呼吸器科で働く看護師の役割は?業務内容や収入の実態を解説

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呼吸は生きるためのもっとも基本的な機能です。

呼吸器科はこの重要な機能に関わる数多くの疾患を扱う診療科であり、そこで働く看護師にはハードな役割が求められます。

しかしそれだけに、看護師としてのやりがいに満ちた職場とも言えます。

ここでは呼吸器科で働く看護師の業務内容、収入やそこで働くメリット・デメリットについて解説していきます。

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呼吸器科とは?呼吸器内科と呼吸器外科の違いについて

呼吸器内科とは?

人間が生きて行く上でもっとも基本的機能である「呼吸」。

この呼吸に関わる臓器を扱う診療科が、呼吸器科です。日本人の死因の常に上位に位置する肺がんや肺炎も、呼吸器科が扱う代表的な疾病です。

呼吸器科では男性の死因第1位である肺がんや小児喘息、高齢者で重症化しやすい肺炎など、あらゆる年代の患者を扱っています。

患者の年齢の幅が広いだけでなく、対応する疾患も非常に多いのが呼吸器科の特徴と言えます。

呼吸器科の診療範囲には、気管および気管支、肺、胸膜などで起こるさまざまな病気が含まれます。

呼吸の異常のほかにも咳、痰、息切れ、胸痛など、呼吸器科を訪れる患者の症状は多彩です。

また健康診断などにより胸部のレントゲン写真で異常が見つかった場合も、呼吸器科の診断を受けます。

呼吸器科で扱う疾患としては、先に挙げた病気のほかにも気管支喘息、COPD (慢性閉塞性肺疾患)、慢性咳嗽、間質性肺炎、呼吸器感染症、睡眠時無呼吸症候群などがあります。

呼吸器内科と呼吸器外科の違い

呼吸器科には外科と内科があります

呼吸器外科では、縦隔腫瘍や気胸、肺がんなどの診察が行われ、主に外科的手術の処置が行われます。

呼吸器内科では肺結核、気胸、気管支拡張症などの診察が行われ、主に薬の処方によって治療を行います。

呼吸器内科は基本的には慢性期、呼吸器外科では主に急性期の診療が行われると考えて良いでしょう。

呼吸器内科と外科は密接に関係しており、治療方法によって一人の患者を双方で扱う場合もあります。

呼吸器内科の看護師の役割と業務内容

呼吸器内科の場合、慢性期となるため病棟の雰囲気は比較的穏やかです。

一方で呼吸器外科と比べると、受け持つ患者数が多く、その分多忙とも言えます。

呼吸器内科の看護師は、主に以下のような業務を受け持ちます。

  • 内科的治療の介助
  • 化学療法・放射線療法の副作用のケア
  • 緩和ケア

呼吸器内科の看護師は、「間質性肺炎」「気管支炎」「喘息」といった病気の治療で、手術を必要としない患者の内科的治療の介助を行います。

もっとも良く使われる酸素吸入療法では、鼻カニューレや鼻マスク、リザーバーマスクを使用した処置が行われます。

肺がん患者に対して実施される化学療法・放射線療法の副作用のケアも、呼吸器内科看護師の業務です。

肺がんの中でも進行がん(ステージⅢA以上)の患者で、手術ができない場合には、内科的療法によって進行を食い止めます。

強い副作用があるため、看護師のケアとサポートが欠かせません。

肺がんは早期発見ができれば治癒率が高くなりますが、数年にわたる闘病の結果、終末期を迎える患者もいます。

そうした患者に対しては、痛みや苦しみを軽減させる緩和ケアを実施していきます。

呼吸器外科の看護師の役割と業務内容

呼吸器外科の患者は、基本的には周術期となります。呼吸器外科の看護師は、術前検査の介助、術後の管理を行います。

具体的な業務内容としては、次のようなものがあります。

  • 術前検査の介助
  • 術前のオリエンテーション
  • 「胸腔ドレーン」の挿入・抜去の介助
  • 胸水・膿胸のケア
  • 呼吸管理
  • 手技による吸引

病気の部位、受ける手術の内容により、術前検査の種類も変わります。

主なものには、胸部単純写真、胸部CT検査、胸部MRI検査、気管支鏡検査、肺機能検査、CTガイド下肺生検などがあります。

各検査は検査技師が実施しますが、看護師は検査室への誘導や介助を担当します。

術前のオリエンテーションも看護師の役割です。手術内容については担当医から説明がありますが、当日の流れ手術前後の注意点などを患者に伝えます。

術後のケア、管理は呼吸器外科看護師のもっとも大切な役割です。

中には「開窓術」により、数か月間もの間胸に穴を開けた状態で過ごす患者もいます。

看護師はガーゼ交換やシャワー介助などにより、患者の回復をサポートします。

呼吸器科の職場環境は?忙しさと人間関係について

呼吸器科は忙しい?残業は?

呼吸器科は急変する患者も多く、突発的な残業が発生することもしばしばです。

呼吸不全や呼吸困難に陥った際には、看護師が酸素マスクや人工呼吸器を適切に使用して酸素療法を行うことを求められます。

急変患者への対応を除けば、呼吸器科は特別に忙しい診療科というわけではありません。ほかの急性期病院と同等の忙しさと考えれば良いでしょう。

しかしインフルエンザなどの季節性の流行がある疾患も扱うため、秋口から早春にかけての時期には非常に忙しくなることもあります。

またCOPDや肺がん、睡眠時無呼吸症候群など、治療法や研究が日々進歩している疾病を多く扱う関係上、呼吸器科に勤務する看護師は学ぶべき事柄が非常に多いといえます。

研修や勉強会なども実施される回数が多く、看護師によっては負担と感じることもありそうです。

呼吸器科の人間関係

急変する患者、感染症について、呼吸器科ではチーム医療によって対応をしています。

そのため人間関係を良好に保つことが重視されます。

例えば、呼吸器科では結核など感染性が高く、リスクの高い疾病も扱うため、スタッフ全員が一丸となって院内感染予防に努める必要があります。

日々発生する急変患者に対しては、医師や看護師が連携して患者の気道確保と酸素吸入に努めなくてはなりません。

普段からコミュニケーションを頻繁に取り人間関係を円滑にしておく必要性が理解されている職場でないと、患者の命は救えません。

そのような背景事情によって、呼吸器科で働くスタッフはおおむね良い関係性の中で働いているところが多いようです。

呼吸器科の看護師に必要なスキルとは?

患者の気持ちを察知する能力と親身な看護が重要

呼吸器科で求められるスキルとしては、患者の意図するところを敏感に察知する能力が問われます。

呼吸や発声に問題がありコミュニケーションが難しい患者や高齢者も多く、相手が難聴症状をもっている場合もあります。

看護師は辛抱強く時間をかけて、患者の気持ちや伝えたいことばをくみ取り、治療に反映させていく役割を負います。

呼吸機能に異常があるのは、非常に辛い症状です。患者の気持ちに寄り添えるように、親身な看護が提供できることも重要なスキルといえるでしょう。

フィジカルアセスメントが必須スキル

急変する患者が多いのも呼吸器科の特徴です。酸素が上手に取りこめない状態が続くことで、脳に障害を生じたり死に至ったりすることもあります。

異常兆候をいち早く発見し早期対処できるよう、患者のフィジカルアセスメントを実施する能力も、呼吸器科で働く看護師の必須スキルです。

呼吸器科で身につくスキル

呼吸器科で働くことで、看護師が習得できるスキルもあります。

インフルエンザや肺結核など、感染性の疾患を扱うのも呼吸器科の特徴です。院内感染対策といった実践的なスキルが身につく職場と言えます。

また、呼吸が困難な患者に対しては、ナザールやベンチュリーマスク、人工呼吸器などを使い分けて酸素療法を行います。酸素療法の知識と経験があれば、ほかの診療科でも重宝されます。

肺がんという重篤な患者と接する機会も多くあります。がん看護について学ぶと同時に、診断から終末期の各ステージにおいて、適切な看護と精神的なケアを提供する高度なスキルが習得できます。

呼吸器科に適性がある看護師は?

呼吸器科は急性期医療の現場でも求められる、適切な判断力などが適性の要ともいえます。そのほかにも呼吸器科ならではの、看護師としての適性があります。

良い意味で神経質であること

呼吸器科では、患者の発する呼吸音や感染症にたいして、常に神経質でなければなりません。

神経質というとあまり良いイメージをもたれませんが、呼吸器科においては異常呼吸音に敏感でない看護師は、患者を命の危険にさらします。

同じく感染症の予防についても、しつこいほど予防措置を徹底し、院内感染の発生を防止する必要があります。

人の気持ちをくみ取れること

呼吸器に異常がある患者にとって、うまく身体の状況を伝えられないのは、さらに苦しみを増します。

このまま息が止まってしまうのではないかという不安や恐れに襲われる患者の気持ちをくみ取り、少しの表情の動きなどから要求を的確に把握することが看護師として求められる適性です。

言語外のコミュニケーション能力の高さが、患者の危機を救うこともあります。

精神的なタフさ

病院は常に死と隣り合わせの職場ですが、呼吸器科も例外ではありません。

意識がしっかりとしたまま呼吸できずに亡くなってしまうことすら起こり得る呼吸器科では、看護師には特に強い精神力が求められます。

肺がんの進行により終末期を迎える患者も少なくありません。

「酸素療法を適切にすれば助かっていたかもしれない」「もう少し早く気づいていれば」と、自分を責めてしまうこともあるでしょう。

最善を尽くして看護を行うことはもちろん大切ですが、精神的にタフであることも呼吸器科看護師には必要です。

すばやい行動

高齢者やADLが低下した患者が多いことも呼吸器科の特徴です。

呼吸の異常は一刻を争います。ナースコールが鳴ったら、全速力で駆け付けなければなりません。素早い反応も、呼吸器科看護師の適性のひとつです。

呼吸器科関連の資格にはどのようなものがある?

慢性呼吸器疾患看護認定看護師

「慢性呼吸器疾患看護認定看護師」は日本看護協会が認定するエキスパートの証ともいえる資格です。

慢性呼吸器疾患看護認定看護師は比較的新しい資格で、2012年から認定を開始されました。

慢性呼吸器疾患看護認定看護師が創設された目的は、呼吸機能の維持や向上のために呼吸リハビリテーションを実施し、安定期や増悪期、終末期の各ステージに応じた専門性の高い看護管理と機能評価ができる看護師の養成です。

認定看護師教育機関で教育を受けるための条件としては、看護師として実務経験が5年以上あり、そのうちの3年間は呼吸器系の診療科で患者と接した経験を持つことが必要です。

認定看護師教育機関で6か月以上、615時間以上の講習と実技を行い、審査に合格すると、「慢性呼吸器疾患看護認定看護師」としての資格が付与されます。

3学会合同呼吸療法認定士

呼吸療法には、酸素療法・吸入療法、人工呼吸などがあります。

これらの呼吸療法に精通したスタッフを養成する目的で作られたのが「3学会合同呼吸療法認定士」の資格です。

3学会とは、一般社団法人日本呼吸器学会と公益社団法人日本麻酔科学会、特定非営利活動日本胸部外科学会の3団体です。

これらの3学会が共同して「3学会合同呼吸療法認定士認定委員会」を設立し、講習会と試験を実施しています。

講習会受講の条件は、看護師経験2年以上もしくは准看護師経験3年以上、理学療法士経験2年以上、作業療法士経験2年以上、臨床工学技士経験2年以上となっています。

「3学会合同呼吸療法認定士」は二日間の講習で取得でき、呼吸器科で働く看護師にとっても非常に役立つ資格となります。

試験に合格し「3学会合同呼吸療法認定士」の資格が授与された後は、技術の向上のため、5年間ごとに更新する必要があります。

呼吸器科で働く看護師の収入

呼吸器看護師の給与

呼吸器科の看護師の給与は、他の診療科と比較しても特に大きな差はありません。

平均月給は外来勤務で20万円~25万円病棟勤務で25万円~30万円が相場となっています。

日本看護協会の2012年の「病院勤務の看護職の賃金に関する調査」によると、社会保険関連や学校法人関連の医療施設では、それ以外の医療施設と比較して月給の水準が5~7万円高くなっていることが報告されています。

呼吸器科は呼吸器内科や呼吸器外科だけでなくそれらの専門科に分けられた診療科やクリニックなどもあり、病院数も非常に多いことが特徴です。

高収入を目指すなら、どのような形態の医療施設かも大事なポイントとなるでしょう。

呼吸器科の看護師の年収相場

夜勤が無い呼吸器系のクリニックや外来勤務の場合は、350万円~400万円が相場となっています。

また、病棟勤務の場合は夜勤をどの程度組み込むかによっても差が生じますが、375万円~450万円が相場です。

看護師全体の平均年収が470~480万円といったところなので、やや低めに感じます。

一般的に都市部は生活費も高いので、それに応じて看護師の年収も高くなる傾向にあります。

また大規模病院も、賞与や各種手当が高く平均給与も高くなる傾向にあります。

厚生労働省の2014年度の「賃金構造基本統計調査」によりますと従業員数が100人未満の医療機関と1,000人以上の医療機関では、大きい規模の方が年収にして約69万円高いと報告されています。

呼吸器科は働ける場に多様性があるため、高額の年収を狙う場合には事前によく応募先を吟味する必要があります。

呼吸器科看護師として働くメリット・デメリット

呼吸器科看護師のメリット

  • 多彩なスキルが身につけられる
  • チーム医療の大切さが理解できる
  • コミュニケーション能力が強化される
  • 転職先の幅が広がる

呼吸器科では難しい症例の患者も多数扱い、看護師としてのスキルも多彩で高度になっていきます。

呼吸機能の異常という一刻を争う状況の中で、チームがひとつになって患者の命を救うという経験は、病院本来の役割をしっかりと根付かせることでしょう。患者によっては発言の内容が不明瞭な場合もあり、看護師が耳や目を最大限に使って、呼吸音の異常や顔色などから危険を察知していかなければなりません。

言外のコミュニケーション能力、観察力が格段に強化されていきます。

呼吸器科で働いた看護師には、次の職場となる選択肢が多くあります。

診療内容に共通性のある循環器内科、精神的なサポートが必要とされる心療内科、終末期医療への理解が求められる緩和ケア科など、活躍の場が広がっています。

呼吸器科看護師のデメリット

一方、呼吸器科で働くことのデメリットがあることも事実です。

  • 急変患者が多い
  • 覚えることが多い
  • 残業が多い

これらは呼吸器科の看護師にとって、避けては通れない難関です。

それでも現場で働くことにより得られるものの大きさに惹かれ、呼吸器科を選択する看護師は大勢います。

呼吸器科は看護師にとって確かにハードではありますが、高度なスキルを獲得できる職場であることは、間違いないでしょう。

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