[ 記事作成日時 : 2017年2月17日 ]
[ 最終更新日 : 2020年6月9日 ]

プリセプターが合わない、怖い!新人看護師の人間関係の悩みを解決

プリセプターとの人間関係

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毎日、怒られてばかり

プリセプターが怖くて何も聞けない

新人看護師にとって職場の人間関係の悩みは大きく、中でもプリセプターとの関係についての悩みは深刻です。

もし、プリセプターと良好な関係を築くことができたなら、仕事も職場にもスムーズになじむことができるのも事実です。

どのようにすれば、新人看護師がプリセプターと良好な関係を築くことができるのでしょうか?

      
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プリセプター制度と問題点

プリセプターシップは、新人看護師(プリセプティ)が仕事と職場にスムーズになじめるように、技術的な指導とともにメンタル面のサポートを行う教育システムです。

1970年代から米国や英国で導入され、日本でも現在、多くの病院がこの制度を取り入れています。病院によって取り入れ方はさまざまですが、多くは若手の先輩看護師(プリセプター)が一定の期間、新人看護師をマンツーマンで見守るシステムになっています。

最初に知っておいてほしいことは、なんといってもマンツーマンの指導になるので、プリセプターとの関係に悩んでいる新人看護師は多いということです。新人看護師の教育についての論文でも、新人看護師のプリセプターに対しての悩みが多く取り上げられ(※注1)、「新人看護師がプリセプターから支援されている実感がない」「離職の原因になっている」などの問題が指摘されています。

3つのリアルな体験談からプリセプターと良好な関係をつくる方法を考えていきましょう。

プリセプターに自ら向かっていくことで関係が改善【体験談1】

最初のAさんは、自ら苦手なプリセプターに向かうことで、関係改善を目指しました。

「これくらい、なぜわからない?」と言われても

総合病院の手術室勤務です。初めはまっさらな状態でしたから、何でも「わかりません」でよく、先輩方も「1年生だからわからないのはしかたない」で、すみました。

しかし半年ほどたち、知識もできることも増えてくると、今の手術の手順と、他の手術との手順が混同してしまうことがたびたびあり、医師に怒鳴られることもありました。手術手技や根拠はわかっているのに、いざとなったら、緊張でパニックになってできない自分への怒りや、先輩への申し訳なさなどで、ひとりで泣いてしまうことも増えました。

先輩から「手術室(勤務)なら知っていて当たり前」と言われても何なのかわからず、調べてから聞いても内容が食い違うこともあり(文献によって内容が若干異なる)、さらに叱責されたこともありました。先輩との人間関係は苦手という思いで接してしまい、不快にさせてしまうこともありました。

評価と不足箇所を毎回確認

苦手な先輩との関係に苦しんだ末、とにかく先輩には、あえて自分から向かっていくことにしました。毎回の手術前に自分なりに調べた根拠や自分の考えを先輩に伝えて、一緒に目標に挙げ、終わった後も先輩を追いかけて、目標に対する評価や不足だったところなどをはっきり言っていただくことにしました。

自分の考えや思いを伝えていくことで、先輩も私の思考傾向を理解してくれて、「こういうふうにした方がよいのではないか」とアドバイスしてくれるようになりました。今でも、小さなことであれ先輩には声をかけてコミュニケーションを取り、自分の中の人間関係の苦手意識をなくそうとしています。

キャリアを積む覚悟

転職するにもキャリアがなければと思い、なんとか実績を積まなければと必死でした。今辞めてしまったら、また違う病院でも同じような環境だろう、ここで歯を食いしばらなければと思ったことで、今があるのかなと思います。あのとき鍛えられたおかげで、多少のことなら許容できるほどメンタルが強くなりましたし、医師に理不尽なことを言われても、聞き流せます。

(Aさん 24歳・約300床の総合病院・4年目)2018年「ココナス調べ」

何をやっても怒られるし、質問できない新人看護師【体験談2】

次のBさんは、師長や他の先輩に相談することで切り抜けています。

プリセプターがすぐにイラっ!

新人の頃、とても相性の悪い先輩がいました。何をやっても怒られるし、わからないことがあって質問してもイラッとされ、逆にネチネチと質問されて困ってしまうことも多々ありました。あげくの果てに「そんなことも知らないで看護師をしているの」と言われたこともあります。

いくら看護師資格をとったとはいっても1年目で知らないことはあります。もちろん知らないままではいけないので事前学習はしていきますが、机上学習だけでは限界があるため先輩に聞かなければなりません。

親切な先輩はわかりやすく教えてくれますが、その先輩は意地悪な返答ばかりなので質問しなくなっていきました。すると質問してこない私に腹が立ったようで「私のことが嫌いだから聞いてこないのか?」と怒鳴られたりもしました。

先輩の理不尽な態度やひどい怒鳴り方に耐えられず、何度も辞めようと思いました。でもその先輩のせいで辞めてしまうのは悔しいと思う気持ちもありました。

他の先輩や師長に相談

私の学習姿勢を認めてくれる先輩たちもいたので、その先輩たちに相談したりもしました。その先輩たちは意地悪な先輩に怒鳴られて落ち込んでいるときに、励ましてくれたり、食事に連れていってくれたりもしました。

また、師長との面談時に相談したこともあります。その後、師長が先輩の理不尽な指導を目撃し、師長からその先輩に「度が過ぎる」と注意があり、すっきりしたこともあります。

辞めなくてよかった!

それでも、相性の悪い先輩と一緒に仕事するのは本当につらかったです。しかし、1年後には先輩の部署異動が決まり、解放されました。先輩がいなくなってからは、毎日、仕事が楽しくてしかたありません。新人の頃、辞めなくてよかったと本当に心から思います。

(Bさん 30歳・約1000床の急性期病院・4年目 休職中)2018年「ココナス調べ」

プリセプターがいない!どうなる新人看護師【体験談3】

3つ目のCさんは、プリセプターがつかず、指導してもらえないというつらさを経験。

「あなたは大丈夫よ」と指導なし

新卒1年目の6月から退職するまでの、病棟勤務の8ヵ月間はすべてがつらかったです。今でも疲れているとその頃の夢をみて、苦しめられます。

まず、先輩ナースからの陰口は当たり前で、聞こえるように悪口を言われました。新人にはプリセプターがつくはずですが、「あなたは大丈夫よ」と言われ、私にはプリセプターがつかず、指導をしてもらえませんでした。他の同期はプリセプターに聞きながら業務していました。

忙しい病棟だったので先輩看護師には質問しづらく、わからないことだらけで大変でしたし、毎日、業務に追われ、患者と落ち着いて話もできませんでした。寝たきりの患者が多い病棟で介護もあり、腰も悪くしてしまいました。

患者の家族はほとんど見舞いにも来なくて、息を引き取ってから病院へ来られます。長い間、病院へ見舞いにも来ないのに、病院の不手際のせいで死んだと詰め寄ってくる家族もいて、そんなときはなんともいえない悲しい気持ちになりました。

乗り越えられず転職

私はこのような日々を乗り越えることはできませんでした。就職してしばらくは、友だちと遊びに行ったり、グチを聞いてもらったりして発散していましたが、半年経った頃には閉じこもりがちになっていました。優秀だと思われていたので、同期にもあまり相談できませんでした。

毎朝、仕事へ行きたくなくて吐き気がしましたし、病棟へ行くと心電図の音や朝礼の声などに耳をふさぎたくなるような毎日で、くたくたになり、辞表を出しました。

完璧主義で自爆

私は完璧主義のところがあり、振り返ってみると自分で自分を追い詰めていたように思います。また、常に人と比べて優秀でいたいという気持ちが強く、弱い部分を出せなかったところもありました。

八つ当たりされたり、理不尽なことで怒られたり、満足な指導も受けることができなかったので、続けるべき職場ではなかったと思っていますが、改善してほしいという要望を先輩や師長に伝えることができたらよかったのに、と考えることもあります。しかし1年目の新人が言うのは難しいかもしれません。せめて、何を言われても気にしない強さがあればよかったと思います。

(Cさん 40歳・200床の市民病院に8ヵ月勤務。退職後はクリニックや訪問看護に従事)2018年「ココナス調べ」

プリセプターと良好な関係でいるために新人看護師ができることとは?

これらの体験談からわかることは、どこの職場にも問題のあるプリセプターはいるということ。そして、新人とはいえ最低限の看護師としての知識はあるのですから、社会人としてのふるまいを身につけることが、強力な自衛策であり、さらなるステップアップの基礎になると考えて、切り抜けていきましょう。

基本は「ホウレンソウ」

まず社会人としての基本は「ホウレンソウ(報・連・相)」、つまり「報告」「連絡」「相談」です。 報告とは業務の経過や結果を上司や先輩に知らせること。連絡は関係者に決定事項などを知らせることや勤怠の連絡。相談は、自分の悩みや考えを上司や先輩に話したり、アドバイスを仰いだりすること。

例えば、部下からの報告や連絡・相談による情報共有によって上司が状況を把握し、次のステップへの指示出しが適切に行えることになります。仕事をスムーズに進めるためには、情報共有が欠かせないのです。もしタイムリーな報告を怠れば、トラブルやミスにつながったりします。

大切なことは、2つ。

  • 悪い情報ほど、早く報告することが大切。
  • 上司や先輩に伝えるときは、まず結果から伝えて、状況や原因を加えます。自分の考えと、事実は分けるようにします。
 

わからないことは素直に聞く

基本としては、先輩が目の前にいるのですからわからないことは聞きましょう。ただし、「聞くべきこと」と「聞いてもいいこと」があります。

聞くべきこと

初めてやることは、聞く(確認する)こと。どんなに怒られそうでも、やったことのないことは勝手にやらないこと。患者の生死に関わります。

聞いてもいいこと

疾患や病態については、先輩に余裕があるときなら聞いてもいいでしょう。緊急の質問でなければ自分で調べてから「昨日の治療は、こういう意図で行われたということでしょうか」と質問すれば、「あ、この新人看護師、やる気ある」と思ってもらえます。質問のタイミングは難しいので、「今、質問してもいいですか」と聞くとよいでしょう。少なくとも患者と関わる仕事中は避けます。

「知っていて当たり前」「これくらいのことならわかるはず」と言われても、知らないのが新人です。もっといってしまえば、大ベテランでも知らないことはありますし、日進月歩の医療の世界では、すべてを知っていることは無理なのです。

「必要最低限の知っていること」の基準も、人によって違います。ですから「これくらいはわかるはず」と言われても落ち込む必要はなく、1つでも日々進歩していると割り切りましょう。

間違がえたら謝ればいい!

ミスは誰にでもあることです。ましてや新人ですから、自分のミスに気がついたらすぐに謝ればいいのです。ただ看護師のミスは患者の命に直結することもあるので、ミスに気がついたらすぐに報告をして対処することです。

ミスを自分でどうにか対処しようとして、大ごとになってしまった経験は誰にもあると思います。気がついたときに早急に対処すればたいていはどうにかなるものです。ミスを隠そうとしたり、ごまかそうとしたり、責任転嫁をしたりしないことです。

また、ミスをしたからといって、自分を責めたり落ち込んだりする必要もありません。

「本研究の結果は、怒られた経験や失敗した経験といったネガティブな経験への遭遇こそが、看護師の知識や技術を獲得する動機として重要であることを明らかにした」

失敗したり怒られたりしたことは、マイナス経験ではありません。自分を成長させてくれたプラスの経験と捉えて、前に進みましょう。

プリセプターと良好な関係でいるためには、以下のことにも注意しましょう。

  • 遅刻やギリギリの出社
  • 挨拶をしない
  • 患者への態度が悪い
  • わかったふりをする
  • 敬語が使えない

プリセプターになる看護師にもさまざまなタイプがいる

最後に付け加えておくと、プリセプターシップの問題点も多く論文で指摘されています(※注2)。経験が浅く、指導方法を学んでいない看護師がプリセプターの役割を担うことは難しく、プリセプターの過度な負担となったり、新人看護師の離職の原因になったりすることもあります。プリセプターと良好な関係を結べないとしても、新人看護師だけに責任があるわけではありません。

どうしてもうまくいかないときは、ひとりで抱えこまないこと。師長や主任などの上司に現状を話してみてください。

同期の新人看護師や薬剤師、ME(臨床工学技士)など、誰でもいいので「話せる人」に相談します。また、看護師はさまざまな働き方ができますから、「いつでも辞めることができる」と思えば、少しは気が楽になるかもしれません。

もし眠れなくなったり、食欲がなくなったりしたら逃げること(休職や離職)も考えましょう。「最初の職場では、3年働いた方がいい」といわれますが、やり直そうと思ったらいつでもやり直せます。

※注1:内野 恵子 他『本邦における新人看護師の離職についての文献研究』心身健康科学11巻(2015)1号
上条 こずえ『職場の新人看護師を取り巻く人間関係に関する組織上の課題についての文献研究』長野県看護大学
※注2:工藤 千恵『新人看護師の看護力の成長を促す要因の検討』旭川医療センター医学雑誌第1巻(2015)
平野 蘭子 他『新任プリセプターの新人看護師指導における困難および困難を乗り越えるための行動と求める支援』日本看護研究学会研究学会雑誌(2018)
小宮山 陽子 他『プリセプター制度の現状と課題』看護研究交流センター活動報告書(2015)

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