精神科で働く看護師の役割とは?気になる労働環境や収入まで詳しく解説

看護師の平均年収と比較 精神科勤務の看護師の年収
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身体の不調の回復を目的とする一般科と比べ、精神科には特殊なイメージがあります。目に見えない心に対して、精神科で働く看護師はどのような役割を果たすのでしょうか。

精神科の仕事に関しては、楽だという意見も逆に厳しいという意見も聞かれます。看護師の性格による向き不向きが大きいようですが、実際のところはどうなのでしょうか。

転職先の候補とする上では、収入面や働く環境も気になります。看護師の職場としての精神科について、詳しく解説していきます。

精神科とは

精神科の診察で行われること

精神科は文字通り、フィジカル面の疾患ではなく心の不調を扱う診療科です。

扱う症状は幅広く、軽い不眠症状から幻覚妄想などにより拘束を必要とされる患者までさまざまです。

精神科では問診や検査などから、精神の病なのか性格や周辺環境による症状なのかを見極め、患者に合うと想定される治療プランを作成します。

例えば、休養が必要と思われる場合には、診断書を発行して休職を促します。また、症状によっては薬を処方したり、定期的なカウンセリングを実施したりします。

ときには家族を含めた患者を取り巻く人間関係に介入することもあります。回復に必要な生活が自宅で困難であれば、入院治療を指示します。

このように精神科で扱うのは、メンタル面ですが、基本的にはほかの診療科と同じような流れをたどります。

ただ基本的には薬物療法や生活療法、精神療法などを併用し、外科的な治療をすることはありません。

脳波測定などの検査については、脳腫瘍などのほかの病気が疑われるときに実施されます。

意外なことですが、精神科では身体的検査や、脳そのものに対する検査を行うのは珍しくありません。

精神科はチーム医療

精神的な疾患を治療するためには、医師ひとりだけではなくチーム力が必要です。

例えば、仕事ができなくなった患者に対して、社会経済的な援助をとりつける際には、専門家であるケースワーカーと連携します。

また、心理検査やカウンセリングなど心理学的な介入については、心理士の助けが必要です。時には作業療法士によるリハビリテーションや、指導や評価をも行われます。

こうしたチーム医療の中で、特に必要とされるのは看護師です。病棟、外来を問わず、実際の治療の現場では看護師が大きな役割を担います。

精神科、神経科、精神神経科、心療内科、神経内科の違い

精神科のほかにも、メンタルに関連する診療科名は複数あります。

「神経科」「精神神経科」は「精神科」と同じものです。うつ病や統合失調症、神経症性障害など、いわゆる心の病気として知られているもの全般を扱います。

これに対して「心療内科」は、基本的には「心身症」的な症例をメインとしています。心理的な要因により胃潰瘍や気管支喘息など、身体の症状が発生している患者を扱います。

しかし実際には、「心療内科」として看板を上げていても、精神科と同様の病気を扱うケースが多く見られます。

この場合でも、精神科のように精神の病を全般的に扱うのではなく、軽いうつ病や神経症性障害などのみ診療するといったことが多いようです。

「神経内科」は、本来、神経、脳や脊髄、筋肉の病気から症状が現れるパーキンソン病や脳梗塞、手足の麻痺や震えなどを診療します。精神科と違い、心の病を専門としているわけではありません。

しかしこちらも実際には、心の病気も含めた診療を行っていたりするところもあります。

また高齢化により深刻化している認知症や、脳の障害が原因であるてんかんなどは、精神科でも神経内科でも診療対象としています。

精神科で働く看護師の業務内容

精神科の看護師の役割

身体的な治療を主とする内科や外科とは異なり、「心・精神」の疾患治療を目的としています。

扱う病状としては、統合失調症やうつ病、拒食症・過食症、PTSD、パニック障害、アルコール・薬物依存症や老人性痴呆などの幅広い病気があります。

せん妄や幻聴・幻覚など意思疎通を図るのが難しい患者ばかりと考えがちですが、看護師が会話をするのは投薬治療によって落ち着いた状態の患者がほとんどです。

精神科看護師のおもな業務として、一般の診療科のような医療行為はそれほど多くなく、服薬の管理や状態の観察です。

まれに精神疾患に加え身体合併症がある患者に対しては、注射や点滴などの継続した医療行為を行うこともあります。

精神科看護師のもっとも大きな役割は、精神的なサポートであると言えます。患者の心に寄り添い、安心感をもたせながら本人の気持ちを治療に向かわせ、症状改善を促します。

また精神疾患を患う患者本人のほかに、家族の相談にのったり生活指導を行ったりする役割を果たします。

精神科看護師の具体的な仕事内容

看護師の主な業務内容としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 診察介助
  • 患者の観察
  • 検査業務
  • 医療処置
  • 患者への生活指導
  • 家族への説明や指導

患者の症状によっては日常的なセルフケアがひとりでは困難な場合もあります。そうした患者に対しては、入浴や食事の介添えを行い、身の回りの世話をする必要があります。

精神科の看護師特有の業務としては、次のようなものがあります。

  • 薬物療法に使われる薬の管理(静脈注射や筋肉注射含む)
  • セルフケアの援助(入浴介助やひげ剃り・整髪など)
  • バイタルチェック(身体管理)

特に重要なのが、バイタルチェックです。精神症状が悪化すると意識障害を起こすこともあります。

また精神病患者は、糖尿病や心臓疾患などの合併症を発症する割合が高いと言われています。

患者の状態を冷静に観察し、少しの変化にもいち早く気づき、医師やその他のスタッフと共有する必要があります。

患者によってはうまく意思表示ができず、体調を明確に伝えられないこともあります。逆に看護師の気を引くために、かなりオーバーに主張するということもしばしばです。

看護師は患者ひとりひとりの症状を把握し、正しく察知しなければなりません。

精神科における看護師の役割としては技術的な処置よりも、精神疾患に対する深い理解患者の心のバランスを保つ対応力が求められます。

精神科病棟での看護師の一日の仕事の例としては、配薬、検温、必要であれば点滴などの処置を行います。そのほか、摘便・浣腸が必要となる患者もいます。

注射や点滴などの医療処置は、他の診療科のようにひんぱんではありません。精神科の看護師にとって重要な業務は、配薬と傾聴、排せつ管理です。

特に傾聴は精神科の看護師に要求される能力のひとつです。

精神を病み、他人からは計り知れない重圧やストレスに苛まれる患者を穏やかに受け止め、社会的な生きにくさを理解できる看護師こそが、精神科の治療を支えます。

ある意味、精神科の看護師は看護ケアの根源的な役割を、日常的に果たしているとも言えるでしょう。

精神科の看護師の業務では、医療行為についてのスキル向上を望むのは難しいと言えます。

しかし人間性を発揮し、患者と家族の精神的な支えになりながら治療に貢献するという役割には、大きな働きがいが得られることでしょう。

精神科の施設別の特徴と仕事内容

精神科に属する医療施設はさまざまな名称で存在しています。看護師の役割の基本は変わりませんが、同じ精神科でも対象となる患者さんの病状や看護が変わります。

主な医療施設について見ておきましょう。

急性期病棟の精神科
患者の入院期間が短く、急患や急変の患者対応が多い。そのため、精神科の中では処置を施すことが多く慢性期病棟に比べて忙しい。
慢性期病棟の精神科
入院患者が多い。患者としっかり向き合いたい看護師向き。
単科の精神科病院
精神科のみの精神病院で、入院施設が備えてある場合が多い。
総合病院の精神科病棟
精神科以外の診療科があり、その中で急性期と慢性期に分かれてる場合がある。身体合併症病棟精神疾患だけではなく身体疾患を患っている患者が対象。
精神症状のために意思疎通が難しく対応が困難。認知症病棟アルツハイマーや認知症患者で長期療養が必要な患者が多く、精神症状にしっかり対応できる看護師向き。
思春期専門病棟
基本的に3歳~17歳までが対象。発達障害、ひきこもり、うつ病など外来では対応しきれない症状の場合にのみ入院となる。
閉鎖病棟
病棟に鍵がかけられ管理されている。症状が重い患者が多い。
開放病棟
比較的症状が軽い患者が多く、病棟自体も他科と行き来可能。
デイケア
昼にグループ活動を通じて、目標や人との付き合い方に慣れるのが目的。
ナイトケア
夜に不安がある方や昼間に時間が取れない人が対象。
外来・外来作業療法
レクリエーションや話し合いなどで日常生活を送る際の不安に対処できるようにする。
訪問看護
精神的な疾患から外出できないや生活が困難な方が対象。基本的には訪問看護の業務内容と変わりはないが、精神面でのケアやチェックが必要。

精神科の職場環境

ブランクのある復職組にも人気の理由

精神科の看護師には、働く主婦が多いと言われています。しかもパートではなく、フルタイムで活躍している看護師は数多く存在します。

その理由としては一般的な精神科では残業がなく、定時での帰宅ができることがあります。

先にあったように、急性期病院の精神病棟など忙しい施設は別ですが、慢性期病棟や解放病棟ではほとんど残業が発生しません。

入院の受け入れは予約で行われるため、終業間際にバタつくということがありません。

もちろん緊急の手術や急変する患者もなく、申し送りや記録で時間を取られるという一般的な看護師にありがちな事態もまずないと言って良いでしょう。

精神科の人間関係

精神科スタッフの人間関係は、ほかの診療科と比較すると良好であることが多いようです。勤務体制にゆとりがあり、多忙のあまりギスギスするということはありません。

また傾聴と観察を業務の柱とする精神科では、対人関係が重視されます。お互いに話を聞く姿勢が確立されているため、対立関係に陥るのを避けられます。

精神科はチーム医療により、ひとりの患者を支えます。そうした業務の在り方も、人間関係に強く影響していると考えられます。

元より精神科を志望する看護師には、忍耐強く精神面で成熟しているタイプが多く、衝突を好みません。

また精神科は看護師業界では珍しく、男性の比率が高い診療科です。そうしたバランスも人間関係には良い方向に働いていると思われます。

精神科の看護師のスキルと適性

精神科の看護師に求められる資質

精神科に向く看護師とは、自身が精神的に確立し、安定しているタイプです。精神科の患者は、常に不安感を抱え、いつ精神的な崩落をするかわかりません。

そうした患者を前にして、看護師が対応に自信を失い、戸惑うようでは信頼が得られず、治療に支障をきたします。

自身に対してネガティブな感情をもたず、淡々と接しながらも相手を温かく理解できる性格であれば、患者の症状に飲み込まれずに使命を果たすことができます。

精神科の看護師に役立つ資格

精神科認定看護師

日本看護協会が認定し、精神科の看護領域において優れた看護能力、知識を有すると認められる看護師に与えられます。

精神科認定看護師教育課程を修了した上で認定審査に合格すると、資格を取得できます。受講条件は精神科看護師として5年以上の経験が必要です。

認定後は5年ごとに更新があります。

包括的暴力防止プログラム(CVPPP)トレーナー

精神科医療の現場における暴力に対し、専門的な知識、技術に基づいた包括的な対処技能の習得をしたものに与えられます。

看護師資格があれば受講でき、全日程(4日間)を終了した者に包括的暴力防止プログラム指導者認定規則に基づき修了証書が授与されます。

精神科で働く看護師の収入

精神科看護師の給料はどのくらい?

精神科看護師の給与額は、一般的な平均額と同等クラスと言われています。実際の求人情報から見てみましょう。

  • 一般病院精神科(常勤):手取り25万円~30万円(諸手当含む)
  • 一般病院精神科(パート):時給1500円~2000円
  • 個人開業医の精神科:月収20万円前後

精神科に勤務している看護師の給料は諸手当を含んだ手取りで25万円から30万円程となっており、一般的な看護師と大きな違いはないようです。

病院の中には他の部署よりも精神科の給料を高めに設定しているところもある一方で、入院施設を持たない個人開業医の精神科の場合は月収20万円前後と低めのケースもあります。

精神看護認定看護師などの資格を持っていると基本給が高くなったり、資格手当が別途支給されたりするケースもあります。

また、総合病院などの精神科では危険手当がつく場合もあります。

精神科勤務でのパートの時給は1500円から2000円程度で、病院によっては非常勤でもボーナス(賞与)を支給するところもあります。

精神科の看護師の年収と手当

精神科は比較的残業が少ないため、基本給と夜勤回数によって給与額が決まると考えて良いようです。

年収で見るとエリアや業態によって300~500万円と幅広く、ほかの診療科の看護師と同様と考えて良いでしょう。

中には東京都東村山市の精神病院のように、想定年収が500万円(経験10年モデル)以上というところや、個人経営の病院でも600万円以上の年収を提示している病院もあります。

慢性期病棟や開放病棟ではやや低め急性期病棟や閉鎖病棟のある病院では高めに提示される傾向が見られます。

精神科で支給される手当としては、精神科認定看護師などの資格に対する手当は病院にもよりますが平均3,000円~5,000円程度です。

そのほか、患者対応に関して危険手当を支給しているところもあります。相場としては、5,000円~1万円程度で、特別手当という名称となっている場合もあります。

収入面から見た場合、精神科の看護師は可もなく、不可もなくといったところですが、労働環境的には残業が少ないという点がメリットとなります。

給与面は別にしても、患者の心に寄り添い、観察と傾聴を続けながら回復へと促す精神科の看護師は、看護ケアの原点を感じる大きなやりがいのある仕事と言えるのではないででしょうか。

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