[ 記事作成日時 : 2015年4月3日 ]
[ 最終更新日 : 2020年6月21日 ]

eナースセンターは使えない?6つのサービスの実績と評判

eナースセンター

インターネットで日本全国の看護師求人情報を検索して応募ができるサイト「eナースセンター」。無料で利用でき、各自治体のナースセンターに出向かなくても応募ができる便利なサイトです。各都道府県の看護協会が運営している点で安心感がありますが、使い勝手はどうなのでしょう? eナースセンターの口コミや評判を参考に、転職活動をスムーズに進めるためのオススメ法をご紹介します。

eナースセンターとは?6つのサービス紹介

各都道府県に置かれている「ナースセンター」。これは、職業紹介を無料で行っている看護師向けのハローワークのような場所といえます。このサービスをインターネットで利用できるのが「eナースセンター」です。eナースセンターではおもに6つのサービスを無料で受けることができます。

サービス1.全国の求人情報が検索・閲覧できる

eナースセンターが取り扱っているのは、日本全国の求人情報。各都道府県に一つずつ設置されているナースセンターでは、その自治体の求人紹介が主ですが、eナースセンターなら自宅にいながらにして全国各地の求人情報を探すことができます。パソコンだけではなく、スマホからも利用可能です。

サービス2.全国の求人情報を紹介

eナースセンターには、看護職を求めている施設からの情報が集まります。施設がeナースセンターに直接求人情報を登録することができ、民間の職業紹介サービスとは違って求人情報の掲載料や採用した際の報酬を施設側が支払う必要がありません。人材採用にかかる経費を抑えられることから、eナースセンターには多くの求人情報が集まっているといえるでしょう。

サービス3.求人施設への紹介応募に対応

求職者に代わって、eナースセンターが施設に問い合わせや応募をしてくれます。働きながら転職先を探している多忙な人や、やりとりが苦手な人にとって便利なサービスです。
もちろん、eナースセンターを通さずにサイトから施設に直接問い合わせをすることも可能です。

サービス4.求職活動のサポート

1週間に一度、日曜日の夜にeナースセンターのサイト上で求職者と求人施設の自動マッチングを実施。その結果はメールで受け取ったり、サイトで確認したりすることができます。
登録時に希望条件を入力しておくことで自動的におすすめの求人を紹介してくれるので、忙しい人は重宝しそう。もちろん、自分で検索することもできます。

また、自分の情報を施設側に公開設定することで、サイトを通じて求人施設から直接のオファーを受け取ることもできます。

サービス5.看護学校や奨学金などの情報提供

就業中の看護師だけではなく、ナースの卵へのサポートも行っています。看護師、保健師、助産師として働くために必要な資格や、その資格が取得できる学校の情報を掲載。さらに、奨学金の情報も得ることができます。学生だけではなく、キャリアアップを目指す看護職を対象とした奨学金制度もあるようです。

サービス6.離職時の情報提供「とどけるん」

平成27年に施行された「看護師等の人材確保の促進に関する法律」の改正により、看護師、准看護師、保健師、助産師の免許をもっていながらその仕事に就いていない人はナースセンターに届け出ることが努力義務となりました。この手続きを行うのが、インターネットサイト「とどけるん」です。

「とどけるん」に登録する際、「eナースセンター」の利用登録を同時にすませることもできます。よって、看護職への復帰を考えてeナースセンターを利用するのなら、先に「とどけるん」への登録をすませるのがおすすめ。一度に登録がすむだけでなく、「とどけるん」で発行されたIDでeナースセンターのサービスを受けることができるので、サイトごとにIDを管理するわずらわしさがありません。届け出と同時に復職の支援を受けることができるので、就職活動をスムーズにスタートさせることができそうです。

eナースセンターの求人「数と質と紹介実績」本当のところ

サービスを利用するのなら、その質は気になりますよね。看護師の口コミや調査結果からeナースセンターの実績をまとめました。

eナースセンター「求人数」

求人施設である病院や診療所がもっとも利用する求人求職サイトはハローワークだという調査結果があります。残念ながらeナースセンターはもっとも選ばれているサービスではないようです。
しかし、eナースセンターに新規登録をした求人施設は、平成28年度に8,627件、平成29年度に7,096件ありました。一度登録すれば求人募集をかけるたびに登録する必要はないので、eナースセンターを利用する求人施設は年々増加しているといえそうです。
平成29年度にeナースセンターが掲載した合計の求人案件数は、約16万件。2020年6月1日の時点で掲載されている求人件数は、全国で19,787件にのぼります。

参考:
日本看護協会「平成25年度看護職の職業紹介等の実態に関する報告書」
日本看護協会「ナースセンター事業に関する広報活動」

eナースセンター「求職者数」

eナースセンターにID登録をしたユーザー数(求職者数)は、平成28年度に約25,000件、平成29年度は約23,000件です。施設側と同じく、求職者も一度登録すれば再登録する必要がありません。こちらも、年を重ねるごとにユーザー数が増えています。

参考:
日本看護協会 ナースセンター事業に関する広報活動

eナースセンター「就職数」

平成29年度は、約67,000人の看護資格者がeナースセンターを利用して求職活動を行いました。そのうち30.1%のユーザーが職業の紹介を受け、全体の17.9%にあたる約12,000人の就職先が決定しています。

eナースセンター「紹介実績6割」のからくり

日本看護協会の調査によると、ナースセンターを利用した6割の求職者が就職を決めたという結果が出ており、高確率で転職が成功するイメージを与えています。
しかし、求職者数約67,000人のうち、紹介を受けて応募したのは約20,000人、さらに就職が決まったのは約12,000人です。応募者数のうち約6割が就職が決まっただけで、求職者数全体から考えると、eナースセンターを利用して採用にいたったのは2割にも届きません。
そもそも、求職者数全体に対して、実際に応募したのは3割にも満たないことを考えると、応募したい・就業したいと思えるほど魅力的な求人が少ないといえるのかもしれません。

参考:
日本看護協会 2017年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析」結果

eナースセンター「メリット、デメリット」

使い勝手が良いか悪いかは、人によって評価が分かれます。eナースセンターの強みと弱みを知り、自分にぴったりのサービスを選びましょう。

メリット1.母体が日本看護協会という安心感・信頼感

看護師をはじめ、保健師、助産師、准看護師など、有資格者が自主的に加入する日本最大の看護職能団体である「日本看護協会」。現在では約74万人の看護職が加入しています。この日本看護協会が運営しているのがeナースセンターです。求人を探している看護師がよく知っていて、自身も加入している団体が運営しているサイトであれば、安心して利用できることができそうです。

メリット2.全国の求人情報を網羅

各都道府県のナースセンターで紹介してくれるのは地元の求人情報ですが、eナースセンターが扱っているのは日本全国の求人情報です。しかも、自宅にいながらにして求人情報を閲覧し、問い合わせや応募をすることも可能。民間の転職サイトでは、大都市圏しか網羅していないケースもあるので、地元へのUターンやIターンを検討している人も、働きながら次の職場を探すことができるので便利です。

メリット3.職員のほとんどが元看護師

看護師にとって、仕事の悩みについての理解者はやはり同じ看護師でしょう。eナースセンターの職員のほとんどは看護有資格者であるのが特徴。医療現場での勤務経験と職業紹介という経験をあわせもったスペシャリストが対応してくれます。だからこそ、求人情報の紹介や悩みに対するアドバイスは的確です。

デメリット1.求人数が少なく偏りがある

eナースセンターが掲載している求人数は、全国で19,787件。一方、看護師の求人・転職サイトの大手の一つ「看護roo!(カンゴルー)」の公開求人数は51511件です。さらに、ハローワークのインターネットサービスでは、看護師、准看護師、助産師、保健師で検索すると37,418件の求人がヒットしました(※いずれも2020年6月1日現在の求人数)。

比較してみると、eナースセンターに掲載されている求人数は民間の転職サイトやハローワークの半分以下。また、都市部の求人件数は申し分なくても、地方の求人が少ないという偏りも見られます。

デメリット2.登録に時間がかかり面倒

eナースセンターの利用者登録時には、ログインパスワードや名前、住所、看護師免許の免許番号、退職理由にいたるまで入力する項目は20以上にも。さらに、選択肢だけでなく、自己PR文や看護経験職歴、退職理由やどのような条件だったら退職しなかったかなど、文章を入力する箇所もあります。選択式だけならまだしも、文章を書くのが苦手な人にとっては大変な作業だといえそうです。

未登録でも実際の求人広告を閲覧できる民間の転職サイトがあるのに対し、eナースセンターはユーザー登録しないと施設名が特定できない簡易求人情報しか閲覧することができないのも気になります。登録する前に実際の求人情報を見て、利用するかどうかの判断ができないのは残念なところです。

デメリット3.検索しにくく求人票も見づらい

eナースセンターでは地図上から求人施設の検索が可能。自宅に近い職場や駅からの利便性を重視している人にとっては便利な機能があります。
しかし、求人検索の画面が使いづらいという声も。求人票も見やすいとはいえず、検索結果画面に並ぶ施設情報には、「特記事項」や「一言PR」の欄が設けられているものの、空欄のままになっている求人票も多く、施設の魅力や立地などが一目ではわかりません。
職場の様子がわかる写真やキャッチコピー、最寄り駅などは表示されていないので、民間の転職サイトを使ったことがある人にとっては、施設をイメージしにくいかもしれません。

しかし、2020年4月のリニューアルによって検索方法が改善。検索時に希望する施設の種別を詳しく設定できるようになりました。病院の病床数の指定までできるのは、他のサイトにはない魅力といえそうです。

eナースセンター利用「向く?向かない?」チェックテスト

ここで、チェックテストを試してみましょう。eナースセンターがあなたに合った転職ツールなのか、それとも他の転職サイトを利用した方がいいのか……。あなたの就職活動に合ったツールがわかります。

チェックテスト

以下の10項目から、あなたに当てはまるものに〇をつけてください。

  1. 求職活動は初めて
  2. 専門的な知識をもった人に相談しながら転職を進めたい
  3. 今より良い職場が見つかれば転職したい
  4. 自分のペースで職探しをしたい
  5. ブランク看護師である
  6. 働きながら転職活動をしたい
  7. なるべく早く転職したい
  8. 履歴書、職務経歴書を書くのは初めて、もしくは苦手
  9. 大規模な病院への転職を希望している
  10. なるべくたくさんの求人から転職先を探したい

eナースセンターに向く人、向かない人

チェックテストの設問1~5が多く当てはまった人には、eナースセンターがおすすめ。eナースセンターの運営スタッフのほとんどが看護師資格の保有者なので、看護師として働くのが初めての人やブランクがある人にとって、専門的な知識や経験をもった職員のサポートを受けられるのは心強いはず。

あなたに向いているのは「民間の看護師専門転職サイト」

看護師としての経験を積んだ人は、チェックテストの設問6~10が多く当てはまったのでは? そんな人には、看護師専門転職サイトがおすすめです。

看護師専門転職サイトは利用登録をしなくても求人情報の閲覧ができ、利用登録自体も数分で済む手軽さがあります。また、希望すればキャリアアドバイザーから電話やメールにて求人紹介を受けたり相談ができたりします。現在の状況を伝えれば、希望に合った求人情報をスピーディーに提供してくれるので、働きながら転職活動をする人にぴったりです。履歴書や職務経歴書の書き方を教えてくれるコンテンツもあり、幅広いサポートを受けることができます。

あなたに向いているのは「ハローワーク」

チェックテストの設問6~10が多く当てはまった人にもう一つおすすめなのが、ハローワーク。看護師の求人を専門に扱っているわけではありませんが、民間の転職サイトとあわせて利用することで効率良く求人情報を集めたり、アドバイスを受けることができます。

ハローワークは厚生労働省が管理している公的機関なので、何といっても安心して利用できるのがメリット。また、民間の転職サービスを通じて雇用にいたった場合、施設側は成功報酬を支払う必要がありますが、ハローワークを通じて採用した場合はその必要がありません。
そのこともあってか、施設を対象に行ったアンケートでは、ナースセンターやハローワークを利用して採用活動を行ったという病院が85.3%にのぼります。転職サイトには掲載されていない求人情報がハローワークにはあるかもしれません。

また、ハローワークでは求人情報を提供するだけでなく、失業保険をはじめとする給付金の受付もしています。自分が受けられる給付金がないか、ぜひ確認してみてくださいね。

参考:平成30年度 厚生労働省科学特別研究事業「看護職員確保対策に向けた看護職及び医療機関等の実態調査」

eナースセンターの利用法

eナースセンターを利用するには、まずユーザー登録から。入力項目が多いので少々面倒ではありますが、一度登録すればあとは簡単に求人情報を検索することができますよ。スマホからも登録可能です。

1.ユーザー情報登録

eナースセンターのサイトから求職者登録を行います。メールアドレスを登録すると、「求人施設ID申請受領通知」メールが送られてきます。

2.希望条件を登録

送られてきたメールに記載されているURLからユーザー登録を行います。希望条件や自己PRなどはこの段階で入力します。

3.自動マッチング

毎週日曜日の夜に自動マッチングが行われます。マッチングした求人情報は求職者ポータル画面で一覧表示されます。

4.希望条件に合った求人情報の検索・紹介

自動マッチングした求人はもちろん、条件を変更して自分で求人検索をすることもできます。

5.直接応募またはナースセンターを経由して応募

希望の求人票を見つけたら、問い合わせをします。このとき、求人施設に直接連絡するか、ナースセンターを経由するかは自分で選べます。どちらもサイトの画面上からクリックするだけでOK。自己PR文はこの段階で編集することも可。応募先に合わせたアピール文を作成することができそうです。

6.面接

応募する求人が決まったら、サイト上からの応募が可能。応募が受け付けられると、求人施設の担当者から面接日の連絡がきます。

7.採用・就業

採用・不採用の結果もサイト上で確認できます。複数の施設から採用通知を受け取った場合、辞退連絡は自分でする必要があります。
就業先の決定後、eナースセンターでの就職活動を停止する方法は、退会ではなくユーザー情報の更新です。もし次にサイトを利用して転職活動をするときは、同じようにユーザー情報を更新すると活動を再開できます。

まとめ

eナースセンターに限らず、ハローワークや転職サイト、転職エージェントなど、看護職の転職サービスは多く存在します。転職先を探す前に、どのようなサービスを利用するか迷ってしまうこともあるかもしれませんね。
ここで取り上げたeナースセンターは、ブランクのある看護師免許保持者や看護師を目指す学生にとって心強いサポートが受けられる職業紹介サイトだといえます。チェックテストの結果も参考にしながら、自分に合ったサービスを利用したり併用したりしながら、理想の転職先を見つけてくださいね。