将来のために踏まえておきたい!男性看護師のキャリアと給与
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「男性看護師の給料ってどれくらいが平均的なんだろう?」
「女性が多い看護師業界で男性看護師に将来性があるんだろうか…。」
かつては「看護婦」という言葉が標準だったほど、看護職では女性が多数を占めていました。しかし最近では、男性看護師の存在感が次第に大きくなってきています。
まだまだ少数派ではありますが、医療現場における男性看護師への期待は増大傾向にあります。ここでは男性看護師の働く実情を見ながら、その将来性やステップアップの方法について考えてきます。
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男性看護師の動向と需要
男性看護師の動向と需要
男性看護師の人数は増えているものの、女性看護師より圧倒的に少ないのが現状です。
収入面の不安なども男性が看護師になるのを躊躇する原因となってしまっています。
厚生労働省が発表した2016年時点での調べによると、2015年末に就業していた看護師は114万9397人で、女性看護師は106万5204人、男性看護師は8万4193人とされています。人数だけの比較で見ると女性看護師の割合は約93%、男性看護師はわずか7%を占めているに過ぎず、相変わらず女性上位の業界であることがわかります。
しかし、男性看護師は2014年からの2年間で女性看護師の増加率を約2.6倍上回っており、1万人の増加を見せています。
雇用機会均等化を受けて男女の別なく「看護師」という名称に変わったのは、2002年ですが、それ以前にも「看護士」(女性看護師を指す「看護婦」に対して、男性の看護師を指す言葉)は古くから存在していました。
社会の変化、技術革新、医療現場の変容を受け、男性看護師の活躍の場が広がっています。
欧米先進国での男性看護師の割合が10%を超えることから見ても、今後、国内での男性看護師を目指す人が増え続けることが予測されます。
男性看護師に対するニーズは急上昇
厚生労働省による「医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の中では、「男性看護師の活躍の場の拡大による、看護師の働き方の多様化」が述べられています。その中の調査によると、「男性看護師を増やしたいと思うか」というアンケートで75%が「増やした方がよいと思う」と回答しています。
男性看護師に期待される役割としては、
- 女性とは違う視点からのケア
- 長期就業
- 女性とは違う視点からのケア
などが挙げられており、男性看護師が入職することに対して、さまざまな期待を寄せられていることがわかります。
男性看護師の配置が多い診療科は、順に内科系病棟、混合病棟、手術室、集中治療室、外科系病棟、精神科病棟、整形外科病棟、救急外来となっており、すでに幅広い分野での男性看護師の活躍が見られます。
男性看護師の収入は?

男性看護師の年収が女性看護師をやや上回る
厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」では、看護師の平均年収は478万2700円でした。男女別で見ると、次のような金額となっています。
男性(平均年齢36.0歳)
平均年収:489万4200円
平均月収:33万9400円
平均賞与:82万1400円
女性(平均年齢39.6歳)
平均年収:477万1100円
平均月収:33万1100円
平均賞与:79万7600円
男性看護師が女性看護師をわずかに上回っていますが、これは絶対数の違いや働く病院の規模、年齢層によるものと考えられます。
全体で10%に満たない男性看護師は、働く場所が比較的大規模な総合病院に限られていること、また男性看護師本格参入からの年数が浅いため、年代層が若いことなどが背景として挙げられます。
大病院で働く若くて体力もある男性看護師は、夜勤などの手当が多くなり、トータルでの給与が高くなります。女性と比較して家庭生活との両立でのロスが少なく、上昇志向が高いため、積極的に資格取得を目指す傾向があることも影響していると考えられます。
同じ年代のサラリーマンと比較すると、年収的にはかなり高めですが、それだけ責任が重く過酷な職場であることも否定できません。
男性看護師の収入の伸びは?
一般的な企業で働く50歳の平均年収は、企業規模やエリアに左右されますが、510万円~570万円といったところが相場です。
男性看護師の場合、50代では570~620万円前後となるため、社会全体からみても低い収入ではありません。定年間際では女性看護師と比較して100万円ほど高くなることから、管理職として重用される可能性が高いことが推測されます。
看護師の場合もほかの職種と同様に首都圏と地方の違い、施設規模の違いが収入に大きく反映されます。男性看護師の受け入れが進んでいるのは、大都市圏の大規模病院が中心です。そうした病院勤務の場合、勤めあげる年数に従って着実に年収アップが可能となるでしょう。
期待される役割の中に「スタッフ間の潤滑油的役割」とあったように、女性が多い看護師の職場では人間関係のトラブルが発生しがちですが、理論的な説明がうまく、効率的な働き方のできる男性看護師に対しリーダー的な要素を期待されるのかもしれません。
医療の現場を知り、知識と経験を蓄えた男性看護師であれば、かなりの高収入を狙うことが可能であるといえるでしょう。
男性看護師キャリアアップへの道筋

働く最適な場所を見つけよう
女性優位の看護職の中で、男性看護師がキャリアアップを図ろうとする場合には、働く場所の見極めが重要となります。
女性看護師であれば難なく受け入れられる診療科でも、男性の場合には何かと抵抗を感じることもあります。先にもあったように、男性看護師の受け入れが進んでいるのは、大都市圏の総合病院等が多く、地方ではなかなか活躍の場が得られないのが実情です。
診療科によっても男性看護師のニーズに違いがあるので、十分にリサーチを行いキャリアアップできる可能性を探りながら、自身のキャリアデザインをしていきましょう。
就業条件で注意するポイントは、基本給の額です。求人情報などでは月額の給与を示していることが多いのですが、手当を含んだ金額を提示することがほとんどです。
同じ月額であっても、基本給が少ないとボーナスや諸手当の換算が低くなります。月額が同じで基本給が安いということは、それだけ夜勤や時間外が多く労働環境が厳しいとも考えられます。就業場所を探す際には、昇給の状況と合わせて基本給と月額給与のバランスをしっかりと確認するようにしましょう。
ニーズの高い診療科を選ぶ
続いて、男性看護師のニーズが高いと思われる診療科を見ていきましょう。
ICU・CCU
救命・生命維持装置を備え、患者の状態を常時監視する病室はICUやCCU、集中治療室とも呼ばれます。常に見守りが必要とされるため24時間のシフト制が敷かれ、容態の急変に対しての適切な処置が求められます。他の科よりも夜間看護が多い分、さまざまな手当てが支給されるのに加え、夜勤手当てが高く設定されています。
夜勤回数が多く、冷静な対処が必要とされるICU・CCUは男性看護師が活躍できる場所といえます。緊急対応スキルが身に付けられ、キャリアアップにも最適です。
手術室
手術室勤務は、手術の内容や看護スキル、オンコールの有無などでさまざまな違いがあります。男性看護師が勤務しやすい大規模病院では診療報酬の高い手術が比較的多く行われるため、給料も高くスキルアップの機会も得られます。基本的に夜勤や当直はありませんが、オンコール手当などがあり、一般病棟の勤務以上の給与となる可能性もあります。
脳神経外科や循環器科といった手術室では緊急性が高い手術を多く扱うこともあり、看護師にも高スキルが求められますが、年収も高い傾向にあります。
脳神経外科
脳神経外科では緊急性が高い疾患が多く、看護業務が多忙な上、長時間になる傾向があります。救急看護のスキルが求められる場面もしばしばあり、向上心の高い看護師にとってはやりがいのある診療科といえるでしょう。
循環器科
脳神経外科と並び、業務内容が難しく多忙な部署です。高い看護スキルと医療知識が必要となり、その分経験値として高い価値があります。夜勤や残業も多めな傾向があるため、技能と収入アップを目指す男性看護師に適した部署といえます。
精神科
急性期看護や精神科の救急看護を行っている病院では、男性看護師の需要が多く給料も高い傾向が見られます。一般病棟の精神科は、給与面でみればほかの診療科とあまり変わりはないようです。精神科では専門看護師や精神・神経関連の資格、技能を取得することで、将来的な待遇に大きな差が出てきます。
救急外来ER
勤務体系がハードで体力勝負の面があります。また、ドクターヘリに乗る機会が多いため、男性がやりがいを感じられる部署です。保険証を持たない外国人がかつぎこまれることもあり、多方面での知識が必要とされます。
介護福祉施設
介護施設は病院に比べると女性優位の度合いが低い職場です。男性の介護職員も多く、同じ男性同士として相談相手になることで、頼りにされます。組織を構成するうえでも、男性看護師がいることはメリットがあり、歓迎されています。
医療機関・施設にとって、男性看護師が配置されることによって「力仕事を頼める」「保安上で安心感がある」などのメリットを得られます。さらに、結婚しても子育てや家庭の事情で休むことが少ないので、管理者は男性看護師の方がシフトを組みやすく重宝される傾向があります。
男性看護師への抵抗が少ない新設施設
男性看護師が仕事を探す際には、新設施設がひとつのポイントになります。新設の病院は組織の体系がまだ十分に完成しておらず、男性看護師が転職してもなじみやすいという利点があります。さらに系列を多く持つ病院であれば、グループ内で異動ができるなどキャリアアップを目指す上でも何かと便利です。
また男性の看護師長や看護部長がいる病院であれば、具体的な前例が存在していることで、男性看護師だからというデメリットはほぼないと思われます。
役職システムが明確な組織をねらう
看護師としてのスキルやキャリア、能力が適切に評価される職場であれば、将来的な昇給やキャリアアップが期待できます。
看護師というプロの職業に対して、本来であれば男女の別をつける意味はありません。どの分野でも、男女の医師がいるのと同様に扱われてしかるべきです。看護師は女性、という意識は感情的な部分が大きく、古い体質の組織にはありがちな感覚です。
役職や昇格に関してのシステムが整備され、評価基準がきちんと公表されている病院であれば、男性看護師だからといって不当な扱いを受けることはありません。合理的な判断の下で、男女に関係なく働きの良い看護師が昇格していけるでしょう。
資格取得により専門性を高める
男性看護師に期待されるのは、ライフイベントによる中断がない長期雇用と、高い専門知識の保有です。
昇給や昇格、最終的な地位の獲得のためには、そのときどきで可能な専門的な知識や専門資格の取得が有効となります。
手術室や救急など、男性看護師ならではの働きができる分野は少なくありません。例えば救急看護の分野のスペシャリストとして、救急認定看護師や救急専門看護師といった資格があります。ドクターヘリに同乗して救急看護を行うフライトナースや災害時に現場に向かい、被災者の救急活動を行う救急看護師など、活動の場はさまざまです。さらに海外派遣されて災害救助に加わったり、現地で救急看護の教育指導をしたりするなど、国際的に活躍することも夢ではありません。
最良の就職先を探すために転職サイトを活用する
医療界でも男性看護師の活躍に大きな注目が集まっています。男性看護師の登場によって、患者のニーズに合わせた看護の幅の広がりや質の向上も期待されています。
しかし、現実には未だ看護師の9割は女性であり、男性看護師の受け入れ態勢が整っていない病院が多数を占めています。
男性看護師が十分に能力を発揮するためには、就職先の選定が最重要課題となります。
キャリアアップのポイントとなる内部システムの整備や、グループ施設の存在、男性看護師の前例の有無など、個人で調べようとしてもなかなか難しいものがあります。
そこでおすすめなのが、転職サイト・求人サイトの活用です。
転職サイトに登録することで、転職アドバイザーが必要な情報を提供してくれます。転職活動を進める上で必要となるノウハウの指導が受けられ、病院ごとにきめ細かな対策を立ててもらえます。
何よりも、女性優位の看護師業界において、精神的なサポートが得られるのはありがたいことです。自分が理想とする職場を探し出すのを最後までフォローしてくれるでしょう。
情報とサポートが必要だと感じたら、転職サイトへの登録を検討してみてはいかがでしょうか。
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