[ 記事作成日時 : 2016年6月28日 ]
[ 最終更新日 : 2020年2月6日 ]

看護師が糖尿病療養指導士になるには? 合格を勝ち取る方法も紹介

看護師のキャリアアップ

※本記事は、提携する企業のPR情報が含まれます。掲載するサービス及び掲載位置に広告収益が影響を与える可能性はありますが、サービスの評価や内容等は当サイトが独自に記載しています。

看護師としてのキャリアアップのため「糖尿病療養指導士」はおすすめの資格です。

糖尿病大国である日本で、糖尿病療指導士はとても貴重な存在です。

この資格があれば、看護師としての可能性も大きく広がるはずです。

しかし、糖尿病療養指導士になるにはどうすればいいのでしょう?

このページでは、資格試験の内容、合格までの流れ、勉強方法について詳しく説明します。

糖尿病療養指導士に興味がある方はぜひ最後までお読みください。

      
転職サイト 総合評価・特徴
看護師転職サイトランキング1位看護roo!ロゴ
看護roo!
星の数4.4

・累計利用者数50万人以上
・どこよりも詳しい病院情報提供
>>>公式サイトはこちら
看護師転職サイトランキング2位レバウェル看護ロゴ
レバウェル看護
(旧 看護のお仕事)
星の数4.3

・給与アップできる好条件求人も多数
・徹底したサポート力と待遇交渉力
>>>公式サイトはこちら
看護師転職サイトランキング3位ナース人材バンク
ナース人材バンク
星の数4.2

・高給与/好条件 非公開求人多数
・地域専任スタッフが求人の特徴を把握
>>>公式サイトはこちら

※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。

※当サイトは口コミの一部を掲載しています。

1.糖尿病療養指導士ってどんな資格?どうすればなれるの?

糖尿病療養指導士の意義、目的

現在、日本では糖尿病の患者数が増え続けていますが、糖尿病の専門医は患者数と比較すると非常に少なくなっています。

そこで、糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を持って医師の指示のもと患者により専門的な療養指導を行うことができる医療従事者に対して与えられる資格となったのが「糖尿病療養指導士」です。

糖尿病療養指導士(CDE資格者)と日本糖尿病療養指導士(CDEJ)の違いは?

糖尿病療養指導士には、おおまかに分けて二種類の資格があります。

それが、「地方の糖尿病療養指導士」と「日本糖尿病療養指導士」です。

英語表記では、地方の糖尿病療養指導士を「LCDE」、日本糖尿病療養指導士を「CDEJ」と呼んで区別しています。

CDEJは受験資格が厳しいのに対し、LCDEは地域によって独自に受験資格が定められており、LCDEのほうが受験資格が緩和されているという特徴があります。

そのため、より難しいCDEJを取得している方が、特に糖尿病関連の医療施設に転職する際は有利になる、ということが言えます。

資格を認定する「日本糖尿病療養指導士認定機構」とは?

日本糖尿病療養指導士認定機構は、民間が独自に行っている資格ではありません。

日本の糖尿病に深くかかわる、三つの一般社団法人である「日本糖尿病学会」「日本糖尿病教育・看護学会」「日本病態栄養学会」が協力し、設立された一般社団法人です。

設立された背景には、患者さんの健康と福祉の向上を目的に、糖尿病に対しより専門的な療養指導が行える医療従事者の育成が重要であるとされたからです。

2.糖尿病療養指導士の受験資格は?

受験資格について

糖尿病療養指導士の受験資格は、以下の通りです。

  1. 看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれの資格を取得していること
  2. 下記の1.2.3.の条件をすべて満たしている医療施設において、現在または過去10年以内に2年以上継続して糖尿病患者の療養指導業務に従事した方で、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導を行ったこと
    1. 当該施設に勤務する、以下の(イ)、(ロ)のいずれかに該当する医師が、糖尿病療養指導にあたり受験者を指導していること
      • (イ)常勤または非常勤の日本糖尿病学会専門医(非常勤お場合、勤務は月1回以上)
      • (ロ)日本糖尿病学会の会員で糖尿病の診察と療養指導に従事している常勤の医師
    2. 外来で糖尿病患者の診療が恒常的に行われていること
    3. 糖尿病の患者教育、食事指導が恒常的に行われていること
  3. 受験者が(2)の「糖尿病療養指導業務に従事した期間」に当該施設で携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること
  4. 本機構が開催する講習会を受講し、受講修了証を取得していること

療養指導時間とは?

ここで難しいのが、「療養指導時間」の定義です。

糖尿病療養指導士の認定機構による「療養指導時間」とは、「糖尿病療養指導の業務に従事していた期間」ではなく、直接糖尿病患者に対して療養指導を行った時間のみ、と定義されています。

つまり、「糖尿病の病棟に勤務していた」期間、というわけではなく、実際に「糖尿病の患者に指導をした時間」のみを計算して1,000時間以上行っている方が、受験資格を有するということになります。

単純に計算して、一日の中で2時間、糖尿病の患者さんに対して療養指導をしていたとしても、1,000時間ということは500日以上必要である、ということです。

在籍施設とは?

「在籍施設」とは、自分が働いている職場を指しています。

そして、その在籍施設への勤務経歴についても規定があります。

異動、転勤、退職、再就職などにより、業務に従事する施設を変更した場合、変更前後ともに先ほど説明した受験資格の条件をすべて満たす施設で引き続き糖尿病患者の療養指導業務に従事していた場合のみ「継続して業務に従事している」こととして申請できます。

この場合、変更前後の施設で従事した期間を合わせて継続2年以上であることが必要となります。

3.資格取得のために必要な研修とは?

看護師が資格を取得するために必要な研修

(資格取得については、看護師を含め受験資格のある医療従事者すべて同一のものとなります。

第1群、2群などは全て「資格更新」の事項となっています)

糖尿病療養指導士の資格を取得するためには、上記の受験資格をすべて満たす必要があります。

そして、その一つが糖尿病療養指導士認定機構が主催している「研修」に参加し、修了証を取得することです。

講習は平成28年現在eラーニング化が勧められていますが、日本各地で講習会も開催されており、約2日間にわたって計8時間の講習が行われます。

資格更新の場合は、保有資格別に必要単位数や受ける研修が違います。

栄養士や准看護師は糖尿病療養指導士になれない?

ここで重要となるのが、自分が取得している資格についてです。

日本糖尿病療養指導士において、栄養士や准看護師の方も受験できたのは第5回までで、それ以降の試験では受験資格がありません。

理由についてはっきりと明言はされていませんが、栄養士や准看護師の方が糖尿病療養指導士を目指す場合には、まず管理栄養士、看護師の資格を取得することから始める必要があります。

4.資格取得に必要なレポート

レポートの書き方

糖尿病療養指導士を受験するためには、自分が担当した糖尿病の療養指導について「自験例」というレポートを10例提出する必要があります。

このレポートは資格取得のための試験とともに資格試験の合否にかかわるもののため、早めに準備しておく必要があります。

糖尿病療養指導士の自験例とは?書き方は?

では、具体的に「自験例」とはどういったものなのでしょうか?

自験例は糖尿病療養指導士認定機構が指定したフォーマットに書き込む形になっているため、一から内容を作成する、というものではありません。

  • 平成28年現在、自験例は手書きで行うもののほかに糖尿病療養指導士認定機構のHPより一定期間のみですが専用サイトにて直接入力することも可能です。(ただし講習会受講者のみ)
  • 内容としては、指導した患者さんの「療養指導開始時の状態や身体所見」、「医師の治療方針(食事、運動、薬物療法の有無とその内容)」「症例に行った療養指導」をそれぞれ書き込みます。
  • 療養指導については、10症例それぞれ違うアプローチ方法を書くとより合格に近づくようです。

    例えば、インスリンについての指導についてでも、初回導入の方、すでにインスリン導入後だけど手技不良の方、など、一言では同じ「インスリン」についてでも、患者さんの状態が違う、というようにするとよりよくなります。

5.資格認定試験について

試験内容は?

糖尿病療養指導士の試験は、以下の通りで実施されます。

  • 開催日時…毎年おおむね3月の第一か第二日曜日
  • 開催時間…午前、午後合わせて4時間
  • 試験内容…マークシート式にて実施
  • 合格基準…試験終了後、正答率と識別指数(試験内容が成績上位者と下位者を判別できるかどうかを示す指数)を考慮して採点対象問題を抽出し、定められた合格基準に達しているかどうかのため、毎年合格基準については変動があります。

受験申請から受験票の受け取り、合格発表までの流れ

糖尿病療養指導士の受験申請から合格発表までの流れは、以下の通りです。

  • 6月~7月中旬:講習会受講申し込み
  • 10月~11月:講習会受講
  • 11月~12月:受験申込、必要書類提出(自験例含む)
  • 1月:受験審査(必要書類に不備がある場合、この時点で受験資格がなくなります)
  • 2月:受験票発送
  • 3月:認定試験(全国7か所で実施)
  • 5月:合格発表

合格後の手続き

合格者は後日、認定証とともに認定バッジが送付されます。

そのため、改めて何かに登録する、といったことはありません。

また合格者氏名はホームページに掲載されるほか、各糖尿病学会の会報にも掲載されます。

6.糖尿病療養指導士の試験は難しい?

糖尿病療養指導士の合格率は?

糖尿病療養指導士の合格率は過去5回のデータをみると74%から91%と、開催年によってかなりのばらつきがあります。

糖尿病療養指導士の資格は、受験資格の厳しさや自験例を10例作成することの大変さなどから受験すること自体が難しくなっている一方で、試験そのものについては、過去問や対策用の問題集も出版されているので、それらを反復して勉強すれば、おおむね合格できるものかと思います。

私自身、受験した感覚としては看護師国家試験の難易度に似ていると感じました。

試験に落ちてしまったら

試験に不合格となった場合、翌年に限り講習会受講は免除となりますが、それ以外は免除となりません。

そのため、再度必要書類を作成し、提出する必要があります。

その中には「自験例」も含まれています。

自験例の内容も試験の合否に深くかかわっているため、「試験に合格しなかったのはマークシートでの試験の出来が悪かったかもしれないから」と自験例をおろそかにしてしまうと、合格は遠のいてしまう可能性があります。

7.目指せ合格!おすすめの勉強法は?

糖尿病療養指導士ガイドブックとは?

糖尿病療養指導士ガイドブックとは、糖尿病療養指導士認定機構が出版しているもので、10月に開催される講習会のテキストとして使用されるだけでなく、3月に行われる認定試験は、このガイドブックから出題されています。内容は毎年更新されており、糖尿病の療養指導を行う上で把握しておくべき知識が掲載されています。

そのため、糖尿病療養指導士を目指す場合は必ず購入するべき書籍となっています。

講習会やセミナーに参加しよう

糖尿病療養指導士の試験そのものについての講習会やセミナーはありませんが、全国では糖尿病に関する講習会やセミナーが多数開催されています。

特に地域の糖尿病療養指導士がある地域では、比較的安価、そして近隣で多数の講習会やセミナーが開催されていますので、今お住まいの地域に糖尿病療養指導士を認定している機関はあるかどうか、確認されることをお勧めします。

試験対策! 過去問題集は参考になる?

糖尿病療養指導士の試験対策として、過去問や予想問題集も出版されています。

私の場合は、まずガイドブックを熟読することから試験対策を始めました。

理解できなかったところは自分で調べてガイドブックに書き込む、ということを行い、2月に入ってからは過去問題集や予想問題集を繰り返し何回も解きました。

そうすることで、「こういったことが大切なのか」という部分が見えてくるため、知識不足の点を再度ガイドブックに戻って確認する、ということを何回も行うことで、無事に合格することができました。

8.合格後に知っておきたいこと

バッジの紛失届と再交付

糖尿病療養指導士である証明として交付される「バッジ」ですが、紛失してしまった場合、認定機構のHPにある書類をダウンロードし、バッジ代金分の切手とともに認定機構に郵送することで再交付されます。

住所や名前が変わったら

住所や名前が変わった場合にも、届け出が必要です。

認定機構のHPにて「登録変更届用紙」がダウンロードできますので、そちらをダウンロードし、記載したのち郵送することで、届け出完了となります。

認定更新にはセミナー参加が必要?

糖尿病療養指導士の場合、資格取得の他に大変だと言われているのが認定更新手続きです。認定更新は5年ごととなっているのですが、その際に以下の条件があります。

  • 糖尿病療養に従事していること
  • 更新用の講習を受講していること
  • 認定更新のための研修単位を取得していること
  • (第一群と呼ばれる自分の医療職研修20単位と、第二群と呼ばれる糖尿病療養指導研修20単位、両方が必要となります。これらの研修は認定機構が指定したもののみとなります)

  • 自験例を10例以上提出していること
  • これらすべてをクリアしていないと、認定を更新することはできません。

更新ができないのはどんなとき?

糖尿病療養指導士の更新についてはかなり厳しい条件のため、中には家庭の事情などにより、更新が難しい場合もあるかと思います。

その場合、最長2年まで更新を延長することが可能となっています。

ただし、延長手続きをせずに放置してしまうと資格そのものが失効となってしまうので、注意してください。

この記事を監修した人
はる
地方の公立大学病院小児科病棟で2年勤務したのち看護師をやめ都内のIT企業に転職。結婚を機にUターンし専業主婦となる。10年のブランクを経て訪問看護師として復職。その後、急性期病院の外来・救急外来勤務を経て、療養型病院の病棟師長として勤務。家族の都合により上京後は回復期リハビリ病棟に勤務。看護師として通算15年以上の臨床経験がある。現在はココナスにて記事の企画、監修をはじめメディア運営を行う。
監修者プロフィールはこちら

※ランキング評価の詳細は看護師転職サイトおすすめランキングの記事で紹介しています。

※ページ内の求人数は職種別に集計しています。