看護師の復職に役立つ復職支援セミナー・復職支援プログラムの知識

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「看護師としてかなりブランクがあるけれど復帰できるだろうか」そんな不安をもっている人は少なくありません。

しかし調べてみると、看護師に対する復職支援は官民問わずたくさんあります。厚生労働省によると、看護師資格を保有しながら看護師として働いていない「潜在看護師」の存在は約71万人にのぼるといわれています。

少子高齢化社会が進む中、看護師不足はさらに深刻度を増すことが予想されるため、国を挙げて看護師の復職支援の動きが広まっています。ここでは復職したい看護師ならば知っておきたい、復職支援セミナーや復職支援プログラムについて解説していきます。

看護師の離職と復職の現状

まず初めに看護師の離職と復職についての現状を見ていきましょう。

新規資格取得者と離職数

厚生労働省の調べによると、2018年末の看護職員の全体数は約166万人です。国では2025年に向けた社会保障・税一体改革による看護職員の必要数として、約196~206万人までの増員を見込んでいます。

看護師資格を新規取得する人の数はこれまで、毎年約5万人程度でした。単純に考えれば14年間で70万人増えることになるため、目標を達成するのはそれほど難しくないように思えます。

しかし今後若年層が減り続けることを考えれば、看護師の資格取得者の数にも必ず影響を及ぼします。

看護師の復職率

看護師の離職率について見ると、常勤看護師では10~11%で推移しています。

看護師は女性が9割を占める、専門職としては特殊な業界です。女性はライフイベントやライフステージの変化の影響を受けやすいため、仕事を継続することが難しい場合が多くなります。それでも看護師の資格さえあれば、いつでも復帰することができます。

一方、冒頭で見たように潜在看護師は約71万人もいるといわれています。ブランクが長くなると、復帰に対しての不安が高まり、思いがあっても実行に移せなくなるのかもしれません。

実際、出産や子育てで離職した看護師の多くは復職を希望し、年代が上がるにつれそうした意識が低くなっていく傾向が見られます。現役を長い期間離れるほど看護師の仕事に対する執着が薄れ、復職するためのハードルは高く感じられるようです。

看護師に対する復職支援の動き

慢性的に不足する看護師人材、また団塊の世代が75歳以上となる2025年問題を目前にして、厚生労働省では看護師への復職支援の動きを強化させています。

看護師の確保に向けた3つの施策

厚生労働省が発表している、看護人材の確保を目的とする施策には以下のようなものがあります。

  • 看護師の復職支援の強化
  • 看護師の定着と離職防止
  • 社会人看護師の育成

2015年に施行された「看護師等人材確保促進法改正」によって、看護師免許の保有者についての情報届出制度が設けられました。これにより離職者の状況把握を徹底すると同時に、復職希望者がスムーズに復帰するサポート体制を整備しています。

2014年の医療法改正では、看護師が働く医療施設の労働環境の改善を促進し、定着と離職防止に働きかけています。具体的には都道府県医療勤務環境改善支援センターが医療機関の取り組みを支援することで、ワークライフバランスに配慮した勤務環境を整備していきます。

同じく2014年の雇用保険法改正では、社会人経験者の看護職員育成を視野に入れた方針が打ち出されています。新卒者の減少に対処するため、社会人の新規養成の門戸を拡充し中長期的なキャリア形成支援を行います。

ナースセンターによる看護師の復職支援の強化

先に挙げた厚生労働省の方針に沿って、都道府県ナースセンターが看護師の復職支援に乗り出しています。

看護師免許保有者の情報を届出制とすることで離職後も一定のつながりを確保し、復職の意志がある看護師に対して支援を行います。

またナースセンター自体の機能の強化も進められています。復職に関する情報提供などを行い、看護師が復職に向けて活動を始める前の段階から総合的にバックアップをしていきます。

復職活動の開始後には、就職あっせんと復職研修の一体的実施などニーズに合ったきめ細やかな対応を目指します。

事業運営については、地域の医療関係団体との協議を行いながらハローワークなどと密接な連携を保ち、また支所などの整備により復職支援体制が地域に限らず実施されるよう図っていきます。

看護師の復職支援に関わるナースセンターの具体的な施策

ナースセンターの届出サイト「とどけるん」には、看護師個人の詳細情報が集められます。それにより「子育て中」「求職中」「免許取得後、直ちに就業希望」「就職を望まない」といった各人の現況が把握されます。

ナースセンターではそれに従って、本人の意向やライフサイクルなどを踏まえながら積極的にアプローチして支援を実施します。

ナースセンターの届出看護師に対する支援の例には、以下のようなものがあります。

  • 復職意向の定期的な確認
  • 医療機関の求人情報の提供
  • 復職体験談等のメールマガジン
  • 復職研修の開催案内
  • 「看護の日」等のイベント情報
  • その他復職に向けての情報提供

2015年の看護師等人材確保法改正に基づく看護師等免許保持者の届出制度の内容

ナースセンターへの届出は「努力義務」とされており、国では資格保有者に対して協力を呼びかけています。

届出についての詳細を紹介しておきましょう。

看護職員(保健師、助産師、看護師、准看護師)は病院等を離職した場合などにおいて、住所、氏名などの情報を都道府県ナースセンターに届け出るよう努めなければなりません。

届出が必要とされるのは以下の場合です。

  • 病院等を離職した場合 ※「病院等」とは、病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、指定訪問看護事業を行う事業所をいう。
  • 保健師、助産師、看護師、准看護師の業務に従事しなくなった場合
  • 免許取得後、直ちに就業しない場合
  • 平成27年10月1日において、現に業務に従事していない看護師等

つまり、現役の看護職員として働いていない人すべてが届出の対象となります。

届け出る項目の内容には、次のようなものがあります。

  • 氏名、生年月日及び住所
  • 電話番号、メールアドレスその他の連絡先に係る情報
  • 保健師籍、助産師籍、看護師籍又は准看護師籍の登録番号及び登録年月日
  • 就業に関する状況

届出の方法は原則として、インターネット経由でナースセンターにアクセスを行います。2017年3月31日時点での届出総数は、43,896人となっています。

看護師等の届出サイト「とどけるん」

ニチイの看護職復帰応援プログラム

介護業界最大手の企業ニチイでも、看護師の復職に向けた支援を行っています。こちらは約3時間のコースで、受講は無料です。

プログラムの内容は、講義と実技、各施設への見学となっています。おもな内容は以下のとおりです。

講義

看護職・患者を取り巻く社会環境の変化や介護分野での看護師資格の活かし方など、復職に向け役立つプログラムです。

  • 求められる看護職への復帰
  • 入院生活と退院後の生活(退院指導と退院支援)
  • 看護師の活躍する介護現場

実技

基本的な看護技術を体験して「過去経験したことは思い出せる(できる)」ことを実感します。

  • バイタルサイン測定(体温・脈拍・血圧・呼吸の測定と観察)
  • 血糖測定
  • 経管栄養

見学

介護施設(デイサービス又は有料老人ホーム)を見学します。

プログラム参加者の声を見ると、看護師が貴重な資格であることを再確認し、技術面などの指導を受けていけば復帰できそうな気持ちになったと、前向きな意見が目立ちます。

「現在の医療の状況を知ることができ、また、実技で昔の勘を少し取り戻せた気がする」「最初は緊張していたが、明るく楽しい雰囲気の中、こちらも笑顔で学ぶことができた」など、技術面での不安が軽減された様子もわかります。

短時間のため参加への負担が少なく、その割に充実した内容だと評価する声もあります。

施設見学については、多くの看護師が病院の患者しか見たことがなかったため、現場の雰囲気がわかって良かったという声が多数あります。復職の場として、介護施設を選択する可能性が得られた良いきっかけとなっています。

看護師復職支援研修

看護師の復職を支援するセミナーや研修会も数多く実施されています。

ここでは東京都ナースプラザの復職支援研修と、病院が独自に行っている潜在看護師復職支援セミナーを紹介していきます。

東京都ナースプラザ復職支援研修

東京都ナースプラザでは復職を望む多様なニーズに応えるために、手厚くしっかり体験コース、気軽にさくっと体験コース、学校に戻って体験コースの3つのコースの研修を行っています。

手厚くしっかり体験コース

1日コース・5日コース・7日コースがあります。東京都が指定した地域の病院で、復職支援研修や就業相談を受けられます。

1日コース: 看護の魅力再発見講座
講義を主とするプログラム。座学を受けながら、看護の仕事のすばらしさや看護師資格の有効性を再認識することができる。
5日コース: 復職に向けた病院実習基礎編
1日コースの内容に加え、模型や医療機器を使用した演習と病棟実習を主とするプログラム。看護の基本を学び直すことができる。
7日コース:復職に向けた病院実習実践編
5日コースの内容をさらに深くした、病棟実習を主とするプログラム。

この他に別枠で7日助産師コースがあります。5日コースに加えて、産科外来・病棟における実習を主とするプログラムです。

これらのコースで行われる実習では、採血や輸液・静脈注射、筋肉・皮下・皮内注射など、どの医療現場でも必要となる手技をじっくりと練習できます。また事例を設定し指示に基づいて、薬剤処方箋、指示の確認などを行います。

実際に患者に投薬する際の準備、本人確認といった一連の流れを体験します。

また点滴の実習では、刺入部位の確認、刺入時の駆血帯の扱い、刺入角度の確認や針とルートの固定、滴下数合わせなど本番さながらの練習を行います。輸液ポンプの取り扱いなど、基本的な部分まできっちりと指導してもらえます。

復職後の職場として、介護施設を選択する看護師も多いようです。このセミナーでは、体位変換と移乗についても、水平移動や仰臥位から側臥位の転換、安楽な体位の工夫などしっかりと学ぶことができます。

また車椅子への移乗やストレッチャーへの移動など、一人ではなかなか練習が難しい行為についても確認できるので安心です。

気軽にさくっと体験コース

復職を考えているけれどまだ本格的な行動には自信がない、職場の雰囲気だけでも思い出したいと考えている人に向けたコースです。

身近な施設で短時間の研修が受けられるので、長い時間が取りにくい場合でも気軽に参加できます。

自宅近くの病院・訪問看護ステーション・介護施設で復職支援研修を受講し、現役当時の勘を取り戻し実際に働く現場の様子を感じられます。

ブランクが長く、知識や技術に不安があるという人に最適なコースです。

学校に戻って体験コース

都立看護専門学校に配置されている模擬病棟や実習室などで、研修を受けられます。地元の潜在看護職や卒業生を対象とした復職支援コースです。

東京都ナースプラザ

潜在看護師復職支援セミナー

慢性的な看護師不足から、各病院でも雇用に向けた取り組みの一環として復職支援セミナーを実施しているところが増えてきています。

ブランクがあり看護技術に不安がある看護師に対し、自院で研修を施すことでスムーズな復職を促しています。

セミナーや研修会といった復職支援が国、自治体、看護師の関連機関、各病院や施設などさまざまな運営者によって提供されています。

復職について大きな不安がある場合には、いくつか受講してみて、徐々に自信と勘を取り戻していくとよいでしょう。

就職を希望する病院が研修会やセミナーを開催しているのであれば積極的に参加し、職場の雰囲気を早めに感じておくと就業に弾みをつけることができます。

看護職カムバック研修

地方自治体の看護研修センターでも、看護師の復職支援研修を開催しているところが多く見られます。

愛知県では、県下で看護職の免許を所有し現在未就業で県内に再就業を希望している看護師を研修参加の対象者としています。

研修は9時30分から16時まで、5日間の集中コースで実施されます。このうち実習は3日目、4日目に行われます。

講義・技術演習は看護専門学校や看護研修センターで実施されます。病院実習は県内の各規模の病院やリハビリテーションセンター、その他に介護老人保健施設や訪問看護ステーションを使った実習もあります。

講義内容は「最近の医療と看護」「最新の感染管理」とおもに最新の医療についてや、技術・知識の進歩にスポットを当てたものになっています。

午後に行われる看護技術演習では、新しい体位変換や対象者にも看護師にも安楽な移動の技術など、非常に実用的な内容が学習できます。

2日目の看護技術演習では点滴、皮下・筋肉注射、ストマ・褥瘡(じょくそう)の管理と処置など、どこの病院でも必要となる基本技術を再習得するための内容です。

最終日の講義では「最近の医療安全対策」「看護倫理」「看護に必要な薬物の知識」など、医療現場で働く看護師の心構えや実践に向けた知識を再確認していきます。

実際に参加した看護師の感想では、「採血・注射・点滴など、不安に感じていた技術に自信を取り戻すことができた」「介護施設での就職を希望しているので、胃ろう管理・吸引などの知識が役立つと思う」「最初は緊張していたが、アットホームな雰囲気で楽しく学び直しができた」といった声が聞かれます。

看護師が独自で行う復職の準備

復職に向けて自分でできる準備を、あわせて見ておきましょう。

看護師が復職で必要となるスキル

どこの医療施設でも必要とされるスキルや知識としては、以下のようなものがあります。

  • 採血、注射
  • バイタル測定
  • 医療機器、器具の使用方法
  • 感染予防
  • 清潔ケア
  • 排泄
  • 食事介助
  • 体位変換、移動
  • 酸素療法、吸入

もちろん中には一人では練習が難しい項目もありますが、事前知識として勉強しておけるものもあります。関連する書籍やサイトなどで少しでも復習しておけば必ず役に立ちます

復職を果たした先輩看護師の中には、自分で工夫して練習を重ねた人もいるようです。

例えば家族に協力してもらえば、採血の疑似練習も可能です。アルコール消毒や駆血帯の調節、はずすタイミングなど、一連の流れを追うだけでも勘を戻すのに効果があります。

サインペンやボールペンなどをシリンジに見立てて、針の角度や固定の方法などの練習もできます。参考書を見ながら何度か行っていけばそれなりに体感が得られます。

復職に向けて効果の上がる勉強方法

「勉強したくてもやり方がわからない」「新人時代はどうやって勉強していたんだろう」このように復職を希望しながらも、焦りばかりが募っているという人もいるかもしれません。

もっとも良いのはセミナーなどに参加することですが、それにしても少しは自身で準備をしておきたいものです。

勉強の仕方がわからなかったり、わからないことが何なのかわからなかったりする人のために、学習のポイントを紹介しておきます。

順序立てて勉強していく

最初に考えたいのは「何がしたいのか?」「どうなりたいのか?」ということです。

まずは具体的に「何がしたいのか?」「どうなりたいのか?」を考え、どんどん書き出していきます。それが明確でなければ、何をどう勉強していけばよいのかも決められません。

次に、書き出したものに優先順位をつけていきます。自分に今足りないもの、もっとも必要と思われるものから手をつけていけば自信のなさや不安も解消していきます。

この一連の作業を進めれば、自分に何が不足しているのか、また何に対して不安をもっているのかもわかってきます。

看護師として働くための知識やスキルは膨大です。それを一度に取り戻そうとしてもとても無理な話です。思いつくところから少しずつ始めることで、次第に心が落ち着いてくるものです。

苦手なことから逃げない

看護師時時代に、苦手だと感じていた分野はなかったでしょうか。

再出発にあたり、苦手なことから逃げないことを意識するようにしてください。苦手意識をもったままでは、復職のハードルがさらに高くなります。

誰にでも苦手なことはあるかもしれませんが、そこを重点的に勉強しておくことで逆に得意に変えられるかもしれません。仕事に入ってしまうとまとまった勉強の時間が取りにくくなります。

復職を良いきっかけとして、さらに看護師として進化を目指したいものです。

特に力を入れておきたいのが、医療機器の操作です。もちろん現場に行くわけにはいきませんが、説明書や操作書はネットや書籍でも読むことができます。

心電図モニターや人工呼吸器など汎用性の高い機器類について理解しておけば、どんな現場に入っても重宝されるはずです。また医療機器の知識を得ることで自信も高まり、勉強への意欲もわいてきます。

自分に合ったプログラムやセミナーを選ぶ

復職支援のプログラムやセミナーは多数ありますが、大切なのは自分に合わせた内容のものを選ぶことです。

例えば復職の場所にクリニックを考えている場合には大規模な病院向けのセミナーを受講してもあまり役に立ちません。介護施設を希望しているのであれば、病院との違いが理解でき介護・介助が学べるプログラムに参加するのが良い方法です。

先にあった「何がしたいのか」「何が足りないのか」をよく検討すれば、必要なことが学べる場所がわかります。

さまざまな看護師の復職支援が実施されていますが、自分自身の進みたい方向にあったプログラムやセミナーを探して、活用していきましょう。

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看護のお仕事
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11月は年内の転職を考えている方が求人を探し始める時期です。「冬のボーナスを貰ってから、転職先を探せばいい」と考えていると準備ができず年内の転職は難しくなってしまいます。

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