[ 記事作成日時 : 2018年5月12日 ]
[ 最終更新日 : 2020年6月22日 ]

転職失敗だったと後悔!看護師によくある5つの後悔事例と悩み別転職チェックポイント10

転職を後悔している看護師

重労働、重い責任、人間関係の悩み…。看護師を辞めたいと思う人は決して少なくありません。

しかし、「今の仕事を辞めて、もっと良い職場に転職できるのか」「転職して後悔したらどうする?」という不安から、なかなか転職に踏み切れない人も多いようです。

そこで、転職して後悔する典型的な事例を紹介しつつ、どのような戦略で転職先を探せばよいのかを詳しく説明していきましょう。

看護師10人中6人が「転職したいけど辞められない」その理由は?

日本医療労働組合連合会によって行われた2017年の「看護職員の労働実態調査」では、約75%の看護師が「仕事を辞めたい」と回答しています。

一方、日本看護協会の「2018年 病院看護実態調査」では看護師の正規雇用の離職率は10.9%にとどまっています。

つまり、辞めたいと思っていても、6割強が辞められないでいるわけです。

多くの人が、辞めたいと思いつつ辞めることに二の足を踏んでいる…。その理由は、辞めても転職に成功するとはかぎらない、辞めたら後悔するのではないかという不安があるからではないでしょうか。

転職後のよくある後悔事例トップ5

「転職して失敗だった」と感じている人は、いったいどのようなことで後悔しているのでしょうか。ココナスが行った転職看護師を対象としたアンケートの中から、典型的な事例を5つ紹介します。

よくある後悔事例1:人間関係

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(大学病院内科から大学病院産科へ転職)
    大学病院はエスカレーター式で内部就職している人や血縁で入る人が多く、そういった人たちが優遇されやすい環境にあります。そのような環境に中途採用で入ったので、新卒で入職するよりも風当たりが強く、理不尽な言いがかりや不当な扱いが多かったです。大学病院は比較的若い看護師が多く、経験の浅い先輩がいることも、人間関係が難しい原因の一つだと思いました

新卒採用や縁故採用などが主流の職場に中途採用で入ると、「新参者」として疎外感を味わいやすく、人間関係で苦労しがち。年下だけれど勤続年数の長い先輩との関係も悩ましいものです。

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(大学病院混合ユニットから乳がん、GID、美容形成の混合クリニックへ転職)
    個人クリニックということもあり、ワンマンな院長からのパワハラがありました。看護師やその他スタッフの入れ替わりも激しく、休みも取りづらかったです

小さなクリニックだと、人間関係でうまくいくかどうかがとても大切になってきます。院長や古参スタッフとの相性は死活問題です。

よくある後悔事例2:給料が下がった

  • 男性看護師の悪い口コミ
    男性(総合病院内科から総合病院特殊疾患病棟へ転職)
    基本給が高いということで転職を決めましたが、ボーナスが以前の病院よりも安くなりました

ボーナスは勤務先の経営状況によって変動するもの。基本給だけで判断すると、ボーナスが思ったよりも低いという落とし穴にはまることもあります。

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(療養型病院外来からデイサービスへ転職)
    次の転職先を決めずに前の職場を退職したので、急いで再就職先を決めなければいけませんでした。今の職場は家と子どもの通う保育園から近いという理由だけで決めたのですが、時給が低く、休みの融通が利かないので後悔しています

次を決めずに退職すると、転職先を焦って探して失敗しがち。条件面を見落として給料が下がることもあります。

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(総合病院循環器科から内科クリニックへ転職)
    結婚して子どももできたため、総合病院を退職して、時間の都合がつくクリニックへ転職しました。ただ、基本給は下がってしまいましたし、ボーナスもないため、年収がかなり下がってしまいました

子育てとの両立などで、激務を避けて時間の融通の利く職場に転職すると、給料が下がることが多いです。どちらをとるのかは慎重に決めなければいけませんね。

よくある後悔事例3:条件が違った(変わった)

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(総合病院救急科から個人病院脳外科へ転職)
    前職では忙しかったため、家から近い職場で派遣の立場でゆるく働こうと思いました。しかし、新しい職場では無理やり正社員にされました。何度も面談をして話が違うと伝えたのですが受け入れてもらえませんでした

責任のない立場でゆるく働きたいと思っていても、人手不足の職場に転職してしまうと、即戦力として期待されてしまうことがあります。

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(療養型病院外来からデイサービスへ転職)
    看護師という立場で新しい職場へ転職したのに、昼食の準備をしなければいけなくなりました。面接時には『食事の準備は手伝い程度です』と聞いていたのに、実際に入職したらメニューを決めるところからつくるところまですべて1人でやることになってしまいました

病院以外の施設だと、人手不足もあって看護師業務以外のことをしなければいけないこともあります。「それは私の仕事ではありません」と言えればよいのですが、周囲の理解や余裕がないと言いにくく、結局やらざるを得ないことになりモヤモヤがつのるものです。

よくある後悔事例4:医療の質が低い

  • 男性看護師の悪い口コミ
    男性(総合病院外来から総合病院ERへ転職)
    急性期が好きで救急看護を学びたかったので転職しました。新しい職場は救急だけで独立した部署になっており、24時間救急を自分の部署で受けることができることに魅力を感じました。しかし、いざ入職してみると、新しい病院ということもあってか内部環境やシステム・マニュアルなどができておらず、個々のやり方で業務をしていることが怖かったです

救急の専門部署があるのに具体的なマニュアルなどが確立されていないのはかなり衝撃的です。医療事故が起こる可能性も高いですし、いざそうなったときにスタッフが責任を問われる可能性も。

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(独立行政法人心臓血管内科から民間病院内科へ転職)
    医師と看護師が対等ではなく、医師に余計な気をつかわなければいけませんでした。しかし、その医師の力量がなく、患者さんに十分な医療を施すことができないのを目の当たりにすると、医師を尊敬できなくなりました。看護部長に訴えましたが、長年続いているその関係や病院の方針は変わらないことを実感して辞めました

風通しの悪い硬直した人間関係の職場だと、仕事のできない人のもとでは医療の質も下がってしまいます。しかし、長年培われてきた風土はなかなか変わらないものです。転職先を選ぶには、医療の質という観点も必要といえるでしょう。

よくある後悔事例5:情報収集が足りなかった

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(総合病院整形外科から訪問看護ステーション転職)
    子育て中ということもあり、夜勤をするのが難しいので転職しました。しかし、いざ入職すると夜勤はないと聞いていたのに、待機勤務が一週間程度あるので、夜に仕事に出ることもありました。また、土日休みということは説明を受けていましたが、祝日は通常勤務ということを聞いておらず、びっくりしました。もっと説明が欲しかったです

祝日は子どもの保育園や学校が休みなのに、通常勤務をしなければいけないのはショックですよね。確かに祝日は土日とは違いますが、あらかじめ伝えてほしいと思うのも無理はありません。こういうケースもあるということで、面接時には念のため確認しておいた方がよいですね。

  • 看護師の悪い口コミ
    女性(地域の小さい診療所から老人ホームへ転職)
    親しい人が老人ホームを開設することになり、声をかけられたので転職しました。しかし、いざ施設で働こうとしたときに、開設日が延期され続けるなど、さまざまなトラブルが起きました。親しい人のつてということもあり、全面的に信頼して細かいことをしっかり確認しなかったことを後悔しました

親しい人からの紹介などで転職する場合、つい相手を信頼して条件面をあまり確認せずに転職を決めてしまいがちです。ビジネスライクにあれこれ質問するのも、「信頼していないのか」と思われそうでかえって難しいもの。縁故採用にはこのような落とし穴もあります。

転職したい理由別「職場の選び方」チェックテスト

今の職場を辞めたいと思っている人は、いったいどのような悩みを抱えているのでしょうか? 転職するなら今の悩みは解消したいですよね。皆さんの悩みがどれに該当するのかをチェックし、それぞれに応じた転職活動の戦略を練ってみましょう。

今の不満・お悩みをチェック!

以下の10項目のうち、今の職場で一番悩んでいるのはどれでしょうか?

  1.  同僚や上司との人間関係に悩んでいる
  2.  勤務時間のわりに収入が低い
  3.  仕事と家事育児を両立するのが難しい
  4.  勤務先の看護理念や医療レベルと合わない
  5.  夜勤や準夜勤など不規則なシフト勤務がつらい
  6.  有給がとりづらく、残業が多い
  7.  やりがいが感じられない
  8.  医療事故の不安や責任の重さがストレスになっている
  9.  看護師以外の仕事に興味がわいている
  10.  肉体的もしくは精神的な健康障害がある

お悩みが1. の人は「人間関係改善のための転職」

人間関係は入ってみないとわからないので、とても悩ましい問題です。多くの場合、人間関係の良し悪しは病院の規模とは関係ありません。「大きな病院では派閥争いで疲れてしまうから」とアットホームな雰囲気の個人クリニックに転職すると、そこの院長と相性が合わずにつらい思いをすることもあります。

人間関係で悩んでいるなら、転職先を選ぶ際は、施設規模や看護師の人数よりも、運営状態やそこで働く看護師の層(年齢層や既婚未婚割合、子どもがいるかどうか、新卒入局者と中途採用の割合など)をチェックしましょう。

事前に患者として見学に行ってみる、転職サイトのキャリアアドバイザーに内情を聞く、面接の際にそれとなく聞いてみるなど、スタッフどうしの関係やそこで行われている業務内容のバランスを見極めましょう。

お悩みが2.3.5.6.の人は「条件改善のための転職」

「もっとゆったりと働きたい」「家事・育児と両立したい」「もっと稼ぎたい」という理由なら、希望する条件をかなえられるという視点で転職先を探すとよいでしょう。

ただ、先ほどのよくあるお悩みでも挙げたとおり、「夜勤がないと聞いていたのに夜勤をさせられた」「責任のない立場でゆるく働きたかったのに責任者にさせられた」など、「あらかじめ聞いていたのとは違う」というケースもよく見られます。このようなケースは、運営状況が悪く人材不足に見舞われている職場でよく起こるトラブルのようです。

また「給料が高いと聞いて転職したけれど、求められるスキルが高すぎた」ということもありますし、「育児と両立しやすい、時間の融通の利く職場に転職したけれど、給料が下がった」ということもあります。

大切なのは、求める条件の中でどれが譲れないのかをしっかりと見極めることです。自分の希望がすべてかなう転職先はそう簡単には見つかりません。譲れない条件はどれで、どの条件ならかなえられなくても目をつぶれるのかをしっかり把握しておくと、転職後の後悔度合いが減るでしょう。

お悩みが4.7.の人は「仕事内容改善のための転職」

「やりがい」とひと言でいっても、仕事のどこにやりがいを感じるのかは人それぞれです。

もし、もっとスキルアップしたい、医療の最前線でテキパキと働きたいと思うのなら、大規模な総合病院がおすすめです。

いろいろな科を経験してオールラウンドな看護師を目指したい、逆に一つの診療科で専門的な知識・スキルをより深く身につけたいなど、将来的なキャリアにつながる働き方ができるでしょう。ただし、業務量は多くなることは確かです。その一方で、1人の患者とじっくりと向き合うことにやりがいを感じるのなら、大きな病院よりも個人クリニックや緩和ケア病棟、訪問看護などの方がよいでしょう。

大きな病院では、看護師1人が担当する患者数が多くなるため、どうしても患者さんと向き合う時間が短くなりますし、看護師の業務も分業化されてしまいます。クリニックや緩和ケア、訪問看護では、接する時間が長く看護も長期間となるケースが多いので、患者一人ひとりとじっくり付き合うことができます。

お悩みが8.~10.の人「職種を変える転職」

責任が重く激務という看護師の仕事が、肉体的・精神的に自分のキャパシティを超えていると感じるのなら、看護師を辞めて他の職種に転職してしまうのも一つの手です。

ただ、ゼロから別の仕事を始めるのは、ハイリスクであることも確か。下記の記事を参考に、デメリットやリスクを十分に知ったうえで、辞めるのか、少し休むのかなどを決めるとよいでしょう。信頼できる人や転職サイトのキャリアアドバイザーなどの専門家に相談するのも方法です。

後悔しない転職をするためにやるべきこと

転職して後悔する人に共通しているのは、転職活動時に聞いていた条件と実際働いたときのギャップです。それをできるだけ小さくするためには、転職活動の際にやるべきことがあります。いったいどんなことなのでしょうか。

後悔しない転職の「情報収集」

転職活動の際には、求人票を正しく読み取ることが基本中の基本です。勤務時間には変則シフトがあるのかどうか、始業時間や終業時間、提示給料は夜勤手当などを含むのか・含まないのか、募集部署はどこか、業務範囲はどこまでかなどは見落としやすい内容なので、しっかり確認しましょう。

あらかじめ、基本給だけではなく夜勤の回数や夜勤手当、その他手当など求人票からはわからないこともキャリアアドバイザーに確認しておくと、入職後の月収や年収がイメージしやすくなります。

後悔しない転職の「内部情報」

勤務時間や勤務内容は、建前と本音が違うことが多いもの。転職してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、できれば事前に内部情報を知っておくことをおすすめします。

その職場の超過勤務がどのくらいなのか、なぜ超過勤務が生じているのか、スタッフの定着率はどれぐらいか、医師と看護師、看護師どうし、看護師と介護士の人間関係はどんな感じかなどは、求人票や面接ではわかりません。

事前に、その病院のことを知っている人に話を聞いたり、口コミサイトを見たり、転職サイトのキャリアアドバイザーに相談したりして内部情報を収集するのは肝心です。

後悔しない転職の「職場見学」

職場の雰囲気を知るためには、自分の目でしっかりと見ることも大切です。患者としてその職場を訪れ、スタッフの様子やナースステーションの様子を見ておきましょう。

たとえ求人情報では魅力的なことが書かれていても、殺伐とした空気が漂っていたり、スタッフの表情が暗かったり、患者に対してずさんな対応をしていたりと、何か引っかかる点があるようなら、その直感は大切にして転職する際の判断材料にしましょう。

まとめ

仕事は辞めたい、でも転職しても今よりいい職場なのかどうかわからない…。そう思って転職を躊躇(ちゅうちょ)する人は多いもの。実際に転職後に後悔している人もたくさんいます。

自分の希望がすべてかなう転職先はありませんが、転職で何を実現させたいのかを明確にしていれば、後悔するポイントは少なくなります。また、転職活動を行う際は、求人票をしっかり読むことはもちろん、内部情報のリサーチや職場見学なども行い、なるべく転職後のギャップが少なくなるように活動することも大切です。