなく、体調不良者がいれば24時間体制で看病を行うこともあります。就寝前の服薬にも対応します。学校の宿泊行事に同行する場合は、小学校であれば1泊2日、中学校で2泊3日、高校では3泊4日の派遣が多いでしょう。子どもたちの就寝後に先生方とミーティング、そして入浴というのが一般的なスケジュールです。

夜尿症のお子さんを夜中に起こしトイレに連れていったり、なかなか寝付けない子どもの対応をしたりと、たとえ夜間であっても、気を抜くことはできません。

病棟看護師との違いは?

病棟看護師と違い、ツアーナースの現場では、医療従事者は自分一人だけというケースがほとんどです。まれに、2人以上のツアーナースが同行したり、養護教諭が同行したりすることもありますが、看護師一人が背負う責任は病棟看護師より重い傾向にあるといえます。

まず大前提として、医師の判断を仰ぐことはできません。医療知識を持つのは自分一人という状況の中で、患者の容体に対する初期対応を行う責任は、かなり重いものであるといえるでしょう。

例えば、食中毒や乗り物酔いなど、同時に複数の患者が出た場合は、どのような優先順位で対処を行うのか、自分一人で対応できない場合は、誰にどんなことを手伝ってもらうのか指示を出す必要もあります。

また、病院の受診が必要となる患者が出た場合、自分は他のツアー客に対応するため、別の人に付き添いをお願いすることになることも。その際も、感染症の疑いなどを考慮しつつ、付き添いの方が妊娠していないか等、あらゆるリスクを想定して指示を出さなければなりません。

さらに、限られた物品で対応することが求められるのもツアーナースの特徴です。用意された救急バッグの中には必要な物品がないことも多く、代用品で使えるものがないかなど、臨機応変な対応が必要となります。

同行先も山や海、街中など、病院とは全く異なる環境となります。初めて訪れた場所でも適切な看護を行う冷静さも求められます。

対処すべき病気やケガも多岐にわたるため、幅広い看護技術も必要です。

ツアーナースに必要な「経験と資格」

必要な実務経験

ツアーナースに、必ず必要とされるのは「看護師免許」です。必要な実務経験に明確な決まりはありませんが、案件によっては「看護師としての臨床経験が3年以上」といった条件が設けられている場合があります。

また、小中学校の宿泊行事に派遣されることが多いため、小児特有の疾患に対応できる「小児科」の経験や、突発的な病気やケガに対応できる「救急外来」「外科系」の実務経験があると安心です。

新卒や男性、准看護師もなれるの?

准看護師や男性看護師でもツアーナースを務めることは可能です。ただし、案件によっては「正看護師限定」「女性看護師限定」といった条件を設けている場合もありますので、求人票での確認が必要です。

ただし、特に条件を設けていない場合でも、新卒看護師や臨床経験の浅い看護師がツアーナースになるのは難しいでしょう。なぜなら、ツアーナースには医師がいない状況下でのとっさの判断力と幅広い看護技術が求められるためです。医療知識のない学校の先生や添乗員、スタッフに的確に指示を行うリーダーシップも求められます。

一般的には、看護師として一人前と見なされる「臨床経験3年以上」が、ツアーナースを務められるかどうかのひとつの目安となるでしょう。

持っていると役に立つ資格

「保健師」の資格を持っていると、採用の面で有利になる場合があります。

保健師になるためには、看護師の資格を取得後、保健師養成施設に通うか、看護師と保健師を統合したプログラムを提供している学校を卒業し、国家試験の受験資格を得る必要があります。そのうえで、試験に合格しなければ資格を得ることができないため、保健師の資格は看護師の上位資格にあたります。

ゆえに、保健師の資格を持っているの方がより安心と考えている先生や旅行責任者が多いため、採用につながりやすいと考えられていますまた、外国籍のお子さんが多い学校や、外国人向けのツアー旅行、海外旅行などに同行する場合は、英語の資格があると有利でしょう。

ツアーナースの仕事内容・タイムスケジュール

学校の行事は養護教諭や教師と連携

ツアーナースの仕事をするうえで、養護教諭や教師との連携は欠かせません。

お会いしたばかりの先生方とチームワークを発揮するためには、積極的にコミュニケーションを取る姿勢や、対話力、信頼できる立ち居振る舞いなどが重要です。

ツアーナースに対するクレームとして多いのは、コミュニケーション不足が原因によるものがほとんど。コミュニケーション能力を磨く努力は欠かせません。

ツアー前日までの流れ

ツアー前日までの流れは、以下の通りです。

求人募集

ツアーナースの求人は、派遣会社を通して紹介されるのが一般的です。早いものでは3、4カ月前から、急な案件では1、2週間前から募集が行われます。

問い合わせ

希望の案件に対して、応募の意思表示を行います。意思表示の方法は派遣会社の手順に準じてください。

決定

条件を満たした応募者の中から選ばれます。ツアーナースを多く経験していると、一度担当した学校やツアー会社から、逆指名をしてもらえる場合もあります。

指示書や行程表など、各種資料の送付

仕事が決定したら、派遣会社を通して業務指示書や行程表などの各種資料が送られてきます。指示書には学校への電話連絡指示や、学校との打ち合わせ日時、当日の業務内容などが記載されています。

打ち合わせ

当日を迎える前に、学校などツアー主催者と1回程度の打ち合わせを行います。直接学校やツアー会社などに出向いて行う場合と、電話で行う場合があります。

なお、打ち合わせの際は、以下について確認しておくとよいでしょう。

  • 旅の行程や持ち物
  • 特別に配慮が必要な児童の健康状態
  • 服薬の管理方法
  • 学校が用意する救護バッグの中身
  • 互いの連絡先
  • 当日の待ち合わせ場所と時間

ツアー当日のタイムスケジュール

ツアー当日のタイムスケジュールとして、宿泊がともなう学校行事に同行した場合の一例をご紹介しましょう。

時間 流れ 看護師の動き
7:00 集合 ・学校に指定された場所に集合する(時間厳守!)
・先生や児童にご挨拶(第一印象が大切。笑顔で!)
・児童の所見や健康カードを元に健康状態をチェック
・救急バッグを受け取り、中身を確認
・乗り物酔いしやすい児童が酔い止めを持参している場合は、このタイミングで飲んでもらう
移動・トイレ休憩 ・乗り物酔いをしやすい児童を、なるべく前の方の席に座らせて、近くの席で様子を見守る
・エチケット袋などをすぐ出せるように準備しておく
・しおりを読み込み、ケガや体調不良者が出そうな行程を把握する
・児童の持病や、持参した服薬に関して不明点があれば、その場で調べて勉強する
・パーキングでは、児童に危険がないよう周囲の状況に注意しながら先生の誘導をフォローする
10:30 目的地到着 ・児童と一緒に行程に参加したり、バスやホテルで待機したり、先生や旅行責任者の指示に準じて、いつでも看護できるよう体制を整える
・児童の様子に常に気を配り、健康状態のアセスメントを行う
12:00 昼食 ・服薬を行う児童が適切に服薬できるよう管理する
・食物アレルギーを持つ児童の食事を事前にチェックする
13:00 移動・トイレ休憩 前出「移動・トイレ休憩」参照
17:00 宿泊先に到着 ・看護部屋の確認と準備
・宿泊先に常駐の看護師がいる場合はご挨拶を行い、児童の健康状態について申し送りする
・看護に使用できる宿泊先の物品を確認する
・周辺の病院を確認する
18:00 夕食 前出「昼食」参照
19:00 夜のレクリエーション ・児童と一緒に行程に参加するか、宿の看護部屋で待機する
・体調不良の児童がいる場合は、看護部屋で看病を行う
20:00 入浴 ・風呂場で監視を行うか、看護部屋で待機する
・体調不良の児童がいる場合は、看護部屋で看病を行う
21:00 就寝準備 ・夜の検温結果を健康カードに記入してもらい、児童の健康状態を把握する
・体温が37.5度以上の児童は再検温を行い、要観察の場合は看護部屋に移動してもらう
・眼前薬の服薬管理を行う
・体調不良の児童がいる場合は、看護部屋で看病を行う
22:00 職員会議 ・要観察の児童の健康状態を報告する
・施設の常任看護師がいる場合は、就寝後の対応をお願いするため、児童の健康状態の申し送りを行う
23:00 児童の部屋の巡回 ・眠れない児童や、体調不良の児童がいないか観察する
24:00 入浴、就寝 ・入浴を済ませて看護部屋で就寝する
・体調不良の児童がいる場合は、看護を行う
・寝る前に日報を記載する(後日、派遣会社に提出)
翌朝 起床~出発前 ・朝の検温結果を健康カードに記入してもらい、児童の健康状態を把握する
2日目 旅の疲れで体調を崩しやすくなるため、児童の体調変化に注意する

参考サイト:
MCナースネット「ツアーナースのお仕事とは?」
看護roo!「ツアーナースってどんなタイムテーブルで行動してる?|ツアーナースのつれづれ日誌【7】」

ツアーナースの服装・持ち物

ツアーナースの服装は、旅行参加者と同様、ツアーの行程に合った私服で問題ありません。

ただし、持ち物には注意が必要です。なぜなら、ツアー中の応急処置においては基本、ツアー主催者や先生が持参した救急バッグのものしか使うことができないため、必要なものがそろっていないと看護に支障をきたすからです。あらかじめ、救急バッグの中に以下の物品を入れてもらえるよう、事前の打ち合わせなどで必要なものの用意をお願いするとよいでしょう。

□使い捨てのビニール手袋□ビニール袋□マスク□傷を洗うための水のペットボトル□傷を圧迫するためのガーゼ、ティッシュ、タオル□体温計□災害時用ブランケット

それに加え、以下の持ち物を持参しておくと安心です。

  • 上記リストの中で、救急バッグに入れてもらえなかった物品
  • 秒単位で時間が計れる時計
  • メモ帳とボールペン
  • 聴診器
  • レインコート
  • スマートフォン
  • スマートフォン用のモバイルバッテリー

その他、各ツアーの特徴や行程に合わせて必要となりそうな持ち物を持参してください。例えば、林間学校や臨海学校の場合は、日焼け止めやサンダル、虫よけスプレー、レジャーシートなどを持参するとよいでしょう。

ツアー中によくある病気・ケガ、その応急処置

ツアー中によくある病気やケガ、その応急処置や対処法は次の通りです。

発熱

意識、呼吸、脈拍が安定しているときは、クーリングしながら安静にして様子を見ますが、以下の症状が見られるときは、病院の受診を検討してください。

  • 38.5度以上の発熱
  • 意識がはっきりしない
  • 呼吸が安定しない、息ができない
  • 下痢や嘔吐が続く
  • 水分が取れない
  • 体に激痛がある
  • 安静にしていても症状が改善されない

せき、鼻水、頭痛、腹痛

意識、呼吸、脈拍が安定しているときは、安静にして様子を見ますが、なかなか症状が改善されない場合や、激痛がある場合は、受診を検討してください。

嘔吐(おうと)、はき気、下痢

意識、呼吸、脈拍が安定しているときは、脱水症状にならないよう水分を一口ずつこまめに補給しながら、安静にして様子を見ます。

症状が続く、血が混ざる、便が黒い、水分が取れない、その他の病気の兆候がある場合は、受診を検討しましょう。

外傷

基本的に消毒対応は行いません。消毒により、逆に傷の治りが遅くなる可能性があるからです。応急処置としては、流水で泥や砂を洗い流し、被覆材やラップなどで保護します。

歩行や動作に支障が出る場合は、受診を検討しましょう。頭部外傷、頸部外傷、腹部打撲、多量の出血がある場合は、早急に救急車を要請します。

やけど

やけどをしたときは、早急に原因を取り除き、水道水やぬれたタオルで冷やします。氷や氷水は皮膚にダメージを与えるので、使用を避けます。

患部に水ぶくれが発生した場合は、早めに受診するようにしましょう。

いずれにせよ、看護師の判断で薬を処方することはできません。病院を受診する際も、看護師の助言をもとに旅行責任者が最終決定を行います。

医療従事者が看護師のみとはいえ「保健師助産師看護師法」の業務範囲を超えた処置はNGです。

参考サイト:看護roo!「ツアーナースのつれづれ日誌」

ツアーナースの給料や必要経費は?

ツアーナース「お給料の仕組み」

ツアーナースの給料は、仲介する派遣会社から支払われます。大抵の場合、「日給」×「添乗日数分」の報酬という形で支払われ、時給や月給制はほとんどありません。

ツアーナースの平均日給・時給

ツアーナースの給料は、その責任の重さや業務時間を考えると、決して高いものではありません。

求人サイトに掲載されているツアーナースの案件を例として、いくつかピックアップしてみました。

期間 内容 資格 行先 日給等
1泊2日 神奈川県内小学校の修学旅行と野外活動の付添 看護師。准看護師や男性看護師も可能な行程もあり 日光 日給13,000円+交通費は別途支給※
4泊5日 移動教室 ・正看護師
・准看護師
各地 日給13,000円+交通費全額支給
3泊4日 修学旅行 ・正看護師
・准看護師
各地 日給12,000円+交通費全額支給

見ていただくとわかる通り、ツアーナースの平均日給は12,000円~15,000円が相場です。状況によっては24時間体制で業務を行うため、時給換算すると最低賃金を下回ることもあるようです。

看護職責任賠償保険の加入

ツアーナースに限らず、看護師が患者から訴えられる事案が増加しています。病院勤務の看護師の場合、事故の内容によっては病院が加入している賠償責任保険で守ってもらえる可能性があります。

しかし、個人で活動することになるツアーナースの場合、自分の身を守るために個人で保険に入っておくと安心です。個人で加入できる看護職責任賠償保険なら、医療事故だけではなく、患者の持ち物の紛失や破損、患者の名誉棄損に対する損害賠償なども保障されます。

事故を防ぐためには、看護師自身の自己研鑽が何よりも重要ですが、万が一のときに備え、加入しておきましょう。

「看護職責任賠償保険」は、、日本看護協会会員や日本看護学校協議会共済会会員専用の公的なものから民間の保険会社が提供するものまで、さまざまな種類があり、掛け金や保障範囲も異なります。

詳しくは「看護職賠償責任保険「加入すべき?」手続きや更新、掛け金、賠償内容は?」をご参照ください。

ツアーナースのメリットとデメリット

メリット1.自分の予定に合わせて仕事ができる

ツアーナースは数日間の単発派遣であるため、自分の予定に合わせて仕事を入れることが可能です。

例えば、夫の扶養の範囲内で家事や育児と調整しながら働きたい場合や、他の仕事とWワークをしたい場合、次の職場を探す間のつなぎとして働きたい場合など、自分の都合に合わせて仕事を調整できる点が魅力です。

メリット2.仕事をしながら旅行ができる

旅行気分が味わえるのも、ツアーナースのメリットです。

さまざまな観光地に行くことができたり、参加者と一緒にさまざまな体験をしたり。毎日同じ病院で勤務を行う病棟看護師と違い、ツアーナースにとっては日本各地が仕事場となります。とはいえ、常に参加者の健康状態を観察し、アセスメントを行う必要があるため、期待していたよりも旅行を楽しむ余裕がなかったという声もあります。

また、参加者が観光している間は、バスや宿で待機という案件もあります。あくまでも旅行の主役は参加者であり、看護師は参加者が楽しめるようサポートする裏方であることを忘れないことが肝心です。

メリット3.人間関係にわずらわされない

ツアーナースは人間関係に悩まされ続けるということがありません。もちろん、初対面の参加者の方々と全力で良好な関係を築く努力は必要ですが、どんなに苦手な人がいたとしても、数日間の付き合いで終わります。

毎回、新たな人との出会いがある点も魅力です。さまざまな背景を持つ参加者と会話を交わす中で、知らなかった情報や知識を教えてもらえることも多々あります。狭い人間関係にとどまらず、たくさんの人と出会うことで刺激が欲しい方にとっては、魅力的な環境でしょう。

デメリット1.繁忙期と閑散期がある

ツアーナースの求人は、小中学校の宿泊行事が多い「5~6月」「9~11月」「長期休み期間」に集中しています。また、ツアーナースは人気求人のため、募集後すぐに埋まってしまうことも多々あります。定期的に仕事を得ることができないため、毎月安定した収入を得るのは難しいでしょう。

デメリット2.給料が安い

ツアーナースの給料は、前述したように平均日給が12,000円~15,000円と、決して高いものではありません。そのため、他の仕事と兼業している人もたくさんいます。

収入面に関していえば、ツアーナースだからこそ得られるメリットも報酬の一つと考えられなければ、モチベーションの維持が難しいかもしれません。

デメリット3.責任が重い

ツアーナースの現場では、医療従事者はツアーナースのみというケースがほとんどです。頼れる医師や看護師がいない中、多くの参加者の命を預かるというプレッシャーは大きく、看護師一人が背負う責任は重大です。初期対応を誤れば、取り返しのつかない事態に発展してしまうこともあります。

自分の看護師としての経験に自信を持つことができるだけでなく、過信しすぎることなく、常に学ぶ姿勢を持ち続けることができる人でなければ担えない仕事かもしれません。

ツアーナース求人の探し方

ツアーナースの求人は、看護系の派遣会社に登録し、派遣会社を通して紹介してもらうのが一般的です。ただし、看護系専門ではない普通のアルバイト求人サイトでも、募集されることがあるため、数社の派遣会社に登録しつつ、下記のサイトをチェックするとよいでしょう。

▼ツアーナースの案件が多い派遣企業はコチラ。

MCナースネット

▼掲載数は少ないですが、以下のサイトにもツアーナースの求人が掲載されています。

なお、募集要項を見る際は、以下の点に注意しましょう。

  • 事前打ち合わせの交通費や日当は支給されるか
  • 自宅から集合・解散場所までの交通費は支給されるか
  • 行程中の参観料や入場料、食費などの経費が自己負担になるかどうか

また、未経験の場合は、以下のような案件から始めると安心です。

  • ツアーナースが2人以上同行する案件
  • 養護教諭が同行する案件
  • 比較的ケガが少ないと予想される修学旅行・学習旅行への同行
  • 自己管理能力が高い、中高生の宿泊行事への同行

以上、ツアーナースの仕事について詳しくお伝えしてきました。

まとめ

ツアーナースの仕事は、気軽な気持ちで担えるほど楽な仕事ではありません。とはいえ、子どもたちが成長する姿を見守ることができたり、旅行気分が味わえたりと、やりがいも大きい仕事です。

自分に合う仕事なのか、しっかり見極めた上で、挑戦してみてくださいね。

※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。