胸部・腹部の聴診からわかること

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聴診とは

聴診器を用い、身体の内部を観察することが聴診と言います。 集音部(患者さんにあてる側)は、ベル型と膜型があり、ベル型は低音、膜型は高音の集音に適しています。呼吸音、心音、腹部音の聴取が出来ます。正常な音やリズム、規則性を知っておくことで異常との判断が出来、迅速な診断や治療への移行へと進むことが出来ます。いつもと違う、何か違うとの異変をつかみ取る観察力も必要となります。

呼吸音の聴取

  • 前胸部、背部の順に聴取し、呼気と吸気の両方を聴取します。「吸って~吐いて」と患者さんの呼吸運動を促します。
  • 気管呼吸音(気管周囲)、気管支呼吸音(第二肋間周囲と肺尖部、肩甲骨間)、気管支肺胞呼吸音(肺野全体)、肺胞呼吸音の4か所を左右聞き分けます。左肺は、上葉、下葉、右肺は上葉、中葉、下葉聴取を行います。(下葉は、聴取しにくく、併せて側胸部や背部の聴取が必要となります。)

呼吸音の異常の判断

  • 呼吸音の減弱や消失:気胸、胸水、肺気腫、無気肺など
  • 吸い込む力と吐き出す力が低下したり無くなったりしていることが考えられます。

  • 呼吸音の増強:肺線維症による呼吸困難、気管支炎など
  • 一生懸命吸い込もう、吐き出そうとした結果起こしていると考えられます。

  • 呼気の延長(吐き出す時間):気管支炎、COPDなど
  • 肺の炎症や、硬化により吐き出す力が弱まったり、肺の膨張や収縮機能が悪くなりコクが長くなったと考えられます。

  • 気管支呼吸音化:胸水、無気肺、肺炎など
  • 肺音の伝搬により、肺胞呼吸音が聴取できるはずの肺野や下肺において気管支呼吸音が背部や側胸部で聴取します。

肺雑音の種類と疾患

  • 連続性ラ音(乾性ラ音)
  • 気道狭窄により起こります。

  • 笛声音(ヒューヒュー、ピューピュー:高音)
  • 気管支喘息

  • いびき音(ボーボー、グーグー、ブーブー:低音)
  • 慢性気管支炎

  • 断続性ラ音(湿性ラ音)
  • 気道や肺胞に液体や痰の貯留等があり、呼吸による空気通過時に発生します。

  • 水泡音(プツプツ、ボコボコ)
  • 慢性気管支炎、進行性の肺水腫

  • 捻髪音(パリパリ、バリバリ、チリチリ)
  • 肺線維症

  • 胸膜摩擦音(ギューギュー、ギュッギュ)
  • 胸膜炎など

  • 喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)
  • 喘息など

心音の聴取

心基部(大動脈弁、肺動脈弁領域)から、胸骨左縁に沿い下方へ聴取し、三尖弁領域、僧帽弁領域(心尖部)と聞き進めていきます。聴取時は、患者さんと聴取者自身の呼吸を止めることが原則です。

心音の基本

  • Ⅰ音:心室収縮期の開始音。房室弁閉鎖により、持続時間が長く、鈍い音。(心尖部)
  • Ⅱ音:心室拡張期の開始音。半月弁閉鎖により、持続時間は短く、高音。(心基部)
  • 第二肋間胸骨右縁(大動脈弁領域)、第二肋間胸骨左縁(肺動脈弁領域)、第四肋間胸骨左縁(三弁尖弁領域)、心尖部(僧帽弁領域)を聴取します。

  • 正常の心音
  • Ⅰ音-Ⅱ音は、「ラブ-タップ」と聞こえます。Ⅰ-Ⅱ音間隔は収縮期、Ⅱ‐Ⅰ音間隔は拡張期となります。Ⅰ音は心尖部、Ⅱ音は心期部で良く聴き取れます。)
  • Ⅱ音は、半月弁の閉鎖による音で、動脈弁成分(ⅡA)と肺動脈弁成分(ⅡP)の二成分によりなります。正常では、ⅡAがⅡPよりやや早く発生し、ⅡA・ⅡPの分裂は、吸気時の終わりに明瞭化されます。これは、吸気時に静脈環流が増加し、右室の一回拍出量が増加することでⅡPが遅れ、左室駆出時間は反対に、少し収縮してからⅡAが前進するために起こります。)

腹部の聴診(腸蠕動音)

おへそ周囲を4分割して順に聴取します。1か所を1分、蠕動音の確認が出来ない場合は、5分間聴取します。 腸蠕動音とは、腸内のガスや液体が移動するときに動く共鳴音です。正常では、5~35回/分聴取します。5秒から15秒に一回グルグル、ゴロゴロというような音が聞こえます。

  • ①右下腹部
  • ②右上腹部
  • ③左上腹部
  • ④左下腹部

腸蠕動の異常

亢進動きすぎ・・・下痢、イレウスの初期、感染性胃腸炎に起こります。閉塞性イレウスでは、金属音(カンカン、キンキンなど)が聴取できます。
減弱活動低下・・・便秘、麻痺性イレウス、腹膜炎の可能性や手術による腸管運動低下
停止5分以上蠕動音が確認できない・・・腸管運動麻痺、麻痺性イレウス
振水音チャプン、チャプン・・・イレウスなどで多量の液体とガスが貯留する時に発生します。

聴診は、呼吸器、循環器、消化器の疾患の診断や症状確認の為に有効です。まずは、正常を十分に熟知し、異常時との判断が出来ることが重要となります。何かおかしいと感じたら、聴診とともに、随伴症状や他覚症状の確認を持って診断を行うことが必要です。呼吸器では、他の自覚症状の有無、呼吸状態やSPO2の測定や四肢末梢の循環状態や血色等を確認します。循環器では、水分出納バランスや自覚症状の有無、末梢の循環状態や冷感などの観察も行います。消化器では、排便状態や食事内容や摂取量、水分摂取や他の自覚症状、腹部の張り具合などを確認します。聴診のみでは判断できないことも、あらゆる情報源から、聴診が診断の手掛かりとなる場合があります。

 
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